ソードアート・オンライン一紅き魔剣士と冥界の女神一   作:ソル@社畜やってます

2 / 35
詩乃(シノン)お誕生日おめでとうー!!
( ・ω・)ノノ″☆ パチパチパチパチパチ
仕事が変わらず忙しかったんでかなり急ぎ足で書いたけど、とにかくお祝いさえできればよかろうなのだー!!



特別編 Happy Birthday Sinon!(←NEW)

「全員ちゃんとクラッカー持ったかー?」

「おう、バッチリだぜ」

「なんか、こう…ドキドキしますね」

「あ、ごめん落としたの探してる…ちょ、暗くてよく見えないから誰か明かり頂戴!」

「何してるんですか里香さん!」

「もうすぐ来るっていうのに!!」

「いや、ホントにごめん…あ、あったわ!」

「ユイ、バレないように一旦画面消しておいてくれ」

「はい!わかりました!」

「ストレアもな。絶対にドジやらかすなよ。振りじゃないからな」

「大丈夫。わかってるよ、にぃに」

「お前がにぃにって呼ぶな、気色悪いから」

「ほら、みんな静かにして!もうすぐ来るよ!」                 

 8月21日。今日は私、朝田詩乃の誕生日だ。でも、今私は何かをするわけでもなく直葉と一緒に使ってる部屋のベッドで寝転びながら小説を読んでいる。

 翠さんはいつも通り仕事だけど、何の不幸か私以外の全員が予定があると言って出かけてしまっている。

「…はぁ」

 自惚れていたとでもいうのだろうか。これまでろくな誕生日を過ごしてこなかった私は、正直なところ仲の良い人全員とまではいかなくても一緒に暮らしている人か、もしくは利久だけにでも祝ってもらえるのを心の中で期待していた。しかし、現実は非情だった。

「…」

 小説を読み終えて本棚に戻した私は、そのまま利久の部屋に入ってベッドにダイブする。利久の使っている布団をかけて、利久のお気に入りの巨大ニャンコ先生ぬいぐるみを抱いて横になる。寂しくなったり、利久の匂いや温もりを感じたいときにはいつもやっていることだ。

 誕生日を祝ってもらえないのはやっぱり寂しい。利久、和人、直葉が出かけるときには無理やり笑顔を作って見送ったけど、いくら強がっていてもやっぱり私は弱い女だ。少し時間が経ってしまえばすぐにこうなる。

 これまではろくな人生を過ごしてこなかったけど、ようやく人並みの…いや、私からすればこれ以上ないくらい幸せな生活を送れるようになった。だからこれで我慢しておけ、という神様からのメッセージか何かなのだろうか?

「…寂しいよ…利久」          

 利久のベッドで横になっている間にどうやら私は眠ってしまったらしい。スマホの画面に表示された時刻は既に夕方近くになっていて、窓から見える空もうっすらとだけど夕焼け色に染まり始めている。

「夕飯の用意しなくちゃ…」

 利久たちが夕飯までに帰ってくるかは聞きそびれたからわからないけど、念のため全員分作っておこうと一階に降りてキッチンへと向かう。冷蔵庫を開ければ相変わらず充実した食材のラインナップで、パッと見ただけでも数種類のレシピが浮かんで結構迷う。

 和食にしようか洋食にしようか、それだけでもかなり迷っているといきなりスマホに着信が入って、私は着信音を聞いた瞬間電話に出る。電話の相手は、当然だけど利久だ。

「もしもし」

<あ、詩乃。今大丈夫か?>

「大丈夫よ。夕飯のメニュー考えてただけだから」

<ならよかった。急で悪いんだけど至急ダイシーカフェに来てくれないか?>

「ダイシーカフェに?何かあったの?」

<ああ…ちょっと、な>

 言い方は普通だけど、私には声色で利久に困惑や焦りがあるのがわかる。

「わかった、すぐ行くわ」

<急にごめんな、詩乃。待ってるから>

 夕飯の献立は頭から全部抜いて、私はすぐさま着替える。何があってもいいように服装は動きやすいカジュアルなものにして、靴も同じ理由でスニーカー。最後に最低限のオシャレ要素で、ホワイトデーの時に利久にプレゼントしてもらったネックレスを首にかける。これを身につけていると利久の存在をいつも近くに感じることができる。

「な~」

「ごめんね、ナツキ。少し出かけてくるからいい子でお留守番しててね」

 二つの容器にそれぞれ餌と水を十分に用意して、愛猫のナツキを撫でてから私は急いでダイシーカフェに向かった。                  

~同じ頃、ダイシーカフェにて~

「ふぅ…なんか、ごめん、詩乃」

 今日は詩乃の誕生日、ということで俺は見知った友人たち全員に声をかけて誕生日パーティーを計画した。

 当初は普通に家でやればいいと考えていたのだが、何を血迷ったのか女性陣が次から次へと案を出してはヒートアップし続けて行くうちに、気がつけばダイシーカフェでサプライズパーティーを開くことになっていた。サプライズであるが故に当然詩乃にだけは全部秘密で進行していき、今日も用事があると詩乃に嘘をついてやってきたのだ。

 そしてつい先ほどケーキの生地が焼きあがるまでの合間に詩乃を罪悪感を抱えながら電話で呼び出した。

「あ、利久くん。生地綺麗に焼けたよ」

「ん。こっちも詩乃は呼んだぞ」

 キッチンに戻ると綺麗な焼き色のホールケーキ生地が二つ、皿の上に乗っていた。参加している人数が人数なだけにホールケーキ一つでは足りないと判断して、思い切って二つ作ることにした。

 明日奈は一般的なイチゴと生クリームのケーキを、俺は様々なフルーツとチョコクリームのケーキをそれぞれ担当して作る。当然両方のケーキには詩乃へのメッセージ入りチョコプレートを飾るのを忘れない。

 他にはエギルさんが腕によりをかけたメニューを作っていて、残りのメンバーは会場の飾りつけをしている。現実でのパーティーだが、ユイとストレアは俺と和人のスマホの画面越しに参加する形になっている。

「ねえ利久君、どうかな?」

 明日奈が篦を手に持ちながらケーキの出来映えを聞いてきたので、率直に答えてこおく。

「いいと思うぞ。綺麗に飾り付けされてるし」

「本当?私ホールケーキ作るなんて初めてだから緊張したよ…」

「俺だってさすがにホールケーキを作ったことなんて無いから、さっきから緊張してるぞ…と、こんなもんかな」

 オレンジ、ブルーベリー、イチゴ、キウイといったフルーツで彩った俺謹製のフルーツチョコケーキも無事に失敗することなく完成した。初めて作ったわりには下手な店のものよりも味、質、見た目の全てが上だと思えるくらい我ながら上出来だ。

 さて、完成したケーキは一旦冷蔵庫に入れておいて後片付けをするだけなのだが…俺と明日奈の手にはそれぞれ生クリームとチョコクリームの入った絞り袋があるわけで…後はわかるな?他の全員には黙って余ったクリームを絞り口から吸うだけの簡単なお仕事です、はい。

「うぅ、これ背徳感がすごい…」

「でもこの背徳感があってこそ、クリームが三倍美味い!」

「そうだよね!」

 普段はこんなことは絶対にしない、というよりもする機会が無いからこそこういうのはやめられない止まらない。

ただし、かっ○えび○んは正直言うほどでもないと個人的には思う。どちらかというと堅○げポテ○とか、ピ○ポ○トとか、オレ○とか、ああいうのこそやめられない止まらないんだと俺は思う。…何を言っているんだろうか俺は。

 まあとにかく、飾り付けも終了したところでクラインとエギルさんがクラッカーを配ってから照明を全部落として、全員念のために店内のテーブル下やカーテン裏なんかに身を潜める。

 ちなみに詩乃がやってきたタイミングで照明を点けるのはどうするのかと言うと、エギルさんの奥さんが快く引き受けてくれました。わざわざ今日のパーティーのために店を一日中貸し切りにしてくれたり、本当に大人だなー、すごいなーかっこいいなー、憧れちゃうなー。         

-詩乃 side-

 約一時間かかってようやくダイシーカフェに到着した。しかし、カーテンが締め切られているのはまだしも、明かりがついていない上に入り口のドアの横には《本日貸切》と書かれたブラックボードがある。

「…?」

 なんだか私自信が思っていたのとは違う雰囲気に違和感を感じながら、恐る恐るドアをゆっくりと開けながら店内に入る。

案の定店内は真っ暗闇で、さすがに恐怖心が湧いて出てくる。

「利久…?私よ」

 どうすればいいのかわからないままその場で利久を読んでみる。

 すると次の瞬間、突然明かりが点灯してきらびやかに飾り付けがされた店内が視界に映しだされた。

「え、え?」

 リアクションをする暇もなくクラッカーの音と一緒に私のよく知るみんなの姿が色んなところから現れして、一斉に言葉を発した。

『詩乃(さん)誕生日おめでとう!!』

 私は思わずその場で立ったままポカーンとして、気がつけば涙がポロポロと溢れ出していた。

「え、ちょ、詩乃急に泣いてどうしたのよ!?」

「あーあー、里香が泣かせたー」

「詩乃さんを無理やり一人ぼっちにさせる計画なんか立てたせいで泣いちゃったじゃないですかー」

「最低だわー。俺もう友達止めるわー。武具店も二度と利用してやらないわー」

「ええ!?ちょ、違うのよ詩乃!私はただサプライズにしたほうが良いと思ってやっただけで、別に泣かせるつもりなんかこれっぽっちも…」

「違う、違うの…嬉しくて…」

 心の底から嬉しさがこみ上げてくる。こんな盛大に私の誕生日を祝ってもらえたのは、人生で初めてのことだ。

「みんな、ありがとう…」

 それから私の涙が収まるのを待って、みんなでエギルさん、利久、明日奈が腕によりをかけて作った料理の数々を美味しく頂いた。記念日という補正があるからなのか、いつも食べる料理よりもより一層美味しく感じられた。

 手料理を一通り堪能すると、みんなが用意していたプレゼントを順に渡してきた。ヘアアクセサリー、ブックカバー、栞、洋服、ペンケース、ポーチ、ブレスレット、スクラップブック…それぞれが思い思いのプレゼントをくれて、私の心はまた嬉しさで一杯になった。そんな中で、メインイベントと言わんばかりに利久が最後に花束とプレゼントを持ってきてくれた。

「詩乃、改めて誕生日おめでとう」

「ありがとう、利久」

 利久が手渡してくれた花束は青いプリムラとアイリス、イカリソウでとても綺麗なものだ。あまりこういうプレゼントはしないと思ってたから予想外だったけど、愛する人からのプレゼントはとても嬉しい。

「それと、これも」

 利久に渡されたもう一つのプレゼントである小さめの箱を開けると、そこには外側が黒で内側が白色の革ベルトで青い文字盤の腕時計が入っていた。文字盤の奇数の部分は小さな宝石で装飾されていて、あまり詳しくない私でもそれなりの物だというのがわかった。

「ありがとう。大事にするわね」     

 その後、SAOでもあったエギルさん特製超激辛入りピザのロシアンルーレットが再び行われてまたクラインが見事に当たったり、利久と明日奈の手作りケーキのトッピングを巡ってちょっとした争いが勃発したり、全員参加の景品付きミニゲーム大会もあったりして、今までに体験したことないとても楽しい誕生日になった。

 11時を回ったところで、酒を飲みたかったらしいクライン以外は全員帰宅することになった。みんなに貰った誕生日プレゼントを抱えながら利久、和人、直葉と帰宅すると、一足先に帰宅していた翠さんから私宛ての荷物を受け取って部屋で開封した。

荷物は実家のお母さん、おばあちゃん、おじいちゃんからで、それぞれのメッセージが入ったバースデーカードとプレゼントが入っていた。再び嬉しさがこみ上げてくるのを感じながら、今日あったことを電話で伝えると、お母さんがまるで自分のことみたいに喜んでいた。

 利久に貰った花束は部屋にそれぞれ一本ずつ、残りは玄関にリビングで花瓶に入れて飾ることにした。みんなに貰ったプレゼントも大切もしまって、シャワーを浴びて就寝準備をすると眠気が襲ってきたので素直に従うことにした。

 ベッドで横になっていると、ふと疑問が浮かんできた。利久のくれた花束は本当にただの誕生日プレゼントだったのか。あまりキザな真似は好まないって言っていたのに花束のプレゼントくれた。もしかして、あれはただのプレゼントじゃないのかもしれない…そんなことを考えてる内に、私は完全に眠気に身を委ねた。        

(ところで利久。お前のプレゼントした花ってなんだっけ?)

(プリムラとアイリスとイカリソウ)

(えーと、プリムラ…アイリス…イカリソ…ウ…うわぁ…)

(何も引くことはないだろ)

(いや普通だったら引くぞこれ…初めていつもと違う意味でお前のこと怖いと思ったぞ)

(本当はブーゲンビリアとジャスミンも入れたかったんだけどな)

(ブーゲンビリアにジャスミン?…っておい…おい)

(ニヤリ)

(双子の兄ですが弟が色々な意味で怖いです…)




なんで花言葉ってトチ狂ったようなの結構あるんだろうね?
今回話の中に出てきた花の花言葉はわりとマイルドなのを選んだけど、どう考えてもヤンデレです本当にありがとうございました。                  
ところでゲーム軸のSAOにGGOが来るの確定して心底驚いた件。いや、まさか来るとは思ってなかったもんで…まあ元々フリーダムなこの作品自体には何も影響無いんだけれども。
タイトルだけは友人から聞いたんですけどゲームの内容とかはまだ知らないんで、従来のと同じ感覚でプレイできるのか、少しでもFPSっぽくなるのかが非常に気になるところ。正直FPS苦手なんで従来と同じかんじになってくれてると助かりますね。しかし、GGOということはキリ子でザザを斬殺しまくれと受けとればいいんだな?そしてキリシノなストーリーを楽しめということだな?そうだな?コノシュンカンヲマッテイタンダ-!!                    


さて、いつも読んでくださってる常連の方達にはこれからの話の流れを教えておこうと思います。というか俺が万が一忘れないようにするためでもありますけど…
まず今やってるガールズ・オプスの水着回があってから、ALOvsGGO→シリアス話→キャリバー編→ガールズ・オプス3~4巻の話、とここまでは確定してます。
シリアス話こと名付けて復讐編(仮)は、考えてる限りはグロ要素もあるので前書きで要注意入る可能性大です。なんの復讐なのかっていうと…まあ、この作品読んでる人なら誰が誰に復讐するのかわかると思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。