霊夢達が話し合いを始めてから、西暦換算で1時間30分以上が経過したが、状況は一向に進展していなかった。
そんな時、咲夜がある提案をする。
「一つ提案があるのだけれど、時の回廊の中からタイムホールを調査してみてはどうかしら? もしかしたら、新たな発見があるかもしれないわ」
「一理あるわね。私は賛成よ」
「良いと思うぜ。ちょっと行き詰まってるからな」
「異論は無いわ」
「決まりね。では時空A*1に繋がるタイムホールの近くまで移動するわ」
咲夜が指を弾くと、彼女を中心に展開されていた十層の時計魔法陣が動き出し、範囲内の8人の少女と共に過去方向へと飛んで行く。周囲の四季景色は、人間の動体視力では捉えられない速さで変化していった。
「凄い……! もう紀元前1億年を越えているわ!」
「ああ。これが完全なタイムジャンプ魔法なんだな」
霊夢とマリサは明後日の方角を見ながら驚きの声を上げていた。詳細な時刻は不明なままだが、マリサが1分で約100年の移動ペースだった事を考えると、驚異的な速さだと紫は感じていた。
やがて遥か前方に、捻じ曲げられた二つの空間が重なった状態で出現する。それは四季景色と時間軸を分断しており、一目でメビウスの輪の特異点だと分かるものだった。
「おお……。なんだかすごいことになってますね」
「あら、メビウスの輪ってこうなってるのねぇ」
文は写真を撮り、輝夜は感心したように頷いている。
第一空間にはアプト星の摩天楼、第二空間には幻想郷の魔法の森上空が映し出されており、西暦215X年10月1日から侵入した時の事を思い出した紫は咄嗟に視線を外しながら叫ぶ。
「あれを見ては危険だわ!」
「どうした紫?」
キョトンとする隠岐奈。紫の意図をすぐに察した咲夜は、「大丈夫よ、八雲紫。この魔法陣は情報の侵食も防ぐから、同じ事は起きないわ」
「……確かにそのようね」
じっと前方を見つめた紫は安堵の息を吐く。
その後、彼女達は時空Aに繋がるタイムホールの手前に着地する。霊夢は空の果てまで続くタイムホールを見上げながら呟いた。
「至近距離で見ると迫力が凄いわね」
「右を見ても左を見ても、ずっとタイムホールが続いていますね。どうしましょうか霊夢様?」
「あっちの雪原を調べましょうか」
「んじゃ、私はタイムホールを直接調べることにするかな」
「ふふ、どこを見ても写真映えしそうですね」
「魔法陣から出ないように気を付けなさいよ」
咲夜の言葉を皮切りに、8人の少女は各々調査を開始する。
マリサはタイムホールの目前に立ち、境界面に手をかざしながら呪文を唱えていたが、やがて詠唱を止め、困った表情で首を振る。
霊夢と杏子は道路の端に立って、雪原の地平線の果てを見つめながら話し合っている。杏子が雪面を触ろうとしたところで、霊夢が制止する場面もあった。
咲夜はタイムホールに向かって右腕を伸ばし、手首から先まで突っ込んだところで、何かの感触を確かめるように右腕を動かし引っ込める。輝夜は咲夜と話しながらタイムホールの境界面を触り、僅かに首を傾げた。
隠岐奈は怪訝な表情で始まりの時計塔を見上げ、思索に耽っている。文はタイムホールから調査中の霊夢達に至るまで、カメラのレンズを向けてシャッターを切り、熱心に記事の下書きを書く。
紫はマリサと咲夜の間に立ち、能力の行使を試みるものの、どれだけ捜しても境界が見つからず、干渉できなかった。それはおろか、時の回廊内のあらゆる空間・物質に境界が無いことに気付く。
(霊夢や私の境界は見えるわね。ということは、時の回廊そのものが時の概念に包括されているのかしら)
紫は考え込むものの、根拠に乏しい仮説ばかりが浮かび上がり、解決策を見いだすことができなかった。
その後全員がタイムホールの前に集合し、マリサが咲夜に問いかける。
「どうだ、咲夜? 何か分かったか?」
「駄目ね。タイムホールも含めて、ここは幻想郷とは異なる時間法則で成り立っているみたい」
「そうなのか?」
「何度か試したけれど、時間操作できなかったのよ。私の操れる〝時間”の範囲外ですわ」
「なるほどな。輝夜は何か掴めたか?」
輝夜は首を振り、「本質的に、私の力は咲夜や魔理沙のような分かりやすい能力ではないわ。未来の魔理沙に指名された時、内心驚いたくらいなのよ」
「へぇ……、紫はどうだ?」
「この場所は時間の概念そのものと言えばいいのかしら。どこを見ても、操作できる〝境界”が全く無いのよ。お手上げですわ」
「うーん、そうなのか。霊夢と杏子は?」
「よく分からなかったわ。さっきからずっと考えてるけど、いい案が全然思い浮かばないし。いつもみたいに、異変の黒幕をぶっとばして解決だったら楽なんだけど」
「私は何も分かりませんでした……。すみません」
マリサは隠岐奈に視線を送るが、「特に言えることは無いな」と否定し、文は「私は専門外なので話を振られても困りますし、むしろ此方が色々質問したいくらいですよ」
「うーん。やはりもう1人の〝私”じゃないと駄目なのか?」
「時空Aの魔理沙が私と輝夜の能力をどう活用するのか見当もつかないわ。そもそも、私の能力は他者に使用することはあっても、使用されることはできないのよね」
「私も咲夜と同じ意見よ。時間という主観的な概念を魔理沙がどのように操作するのか、非常に興味深いわ」
「ふむ……そうか」
「貴女こそ何か良い案は無いのかしら? 同じ〝霧雨魔理沙”なのでしょう?」
咲夜の逆質問に、マリサは首を振る。
「確かに彼女は〝私”だが、境遇や人生観が違いすぎて想像が及ばないな。私にも確固たる意志はあるが、彼女程強い芯を持った生き方はできないし、タイムジャンプも使えないぜ」
「でもさっき使えてたじゃない?」
「あんなもん、側だけ真似た偽物だ。タイムジャンプ魔法は魔法式もさることながら、非常に高度で精密な理論に基づいて構築されている。悔しいが私の能力では、本来の性能の10%も引き出せてないだろうな」
「貴女がそこまで言うなんてね」
マリサの言葉に、咲夜は目を丸くしていた。
「そもそも、時間とは一体なんなのでしょうか。私には到底理解が及びませんねぇ」
文が手帳を睨みながら皮肉めいた口調で呟くと、マリサは思いついたように言った。
「そうだな。この際だから『時間とは何か?』について、各々の持論を語ってみないか? もしかしたら新たなとっかかりが生まれるかもしれないぜ」
「構わないわよ。まずは提言したマリサからね」と紫。
「いいぜ。私の考えだと、時間とは即ち〝今”だ。過去は今を構成する土台で、今の積み重ねが未来になるんだ。今を楽しむ事こそが、今を生きる私達に課せられた使命なんだぜ?」
「刹那主義ね」
「マリサらしいわ」
「なんかそれっぽい事言ってるけど、単に後先考えてないだけじゃない」
「うるさいぜ、霊夢。そういうお前はどうなんだよ?」
マリサに問い返された霊夢は、一拍考える素振りを見せて。
「私は……そうね。時間とは与えられた可能性と考えているわ。寿命という名の制限時間の中で、どれだけの可能性を見出して、より良い選択を行えるか。遠い未来で自分の人生の終着点を迎えた時、笑顔でいられたら良いわね」
「ほぉ」
霊夢の答えにマリサは感心したような声を出す。紫も内心では感心していたが、一つ注文があった。
「霊夢。その考えは立派だけど、妖怪になるつもりなら生の終わりを考えすぎては駄目よ。多少の例外はあれど、基本的に妖怪は強い生への執着があるの。強く意識しすぎてしまうと、妖怪としての自己同一性を失ってしまうわ」
「ん、気を付けるわ」
霊夢は短く頷き、咲夜が一歩前に出る。
「次は私が話すわね」
「まあ待て、咲夜は最後だ」
手で制止するマリサに、咲夜は問いかける。
「どうしてよ?」
「この場にいる人妖の中では、恐らく真理に一番近い答えを出すだろうからな。それじゃつまんないだろ?」
「なによそれ」
咲夜は呆れた様子で苦笑しながら、一歩下がった。
「そういう訳で次は紫が語ってくれ」
「どういう訳よ? まあ構わないけど」名指しされた紫は一瞬で頭の中で考えを纏めて「私は……そうね。時間とはあるがままの存在。触れたくても触れられない、近くて遠い性質だと考えているわ」
タイムホールが開く異変が発生して以来、紫は何度となくタイムホールへの干渉を試みたが、悉く失敗に終わり、無力感を覚えていた。かつて自身が未熟だった頃を思い出し、やるせない気分に陥った事もあった。
だからこそ、今回の件について魔理沙にはきちんと責任を果たしてほしい。それが紫の率直な感情だった。
「お前らしいな。んじゃあ、次は文だ」
「あやや、どうしても言わなきゃ駄目ですかね?」
「なんだよ。言いたくないのか?」
「私は新聞の配達然り、原稿の締め切り然り、時間に追われる事が多いので良い印象が無いんですよねぇ。時計を睨みながら、時間なんてなくなってしまえばいいのにと思った事が何度あったことか」
愚痴をこぼす文に、霊夢がすかさず口を挟む。
「それって、あんたがずぼらなだけじゃないの?」
「あやや、酷いですね霊夢さん。貴女は記者の苦労を知らないからそんな事が言えるんです。締め切りが近づいているのにネタが無くて、それでも頭を絞って原稿を執筆しなければならない時の切迫感が分かりますか!?」
「知らないわよ。あんたが好きでやってる事じゃない」
「まあまあ、落ち着けよ文。それも充分な答えだぜ」マリサは霊夢と文を宥めた後「次は隠岐奈だ」と指名する。隠岐奈は予め考えていたのか、スラスラと語り始めた。
「私は人が決めた枠組みに過ぎないと考えている。私達は陽が昇っている時間を昼、陽が沈んだ後の時間を夜と定めているが、人間や妖怪が誕生する遥か前から時間は存在しているだろう?」
「確かにその通りだな」
「時間は観測者がいてこそ成り立つ概念ってことかしらね」
「その通りだ。分かってるじゃないか紫」
この場合の観測者とは一体誰なのか。言わずとも紫は察していた。
「次は杏子が話してくれ」
「は、はい!」
マリサに名前を呼ばれた杏子は、躊躇いがちに口を開いた。
「えっと、こんな答えで申し訳ないのですが、私は時間について、特に意識した事はないですね。私にとってはごく普通に日常的にあるものですから」
「ふむふむ、今代の博麗の巫女はなんとも平凡な答えですねぇ」
「でもそれ分かるわ。当たり前にあるものを意識したりしないし」
「大半の人は杏子と同じでしょうね。私もこんな機会が無かったら考えなかったし」
「霊夢様……!」
霊夢に共感されたことが余程嬉しかったのか、杏子は笑顔を浮かべていた。
「よし、次は輝夜だ」
「あら、私は咲夜の前座なのね」クスリと笑みをこぼした輝夜は、「私の能力を用いた解釈では、時間とは個々人が持つ意識の集合体。人間が時間の概念を定義づけた事で、時間は成立したわ。タイムトラベラーとは人々の意識から外れた調律者でもあり、時間の観測者でもあるわ」
「へぇ?」
咲夜は興味深げな視線を輝夜に送り、霊夢は「あんたの説だと、一人一人の主観によって流れる時間が違うみたいに聞こえるわね?」
「私の能力は須臾の時間を好きなだけ集めて、咲夜でさえも認識できない自分だけの時間を創りだすことが出来るわ。逆説的に言えば、人々の主観ごとに時間の流れは異なるのよ。イメージとしてはジャネーの法則が近いわね」
「端的に述べると、年齢によって体感時間が異なるという法則でしたわね。興味深いわ」
続けて、「私個人の意見を言わせてもらうと、時間は永遠に続く終わりのない檻ね。いつか解放される時が来ることを願っているわ」
「……おう。それが蓬莱人の答えか」
「空気を悪くしてごめんなさいね。私からは以上よ」
マリサは一度咳払いをしてから、咲夜を見据えた。
「――待たせたな、咲夜。お前の答えを聞かせてくれ」
咲夜は満を持して一歩前に出ると、愛用の懐中時計を皆に見せながら語り始める。
「私の時間を操る程度の能力は、時間の停止、加速、遅延だけではなく、空間を広くすることもできるわ。紅魔館がその最たる例ね」
「確かに、紅魔館って外観よりもずっと広いわね」
「私が博麗の巫女になって初めて訪れた時、先の見えない長い廊下に驚いた記憶があります。美鈴さんの案内が無ければ迷子になっていたかもしれません」
「つーか、今もじわじわと拡張してる気がするんだよなあ。まるでビックリハウスだぜ」
「つまり、時間操作と空間操作は等しいのよ。魔理沙のように完全な時間移動ができるなら、空間――即ち、世界を操作することも決して不可能ではないわ」
「はっ、世界ときたか。随分と大層な話になってきたぜ」
「世界……ね。これまでの魔理沙の歴史改変を考えたら、あながち間違いじゃないのかも」賛同する霊夢。
「全ての歴史を記憶し続けてるのは、魔理沙だけですものね」
「一体どれが正解なのかしら?」
「皆さんのお話を聞いて、ますます分からなくなってしまいました」
「正解なんて誰にも分からないわ。真実を知るのは、魔理沙と〝私”だけよ」
咲夜は始まりの時計塔を一瞥した後、用は済んだとばかりに懐中時計を仕舞い、一歩後ろに下がった。
「……結局、私達はどうしたらいいのかしら」
「遥か遠い過去の未知の惑星で、私達の能力も効かず、制限時間が28分となると、やれることがかなり限られてくるな」
「現地人に協力を要請しようにも、時間が足りませんからねぇ」
「言葉の壁という大きな問題もありますしね」
「そもメビウスの輪になる〝失敗”の未来が確定してる以上、現地の科学技術を用いても解決はかなり難しいでしょうね」
「せめて魔理沙がどんな失敗をしたのか分かれば、とっかかりが生まれるのに」
「あの、時の女神の咲夜さんに、魔理沙さんを消さないでーってお願いするのは駄目でしょうか?」
杏子は砂漠に建つ始まりの時計塔を見ながら提案するが、霊夢は首を振った。
「お願いを聞いてくれそうな雰囲気じゃなかったし、咲夜は頑固な所があるからね。余程の事が無い限り、一度決めたら何があっても最後までやるわよ」
「あら、私ってそんな風に思われてたのね」
「霊夢の発言はともかく、彼女の目には確固とした意志があったからな。ありゃ、本気でやる気だぜ」
「時空Aに行く前に、他の時間に行って解決策を捜すのはどうですかね?」
文の提案に咲夜は「無理ね。私が一時的に借りたタイムジャンプは、時空Aにしか移動できないわ」
「うーん、そうですか。いい案だと思ったのに残念ですねぇ」
「仮に好きな時間に行けたとしても、約39億年の膨大な時間から捜索するのは現実的では無いわ」
「はぁ……。結局の所、ここであれこれ議論しても、最終的には魔理沙の行動次第なのよね」
紫はため息を吐く。ままならないことばかりの状況に、彼女は少し参っていた。
「未来の魔理沙が話していたように、時空Aの彼女の〝閃き”に賭けるしか無さそうね」
「うーん、それが妥当なのかしらね?」
霊夢の発言に誰も異論を挟まない。
「時空Aの二分後に到着した後の私達の行動方針は、『直ちに魔理沙達と合流し、現地で起こり得る様々な不慮の出来事に臨機応変に対応しつつ、魔理沙を全力で支援する』で良いかしら?」
紫が全員の顔を見ながら問いかける。
「私は異論は無いわね」
「霊夢様に同じく」
霊夢は頷き、杏子も協調する。
「構わないわ」
「ふふ、どんな展開になるのか楽しみね」
咲夜と輝夜は落ち着いた様子で了承し。
「乗り掛かった舟だ。タイムトラベラーの魔理沙をこの目で見極めさせてもらおう」
隠岐奈は尊大な態度で答える。
「ちょっと不安だが、まあ仕方ないな。私が〝私”を信じなくてどうするって話だし」
そしてマリサは笑顔で、やる気を見せ。
「私は特にやれることが無さそうなので、現地の状況を克明に記録することにしますよ」
文は旧世代のデジタルカメラを見せびらかしていた。
「決まりね。魔理沙への説明は私がするわ」
「なんか説明だけで結構時間食いそうだな」
マリサの素朴な疑問に、紫は「私の能力で、これまで私が体験した出来事と、この場で話し合った内容も含めた記憶を一方的に送りつけるわ。理解は一瞬で済むはずよ」
「ほんと、境界を操る程度の能力って便利だな」
「咲夜、早速時間移動してもらえるかしら」
「ええ」咲夜は頷き、「準備はいいわね? 行くわよ!」と指を弾いた。
次の瞬間、彼女達は大空に放り出される。文は翼を広げ、マリサは空中で箒に跨り、紫は自らが開いた境界に腰かける。霊夢、咲夜、輝夜、杏子、隠岐奈は空気を踏むように浮かび上がり、じっと地上を見据える。
眼下には整然と区画整理された摩天楼が地平線の果てまで続き、少し遠くにはエメラルドグリーンの海が見えていた。
「はぁ~すごく大きな街ね。一体どれだけの人が住んでいるのかしら」
「全体的に灰色に統一されているのは寂しいぜ。もっと彩りが欲しいところだな」
霊夢とマリサの論評に、紫は「アプトは宇宙ネットワークが主体の星で、現実の街はただの飾りなのでしょうね」と呟く。
「ふむ、こんな状況でなければゆっくり観光しながら記事を書きたいところですが……」
「魔理沙はどこにいるのかしら?」
輝夜が超高層マンション群を見渡しながら呟くと、咲夜は言った。
「ちょうど私達の真下にいる筈よ。そうなるように時空指定したわ」
「……この高さからだと誰かいるのは分かるけど、顔までは分からないわね」
「では早速、突撃取材に行ってきます!」
文は翼を折り畳み、ツバメのように一直線に急降下していく。
「それでは霊夢様、お先に失礼しますね」
杏子は律儀に一礼した後、文の後を追うように飛んで行った。
「おお、速いな。私も負けてられないぜ! 行くぞ霊夢!」
「ええ!」
マリサは箒でかっ飛ばしていき、霊夢もそれに続く。咲夜と輝夜はアイコンタクトを交わした後、ゆっくりと降りていく。隠岐奈はいつの間にか姿を消していた。
眼下で何やら騒いでいる魔理沙達を見据えて、紫は境界を開く。
魔理沙に対して話したい事や訊ねたい事は山ほどあれど、まずは散々引っ掻き回された文句をつけたい。紫は境界から出現しながら、驚く魔理沙に向かって口を開いた。
「魔~理~沙~!?」
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回の話のラストは『第221話 (2) 魔理沙の記憶③ 余波』のラストに繋がっています。
『第222話 (2) タイムホールの影響①』から『第256話 (2) タイムホールの影響⑭ 試練のタイムトラベル(後編)(2/2)』までの『タイムホールの影響』とタイトルについた話は、
『第220話 (2) 魔理沙の記憶③ 決着』でタイムホールが開き、『第221話 (2) 魔理沙の記憶③ 余波』の最後に、紫達が魔理沙の元に来るまでの話でした。