龍の乗り心地   作:パリの民

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最近書く時間が無くなってきた。原因は間違いなくマイクラ


一(はじめ)出番減る。

 

一が起きていた頃には、既に朝ご飯の用意が出来ていた。

 

船は、どうやらどこかの無人島に駐留しているらしい。そして、孤島には大きな亀が沖合に置いてあり、どうやら海水を使って洗浄しているのか、亀の周りの海は真っ赤になっていた。

 

もったいないかもしれないが、仕方ない。

 

そして、船では、乗客らが広い甲板の上に集まり、宴会のような物をやっていた。

 

野菜ももちろんあるが、殆どが肉料理だ。おそらくは、昨日の魔物の肉が使われているのだろう。

 

ちなみに、魔石は、クリードが回収した。

 

 

「あ、ハジメさん!こっちですよ!」

 

「昨日襲ってきた魔物は、随分と大物だったみたいですね。素晴らしい」

 

「いや、お前の方が僕より大きいの仕留めてるだろう。火龍(レッド・ドラゴン)見たぞ」

 

「せっかく自分が褒めたと言うのに...」

 

「そ、それより、仮面はどうした?」

 

 

今、一は仮面をつけていない。だからなのか、クリードの顔も赤い。

 

 

「いやね。テレサさんによると、仮面は厄介事を避ける為の筈なのに、結局巻き込まれてるから、関係なくない?らしいです。なので、視界が狭まる仮面はつけてません」

 

「そういうものなのか…で?当の本人、おっぱいは?まだ寝てるのか?もうすぐ昼だぞ」

 

「寝てますねー。そういう事が起きればすぐに起きるのですが、平和な時の彼女はぐうたらです」

 

「ささ、ハジメさん。クリードさんが倒した魔物の肉を美味しくいただけましょう!」

 

 

そう言って、リリィに席に連れていかれる。宴会の主役と言うことで、クリードらは一番大きなテーブルに座らされた。

 

 

「これは、舌ですかな?随分と大量だ」

 

「ああ、元が大きいもんでな?しかも大きすぎて切るのに苦労したぜ。そこの兄ちゃんが手伝ってくれたおかげだぜ!」

 

 

どうやら、この船のコック代表である。びしっとクリードに指さして、彼は言った。昨晩、クリードに倒された亀を錨を使って引きずって、この島に来たのだと。

 

その後、クリードの協力の元、亀を美味しく料理できたらしい。そして、亀の素材は、この船や乗客で買いたいものだけ買うつもりらしい。肉は彼らへのプレゼント兼乗船料である。

 

買うことに関しては、すべてクリードが対応してくれるらしい。

 

 

「どうでもいいですが、早く次の国に行って頂けるとありがたいです」

 

 

一は空気を読まない。そして、人の心もだ。読めない訳ではなく、読まない。必要がないのだ。彼はエイル意外の考えている事や企んでいる事に興味はない。

 

敵対したら殺す、それしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外と長かったですね。船で、約1ヶ月、依頼を受けてから、約1ヶ月半ですか。これで半分となりますね」

 

 

彼らは、アルバ。世界を救う為に作られた少数精鋭で、それなりに人気があった。

 

前にいた国の港では、街の人々が送ってくれた。だが、この国は歓迎するどころか、敵意を向けてくる人もいる。

 

理由は簡単で、この国は人間にいい印象を持っていないのは当然だ。人間は彼らの同法、特に多くの獣人を奴隷にしたのだから。

 

男らは農奴に、女は性処理用に連れていかれた。もちろん、この国の中にいれば安全だが、出て人間の国に入って、奴隷を免れるのは奇跡に近い。

 

そして、人間がこの国に入った時の扱いも似たようなものだ。

 

お前らがそうするなら、俺らもする。それだけだと言わんばかりに、この国には奴隷制度がある。

 

船に乗ってきた人の殆どが、商人だったりする。亀の死体の買取ができたのは、商人が殆どだったからだろう。

 

「やはり、あまりいいように見られませんね」

 

「そうですね。自分らはわかりますが、リリィまでそう見られるのは...?」

 

「ハジメさん。多分、裏切り物だと思われてるんですよ、私」

 

「それ言ったら、商人たちと取り引きしてる奴らも、裏切り者でしょうが...」

 

「今はそんな事どうでもいいだろう。僕らには僕らの使命があるのだ」

 

「僕の氏名は言いやすいですね」

 

「漢字が違う!...行くぞ」

 

4人は船がまだ港にも着いていないのに、船から飛び、数100m飛んで港に入った。ちなみに、リリィは獣人で、運動神経はかなりいいのだが、流石の彼女でも無理だったので、一に襟を掴まれて、一緒に飛んでいく。

 

「なぜ飛ぶ必要があるのですかァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一が学園に来なくなってから、数週間がたった。彼がアルバとして旅をしている事は、学園ではかなり有名な話だ。

 

ギースや国は、彼が学園にいることを隠したかったが、流石に限界だったみたいだ。

 

 

「桜!今日も部活行くぞ!」

 

 

エイルは人間の生活が好きだ。彼女は元は人間だったのだ。もう千年以上も昔の話になるのだが。

 

 

「エイル様、元気ですね」

 

「夫の帰りを待つのは、妻の役目!」

 

「ですね!いや〜、羨ましい」

 

「お主もぷろぽーずとやらをやったらどうだ?ハジメが我にしたように」

 

「私がした所で、彼は見向きもしませんよ…」

 

「まぁ、そうだな…」

 

「せめて否定して欲しかった!?」

 

「無茶言うな、メイド殿」

 

「そういえば、部長長い間来てませんが、どうしたんでしょう…?」

 

部長、ゆなは勇者ユウキが死んでから、自分の家からあまり出ていない。当然、学校にも行っていない。

 

「やはり、兄が死んだから、落ち込んでいるのだろう」

 

「そうですね、見に行きましょうか!」

 

「家知ってるのか?」

 

「前に聞きました」

 

そんな話を廊下でしている時に、気づいたら大勢の人に2人は囲まれていた。

 

男性、女性色々いるが、皆ソワソワしている。そして、暫くすると、人波が割れていき、中からノワールの息子、テッドが出てくる。

 

 

「君は、僕の妻にならないかい?」

 

 

そう言って、彼は桜に花束をあげる。テッドは金髪のオールバックのイケメンだ。性格がややクリードよりな点があるが、クリードの方が圧倒的に女性を気づかえる。

 

テッドがお坊っちゃまイケメンだとすると、クリードは紳士なナルシイケメンなのだ。

 

ちなみに、クリードはテレサだけ女として見ていない。化け物と思っている。

 

賢者ノワール、彼の年齢は100を超えているが、見た目は白髪ショタである。そして、彼は見かけによらず、妻が二桁もいるのだ。

 

そう、男が誰もが夢見るハーレムを、彼が実現しているのだ。

 

それは、息子も遺伝子を引いていたらしく、テッドも6人の妻がいる。彼は彼女1人1人に愛情をあげているのではなく、どちらかと言えば、物のように扱うこともある。

 

簡単にいえば、欲望発散に"使うのだ"

 

そして、男たちにとって、一番腹立たしいのは女たちがその扱いで、満足している点である。満足しているからこそ彼女をやっていると思うかもしれないが、彼は可愛いと思った子を、片端から自分の妻にしているのだ。

 

見た目もかっこよく、家柄もよく、実力もある。そんな男に言い寄られたら、生物として、雌としても断りが痛い。

 

 

「お断りします」

 

 

ただし、彼よりも魅力がある人を知らない場合に限る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽霊部部長、結城 ゆな。彼女は勇者ユウキ、自分の兄である結城正人(ゆうきまさと)が死んだことによるショックで、学校に来れなくなり、家に閉じこもっている

 

 

 

 

 

 

と言う噂だった。

 

だが、当の本人はかなり忙しかった。

 

その証拠に、お見舞いにきたエイルと桜だったが、留守だった。

 

 

「いませんね。と言うか、でかく無いですか?この家、私たちより立派です」

 

「少なくとも、我らの家の地下室の数倍はあるな、羨ましくはないが...む?」

 

 

《私に何かよう?》

 

 

エイルが振り向くと、メモ張も見せてくる、自分と同じぐらいのゆながいた。ややゆなの方が大きいが。

 

 

「あれ、ゆなさん!学校に来なくて心配していたんですよ?」

 

 

《一がいなくなって、暗殺の仕事がこっちに回ってきた》

 

 

「お主も闇ギルドに?」

 

 

ゆなはコクリと頷く。

 

彼女は兄の事を残念だと思っているが、それだけである。

 

この世界に来てから数年、いつかはこの日がくると知っていた。

 

思うところがあるが、それだけだ。

 

こんな危険な世界に来たのだ、家族が1人死ぬことぐらい想定しているし、割り切れる。

 

むしろ、魔物を狩る事を生業にし、その中でも危険な魔王級を相手しているのだ。そもそも、殺しに行っているのに、なぜ自分が死ぬと思えないのかが理解できない。

 

だから、兄の為に落ち込んでいる魔法使いの子には、嬉しい感情と、意味不明な物を見る感情が入り混じっていた。

 

彼女は、ゆなは兄とは違っていた。兄妹でここまで違うのかと思うぐらい、違っていた。

 

兄は物語の主人公のような人生を歩み、自分はヒロイン候補のような物だった。

 

何をやっても成功する兄は羨ましいが、嫉妬は生まれなかった。だが、何もかも成功したからこそ、兄は世界を甘く見ていた。

 

その価値観が、考えが、嫌いだった。

 

彼は幼馴染みや、自分がこの世界に来たばかりの時に、落ち着かせる為に、こう言った。

 

『ゲームのような世界に来てしまったら、仕方ない。僕が君たちを守り、この世界を攻略しよう』

 

彼は、この世界をゲームとしか捉えていなかった。それは、ゲームのような世界に来たのが原因ではないと思う。

 

彼女の兄は、この世界に来る前、つまり元の世界すらも、ゲームと見ていた。

 

別に、ゲームとして見るはいい。だが、ゲーム自体を舐めるのは可笑しい。ゲームのように思っているなら、ゲームを真面目にやって欲しい。

 

攻略する気は、あるのだろうか。

 

ゆなが喋らなくて、友達がいなく、家でゲームばかりしていたから、こう思ったのかもしれない。

 

だが、彼女はどうしてかわからないが、自分に兄をかなり嫌っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アポカリプス学園、邪神が作った学園は、今大きな事件が起きていた。

 

生徒2人の死亡。

 

これは別に大した問題ではない。なぜなら、魔物と戦う上で、実戦で二桁は毎回死ぬのだ。それと比べると、安いものだ。

 

問題はそこではない。

 

この死亡した生徒は、明らかに人間によって殺されたのである。

 

この学園の理事長であり、校長でもあるクリシュナ。見た目は小さなエルフだが、彼女はれっきとした邪神である。

 

邪神である彼女にも、こう言った事案は回ってくる。

 

 

「なんでだよ。なんでボクにこんな面倒な仕事が回ってくる」

 

 

この学園を開いたのは、資金集めである。そして、資金はまだ足りてない。だから、学園が崩壊しかねない内容の事件は、しっかり解決しなくては行けない。

 

学園に殺人鬼がいるとなったら、来る人は大幅に減るだろう。

 

そうならないように、今回の事件はサボる訳には行かない。

 

 

「仕方が無い、ボクは彼女らに頼るか」

 

 

この学園の幽霊部は、どちらかと言えば、何でも屋に近い。

 

心霊スポットを探しては、現地に遊びに行く活動もあるが、なにせ幽霊部にはこの学園の最高戦力が備わっているのだ。

 

と言っても、現在いるのはエイルと桜だけなのだが、エイルを知るクリシュナからすると、彼女ほどの戦力は無い。

 

「ほう、で我の所に来たと」

 

「うん、ボクだけ間に合わないからね。今回の事件の犯人とっとと捕まえて欲しいんだ」

 

「まあ、我も暇だしな。いいだろう」

 

エイルは龍神だが、元人間だ。まだ人間だった頃の性格が残っており、優しい面もそうだろう。

 

「エイル様がやるなら、私もやります!」

 

「うーん、ボクは邪魔だと思うけど」

 

「酷い!戦力外って言うんですか!?」

 

「うん」

 

 

ガクリと桜は地面にへたり込む。

 

 

「と言っても、我は何をすればいいのか分からんのだがな」

 

「大丈夫です!犯人は私が見つけるので、それをエイル様がやっつけて下さい!」

 

 

桜はいきなり立ち上がる。

 

 

「うむ、承知した」

 

「そうと決まれば、まずは現場検証と、被害者の情報集めです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、一のいない所で、事件解決に向けて2人は進み出した。




次回は、登場人物(主要)をまとめたいです。

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