大海原の小さな島 ~アルダブラ島奮戦記~   作:VSBR

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 この作品は、日頃お世話になっているサイトの掲示板に掲載しようと思っていたものです。
 ところが、その掲示板で連続投稿規制か何かに引っかかってしまったらしく、掲載ができなくなってしまいました。

 せっかく書いたものなので、どこかに置いておきたいと思い、こちらに載せてもらう事にしました。

 他の二作品に連なる世界を舞台にしており、設定なども共有しています。また二次創作ではありますが、本編に関するキャラクターなどは出てこないオリジナルの内容になっています。


設定と解説

アルダブラ島

 

 南緯9度24分・東経46度22分に位置するインド洋の島。旧世紀は環礁であったが、地殻変動や地球の寒冷化に伴う海水面の低下で島になる。

 赤道連合が領有している島であり、当初は漁業や細々としたリゾート開発などが行われているだけの島であった。しかし、ユーラシア連邦などで起こったコーディネーター排斥の流れの中で、比較的富裕層のコーディネーターが移住するようになり、今では島の人口の多くの部分をコーディネーターが占める様になっている。

 赤道連合本土から遠く離れた場所にある島であり、戦争中もその戦略価値の低さから半ば放置されていた。そのため、島では広範な自治が認められており、コーディネーターとナチュラルが混住する地域でありながら、大きな問題は起こっていなかった。またコーディネーターが島民の多くを占めているが、その出身地は地球の者が多く、プラントに対してはさしたる親近感を持っているわけではない。

 

 二度の大戦の後も地球では各地で紛争が続き、プラントとの関係も友好的とは言い難い状態が継続していた。ユニウス条約に基づく占領地の返還もその実施は遅れ、カーペンタリアとジブラルタル以外の軍事施設や占領地が点在する状況が続いている。

 そのため、条約では無条件とされていた占領地の返還であるが、連合加盟各国との個別交渉では一部で柔軟な対応もなされるようになった。

 アルダブラ島はコーディネーター人口が多いという特徴から、プラントが返還する赤道連合の占領地(バンダ海に浮かぶダマル島)と交換する形で、プラント統治下に組み込まれる事となる。

 

 連合本部では、この交換を今後のプラントとの占領地返還交渉におけるモデルケースの一つとして考えており、赤道連合内部の異論を押さえ込む形で実現させていた。

  プラントとしても、限られた国力で地球に点在する占領地を全て維持する事は不可能であり、一方的な譲歩として国内世論の反発を受けない形での占領地返還を模索していた。コーディネーター人口が多く、他の占領地に比べて統治に掛かるコストが低いアルダブラ島を、コーディネーター保護の名目で統治下に組み込めば、占領地返還に伴う世論の反発を抑えられると考えたのだ。

 双方の思惑が一致する形で実現したこの条約は、長い戦後処理におけるわずかだか確実な前進であると評価する者もいる。

 

 それに伴う現地での業務や交渉のため、カーペンタリアから部隊が派遣される事となった。先遣隊として数名が、現地の連合部隊のもとに送られる予定となっている。




 以上のような設定とさせていただきますが、作品の展開上ここで書いた設定との齟齬が生じている部分も存在します。その場合は、作品上で書かれた事が優先されます。

 もしよろしければ、お付き合い下さい。

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