弧月を握った少年   作:ハヤヲ

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どうも、ハヤヲです。

今回は入隊式です。
戦闘シーンは難しいですね
伝わりにくかったらすみません。



それではどうぞ!


入隊式

ーー入隊式前日ーー

 

あれから沢山模擬戦をしてきた。出水と陽介に勝ちこすことはできなかったが、それでも成長した方だとは思う。太刀川さんには相変わらず1本もとれないけど…。本当にバケモンだよ。

今日の訓練が終わると、明日の入隊式について少し説明を受けてから帰宅した。

 

 

****

 

「お兄ちゃん明日入隊式でしょ?頑張ってね!」

 

両親は共働きでいつも夜遅く帰ってくるので、現在は妹と夕飯を一緒に作り食べている。今日の夕飯はシンプルな和食だ、焼き魚にごはんに味噌汁に漬け物。たまにこういうシンプルな日本料理を食べたくなるものだ。

 

「うん。ありがと、頑張るよ」

 

しばらくして食べ終わると二人でごちそうさまをして、食器を片付けている。基本的に調理は妹に任せっきりなので片付けは俺がやるようにしてる。

 

「洗い物はやっておくから先風呂入ってこいよ」

 

「そう?じゃあ先もらうね!」

 

さて、片付けちゃいますか……

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ーー入隊式一時間前ーー

 

仮入隊した期間は長くはなかったがそれでもすごい時間が過ぎた気がする。最初は皆に歯がたたなかったけど今じゃそれなりに戦えるし同じ入隊者たちには簡単には負けないだろう。逆に負けたら師匠たちに会わす顔がない。油断せずに取り掛かろう。

 

 

 

 

 

 

*****

 

ボーダー大広間

 

現在入隊式が始まり忍田さんの挨拶が終わりよくテレビに出ている五人が舞台上にでてきた。忍田さんが話の最後に「君たちと共に戦える日待っている!」といいそして舞台袖に下がるとき俺に気づいて微笑んでくれた。

内心で頑張りますと呟き、次の進行役の人たちに目を向けた。

 

「みんな!入隊おめでとう!今日進行役を務めるのは嵐山隊だ!よろしく!」

 

と爽やかな笑顔で出てきた。

嵐山 准。A級五位の嵐山隊隊長、そして広報の仕事もしていてテレビや雑誌によく出ているイケメンだ。舞台に上がっただけで女子たちが騒ぐほどのイケメンさである。

ただし、嵐山隊は一部では宣伝用に顔で選ばれたマスコットチームとも裏で言われている。

 

 

「みんなにはどうやったらB級に上がれるかから説明していこうと思う!まず左手の甲を見てくれ」

 

すると各自左手に書かれた数字を見る。

俺はっと……3800ポイントか。

 

「君たちが今起動したトリガーホルダーには各自に選んだ戦闘用トリガーが一つだけはいってる。その数字は……君たちがそのトリガーをどれだけ使いこなせているかを示す数字だ。」

 

「その数字を4000まであげること、これがB級昇格の条件だ!」

 

え?あと200ポイントでB級じゃないですか…。

 

「そしてほとんどの人が1000ポイントスタートだが、仮入隊していて素質が認められている者にはポイントが上乗せされている!」

 

あーなるほど。それでこんなポイントなのね

 

「それだけ即戦力として期待もされてるからそのつもりで励んでくれ!

 

そしてポイントを上げる方法は二つ。週二回ある合同訓練でいい結果を残すか、ランク戦でポイントを奪い合うかだ。

じゃあ次は訓練を体験してもらうから攻撃手と銃手は俺と時枝、木虎に、狙撃手は佐鳥に別れて各自付いていってくれ!」

 

それぞれ別れアタッカーの俺は訓練室に連れてこられた。

 

 

「さあ、着いたぞ。これが対近界民戦闘訓練だ。仮想戦闘モードの部屋の中でボーダーの集積データから再現された近界民と戦う訓練だ」

 

いきなり戦闘訓練と聞いてざわめく。これで大体ボーダーに向いてるか分かるらしい。1分切れたらまあまあだと出水たちが言ってた。

 

「今回、君達が体験するのは初心者レベルの大型近界民だ。攻撃力はないがその分硬いぞ。制限時間は5分だ。それじゃあ初めてくれ」

 

 

そして順番に中に入っていく。

 

 

****

 

俺は自分の順番を待ちつつ他のやつらの訓練をみている。

一人は突撃銃タイプの銃手。記録は2分23秒。次はスコーピオン、記録1分45秒。と中々1分きるやつがいない。

そのあとも何人か見ていると背の低い小学生くらいの女の子が2号室に入っていった。あんな小さい子がまともに動けるのか?と思っていると開始された。

 

 

『記録、11秒!!』

 

 

!?……11秒なんてぶっちぎりの一番じゃないか、それに動きも悪くなかった。同じ弧月使いの中でも圧倒的に一番いい動きをしていた。

 

……決めた。

 

そして少女がでてくると嵐山さんが近づいて…

 

「君!すごいじゃないか!初めてであの動きは中々できないぞ!」

 

周りの連中もすごい!やどうやったの?など少女を囲み始めた。

 

****

 

 

そのころ上ではある隊が見に来ていた。

 

「うおっ!?11秒!今回もきたな大物新人が!」

 

そこにはB級隊員、諏訪隊隊長の諏訪 洸太郎と同じ諏訪隊の堤 大地が見に来ていた。

 

「そうですね。木虎と緑川に続きこの子は黒江 双葉。」

 

*****

 

「次で終わりか。じゃあ最後頑張ってくれ!」

 

結局あれからも順番が来なく最後になってしまった。まあいいものが見れたからこっちとしてはラッキーだったけど待ちくたびれたな~。

 

さあ、やりますか!

 

 

『1号室、訓練開始!』

 

 

(えーっと、確かこうして……)

 

*****

 

ーー別室ーー

諏訪隊

 

「あーこれでラストかー。今期は一人だけまともなやつがいて他はパッとしなかったな。1分切ってるやつが二人しかいないのかよ」

 

「まあ仕方ないですね。いつもより入隊者も少ないですし。それに一時期がすごすぎただけですよ。」

 

 

「そうだけどよー。…ん?何かあいつ11秒だしたやつと構え方似てねーか?」

 

「偶然じゃないですk…」

 

すると1号室にいた少年が先程の少女と同じ立ち回りをしているとトリオン兵に止めを刺した。

 

ギンッッ!!

 

「「っな!?」」

 

 

二人は立ち上がる勢いで驚いた。本当にさっきの少女、黒江双葉と同じ動きをしていたからだ。

 

「これはすごいやつが現れましたね。」

 

*****

 

(確かこうやって…ここで止めッッ!)

 

ギンッッ!!

 

『記録、10秒!』

 

あーしまった。強く踏み込みすぎた。少しずれたな。

まあ一位になれたしこれで満点だろうしいいかな?

訓練室から出ると静まり返っていて疑問に思っていると動きを模倣させてもらった相手の少女が近づいてきた。

 

 

「あの名前を聞いてもいいですか?」

 

「ああ。峯内閃だよ。閃でいい、君は?」

 

「黒江双葉です。さっきのは私の動きを真似したんですか?」

 

黒江双葉か年のわりにしっかりしてそうだな。てかやっぱり聞いてくるよな。失敗したけどあれだけ真似すれば誰だも気づくよね。

 

「そうだよ。失敗に終わっちゃったけどね」

 

と苦笑いで返した。

 

ーーーーーーー

 

対ネイバー訓練が終わり、次は地形踏破、隠密行動、探知追跡訓練など色んな訓練を終え、全てにおいて一位を勝ち取った。

そして現在嵐山隊に連れられあるところに連れてこられた。

 

 

「ここがC級ランク戦のロビーだ!ここでは隊員同士が戦ってポイントを奪い合う。自分より点の高い人に勝てばその分貰える点も高いが、逆に低いやつに負けると多く取られるぞ!」

 

普段俺がやってたのはポイントが動かない模擬戦、でも今回はポイントが賭けになった真剣勝負。余計に負けられなくなる。

 

「では今回は適当に二人組を作って、ブースに入ってくれ!ブースに入ったらその相手側の部屋番号を指定すれば対戦できるぞ。各自始めてくれ!」

 

さーて、やろうと思ったけど周りに人がいない。やっぱ真似したのが不味かったのかな。

 

「あの閃先輩。」

 

「ん?黒江双葉だっけ?どうしたん?」

 

「もし良ければ私とランク戦しませんか?」

 

良い子だけど表情がちょっとクール系だからてっきり、俺に真似されて怒ってるのかと思ってたわ。

 

 

「いいよ。やろうかランク戦。」

 

 

ーーーーーー

 

『5本勝負、一本目開始』

 

ステージは何の変鉄もない市街地に転送された。あれだけ動ける子だから油断は禁物。

 

「一本目は様子見でカウンター狙い。二本目からは自分から攻めるとするかな?」

 

などと呟きながら相手がくるのを待つ。すると住宅街から弧月をもった相手が突っ込んでくる。

 

(思ったより速いな。だが、これなら…)

 

 

閃は普段片手で弧月を振っているが今回は守りに入るため押されないよう両手で捌くことにする。弧月はそれなりの重さがあるのだが、閃はあえて片手で扱っている。

数分相手からの攻撃を捌いてると黒江が少し距離をとった。

 

「?どうした?急に攻撃をやめて」

 

「そちらから攻めてくる気配がないので」

 

「そうでもないよ。捌くので割と必死だったよ。」

 

まあ、もう慣れたけど…と内心で呟き、

 

「じゃあ次はこっちから攻めるとするよ」

 

両手で持っていた弧月を片手に持ちかえ、左手を前に弧月を持っている右手を後ろに構え、膝を少し曲げてから体勢を整える。

 

「……!?」

 

黒江は構えた閃をみてすぐさま自分も攻撃体制にはいった。

 

(なに?さっきと雰囲気が…)

 

そして少しの沈黙のあと守りに入るとやばいと察知した黒江が再び突っ込んでくる。黒江は閃の体勢をみて垂直上段切りで切りかかる。これなら避けるか受け太刀をするのにあの体勢を崩すしかなく、そこからの追撃を試みようとした。だがその考えを読んでいたかのように閃は口角を少しあげ、黒江の刀の刃と持ち手の根本を右下から切り上げた。

 

 

「なっ!?」

 

「太刀筋が見え見えだよ」

 

根本から切り上げられた弧月は黒江の体を大きく退けぞさせ、閃はその隙を逃さす水平切りで腰辺りから切り裂いて一本目が終った。

 

***

 

『5本目終了。5-0勝者、峯内。』

 

 

ふぅ。何とか全勝できたけど。最後少し危なかったな。ポイントはあと50点と少しとなりかなりB級に近付いた。

 

「閃先輩ありがとうございました。」

 

「おう。こちらこそありがとな。楽しかったぜ!」

 

「また相手してくれますか?」

 

「いつでも待ってるぜ」

 

 

ーーーーーー

 

「これで一通りの説明は以上だ!各自訓練に励んでくれ!解散!」

 

黒江とのランク戦が終わり入隊式の全項目が終ってロビーで解散した。俺は太刀川さんたちに報告しにいこうと太刀川隊に足を向けたところで後ろから声をかけられる。

 

「今日はありがとうございました。」

 

「黒江も頑張れよ!」

 

「はい!」

 

黒江は走って帰っていったので俺も太刀川隊に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

今回は黒江双葉ちゃんが初登場です!

次回はB級に上がります。

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