弧月を握った少年   作:ハヤヲ

3 / 12
どうも、ハヤヲです。

お待たせしました。
キャラかおかしかったりするかもしれませんが、作者の技量不足です。申し訳ないです。

最近SAOHRが全然できなくてやりたくなる今日この頃。


ではどうぞ!


峯内 閃②

「ハァ…ハァ…。」

 

模擬戦を終えた閃はトリオン体で疲れることはないが精神的な疲れを経て肩で息をしていた。結果は完敗。しかも殆ど相手を動かすことができなかった。勝てるとは思っていなかったが最後の1本くらいは相討ちにでも持ち込もうとしたがそれすら届かなかった……。

 

 

「いや~お前強いな。いきなり1本取られるかと思ったぞ。」

 

「動きは初心者にしてはいい方でしたね」

 

「確かに弧月だけならB級中位の実力はありそうだね~」

 

自分が強いなんて思い上がったことはないが、それでも昔から木刀を振って独学だけど剣道もやって稽古もしてきた。だけど歯が立たなかった。負けるのはやっぱり悔しいし、勝ちたい。

 

「……ハァ…。お世辞はいいですよ。殆ど動かすことも出来ませんでしたし力の差は歴然です。」

 

そう、わかってしまった。たった一太刀合わせただけで経験の差、実力の差がわかった。

 

「そんなことねーよ閃だっていい動きしてた。剣を握ってたときの型があって初心者とは思わないくらいの洗礼された動きだったぜ?」

 

出水は座って飲み物を飲んでる俺の肩に手を乗せる。

 

「それにしても峯内君……」

 

「閃でいいですよ」

 

「そう?じゃあ…閃君のあの動きはちょっと変わってるよね?なんかゲームのキャラとか見てるみたいだったな」

 

「国近さんは…「私も柚宇でいいよ~」あ、はい。」

 

返されてしまった。なんかにんまりしてて可愛いし。

 

「ゆ…柚宇さんはゲームとか好きなんですか?」

 

「うん!なにもない日はずっとゲームしてるよ~」

 

マジか。まさか某MMOもやったことあるのかな?

好きと言うだけあって棚にはいろんなゲームがあるし。

すると太刀川さんが近づいてきて出水と少し話すと俺に向かって

 

 

「実力はだいたいわかった。お前、俺の弟子になるか?そうすれば鍛えてやるがどうだ?」

 

「お、やったじゃん閃。太刀川さんに認めてもらったぜ?これでさらに速くB級に上がれるようになるぜ」

 

確かに呑気な人に見えるけど剣の腕はすごいし戦ってるだけでも勉強になるし、教えてもらえるなら強い人の方がいい。なら答えは……

 

「はい。お願いします。」

 

 

 

ーーーーーーー

 

あのあと出水とも模擬戦をやったが蜂の巣にされた。曲がる弾とかもうチートに近い。

話によると今回は変化弾(バイパー)と言われるトリガーで弾道を自由に設定できるが動きながらリアルタイムで弾道を引くことは相当難しいらしい。現在のボーダーでも数が少ないという。

 

 

「曲がる弾とか反則だろ~」

 

俺は椅子にぐでぇ~っとうなだれながら出水に文句を言った。

 

「最初は二パターンくらいしか使わないつもりだったんだけどな~。割りとお前の突っ込みが激しくて余裕がなくなっちまったw」

 

確かに最初は単純に分割されたキューブが同じ方向に曲がるか均等に左右に別れるだけだったが、途中から自由自在に曲がって避けきれなくなった。しかも近づけない。

 

「次は1本とってやる…。」

 

睨みながら出水に呟きかけると笑いながら怖いね~wと流された。絶対一泡ふかせてやる。

 

 

「じゃあ俺たちこれから防衛任務だからまた明日な」

 

防衛任務とはB級以上の隊員たちが交代で門からくるネイバーを倒して市民を守るものである。

さっき知ったんだけど太刀川隊ってA級でしかも一位なのね……。

 

「そうですか。太刀川さん、柚宇さん、今日はありがとうございました!出水もありがとな。ではまた明日。」

 

 

三人に挨拶をして隊室からでるとき後ろから「おう、また明日」、「じゃあね~」、「またな~」と返事が聞こえて最後にもう一度お辞儀をして部屋を出た。

 

ーーーーーーー

 

本部からの帰り道、妹から醤油を買ってきてと連絡があったのでスーパーによってから家に帰った。

 

 

「ただいま~」

 

玄関を開けてなかに入りながら帰宅を告げるとリビングの方からおかえりと聞こえてくるその声の主は中学二年生の妹の声だ。まず先に買ってきた醤油を渡し、夕飯ができたら呼んでくれと言い自分の部屋に向かった。

転入初日のはずなのにクラスで二人も友達ができ、更にボーダーにも入るという非常に濃い一日を過ごした事をベットに横になってから実感する。

 

「ハァ~~、疲れた……。」

 

とりあえず明日から本格的に鍛えて、今日はもうゆっくり休もう。

 

 

ーーーーーーー

 

 

ーー翌日ーー

 

 

学校を終え、今日は一人でボーダー本部に向かった。

昨日家族にボーダーに入った事を伝えた。最初は反対されるかと思ったが、理由をきちんと話したら両親は許してくれた。妹は最後まで渋っていた。説得していて終いには泣いてきたのには驚いた。

でも俺の事をそこまで思ってくれてたことは嬉しかったし、だからこそこの街では家族を守れる力が欲しいからと言ったら泣きながら折れてくれた。

 

 

「今度何か買ってあげるかな……」

 

本部について太刀川隊の隊室に行く途中に見知った女性が前を歩いていたので声をかける。

 

「柚宇さんこんにちはー」

 

まあボーダーで知ってる女性なんて二人くらいしか知らんけどな。

 

「あ、閃くんやっほ~」

 

「これから作戦室ですか?」

 

これは昨日聞いたが隊室って言うより作戦室らしい。あまり変わんないけどそう呼ぶ人が多いようだ。

 

「そうだよ~閃くんもでしょ?なら一緒にいこ」

 

「はい。もちろん」

 

「それと今日は太刀川さんが上層部に呼ばれてて少し遅くなるからトリオン兵と戦ってみる?」

 

「いや一応出水と約束してるのでまた次の機会に。それに後で陽介もくるみたいなのであの二人と模擬戦します」

 

「おっけ~!じゃあ着いたら準備するね」

 

 

太刀川隊の作戦室にいくと出水が既に準備を終えていてすぐ模擬戦を今日は10本勝負でやった。

 

 

 

結果は0-10で相変わらず勝てないがなんとなくコツを掴んで攻撃が当たるようにはなってきた。一度ルームからでると陽介もきていた。

 

「よお閃~いい動きしてんじゃん。」

 

といい早速やろうと言われてまたルームを作ってもらい移動する。

 

「とりあえず弧月1本でいくんだよな?」

 

「ああ。とにかく全力で頼む。」

 

「お?強気だね~!もちろん手を抜く気はねーよ!さあこい!」

 

 

ーーーー

 

10本勝負の結果は2-8。

陽介は普通の弧月とは少し違う槍タイプだった。

間合いの感覚に慣れるのに少し手間取ったが何とか二本は取れた。

 

「マジかいきなり2本もとられたぞ!」

 

「曲がる弾よりは間合いがわかりやすいからな1本くらいとらないとそろそろ負け続けは嫌だし」

 

「閃、最初の1本目取ったとき太刀川さんの動き真似たのか?」

 

そう。昨日、模擬戦の時に太刀川さんを動かすことは出てなかったが俺の太刀筋を捌いてカウンターで止めを刺してきていたとだ。それを真似したのだ。

 

 

「一回見ただけで真似ができるのはすげーや」

 

「確かにすごいね~」

 

その後は太刀川さんが戻ってくるまで模擬戦に明け暮れようとしたが柚宇さんにゲームやろうと誘われたので時間潰しにやることにしたのだが……

 

 

 

 

 

 

 

「柚宇さん中々やりますね!」

 

「閃くんもいい腕してるよ~!」

 

 

デットヒートしてしまっていた。

 

結局遅くまでゲームをして太刀川さんとは模擬戦をやらないで帰ることになった。

 

「すみません結構熱くなっちゃってこんな時間まで…」

 

待っててくれた太刀川さんに謝る。

 

「国近は俺たち相手だと少し物足りないと思うから丁度よかったよ」

 

と笑いながら許してくれたが明日からはちゃんとやろう。まさかあそこまで柚宇さんがゲームマニアだとは思わなかったな。久々に楽しかった。

 

「柚宇さん今日はありがとうございます。またやりましょう!」

 

「いえいえ~またやろーね~!」

 

「それじゃ出水と陽介もありがとな。太刀川さんもまた来ます。」

 

 

「「「おう、またな」」」

 

それを聞き届けてから作戦室をでて帰路についた。

あと一週間で入隊式、すぐB級に上がれるようにスタイルをモノにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

戦闘シーンは入隊式から少しずつ書いていこうと思います。

感想、誤字、脱字等があれば教えてください!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。