魔法少女リリカルなのは×銀魂~侍と魔法少女~   作:黒龍

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なんで2016年のお話しを投稿? と疑問に思う方も多いと思います。

元々は、数年前にpixivに投稿した内容で、アンケートの結果から、質問コーナーをハーメルンに開設した事に伴い、こちらのお話しを本編側に投稿する事にしました。

時系列は、『本編31話後』に投稿されたものです。

質問コーナー側にも、質問コーナーと合わせて投稿しています。




質問コーナー関連
質問コーナーリニューアル&2016年末特別編


銀八「――質問コーナーてさァ、ぶっちゃけなによ?」

 

 と椅子に座った銀八は、顎を指で掴みながらアンニュイな眼差しを向けてくる。

 

銀八「必要なのアレ? だってコメントやらメールから貰っても、はっきり言って作者が答えればよくね? なんで一学校の教師設定である俺が、一々アシスタント呼んで答えないといけないワケ?」

 

 銀八は腕を組んで、ぶつぶつ文句を言いだす。

 

銀八「つうかあんなもんに時間割く暇があんなら、本編をもうちょっと進めようとか、もっと面白くしようとは思わないわけ? 作者。ほんとなんなの? 質問コーナーばっかり意識注いでバカじゃねェの? 俺はな、思うワケよ。本編もまともに進められない奴が、読者から質問を答えるコーナーを更にリニューアルしようとか、ホントなに考えてんの? どうせお前のモチベーションなんてすぐに切れるからね? 言っとくけどすぐにどん底に落ちて今度は一年間空白を空けることうけおいだからね? だからこそ――」

 

 銀八はクワっと目を見開く。

 

銀八「もうウンザリなんだよ!! おめェの亀より遅い投稿スピードに付き合うのも!! だからこそ、俺に一生分の有給休暇を与えた後、作者が質問コーナー引き継ぐでファイナルアンサー!!」

 

 ビシッと銀八が指を突き付けると……。

 

新八「はいはい。あんたの有給は質問がある限り訪れませんから」

 

なのは「今回はリニューアル版質問コーナーの為の年末特別回なんですから頑張りましょう」

 

神楽「だからとっと質問に答えろ社会人」

 

フェイト「今回は私たちもアシスタントとして手伝うから」

 

 ドサッとハガキの束を教卓の上に置くなのは、新八、神楽、フェイト。四人が持って来たハガキには質問が書かれている。

 

銀八「なんなのこのブラックコーナァァァァァァァ!!」

 

質問コーナーリニューアル&特別編

 

 

銀八「なんなんだよこのハガキの量は!? なんでいつもは3,4くらいの質問が、なんでこんな大量なワケ!? こんなに質問寄せてくる読者いねェだろうが!!」

 

 銀八は、教卓に上にタワーのように積み重なったハガキの束に、指を突き付ける。

 

新八「しょうがないでしょ。今回はリニューアル版の解説も兼ねて作られた特別回なんですから。読者じゃない人たちから色々ハガキが寄せられているんですよ」

 

なのは「一度リニューアル版のコーナーは一体どのような感じなのか、読者の方々に見せる為に色んな人たちから『質問はないか?』って、作者さんが声をかけたそうなんです」

 

神楽「ついでに言うと、年末特別回の一つとしても兼ねてるから原作でもやったハガキネタも兼ねてるネ」

 

銀八「なんだそりゃッ!? まだ本編が全然進んでねェのに年末特別回とか作者は頭に蛆で湧いちまったのか!?」

 

新八「いや、いくらなんでもそれは言い過ぎでしょ……」

 

フェイト「リニューアル版に際し、質問コーナーのルールは『こちら』になります」

 

 フェイトは手に持った白いボードを見せる。そこには質問コーナーの規則事項が書かれていた。

 

 

質問コーナー新ルール

 

その1:質問、贈り物、キャラクターたちに伝えたいこと。なんでもOK。

ただし数は『三つ』まで。もし制限数が超えてしまった場合は最初の順番で答えます。

質問はメールとコメントどちらでもOKです。

 

その2:オリジナルキャラ、もしくは原作ありきのキャラクターを使用しての質問の場合は、誰が質問しているかを名言してから回答に入ります。匿名もOK。

原作ありきのキャラクターか、もしくオリジナルキャラクターのどちらか分からず間違える場合もあるので、そう言うことが心配な方はなんのキャラクターであるか明記してくれるとありがたいです。間違えた場合は訂正してくれればすぐに修正します。

 

その3:作者の知らないネタによる質問などの場合はある程度調べますが、コアな物になり過ぎる場合は答えることができない場合があります。

 

※追記事項

 

回答者の人数が多い場合や数の指定がなく『全員』と言った場合は回答者を五人以下にして答えます。

 

 

 

銀八「そんで……今回の特別コーナーを機に色々な奴から質問が寄せられてきたと?」

 

 教卓に肘をついて頬杖をつく銀八の質問に、新八は頷く。

 

新八「えぇ。それで、質問と一緒に作者からこんな手紙が……」

 

 新八から手紙を受け取った銀八。作者からの手紙にはこんな文面が……。

 

『声かけたら思った以上に質問届いちゃった。ゴメンね☆ p.s.ある程度答えてくれればいいので(笑)』

 

銀八「ふざけんなァァァァァッ!!(怒)」

 

 銀八は作者からの手紙をびりびりに破り捨てる。

 

新八「もう質問が寄せられた以上は答えていきましょう。銀さんだって銀八先生として、しっかりこのコーナーを盛り立ててください」

 

なのは「えッ!? 銀八先生と銀時さんて同一人物だったんですか!?」

 

銀八「そうだよ。これぶっちゃけ裏設定なんだけど、銀八先生はパラレルワールドの坂田銀時だったんです」

 

神楽・フェイト

「「な、なんだってぇーッ!?」」

 

新八「いや全然驚くことじゃないだろォーッ!! むしろ3年Z組持ってる読者からしてみれば周知の事実だったわ!!」

 

銀八「簡単に説明すれば、銀八先生はFateの英霊エミヤと衛宮士郎的なそんざい――」

 

新八「いやそっちの方が余計ややこしくなるだろうが!! さっきパラレルの人物だって説明だけでいいでしょうが!! つうかそろそろコーナー始めてください!! 話脱線し過ぎて一向に話が進みません!!」

 

銀八「はいはい、分かりました分かりました。そんじゃ、最初の一発目いってみるか」

 

 銀八が教卓に置かれた一番上のハガキを手に取る。

 

 

――ペンネーム『もっさん』からメッセージ一通――

 

 

なのは「えッ? メッセージ? メッセージってなんですか? 質問じゃないんですか?」

 

銀八「簡単に説明するとだ。これからは、一人の読者に送られてきた質問は『質問』として、もしくは質問ではない一言などは『メッセージ』、更には送られた物などの場合は『贈り物』と分別することになったそうだ」

 

フェイト「じゃあ、この最後に一通って言うのは?」

 

銀八「これは簡単言えば、送られてきた質問とメッセージの数だ。一応、贈り物も含めて制限は三つまでだが、三つとも質問だったりメッセージだったりする場合があるから、それを伝える為だな。ちなみに贈り物が二つ以上の場合は『贈り物二つあり』とかになる」

 

神楽「なるほど」

 

銀八「そんじゃ、続けていくぞ? つうか『もっさん』て誰だ? なんかどっか聞いたことあるな?」

 

 肩眉を上げながら、銀八はハガキの裏をめくり、文面に目を通す。

 

メッセージ

『この小説、わしの出番ある?』

 

新八「これ坂本さんですよきっと!!」

 

銀八「てめェは原作で活躍してんだからそれで我慢しろ!! つうかメッセージじゃなくてこれ質問だろうが!!」

 

 ビリリ! と『もっさん』のハガキならぬ坂本のハガキを破り捨てる銀八。

 

新八「次の質問は……」

 

 

――ペンネーム『陸奥』さんからメッセージが一通――

 

 

銀八「あん? 陸奥ってあの坂本の腰巾着の?」

 

新八「いや、腰巾着とか言ったら、あんた陸奥さんにシバかれますよ?」

 

なのは「にしても、『もっさん』さんと違って、ペンネームで本名を言ってますね」

 

神楽「これは簡単に言えば、キャラを使っての場合、『匿名のペンネーム』みたいな奴か、そのまま『キャラネーム』を使うかの例ってワケアルな」

 

フェイト「なるほど」

 

 新八は裏を捲って文面を見る。

 

メッセージ

『破ってもムダじゃき。後、出番よこせ』

 

銀八「お前もかいィィィィィ!! つうかどんだけ用意周到!?」

 

神楽「しかも快援隊の連中からもいっぱいハガキが寄せられてるネ」

 

 

――ペンネーム『快援隊部下A』さんからメッセージが三通――

 

 

メッセージ1

『坂本さんに出番をあげてください』

 

新八「あの……坂本さんなんか部下の人にまでメッセージ書かせてるんですけど……」

 

メッセージ2

『坂本さんは出番が欲しいです』

 

神楽「職権乱用もいいとこアルな……」

 

メッセージ3

『後もっと休暇と給料寄越せ坂本ォォォッ!! 死ね!!』

 

銀八「おぃぃぃぃぃッ!? 最後に怨嗟念が込められたメッセージが来たんだけど!? これ絶対最後のメッセージが本音だろ!?」

 

神楽「他の快援隊の連中のメッセージはどうするアルか?」

 

銀八「捨てとけ。どうせ坂本のバカが書かせた出演依頼だろ?」

 

新八「いや、なんかほとんどのメッセージが……」

 

 ここからはコーナーの形式ではなく、ダイジェストに快援隊の皆さんのメッセージをお見せします。

 

『死ね坂本ォ!!』

『仕事しろモジャモジャァァァァッ!!』

『給料上げろクソモジャ!!』

『懺悔しろクソ社長!!』

『ホント死ね!! 氏ねじゃなくて死ね!!』

『つうかこんなハガキ書かせんな!!』

 

新八「最初の投稿者のハガキ以外はほとんど怨嗟の念で塗り固められてます……」

 

銀八「うん。もうそれ全部シュレッダーにかけろ」

 

 呪いでも掛けられそうなくらい黒いオーラを放つハガキの束が、シュレッダーで分解されていく。

 

銀八「つうか坂本どんだけ出番欲しいんだよ。原作で活躍してんだからそれで我慢しろっての」

 

新八「まぁ、ちょっと前までopとedだけしか姿見せなかった人ですからね」

 

神楽「次いくネ」

 

 

――ペンネーム『とある攘夷志士。とある攘夷志士じゃない桂だ』さんから質問が一通――

 

 

銀八「じゃあ最初からペンネーム使うんじゃねェ!! あいつホント何考えてんだ!! 匿名の意味ねェだろうが!!」

 

 怒鳴る銀八に代わって、新八がハガキの裏を捲る。

 

質問

『いつまでスタンバれば大河の主役が桂小五郎になりますか?』

 

銀八「知るかァァァッ!! 大河に便乗しようとして出番を得ようとしてんじゃねェーッ!!」

 

 銀八はハガキを地面に叩きつける。

 

銀八「つうか作者は大河は基本的に見ないんだよ!! 三国無双は好きだけど!!」

 

新八「いや、三国無双どっから出てきた!?」

 

 するとなのはがおもむろにハガキの一枚を取って声を漏らす。

 

なのは「あッ……鬼兵隊って人たちから投稿が来てますよ」

 

銀八「おい嘘だろ!? まさかの敵キャラからもハガキ来てんの!?」

 

 破壊者高杉の手紙の内容は、

 

『質問です。幕府をぶっ潰す方法を教えてください』

 

 と言った文面が、赤文字でおどろおどろしく書かれていると銀八は想像してしまった。

 

新八「いや、ちょっと待ってください先生! 今の鬼兵隊の方々は、原作だと敵キャラポジじゃなくなっているはずですから、大丈夫なはずです!」

 

 

――ペンネーム『鬼兵隊 またと変態と音楽』さんから質問が一通――

 

 

質問

『やっぱ、この小説のボスキャラは鬼兵隊で決まりだよね?』

 

銀八「知るか!! 作者に聞け!! つうか高杉じゃなくて三バカ幹部かい!!」

 

 どうやら投稿者は鬼兵隊の幹部である、来島また子、河上万斉、武市変平太のようだ。

 

神楽「敵だろうがなんだろうが出番欲しいのは、皆一緒みたいアルな」

 

新八「まァ、出てないキャラいっぱいいますしね」

 

銀八「ヴォルケンリッターすら出てないのに、鬼兵隊が出てくるワケねェだろうが……」

 

 銀八は疲れたように頭に手を当てて、ため息を漏らす。

 

フェイト「そのヴォルケンリッターって人たちからもハガキが来てるよ」

 

銀八「はぁ!? あいつらまだ闇の書の中だろ? いくら特別編だからって自由にもほどがあんだろ……」

 

 今更だが、時空も時間も超越してしまったコーナーに銀八は呆れながら、ハガキを手に取る。

 

 

――ペンネーム『ヴォルケンリッター』さんから質問が一通――

 

 

質問

『マテリアルがヴォルケンリッターになると言うパターンはどうでしょうか?』

 

銀八「ってお前らかィィィィィ!?」

 

 どうやら質問はヴォルケンリッター四人ではなく、マテリアル三人からの投稿だったようである。

 

銀八「お前らはバトルオブエースとGODで我慢しろや!! つうか何ペンネーム『ヴォルケンリッター』にしてんだよ!? A.s乗っ取り計画でも企ててんの!?」

 

 銀八が怒鳴り散らす中、新八が新たなハガキを手に取る。

 

新八「あッ……先生。今度の投稿者は姉上みたいです」

 

 

――ペンネーム『お妙』さんからのメッセージが一通、贈り物あり――

 

 

メッセージ

『新ちゃんが普段お世話になっているなのはちゃんに、私の手料理を贈ります。丹精込めて作りましたので、どうぞ食べてください』

 

銀八・新八・神楽

「「「えッ……?」」」

 

 三人は『丹精込めて作りました』と言う一文を見て、顔面を蒼白にさせる。

 そして、なのはの手には、妙から送られた木製のお弁当箱が。

 

なのは「どんな料理が入っているんだろ?」

 

 なのはは笑顔で弁当箱の蓋を開ける。

 すると、中から黒くおぞましいオーラが立ち込め始め、なのははゆっくりとお弁当箱の蓋を元の位置に戻す。そして、笑顔のまま冷や汗を流しながら、なのはは銀八たちに顔を向ける。

 

なのは「…………あの……中にナニカが……」

 

銀八「よし! 贈り物の例題はこれで分かったな! とりあえず、この贈り物の処分はゴリラに任せるとしましょう!」

 

新八・神楽

「「意義なし!!」」

 

 この時、近藤(ゴリラ)は空に死兆星が見えたとか。

 銀八、新八、神楽は妙が〝丹精込めて〟作った手料理のことを忘れたいが為に、次のハガキを探し出す。

 すると神楽が、ある一枚を手に取る。

 

神楽「あッ! マダオからのハガキもあったネ!」

 

 

――ペンネーム『マダオ』さんから質問が一通、メッセージが一通、贈り物あり――

 

 

質問

『出番を犠牲にすれば良い仕事が見つかりますか?』

 

新八・なのは

「「せ、切実過ぎる!」」

 

 二人はあまりにも悲痛な質問に、悲しみを禁じえなかった。

 

メッセージ

『あ、やっぱり大丈夫です。もう決まったんで』

 

なのは「良かった……。ちゃんと仕事が見つかったんですね」

 

 なのはは安堵し、フェイトは贈り物の『写真』を手に取る。

 

フェイト「贈り物は写真みたいだね。きっと職場の写真じゃないかな」

 

 写真には『長谷川が脱いた草履を綺麗に揃え、屋上の端に立って儚げな笑みを浮かべている』一場面が映っていた。

 写真を見たなのはは顔を青くさせる。

 

なのは「ぜ、全然大丈夫じゃなィィィィ!?」

 

新八「『自殺を決めた』ってことかィィィィ!! ちょッ、これヤバいですよ!! 早く止めにいかないと!!」

 

銀八「いや、もう間に合わなくね?」

 

 質問と写真を送りつけた後なのだから、長谷川が今なお屋上の端に立っていることはないだろう。顛末がどうなったか分からないが。

 

神楽「ならマダオの質問とメッセージの回答は『天国に就職おめでとう』にしとくネ」

 

新八「おィィィィ!? 不謹慎にもほどがあるわ!!」

 

フェイト「なら前向きに『黄泉の国でも頑張ってください』と言う回答で」

 

なのは「フェイトちゃァァァァん!? どこが前向き!? むしろ後ろ向きもいいとこだよ!?」

 

銀八「つうかよォ、もういいだろ。質問、一言、贈り物と全部見せて読者もなんとなくリニューアル版の形式も分かってきただろ」

 

新八「いや、これで締めるにしても後味悪すぎるでしょ!? 自殺者のハガキが最後って!!」

 

銀八「わかったわかった。そんじゃ、次で最後な。次で最後にするぞ」

 

フェイト「あ、これならいいかも」

 

 フェイトは一枚のハガキを手に取る。

 

 

――ペンネーム『人類最古の英雄王』さんからメッセージが一通、贈り物あり――

 

 

銀八・新八

「「ちょっと待てェェェェェ!?」」

 

 大声を出した二人の声を聞いて、なのはと神楽とフェイトは耳を塞ぐ。

 

なのは「ふ、二人共どうしたんですか!?」

 

銀八「どうしたもこうしたもねェよ!! なんでFateの金ピカ慢心王からハガキが来てんだよ!? おかしいだろ!!」

 

新八「もうリリカルでも銀魂でもねェよ!! つうか作者は、この小説に関係ない別次元の連中にも質問を募ったの!?」

 

フェイト「とにかくメッセージを見てみよう」

 

メッセージ

『フハハハハッ! 雑種共! ついに(おれ)は生涯の伴侶となる者と婚姻を果たしたぞ!』

 

銀八「えッ? なに? あの金ぴかついに結婚したの? 一体誰と?」

 

神楽「送られてきたのは写真みたいアルな。これに結婚した相手が映ってるアル」

 

 神楽が見せた写真には、『タキシード着たギルガメッシュと、白いウェンデグドレスを着たかなり胸のデカい青セイバーことアルトリア・ペンドラゴンが、抱き合う姿』が映っていた。

 ただ、セイバーの顔写真の後ろに、薄っすらと別の人間の顔の輪郭が見える。

 

銀八「完全にただの合成写真じゃねェか!! なにこの荒い仕上がり!? 首から下完全に別人だぞ!! あのセイバーが巨乳の姉ちゃんのワケねェだろ!!」

 

新八「あの……その発言してたら、セイバーさんにエクスカリバーもらいますよ?」

 

神楽「しかも合成写真使った結婚報告をあちこちに送ったらしいアルな」

 

銀八「えッ? なんで分かるの?」

 

神楽「このハガキを見るアル」

 

 

――ペンネーム『赤セイバー』さんからメッセージが一通、贈り物あり――

 

 

メッセージ

『慢心王と結婚するなど、大食い貧乳である青も地に落ちたものだな。やはり時代は青ではなく赤! 平成ライダーだってスーパー戦隊だって基本的に赤が主人公なのだから、余がFateの代表的セイバーであることは必然としか言いようがない!!』

 

銀八「なるほど。確かに合成写真バラ撒いてんな、あの慢心王……」

 

なのは「あと贈り物は、赤セイバーさんが私たちの為に応援歌を録音したCDを――」

 

銀八「ジャイアンリサイタルは焼却処分しなさい」

 

フェイト「あッ、もしかしてこの人もFateの世界の住人かな」

 

 フェイトが一枚のはがきを手に取る。

 

 

――ペンネーム『青セイバー』さんからメッセージが三通――

 

 

メッセージ1

『金ぴか殺す!』

 

メッセージ2

『赤ぶっ殺す!』

 

メッセージ3

『他のセイバー皆殺しだ!!』

 

新八「おィィィィ!? 本家本元のセイバーさん殺意丸出しだよ!? しかもさり気に全セイバーキャラ抹殺宣言しちゃってるよ!!」

 

銀八「嘘結婚報告と赤の発言が相当気にくわなかったんだな。あの二人なら意気揚々とハガキも写真もばら撒きそうだし」

 

フェイト「あッ、桂って人がペンネームを変えてまたハガキを送ってきてる」

 

銀八「はァ? あのバカはまたハガキ送って来てんのか!? 一応三つは送って来ていいルールだけどよォ……」

 

 銀八がハガキを手に取る。

 

 

――ペンネーム『桂小五郎じゃない桂だ』さんから質問が一通――

 

 

銀八「おいコラァァァァァッ!! なに元になった偉人の名を騙ってんだあの電波バカ!! おめェと小五郎さんを一緒にするんじゃねェ!! 失礼にもほどがあんだろ!! つうか訂正するなら偽名使う意味ねェだろうが!!」

 

 とは言え、ペンネームは基本自由なので、銀八は仕方なくハガキの裏を捲る。

 

質問

『いつまでスタンバれば俺は桂小五郎として聖杯戦争に参加できますか?』

 

銀八「参加できるワケねェだろうがァァァァ!! お前は頭の天辺から足の先まで電波バカだろうが!!」

 

フェイト「あッ、先生。Fateの世界じゃない人からも手紙来てるよ」

 

 

――ペンネーム『スーパーストロング決闘者(デュエリスト)沢渡』さんから質問が一通――

 

 

銀八「今度は遊戯王かい!!」

 

 と銀八がツッコム中、質問をフェイトが見る。

 

質問

『ザァークになった遊矢は主人公失格だから、俺が主人公になって、タイトルを〝遊戯王ARC-V~沢渡伝説~〟に変えるのってどう?』

 

銀八「勝手に作ってろ!! つうかもうARC-V終わりだろうが!!」

 

新八「なんかだんだん別作品のキャラたちが目立ち始めて来ましたよ?」

 

なのは「今度は仮面ライダーの人からもハガキが……」

 

 

――ペンネーム『エグゼイド』さんからメッセージが一通――

 

 

メッセージ

『ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!』

 

銀八「なにを!?」

 

フェイト「あ、今度は別のライダーさんだ」

 

 

――ペンネーム『宇宙キター!』さんから質問が一通――

 

 

銀八「今度はフォーゼかよ!」

 

質問

『エグゼイドってダサくね? アレ本当に主人公ライダーなの? 敵ライダーの方がカッコよくない?』

 

銀八「お前が言うな!! お前だけには絶対言われたくない!! つうかフォーゼってこんな感じだったっけ?」

 

新八「なんか、別の作品の方々からいっぱいハガキが来てますよ」

 

※ここからはダイジェストに投降者たちのハガキをどうぞ。

 

 

――ペンネーム『913』さんからメッセージが一通――

 

 

銀八「今度はカイザかよ!」

 

メッセージ

『フォーゼやエグゼイドがダサいのは全部乾巧って奴のせいなんだ』

 

フェイト「なんだって! それは本当なの?」

 

銀八「嘘に決まってんだろ!」

 

 

――ペンネーム『鳴滝』さんからメッセージが一通――

 

 

メッセージ

『おれのディケイドォォォォォ!! 貴様のせいで、平成二期のライダーはデザインが微妙なのばかりになってしまった!!』

 

銀八「余計なお世話だ!! あと失礼だ!! つうかディケイド関係ねェだろ!!」

 

 

――ペンネーム『エグゼイド』さんからメッセージが一通――

 

メッセージ

『俺がダサいとか言ったな? フォーゼ、ノーコンテニューでぶっ殺す!!』

 

――ペンネーム『フォーゼ』さんからメッセージが一通――

 

メッセージ

『いいぜ! タイマン張らせてもらうぜ!! ダサライダー決定戦だ!』

 

 

銀八「ハガキで会話すんな!! つうかなにこのチンピラライダー共!? つうかフォーゼに至ってはダサい自覚あるんじゃねェか!!」

 

 

――ペンネーム『仮面ライダーZURAじゃない桂だ』さんから質問が一通――

 

 

質問

『俺はいつまでスタンばってたら仮面ライダーになれ――』

 

銀八「知るかァァァァッ!! おめェは一生ウェイクアップフィーバー言ってろ!!」

 

 銀八は桂の手紙を破り捨てる。

 

 

――ペンネーム『黒龍』さんから質問が一通――

 

 

銀八「なんで作者まで質問してんだァァァァァァ!!」

 

質問

『新しい小説って言うか、にじファン時代に書いてた銀魂とリリカルなのはと仮面ライダークウガのコラボした上に、他作品から一部のキャラ出す小説をリメイクして復活させようと思ってるんですけど、どう思います?』

 

銀八「ふざけんなァァァッ!! これ以上この小説の投稿ペースを遅くさせるなんて俺が許さねェぞコラァァァァ!!」

 

 銀八はハガキをビリビリに破り捨てる。

 

 

――ペンネーム『独眼竜』さんからメッセージが一通――

 

 

銀八「お、今度はまともな投稿者じゃねェか。歴史上の偉人なんて――」

 

メッセージ

『Let's party!!』

 

銀八「ってBASARAかィィィィ!? つうかコイツは一体俺たちになにを伝えたいワケ!?」

 

 

――ペンネーム『絆』さんからの質問が三通――

 

 

質問1

『ワシってどうやったら人気投票1位になりますか?』

 

銀八「知らねェよ!! つうか今度はBASARAの家康かよ!!」

 

質問2

『戦国BSARA3の主人公ってワシだったのに、独眼竜が1位っておかしいですよね?』

 

質問3

『実は結局3作目の主人公はワシじゃなくて、独眼竜だったから4では主役から降板したんですか?』

 

新八「あの……BASARAの家康さんから、かなりネガティブな質問が寄せられてるんですけど……。4皇が発売したのに、まだ3のこと引きずってるんですけど……」

 

神楽「こっちは対照的に家康を励ます明るいハガキネ」

 

――ペンネーム『真田の忍』さんからメッセージが一通――

 

メッセージ

『徳川の大将は主人公ですぜ(笑)』

 

――ペンネーム『刑部』さんからメッセージが一通――

 

メッセージ

『ヒヒヒ……徳川の主人公(笑)は本当に愉快愉快(笑)』

 

――ペンネーム『天海』さんからメッセージが一通――

 

メッセージ

『主人公(笑)さん。BASARA4では主役から脇役降格おめでとうございます(笑)』

 

 

新八「どこが明るいメッセージィィ!? 全員もれなく家康さんこき下ろしてんでしょうが!! 励ましじゃなくて悪意しか感じねェよ!!」

 

銀八「つうかBASARAの佐助と天海と大谷じゃねェか!! ここにきてBASARA祭り!?」

 

フェイト「あ、ちゃんと銀魂勢からのハガキもあるよ」

 

銀八「あん? どうせヅラだろ?」

 

 

――ペンネーム『ソーゴ・ドS・オキタⅢ世』さんからメッセージが一通――

 

 

銀八「バカイザーつうか沖田じゃねェか!!」

 

メッセージ

『家康。八位でも良いじゃねェか。票数は四桁なんだぜ? もっと誇りに思いな』

 

銀八「……えッ? あのドS王子が人のこと気遣ってるぞ? 明日は槍でも降るか?」

 

フェイト「待って先生。p.s.って文字の後に一文が……」

 

 

『p.s.アイドルオタクの地味眼鏡と一緒の順位なんだから誇りに思いな(爆笑)』

 

新八「どういう意味だコラァァァァァ!!」

 

なのは「結局この人も家康さんをこき下ろしてるよ!!」

 

神楽「あ、風魔小太郎って奴からもハガキが来てるネ」

 

 

――ペンネーム『風魔小太郎』さんから質問が一通――

 

 

質問

『徳川家康殿が〝ソーゴ・ドS・オキタⅢ世〟と言う者から送れた文を見た途端、嬉しそうに涙を流しと思ったら、次は絶望一色の表情で吐血したのだが、なにか心当たりはないか?』

 

新八「おいコラ家康ゥゥゥ!! そんなに嫌だったんか!! 僕と同じ順位がそんなに嫌だったんか!!」

 

 怒りながら涙を流す新八をよそに、フェイトは新たなハガキを手に取る。

 

フェイト「ここに家康さんを励ます感じのハガキが一通あったよ」

 

 

――ペンネーム『凶王』さんからメッセージが一通――

 

 

銀八「いや、BASARAの三成じゃねェか!! あいつが家康励ますワケねェだろ!!」

 

メッセージ

『家康ゥゥゥゥ!! 死ぬのは構わぬが死ぬなら俺に斬首されてから死ねェェェェ!!』

 

フェイト「これが一部で流行っているヤンデレ……」

 

銀八「っじゃ、ねェだろォォォ!! 完全に殺意しか感じねェよ!! とりあえずツンなんて一つも感じねェよ!! こんなもんただのヤン殺だろうが!!」

 

神楽「先生。どうやら次のハガキもBASARAみたいネ」

 

 

――ペンネーム『真田幸村』さんからメッセージが一通、質問が一通――

 

 

メッセージ

『うぉぉやぉぁかぁたぁさまぁぁぁぁああああああああああああああああああッ!!』

 

銀八「あーつーくーるーしィィィィィィィィッ!!」

 

 ビリビリと銀八は真田幸村のメッセージのハガキを破り捨てる。

 

なのは「……えっと、質問の方は……」

 

 質問のハガキの方に少し長い文章が書かれていた。

 

質問

『いきなりの心の叫びを聞かせ申して、すみませぬ。そちらの作者殿からお声をいただき、各々方に我が親方様に対する熱い敬愛をどうしても伝えたかったが為に、筆を取った次第』

 

銀八「あいつって親方様絡みじゃなかったら、比較的思考はまともなんだよな……」

 

 銀八は呆れながら文章の続きを読む。

 

『つきまして、実は家康殿が〝妙な修行〟をする場面を偶然見かけもうして、あれは一体なんの修行なのか某には皆目見当がつかず、こうやってそちらに質問を送り申した』

 

新八「えッ? 修行?」

 

『何故か家康殿は見張り台の端に付き、〝儚げな表情で立っていた〟のござる』

 

銀八・新八・なのは

「「「えッ……?」」」

 

 文面の一文を見て、三人は徐々に顔を青くさせる。

 

『そして、家康殿はそのまま両手を広げて涙を流しながら、高き見張り台より〝身を投げ出し〟申した。某にもあの修行法はどんな目的と志を持って挑むものなのか、皆目見当もつかず、こうやって質問を送り申した。どんな修行法なのか、教えていただきませぬか?』

 

銀八「それ修行じゃなくてただの自殺ゥゥゥゥゥ!!」

 

新八「折れたァァァァ!! 家康さんの心がぽっきり折れたァァァァァ!!」

 

なのは「嘘ぉぉぉぉ!? これで自殺者二人目ぇぇぇぇ!?」

 

銀八「あいつそんなに人気投票の順位が酷かったことに落ち込んでたの!? そんなに主人公(笑)呼ばわり気にしてたの!? 新八と一緒の順位がそんなに嫌だったの!?」

 

新八「なんなんだよこの東照大権現!! アイドルオタクバカにすんのもいい加減にしろよ!!」

 

フェイト「あ、また『真田の忍』って人から、今度は質問のハガキが送られてる」

 

銀八「なにッ!? また佐助から?」

 

 

――ペンネーム『真田の忍』さんから質問が一通――

 

 

質問

『なんか、真田の大将が〝某も家康殿と同じ修行をしてみるでござる!〟とか意気込んでどっか行っちゃた後、何日も帰って来てないんだけど、なにか知らない?』

 

銀八・新八・なのは

「「「…………」」」

 

 コーナーに沈黙が訪れ、銀八と新八となのはは顔を青くさせる。

 

なのは「……幸村さん……死んじゃったんじゃ……」

 

新八「なのはちゃん!! 忘れよう!! このことは忘れよう!! 僕らじゃどうしようもなかったんだから!!」

 

銀八「と、とりあえず……BASARA関連は止めにして、別の作品のハガキを見てみようぜ」

 

 銀八はハガキの束からBASARA関係者以外の物を探し、一つのハガキを見つける。

 

 

――ペンネーム『赤馬零児』さんから質問――

 

 

銀八「お、ARC-Vの社長じゃん。コイツなんだかんだ良い人ポジだったしな、質問もまともだろ」

 

質問

『最近、ランサーズのメンバーである沢渡シンゴの姿を、ここ一週間見なくなってしまっている。さすがにお調子者の彼ではあるが、我らランサーズにとっては大事な戦力だ。居場所を知らないか?』

 

銀八・新八・なのは

「「「…………」」」

 

 また沈黙が訪れ、三人は青い顔をする。

 

新八「……し、知りませんよね?」

 

銀八「し、知らない知らない……皆目見当もつかねェよ」

 

なのは「ゆ、遊戯王は止めて別のハガキにしましょう」

 

 

――ペンネーム『激辛麻婆をこよなく愛する神父』さんから質問が一通――

 

 

銀八「……ふぇ、Fateの言峰綺礼じゃん。まァ、この際コイツでも――」

 

質問

『私が知らぬ間に英雄王――ギルガメッシュの姿を見なくなってしまったのだが、何か知らぬか?』

 

銀八・新八・なのは

「「「…………」」」

 

 三人の顔はまた青くなり、フェイトは次のハガキを手に取る。

 

 

――ペンネーム『キャス狐』さんからの質問が一通――

 

 

質問

『私はぶっちゃけどうでもいいんですが、ここ最近赤セイバーさんの姿を見なくなりました。ご主人様が心配なされているので、もし姿を見たらご一報お願いします』

 

銀八・新八・なのは

「「「…………」」」

 

 三人の顔は既に顔面蒼白の域にまで達してきている。

 

新八「……あのォ……いつの間にか自殺者3名と、消息者3名と言う、とんでもない事態に……発展してるんですけど……」

 

なのは「これって、やっぱり犯人は……」

 

銀八「き、気にすんなって! 自殺者も消息不明もよくあることだろ! 不幸な事故だよ! 事故!」

 

 とりあず重い空気を払拭させようと、銀八は新しいハガキを手に取る。

 

銀八「……おッ。ちょっと色々言われてるけど、Fateの良心たる士郎じゃねェか。きっと明るい質問が――」

 

質問

『なんか、セイバーが覇王龍ザァークとか言うドラゴン人間と一緒に〝金ぴかと赤をぶっ殺す!〟とか息巻いて、どっか行っちゃんだけど、なにか知りませんか?』

 

銀八・新八・なのは

「「「…………」」」

 

 もうこの質問で犯人が確定してしまった。

 

銀八「……やっぱ……主人公失格って言葉が気にくわなかったんだな……」

 

新八「も、もうこの話は止めましょう……」

 

なのは「も、もう……このコーナー、これでお開きにしませんか? 最後って言ってから、大分答えちゃいましたし」

 

銀八「そ、それもそうだな。これ以上やっても、犠牲者が増える一方だし」

 

新八「じゃあ、なんか明るそうなハガキで終わりにしましょうね。今度こそ」

 

 神楽がハガキの一枚を手に取る。

 

神楽「あ、『海馬コーポレーション』の奴からハガキが来てたネ」

 

銀八「あん? つうことは海馬社長か? まァ、性格はともかく豪快な奴だし、人気もあるし、最後の絞めにはもってこいか」

 

神楽「いや、社長じゃなくて社員みたいアル」

 

銀八「おもっくそモブキャラじゃねェか。まァ、いいや。性格もぶっ飛んでなさそうだし、比較的まともなハガキだろ。とっと読め」

 

 

――ペンネーム『KC社員マダオ』さんからのメッセージが一通、贈り物あり――

 

 

銀八「ってただの長谷川さんじゃねェか!! なんで自殺しようとしたおっさんが、ちゃっかり就職先まで手に入れてんの!?」

 

新八「と、とにかく読んでみましょう! 長谷川さんの顛末が分かるはずです!」

 

神楽「結構長い文章を送ってきてるアルな……」

 

メッセージ

『私は、海馬コーポレーションに努める一会社員、マダオです。実は私には、この会社に勤務する以前の記憶がありません。私が唯一覚えているのは、何故かビルから飛び降りた時に、恐ろしい姿をした黒く巨大な龍が発した光に包まれ、海馬コーポレーションビルの屋上へと倒れていた記憶だけでした』

 

銀八「覇王龍のせいでなんかエライ事態になっちゃってんだけど!? 長谷川さん大丈夫なの!? 元の世界に戻ってこれんの!?」

 

『ここの社長は優しいお人で、記憶を失った私を社員として雇ってくれるだけでは飽き足らず、〝窓際のダメなおっさん〟と言う言葉を略し、マダオと言う名を与えてくれました』

 

銀八「どこが優しいの!? 寧ろ意地悪もいいとこだぞ!!」

 

『記憶を失う前の私が、どんな職に就いていたのかは分かりませんが、ここの職場は中々にやりがいがあるようです。

仕事で小さなミスを一つでもすれば、次々と手裏剣のようによく刺さるカードを投げつけられ、常に社長の無理難題に近い要求こなす為に、24時間労働を強いられ、社長が社内を移動する時は、馬として彼を背中に乗せて移動していました』

 

銀八「ブラック企業も裸足で逃げだすレベル暗黒企業じゃねェか!! つうかほぼ奴隷だぞこれ!!」

 

『今の私にとって、水を得た魚も同然なくらい、この職場は合っていたらしく、満足感と同時に気持ちよさまで感じ始めています』

 

銀八「この人ただのドMなんですけど!」

 

『日々激務に追われる中、私には心に引っかかるモノを感じていました。それがきっと私の失った記憶――〝失われたマダオの記憶〟が原因なのだろうと、薄々私は感じていました』

 

銀八「失われたファラオの記憶みたく言わないでくれない? あんたの転落人生と、王様の過去を一緒くたにされたくないんだけど?」

 

『私は暇な時、どこかの住所の番号が書かれたハガキの切れ端を眺めます。これは私が記憶を失ってからも手に握り絞めていたもので、これがもしかしたら、私の記憶呼び覚ますヒントになるかもしれないと思っていました。だけど、ハガキを眺めるのが社長にバレると、強烈なアッパーカットを喰らうのは良い笑い話になるしょう(笑)』

 

銀八「全然笑えないんだけど……。寧ろ悲しくなるんだけど……(悲)」

 

『そんな激務と生傷が絶えない日々が続くある日、社長からこんな伝言を頼まれました』

 

神楽「……ここで文章が終わってるアル」

 

新八「えッ? じゃあ続きは? 僕、結構先が気になるんだけど?」

 

 するとフェイトが茶封筒を手に取り、中から紙の束を取り出す。

 

フェイト「マダオさんから原稿用紙の束が送られてきてる」

 

なのは「添え書きに、『ハガキの続きは、私が小説風にして原稿用紙に書きました。拙い文章ですが、読んでください』って書いてあります」

 

銀八「随分手間かけてんな……。どれどれ……」

 

※ここからは台本形式ではないのであしからず。

 

「マダオよ、よく聞け。今から貴様に指令を出す」

 

 私は社長――海馬瀬人様のオフィスで背筋を伸ばして立ち、彼からの指令を待つ。

 社長はデスクに肘を付き、顔の前で腕を組みながら、鋭い眼光で私に命令を下す。

 

「貴様も知っているだろうが。今現在、童実野(どみの)町では四人の妙なデュエリスト共が一大勢力を築き、勢力争いを繰り広げている。貴様にはその鎮圧の任を与える」

 

 社長の言う四人のデュエリスト。

 

 一人は赤き衣を纏った熱き男のデュエリスト――烈火の虎。

 

 一人は赤き衣を纏いながら豪華な装飾に耳を包んだ女性のデュエリスト――至高の芸術。

 

 一人は太陽なようにオーラを発すると言われる男のデュエリスト――絆の拳。

 

 一人は黄金の装飾に身を包んだ男のデュエリスト――金色の王。

 

 この四人は突如現れ、デュエリスト軍団を築くと共に、瞬く間に四大勢力として童実野で日々覇権を競っていると言う。

 無論、私は海馬コーポレーションに努めるとはいえ、所詮はただのサラリーマン。デュエル経験などない。

 恐れ多いが、私は首を横に振って答える。

 

「しかし社長。恐れ入りますが、私のような平社員では、あのような最強デュエリストたちには、とても太刀打ちできません」

「ふぅん。そんなことは百も承知だ」

 

 社長はニヤリと口元を吊り上げて、私に告げる。

 

「貴様はたしか、記憶を失った時にハガキの紙切れを持っていたそうではないか? そして今、町で台頭しているデュエリストたちのボス猿四人も、同じような紙切れを持っているようだ」

「ッ! ……つまりそれは……」

 

 私は社長の言葉に、内心で衝撃を受けながらも更に質問を投げかけようとすると、社長はオフィスチェアをクルリと回転させる。彼は、後ろの窓から見える眼下の街並みを眺めながら、口を開く。

 

「あのような無法者共など、俺の手にかかれば瞬殺であろうが、貴様のような無能を使って強豪デュエリスト共を無力化するのも、一興と思ったのでな」

 

 私は流行る気持ちを抑えながら、社長に頭を下げた後、すぐに四人のデュエリストたちの元へと向かった。

 情報によれば、彼らは今まさに四勢力最強のデュエリストを決める為、雌雄を決しようとしているらしい……。

 

 

 私が向かった先には、今まさに雌雄を決しようとする四大勢力の頭目たちが、部下たちを後ろに引き連れ、対峙している真っ最中であった。

 平社員である私がこのまま出しゃばっても倒され、ボロ雑巾にされるのがオチかもしれない。

 だが……。

 

「お主達との熱き戦もついに決着の時!」

 

 烈火の虎がデュエルディスクを構える。

 

「ここは戦場などではない。我が至高の芸術(デュエル)を飾るステージよ!」

 

 至高の芸術がデュエルディスクを構える。

 

「この長き不毛な戦いに雌雄を決し、お主達との絆を結んでみせる!」

 

 絆の拳がデュエルディスクを構える。

 

「ほざけ雑種共。所詮貴様らはただの余興に過ぎん。結果など、とうに見えている」

 

 金色の王がデュエルディスクを構える。

 四者は睨み合い、

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

 カードをドローしながら一斉に敵に向かって駆け出す。

 その時、私は四大勢力がぶつかり合うであろう中心地へと仁王立ちし、私の姿に気づいた四人は咄嗟に足を止める。

 

 ――例え平社員にも、通したい意地はあるのだ。

 

「お主! 何者でござるか!」

「神聖なるデュエルに乱入するなど、言語道断だ! 乱入ペナルティを受けたいか!」

 

 烈火の虎と至高の芸術が、私に向かってカードを突き付け、凄まじい威圧感を放つが、私は腕を組んだまま臆することなく口を開く。

 

「くだらねェ争いはもうやめろ。お前たちも一人のデュエリストであるなら、同じカードゲームを楽しむ仲間のはずだ」

 

 すると、私の言葉に反応して、金色の王が怒りの表情を浮かべる。

 

「仲間だと? ふざけるな! こやつらのような下賤の者共と一緒にされるなど虫唾が走る!」

「確かにお主の言い分も分かる! だが、一度ぶつかり合わねば分かり合えぬ時もあるのだ!」

 

 絆の拳は私の言葉に賛同をみせるが、やはり納得はしてくれない。

 

「ならば、言い方を変えよう」

 

 そう言って私は、他人からはゴミと言われてもおかしくなかった、過去の記憶に繋がる紙片を四人に掲げて見せる。

 

「「そ、それは……!」」

 

 烈火の虎と絆の拳が驚きの声を上げ、至高の芸術と金色の王もまた、私が見せた紙を見て驚愕の表情を浮かべている。

 

「あんた達はデュエリストである前に……」

 

 私は紙片を見せつけながら、四人の驚く顔を見渡し、言葉を紡ぐ。

 

 ――そう。過去の我々もきっと性格も立場も性別でさへ、てんでばらばらで共通点などなかったはず。だが、もしこの四人も私と同じ紙片を持つと言うならば……。

 

「俺と同じく過去に共通する目的を行おうとした――〝同志〟であるはずだ」

 

 私がそう言った瞬間、四人はデュエリスディスクを構える腕とカードを持つ手を下ろし、ゆっくりと私の方まで歩いて行く。

 

「自分が誰であるのかも分からず……」

 

 最初に口を開いたのは、烈火の虎。

 

「住むところも食いぶちもないワシたちは生きる為……」

 

 次に口を開くのは絆の拳。

 

「たった一人で、我武者羅にこの町でデュエリストとして……」

 

 更に言葉を繋げるのは至高の芸術。

 

「頂点を目指して邁進(まいしん)していた……」

 

 最後に言葉を発するのは、金色の王。

 

 そして四人は、私の元まで歩くと、さらに言葉を紡ぐ。

 

「記憶に残っていたのは黒い龍が発した光……」

 

 烈火の虎が自身の胸倉を掴み、絞り出すように言葉を発する。

 

「謎の眩き光……」

 

 悲しそうな表情で至高の芸術が言葉を紡ぐ。

 

「そして残った物と言えば……」

 

 絆の拳が懐に手を入れ、

 

「――この〝ハガキの紙片〟だけ」

 

 金色の王が、ある紙片を懐から取り出すと同時に、残りの三人も紙片を取り出した。

 

「「「「この町に来た時から……」」」」

 

 四人が懐から取り出した紙片を前へ差し出すと、私は笑みを浮かべ、持っていた紙片を彼らへと差し出す。

 

 ――全員が持っていた紙片は、我々同様にてんでばらばらで、一つに合わさることはない……。

 

「「「「ずっと……一人だと思って生きてきた……」」」」

 

 気が付けば、私たち五人は抱き合い、涙を流し続けた。

 

 ――だが、確かに我々全員の気持ちを、一つへと繋げ合わせたのだ。

 

 そして散々涙を流した後、我々はすぐに次の行動に移る。

 

「り、リーダー! 決戦は!?」

 

 烈火の虎の部下の一人が、動揺しながら質問を自分たちの長へと投げかける。

 

「そんな下らんことをしている暇はなくなった」

 

 烈火の虎が答えると、今度は絆の拳の部下が質問を飛ばす。

 

「で、では……これから一体何を?」

「同志マダオ。彼こそが我々に新たな道を見出してくれた」

 

 絆の拳がデュエリスディスクを腕から外し、

 

「我々がやるべきこと、それは〝生きること〟」

 

 思考の芸術はスーツを着こなし、

 

「ましてや最強デュエリスト決定戦などではない」

 

 スーツを着た金色の王は、ある一枚の紙を取り出した。

 私は笑みを浮かべ、告げる。

 

「皆で――〝就職〟しよう」

 

 

――ペンネーム『KC社員一同』さんから贈り物あり――

 

 銀八が手に取った写真には、スーツ姿の長谷川泰三、真田幸村、赤セイバー、徳川家康、ギルガメッシュの五人が、肩を寄せ合いながら各々満足げな笑みを浮かべて立っており、写真にはデカい文字で、

 

『年末も休みなく働く、笑顔の絶えない職場です』

 

 と言うメッセージが添えられていた。

 ボッ、と銀八は贈られてきた写真にライターで火を付けて燃やし、窓の側に立って燃えカスを飛ばす。

 

「あ、先生。コレもお願いします」

 

 新八は銀八に一枚のハガキを渡す。

 

 

――ペンネーム『ヅラ・フェニックスじゃない桂だ』さんからメッセージが一通――

 

 

メッセージ

『赤き龍に乗って童実野(どみの)町へとスタンバってたら、途中で沢渡シンゴ殿と出会って、一緒にガンダムの世界に着きました』

 

銀八「カーッペ!」

 

 銀八は『ヅラ・フェニックスじゃない桂だ』さんのハガキに唾を吐きつけて、そのまま丸めて窓へと捨てる。

 

神楽「先生。締めはどうするアルか?」

 

銀八「リリカルなのはの主人公ズ、お願いします」

 

なのは・フェイト

「「これからもこのコーナーをよろしくお願いします」」

 

 二人はペコリと頭を下げる。




ちなみに、最新の質問コーナーはこっから更に変遷を辿って、形式がちょくちょく変わっていたりします。

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