Fate/zeroに綺礼として転生しちった主人公がジャックちゃんと過ごしてる……だけ!
ちなみに基礎スペック<<<<<<<<<<越えられない壁<<<<<<<<<<愛情補正となっています。
「おかあさーん」
言峰騎礼に転生して17年。
第四次聖杯戦争の最中……恐れていたことは起こってしまった。
俺が召喚した、何故か原作とは違うサーヴァント(しかしそれでもアサシンだ)、ジャックザリッパー。
どういうわけか召喚されたこの子は男の俺をおかあさんと慕い、物凄くマザコンをこじらせている。
でもそれだけなら良いんだ。別に被害はないし。ただハサンと違って人数を増やして影武者で退場ってのが出来ないくらいで。
……でも、問題があるんだ。それはこのステータス。
ジャックザリッパー
属性:狂・悪・混沌
クラス:ラヴァー(アサシン)
ステータス
筋力SSS
敏捷SSS
魔力SSS
耐久SSS
宝具EX
スキル
愛を求める者:EX
愛を求めるが故に、その欲望を力に変えるスキル。自らの持つ愛されたいと望む部分が強ければ強いほど、ステータスが強化される。
狂化:D
多少頭のネジが外れている。
気配遮断:A+
気配を隠せばよほど高位の直感スキルが無ければ見付からない。
怨念:A
自らを形作る産まれることのできなかった子供たちによる怨念。女性サーヴァントへの特効効果。
恩返し:EX
自らが受けた愛へ報いるスキル。愛されれば愛されるほどステータスが上昇する。
宝具
赤き復讐者:ランクEX
対人~対軍宝具
ジャックザリッパーの持つ、復讐者としての側面。
受けたダメージに比例して与えるダメージが増大する。
致命的なダメージを無効化する。
所持者が殺された場合、殺した相手を道連れにする。
……お分かり頂けただろうか。
このジャック、普通のジャックじゃないのだ。
そして……狂化持ちであるが故か、俺が可愛くて愛しまくっちゃった故か、ジャックは俺を盲信している。
俺が正義を悪と言えば信じるし、俺には絶対に逆らおうとしない。
原作言峰さん的に考えればこれほど都合の良い手駒もないだろう。
……しかし、俺はそう思わない。
何せこのジャックは。このサーヴァントは。
「金ピカがお母さんをバカにしてたから首とって来たよ!褒めて!」
気付けば俺をバカにしたやつを片端から首だけにして持ってくるようになったのだ。
そのたびにちょっとだけ叱っちゃいるが、なんだかなぁ……せめて首を持ってくるのだけでもやめてもらいたい。俺の精神衛生上生首はあまり良くないのだ。
「ジャック、英雄王の首を取ってきたことにはとやかく言わないけど、それ捨ててきなさい。ばっちいから」
とりあえず捨ててくるように命じる。
叱るにしてもなんにしても、この首が腐るなりして臭いを出し始めたら手に負えん。
「えー……」
「いくら俺でも生首持った娘と暮らしたくはない」
「ちょっと捨ててくるね!」
よし、ジャックは行ったな。それじゃ今日こそ叱るぞ。俺をバカにした程度で人を殺しちゃいけないって。
今回は相手が英霊だから良いけどね、相手が人間になったら本当にダメだ。
だからそうなる前にやめさせる。
「捨ててきたよー」
さぁ俺、勇気を振り絞って叱るんだ。俺をバカにした程度で人を殺しちゃいけないって。さあ!
「ねぇお母さん!私、敵のサーヴァントを殺したんだよ!褒めて!」
……ダメだ俺!ついつい頭に伸ばしちゃう手を止めるんだ!
なでなでし始めたらキリがないぞ!
しかし、そう理解できていても止められないものはある。
心では叱らないといけないと分かっていながら、本能はナデナデして抱き締めちゃいたいという矛盾ががが。
……よし、この矛盾を解決しよう(使命感)
まずジャックの頭に手を置く。そして撫でて、だんだんやめられなくなって、抱き締めて……で、ようやく思い出して、やさしーく怒る。
これこそ角を立てない感じの叱り方だな。俺がバカ親的なものに近いと言うのは分かっているが、なまじ人の命を奪うこともある職業柄ジャックに強く言うことも出来んしそもそもジャックが俺のことに関してはやたら敏感というのはある程度周知の事実だったしな。
ジャックにとって最適な天候だったのにそこを気を付けなかったギルガメッシュが悪いんだ(責任転嫁)
というか説明しなかった遠坂さんが悪い……
あぁそうだ。この際いっそサーヴァントを全員仕留めてしまうというのもどうだろう。
住み慣れてしまった冬木の町が混乱に陥る前に手を打ってサーヴァントたちを一匹残らず駆逐してやるんだ。
そうすれば俺に危険が降りかかることはなくなるし、そんだけ殺せば(主にライダーとか)流石に人を殺すのに疲れるだろう。
本質的なところでジャックは誰かの愛を求めているだけだからな。
殺したいから殺す系の面倒な殺人鬼と違ってちゃんとコントロールすればどうとでもなる類いのものだ。
だからサーヴァントを生け贄にすればジャックが人を殺すのも少なくなるに違いない。
「おかあさん……」
……おっと。ジャックが何かお呼びのようだ。
まぁ、大抵の場合ジャックがこんな具合で俺を呼ぶ時は物凄く甘えたくて仕方ない感じの時だがな。
何故分かるかって?経験則だ。正直最初は驚いたがね……FGOのジャック、こうだったっけ?って。
でも可愛いから許す。少なくともFGOより酷い殺人鬼風よりはずっとマシだ。
あー、やたら都合の良い転生って素晴らしい。
ー三日後、ケイネスおじさんー
何故だ、どういうことだ、訳が分からん!
何故私のランサーがただの執行者に素手で一方的にやられているのだ!?
確かに執行者は強いぞ、何せ私でも準備なく戦えば不味いかもしれない。
しかし相手は人間でなくサーヴァントだ。いくら執行者でも敵うはずはない、少なくとも苦戦はするはずだろう。
だが……何故奴はふざけた仮面を被るという行為で自分の視界を狭くしてなお、ランサーを圧倒しているのだ!?
しかもランサーはすでに退却のために戦い始めている有り様だ。まぁ私でもあれは普通に逃げることを選ぶがな。
あんなバケモノと戦いたい奴などいるはずはないだろう。
最悪、令呪を使ってランサーを回収してみるか?
……いや、それは流石に最終手段、本当の本当にピンチな時に……!?
令呪の使用を考えた私は、自分の首にナイフが当てられていることに気付いた。
アサシンか!こんな時に限って出てくるとは面倒な……
私は、渋々ながら眼前の脅威を取り除くために令呪を発動する。
「令呪を持って命ず!現れ出でて我が眼前の敵を消し去れ!ランサー!」
令呪の命令は一角につき1つだ。
しかしこのように瞬間移動と強化を混ぜることくらいは……
おい待て、ランサーはまだ来ないのか?
すでに何秒か経過したというのに、ランサーは来ないのか?
私は死を覚悟した。このままでは死ぬと。
しかし、偶然なのかそれともランサーを仕留めたからなのか、アサシンは私の首からナイフを離すとどこかへと消えていった……
私は、何故かサーヴァントでなく執行者によって、そのサーヴァントを失ったのであった。
泣いていいか?
ー言峰ー
いーはー。ランサーさん仕留めちゃったZE☆
地味に持ってる学園都市第七位の力でもってボッコボコにしてやったけど、調子悪かったのかね?
こけ脅しのために鬼の面付けたりもしたけどさ、実は鬼がものすごく怖くて本調子じゃなかったとかだったら笑うぞ。大笑いしてバカにするぞ。
ランサーじゃなくてそれじゃただの雑魚じゃないか。ってね。
……で、ノリと勢いであっという間にランサー陣営を蹴散らしちゃった俺だけど、ある危機に直面している。
セイバーって、そういやランサーとの相性最悪だったね、と。
最優のセイバークラスとか、一番に警戒しろよ俺。確かにランサーがいけ好かないからってそっち狙うなよ、普通に戦略的に動けよ。
「おかあさーん!私、ちゃんと殺さなかったよ!」
あ、ジャック。偉いじゃないか。
ちなみに今回はジャックに『ケイネスを殺さず、しかし恐怖を与える』という仕事を任せていたんだ。
いくら第七位の力(訳ワカンネーチート能力ともいう)があるとはいえ、相手はサーヴァントなんだから、ケイネスの援護1つで戦況が変わっていた可能性もあるし、そのため……と、いうのは建前で、ただ単にやはりジャックに進んで殺しをさせるのは気が引けると思ったんだ。
少なくとも俺の個人的主観によればサーヴァントを仕留めるのは人殺しに似た感覚だから、出来ればジャックに教えたくないんだ。
むしろ出来ればファザコン文化の方を教えたいですよ。えぇ。
流石に男なのにおかあさんおかあさん言われるのには違和感があるんだよね。
でもおとうさんと呼ばれたら……ヤバい頭に血が。
……とにかくさ、俺はジャックにおとうさんと呼ばせたいわけなんだ。
……で、ところで俺は一体、何を話していたんだったか?
主にランサー陣営をぶっ飛ばしたのことについてはケイネスおじさんになんの恨みもないけどただちょっとランサーがイケメンなことにイラッと来ただけなので、気にしないでください。
そしてジャックちゃんはきっと5年10年と過ごす内にドンドンデレてくるタイプだと思ってる。
その結果がこれ。
デレ98%ジャックちゃんだよ!
なお異論反論は受け付けるがジャックちゃんが可愛いことへの異論反論はそれを幻想として扱いぶっ壊す!