ワイルド&ワンダラー   作:八堀 ユキ

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昨日、投稿前に色々手を加えたら時間かかって終わったら数時間立っていたという。面倒くさくて翌日に持ち越し、こういうこと久しぶり。
次回更新は来週を予定。


交錯 Ⅲ

 サリーは自分の立てた木造建ての家で目が覚めた。

 ドア代わりの布をくぐって外に出るとさっそく空を見上げる。そこには今の自分の全てがあった。

 

「――絶景だよな、まったく笑いが止まらないっての」

 

 シケット・エクスカーベーションズ――採石場最低部から見上げる空は限りなく遠く、そして小さい。

 そして今のここは眠るってことを知らない。多くの仲間たち――自分の下に集まってきた彼らが互いに忙しく声を掛け合って何かをしていた。

 

 だが人に言えば信じてもらえるだろうか?

 ここはつい1年前までは水に満たされた退屈なだけの大きな水たまりであったということを。

 サリーはここの水さえどうにかできるなら最高に違いないと考えた、希望を持った――そしてそれを今、証明した。

 ここは今では独立した巨大な居住地のコロニーであり、野心的なマイアラークの養殖業に着手した商売人の居住地であり。そして連邦の北では落ち目のレキシントンと違ってにわかにその将来性期待されているレイダーの新たな場所となりつつある。

 

 

 

 レキシントンへの攻撃からのミニッツメンの復活劇は、連邦の北部に野心を持つレイダー達を自覚のないまま叩きのめしていた。。

 新しい民兵は以前とは違い、自らが拓く居住地には利便性とつながりを持たせつつ。その権益の一部をも手にすることで居住地を自分たちがゆるやかに支配するようになったのだ。

 当初はその効果を大したことじゃないと笑っていたレキシントンのレイダー達は今はもういない。徹底的に叩きのめされ、多くは無様に死んだからだ。

 

 ガキと呼んでも差し支えのない奴、キャップの扱いを知らなくて冷や飯を食っていた傭兵。

 そんな連中をかき集めたはずなのに奴らの武装は以前とは全く違っていた。

 

――レキシントン包囲網

――彼らの居住地をレキシントンの周りに配置することでレイダーをそこに封じ込める

 

 どうやらそんな寝言を伝説のミニッツメンは盛んに口にしているらしいが。レイダー達はその効果をじわじわと思い知らされ、居住地に狩りに行くたびに返り討ちにあって仲間の数を減らしていく。

 今や北部の街道ではミニッツメンのパトロールを見ない日はない。

 

 そこに来てレキシントンには新たな災厄が襲い掛かってきた。

 最近、南東から北上してくるスーパーミュータント部隊や、同じく山岳地帯からレキシントンへと降りてくるベヒモスと呼ばれるスーパーミュータントの変異個体がレキシントンに対して繰り返しの襲撃を開始してきたのだ。

 

 とりあえずだが被害は出てもまだ危機感を持つほどではない。

 しかしミニッツメンの包囲網のせいでレキシントンのレイダー達の士気はなかなかあがらなくなってきていた。

 

 

 結果、ついにサリー・マティスの名前が絶望するレイダー達の希望としてあげられるようになる――。

 

 サリーはシケット・エクスカーベーションズを手に入れ。以前の仲間を呼び集めると、いきなりレイダー家業を開始したりはしなかった。ここに以前から住み着いていたマイアラークの卵を使い、養殖からはじめ予告編うとしたのだ。

 この決断が彼らの躍進につながるなど誰が想像しただろうか。

 

 

 このマイアラークという大きなカニの姿をしたアポミネーションは大変に危険だ、と保証する。

 体を覆う固い甲羅は弾丸をはじくし、レーザーですら貫通させることは難しい。そのうえ自分のテリトリーに侵入してきた人に対しては好戦的で、俊敏さと振り回される2本の太い腕は人の体を簡単に引き裂くことができてしまう。

 

 しかしだからこそ、その体に詰まった肉は大人気。バラモンの肉と人気を分けるくらいに市場では価値があった。

 

 サリーはこいつの養殖を始めることで、自らひらいたこの場所は独立した居住地であり。養殖業を糧にしていると信じさせることに成功した。

 それを商売のチャンスと判断して依ってくる商人たちを裏でレイダーとして襲い、全て奪いだしたのである。

 

 

 ミニッツメンは居住地がまるごと表と裏の家業をやっているとは思わず。笑えることに「レイダーが突然現れる」などと口にしてあっちこっちにと山に分け入っているはずのないレイダーの幻覚を追い続けている。

 マイアラークの肉で高額の取引をしながら、ここにビジネスチャンスを信じて近寄ってくる商人たちを選別して襲う。もうキャップはうなるように入ってくるばかりだ。

 そして今ではミニッツメンに揺さぶりをかけんとして、奴らの居住地にまで襲撃をするようになっている――レキシントンからはすでに4つの集団が合流してきたし。今も自分達もここに加えてくれと頼む声が届いている。

 

 レイダーの時代は間違いなく動いていた。

 ボストンじゃない、レキシントンでもない。ここだ、このシケット・エクスカーベーションズこそが次のレイダーの王が誕生する場所になる、はず。

 

「そのうちもっと人を増やして、石も昔みたいに切り崩せるようにする。ダイアモンドシティやグッドネイバーから注文が殺到するだろう。運送は問題だが――いや、ミニッツメンにやらせるってことも考えたほうがいいか。あいつら、大喜びで俺達の荷物を運んでくれるに違いないしな」

 

 そのくらいになればここもいよいよ大所帯だ。

 コルベガ工場でふんぞりかえっていたジャレドなんて目じゃなくなる。レキシントン?それはもはや過去の話になるってわけさ、サリーはそう考えると鼻で笑った。

 

 

――――――――――

 

 

 パイパー・ライトは復活した。

 ダイアモンドシティの正義と美の復活を、治療したキュリーは宣言もした。

 だが、彼女を中心にできた人の輪。彼らには困惑に悩む姿があった。

 

 さまよえるフェラルのようだった彼女は己の意思を取り戻すと同時に、その口からは言葉があふれ出てきた。

 彼女は訴え始めた。自分は何をしていて、どんなトラブルに足を突っ込み、ひどい目にあわされてしまったのか……さらに自分の会社を、妹という最後の家族を、彼女の身の回りの事での心配を、ついでに自分の悩める男の性についても。

 すべては融合し、口から飛び出していった。理解不能、混沌とした言葉だけが羅列される。

 

「まったくあったわ。だって聞いて頂戴、私はだって悪くない。スクープを落としたの!もちろん特大のクソをね。。

 それってしかも私は腕のいい選ばれし者ですから、当然タダなんてありえない。そういうのはいくつも潰しているわけ。

 

 今回はミニッツメンの話を刺したの。彼らが最近笑っているっていう、神出鬼没の美女達について。

 

 話を聞いた瞬間から私にはすぐにピンと来るものがあったわけ。これは絶対、どこかで悪事を働いた結果に違いないって。

 グッドネイバーに乗り込んだわ、これも当然よね。あの辺の下水がロボドッグに飲ませてるって言ったらあの町だけだもの、本当に分かりやすくて助かるわ。ありがとう、グッドネイバー!!

 

 で、話を戻すけど。

 レオが独自にバンカーヒルの淫売ども仲良くしてるって噂が……」

 

 もういい、やめてくれと最初に音を上げたのはだれであったか。

 連邦で一番おしゃべりな女が素直に黙ってくれると、次に重苦しい沈黙があたりを支配する。なぜかそれに慌てたキュリーが声を上げた。弁解しているような口ぶりだった。

 

「ひとつ、ひとつ言っておきますけど。治療は終わっています、彼女はその――健康です。いえ、違います。

 健康に向かっているんです。回復期なんで。あとは自然に戻るはずです。間違ってはいません」

「……それじゃ教えてくれ。パイパーの今のは何だったんだ?

 俺には――俺のグッドネイバーを元々は下水と表現するような記者さんだってのは理解するが。それでもそれを本人の前でパイパー・ライトが言うかね?」

 

 かなり不機嫌なハンコックの言葉に周囲は追従する。

 実際何を言っているのかさっぱりわからない。こっちはただ、彼女に対して「どうしてヌカ・ワールドに居たんだ?」と聞いただけなのに。

 

「繰り返しますが、治療は終わってます。終わってますが、ただ――」

「副作用とか?」

「ええ、それもあるでしょうが。彼女の場合は心因性のもののような気がします。今のところ」

「心因性?」

「はい、体と精神が切り離された感覚でストレスをため込んだようです」

「これまでは言いたいことが言えずに我慢してたから。今度は考えたことをそのまま話すようになってるわけか」

「それって、ええと。このわめくことが得意な女にも心があったって事?そりゃ、驚きだわ。ニュースにしなきゃ」

 

 最後にケイトが茶化すと、黙っているパイパーはジロリととげのある目で彼女をにらんだ。

 それを見てマクレディがため息をつく。

 

「そんなバカなことがあるわけないと思いたいけど。どうやら言う通りみたいだ。

 今の彼女、ケイトのバカを黙らせてやるって感じだ」

「ああ、俺にもそう見えるな。だがそれだとどうする?ここに置いていくか?」

 

 ハンコックがそう口にするとパイパーは黙ったまま首を左右に振って否定した。ここにひとり置いていかれるのはごめんらしい。キュリーはそれに助け舟を出す。

 

「彼女は自分の状態をあるていど正しく認識しているようです。おそらくなんとかなるのだと思います」

「戦えるのか?」

「それはお勧めしませんが――自分を守るくらいなら出来るはずです」

「わかった、好きにすればいい。だがまだ誰かに手を握ってもらわないとダメだって事態はごめんだぜ……さて、話は変わるが大問題が発生していたことがわかった。

 どうやら俺達の留守を狙ってコベナントが襲撃を受けたらしい。レイダーだそうだ」

 

 グレーガーデンから持ち帰った新情報だったが、留守番していたケイトらの顔に驚きはない。

 この輪の外でこちらを見守ってるミニッツメンの若者を顎で指す。

 

「それならこっちも聞いてる。この坊やからね」

「えっと、ミニッツメンのジミーと言います」

「知ってるよ。レオと組んでなんかやってる奴だろ?」

「はい――その、とにかくです。ダイアモンドシティのミニッツメンから情報がきました。バンカーヒルからコベナント襲撃の噂が飛び込んできたと。自分は将軍を探そうとして、ここに」

「俺達はレオとは別行動だぞ?」

「将軍はボストンを歩き回ってるようで、危険すぎてあとは直接は追えません。ですから皆さんに」

「なるほど、そりゃ頼るよな。レオと連絡を取ってるのはアキラだ。今、レオは何をしているんだった?」

「最後に聞いたのはあたしらがあそこに向かう前だったんじゃないかな。探偵とどっかの島に行くって。よく覚えてないよ、こっちもあれから色々あったし」

「ケイトの言う通り。俺達は最近あのクソッタレの遊園地で他人のふりをして遊んでたんだぜ?なにか新しい情報があっても、あいつが必要と考えなきゃあそこでわざわざ俺達には話したりはしない」

 

 マクレディの言葉はハンコックも同感だった。頷くと、さてどうするかと顎に手をやった。

 

「でもさ、そんなに慌てる話?レイダーが襲ってくるなんてどこにでもある話だし。あたしらはあそこにいたから知ってるけど、あの壁を外から攻めてどうにかできる?偽情報じゃないの?」

「その質問は無意味だな。忘れたのか?

 あいつが……アキラはあそこを元の持ち主からどうやって奪ったのか」

 

 壁の中の建物が燃え上がり、門の外にはこと切れた居住者たち。そして彼らを見下ろすあの若者――。

 

「大変です、あそこにはアキラの工房があります。クライオ兵器やVaultから持ち帰った知識も残されたままです」

「秘密のエリアだったな。あいつらはそこに気が付いたと思うか?」

「わかりません。地下道を利用していますから普通は難しいでしょうが――」

 

 やはりここにいてはなにもわからない、そういうことなのだろう。

 

「よし、皆聞いてくれ。

 2時間以内にここを出るぞ。近くにある無人の教会を確保したら、ベルチバードで一気にコベナントへ戻る」

「そうなると市長、夜になるかもしれないぜ?」

「それならそれで好都合だ。レイダーが残ってりゃ、近づけばそれでわかるしな。ここにいても何もできない」

「戻ったら何かできるのかい?」

「キュリー、アキラがレオとどうやって連絡を取っているかわかるか?」

「それなら簡単です。工房にある彼の部屋から端末です」

 

――決まりだな

 

 ハンコックがそう言い切るとケイトが慌てて

 

「それじゃ、あいつは?アキラはどうするんだよ。あたしらここで合流するんじゃなかったのかい?」

「メッセージを残しておくさ。それにだな――」

「それに?」

 

 マクレディはケイトの問いには答えなかった。

 彼女の疑問はここに戻る時に、ハンコックと話していた。当然の疑問だ。

 

――マクレディ、そういう話じゃなくなったかもしれないな

――アキラはここには戻ってこないんじゃないか。奴は、もうこの情報を知っているかもしれない

 

 別に本当に気を抜いていたわけではなかった。

 だが忘れていた。

 

 ヌカ・ワールド。

 あそこはレイダーの町であり、そこから戻ってきたタイミングでこの騒ぎだ。あまりにも都合がよすぎる――。

 

 

 

――――――――――

 

 

 奇妙な男だった。

 霧に隠れた連邦の三叉路の中央にこぎれいな白いテーブルを運ぶと、壊れかけたパイプ椅子に座って運命の瞬間を待つ。

 常人とはかけ離れた感覚を持つその男は、運命がこちらに近づいていることをはっきりと感じていた。

 

 これは再会の演出。

 向こうがどのような顔で現れるのか、どうしてもそのすべてを見ておきたかった。

 

(ああ、”戻って”きた)

 

 白い霧の中に黒が生まれ落ちた。

 シルバー・シュラウド。銀のサブマシンガンは持っていないが、顔にはそれを髑髏の布で隠している。

 向こうは驚いたのだろう、足を止めた。さぁ、ここからだ。

 

 

 道の中央にそれは明らかに異質なものだった。

 男女4体のマネキンが設置され――まるでこちらがこの方角からくるのが分かっていたかのようだ。

 

 近くにこれを飾った何者かが隠れているのだろうか?

 周囲に視線を走らせるが、どうもよくわからない。

 

 マネキンに近づくと、これが明らかに誰かに向けたメッセージであることが分かった。

 マネキンは男が互いを向き合うようにして立ち、その間に女性が背中合わせで男の方へと体を向けている。だがその手首と首の先は切り落とされ、別のもので補われていた。

 

――ピッグマンか、これは

 

 芸術に詳しいわけではないが。絵が本分かと思ったらこうした造形も彼はやるらしい。

 マネキンから転げ落ちないように置かれている人体のパーツからは、流れ落ちた血が乾いていた。

 

 小さな風が吹き抜けると、奥にこぎれいな白いテーブルとパイプ椅子があらわれた。どうやら机の上にはメッセージらしきものが見える。手に取ると「君ならどんなタイトルをつける、殺し屋」とだけ。

 

――レイダー達を使った芸術は今もなお彼の創作意欲を湧き立たせているのか

 

 改めて彼の芸術品を見直すと、なるほど色々と苦心の跡が見えてきた気がした。

 指の形は情緒を感じさせるくらいに理想的な角度、デスマスクに特有の虚無感ではなく。そこにはまだ生きていた時の感情がしっかりと表情に残されて凍っているかのようだ。

 これを完成させるために彼はどれほどの”協力者”達を用意して試行錯誤してきたのか、想像すると興味深い――。

 

 

 霧の中の影が立ち去っていくのを男は感じ、再び自分の作品へと戻った。

 机のそばに立つと、そこで彼の友人――同族がどのように作品を味わったのかを残り香から感じようとし。しばし夢見心地の気分へと浸る。

 

「……心配していたが、どうやら変わりないようだ。友よ、心配したよ」

 

 連邦のレイダーから聞かされたちょっとした噂話。

 レイダーの危険な街に、支配者が立ち戻ったとかなんとか。

 友人が変身したのではないかという失望と、チャンスに心震えたのは事実だが。どうやら杞憂であったらしい。

 残されていたメッセージカードには、彼からの返信が――「情愛」とだけが残されていた。

 

「そうか、それが君がつけたタイトルか」

 

 随分陳腐だが……ま、悪くもないか。

 

 このマネキンはひとりの女が妖婦をきどって2人の男を振り回す姿を描いている。

 女はひとりに慰めるように、もう一人には誘うように淫靡な手つきを見せ。男たちはそれに応じながら、互いに背中に凶器を握っている。

 彼らは女の裏切りに気が付いているのか。それともその向こう側にいる相手をこそ狙っているのか――。

 

 どうやらアキラはその姿に愛を見たらしい。

 

「友よ、今度は君の作品を見てみたいものだが――」

 

 それを口にするピッグマンの顔は笑っていた。

 

 

――――――――――

 

 

 やられたな、マクレディは口の中で小さくつぶやく――。

 夕暮れのコベナント、すでに入り口は大きく開放されており。離れても聞こえるターレットらの駆動音がまったく聞こえてくる気配もない。

 

「ねぇ、入り口。あれってもしかして」

 

 眉にしわを寄せたケイトが言っているものが何か、皆もすぐに理解する。

 「皆殺しか」ハンコックの苦い言葉の通り、そこには病院に入っていた医者と。ここに治療のために訪れていた患者、そしてわずかなその家族たちの遺体が並ぶようにさらされていた……。

 

 これは間違いなかった。

 根こそぎに奪っていくレイダーの典型的なやり口だった。

 居住地の中に侵入すると、瞬く間に住人たちを確保し。目についたものを片っ端からさらうだけではなく。置き土産だというように降伏した連中を並べて死体にする。

 

 これで奴らは誰も襲撃者の後を追ってはこないと安心し、復讐を考える奴への威嚇としているのだ。

 

 ハンコックは無言のままかつて自分がここへと連れてきて医師にした男の死体のそばに腰を下ろした。

 

「あんたには感謝しかないよ、市長……か。本当にそうだとよかったんだがな」

「ハンコック?」

「チャンプ、このバカはな。

 グッドネイバーじゃ自分は墓守にしかなれないって勝手に自滅するような馬鹿でな。とっとと見切りをつけて外に出ていけばよかったのに、自分の師匠ヅラしたやつに借金で縛られてずっとその手下をやりつづけてた」

「あんたが気にすることじゃない。そうでしょ?」

「確かにな。でもな、俺はずっと思ってたんだ。

 俺がコイツと話しても、礼を言われるようなことは決してないんだろうって。そんなことをさせた自分がほんの少しだけ、好きだったのかな」

 

 ケイトは戸惑う、こんな時はどう言ってやればいいのだろう?それが自分にはわからない。一通り居住区の中を覗いてきたキュリーやマクレディ、パイパーからも報告があった。

 

「やっぱり金庫はやられてたぜ。備蓄されてた医療品だけじゃなく、食料も武器も取られてる」

「ロボットたちも破壊されていました。ここにいたディーザーはアキラも気に入っていたのに、可哀そうに」

「やっぱり襲ってきたやつらはすんなり中に入り込めたようだ。ターレットの残弾が全く消費されていなかったし、電源が落とされていた。奴らが入ってきた時は動いていなかったってことになる」

 

 ハンコックは腰を上げる。

 

「まぁ、そうだろうなとは思ったよ。

 死体に見慣れない顔がひとつもない。あるのはみんな見知った哀れな連中ばかりだ。

 

 よし――キュリー。あんたはすぐにアキラの工房を見に行ってくれ。確かあそこにはヤバいものがいくつもあると言ってたろ?」

「私もそうすべきだと思っていました。すぐに向かいます」

「この娘だけで大丈夫なの?」

「価値が分かるレイダーなら、こっちをここまで徹底的に破壊したりはしないだろう。恐らくは大丈夫だろうが、念のため何かありそうならすぐに戻ってきな」

「わかっています」

「それじゃ、こっちはさっさと埋葬してやろう。

 新しい墓を作ってやることくらいしか、俺達にはできないけどな」

 

 2手に分かれた。

 

 

 ケイトはマクレディと共に破壊されつくしたくらい診療所の中を改めて調べた。

 日の当たる窓辺で患者を診察する医者がいて、よかったと涙ぐんで喜んでいた患者たちがいた。こんな連邦で、のん気なことをやっているなとイライラしてみていたはずだったのに。

 それが今、激しく踏み荒らされただのゴミの山となってしまったことがキツイ。

 

「なぁ、マクレディ。これってあいつ――アキラは悲しむよね」

「あ?まぁな」

「結構頑張ってあそこまでしたのにさ。きっと悔しいよね」

「そうかもな」

「なんだよ、ちょっと冷たくないか?気にならないの?」

 

 あっさりとした返事を繰り返すマクレディにケイトが怒り出す

 

「あのな、ケイト。アキラがここを見てどう思う、なんてのは俺だって思うさ。でも俺は今それよりもずっと大きなヤバい考えの方が気になってる」

「なんだよそれ。ヤバいって、なに?」

「わかんねぇかな?……実はアキラがもうここの状況を知っていたとしたら」

「まさか。最新情報だよ?知ってるわけがない」

「ああ、実はここに来るまでは俺もそう考えてた。でも――ハンコックはそうじゃなかった」

「違うって?」

「アキラが、あいつがイカレてるのは馬鹿をやるからだ。

 ただのバカじゃない、トンでもないバカを平然とした顔でやらかしてみせる。そしてあいつはマジでレイダーは殺したいほど嫌ってる。笑顔で握手した後でさえ、そいつが自分のことをレイダーだと言えば終わりさ。平然と殺す。

 

 だけど考えてみろよ。そんなあいつは俺達と最近まで何をやっていた?

 

 ムカついてブチ殺したがってるレイダーのボスをやってたんだぜ。あの新聞記者じゃないが。アキラの奴がとても冷静でいられました、と俺は思わない」

「気のせいじゃないの?」

「だといいけどな。割とマジな話、あいつとの合流が遅いってのがどうにも不安なんだよ。だって俺達もいなくなって、ひとりで残ってたわけだしな」

 

 マクレディはため息をつく。

 そうだ不安なだけだ。それだけなんだ。

 

 

――――――――――

 

 

 全員が席を立つとパイパーは素早くキュリーの後ろにつく。

 ここがチャンスだと彼女の勘が告げていたのだ。そして皆はそれを気にしていない。

 

(よし、パイパー姐さん完全復活。これこそが私だよね)

 

 コベナントに起きた事件には心を痛めるが、一流の記者としてはこの機会に改めてアキラという若者が秘密にしていることをどうしても知っておきたい。

 

――不思議な少年。いや、青年だとは理解しているよ

 

 アキラについて、ガ―ビーはそういって言葉をよく濁す。

 ミニッツメン復活に少なくない貢献を果たし、なのに若者らしくなく他人からの称賛や名声に一切の興味を持たず。むしろなにかから自分の存在を隠したがっているような態度にも見える。

 

 最近は特にひどく荒れているという噂を聞いたが、それでもレオはこの若い友人への信頼を揺るがせてはいないらしい。正直言って、大した信頼関係だと感心するけど、よく聞くと別にVaultの中で知り合っていたというわけでもないというし。そんなに短い付き合いがあるだけなのに、そこまで信頼するということは。

 まさかレオ自身にアキラとの友情とはそれほど重要な位置――自分の計画の邪魔にならないなら別に好きにしたらいい――的なものでしかないのではないか?

 

 そうなるとレオ自身の感性にも疑問符が付くわけだが。それは考えたくない。

 とにかくパイパーのレオへの様々な思いは別にして、そろそろあの若者の本性を深く知りたいと思っていた。

 

 

 地下道に入ると地上とは違う緊張感に、パイパーの警戒心が久しぶりに反応する。

 しかし前を歩くキュリーはそうではないようで様子に変化はない。

 

 すると次にパイプ管の間や壁のくぼみなどに巧妙に侵入者に仕掛けられたターレットや罠が目に付くようになる。パイパーはキュリーの腕をつつき――残念ながらまだ口を開けると何を言うのかわからないので――それらを示す。

 

 キュリーは「はい」とうなづくと

 

「ここはどうやら知られてはいなかったようです。防衛機能は作動していますが、攻撃された様子は見られません。ひとまずは安心してよさそうです」

「……(よかったじゃない)」

「でもちゃんと全てを確認してからでなければ、喜ぶにはまだ早いです」

「(そりゃ、そうだわ)」

 

 しばらく進むと広い空間に出た。

 

「小型の核ジェネレーターは全て起動中、警備システムも作動した形跡はない……パイパー?」

 

 キュリーはそのままアキラの工房へと進もうとしたが、その腕を緊張した顔のパイパーが銃を片手につかんでいた。

 ここに来たのは初めてであったが、何か人がいた気配を感じたのだ。

 今度は武器を構えたパイパーが先頭に立つと、見つけたものに近づいていく。階段の上に置かれていた机に上に、飲みかけの水のボトルとかじられた後があるマッドフルーツがひとつ。

 

「歯形をみるとこれは、人ですね」

(んなもの見りゃわかるわよ!そうじゃないでしょ)

「誰かいるのですね」

(――わかってりゃいいのよ)

 

 それよりもどっちに行った?いや、逃げたと思う?

 キュリーにジェスチャーでそれを伝えると、彼女はしばし周囲を見回してから「工房かもしれません」とだけ小さい声でつぶやいた。

 

 

 キュリーにとっては何度も訪問した場所であったが、パイパーは初めてそこに足を踏み入れた。

 壁際にならぶ機材、棚に置かれた装置。各作業台のそばの壁には作りかけの武器がいくつも並べられている。

 だが一番目を引いたのが――奥にある、個人用の牢屋?

 

 パイパーの脳裏にアキラというあの若者が、どこからか攫ってきたいたいけな少女をここに閉じ込め。震えている姿をニヤニヤと下品な笑みを浮かべて眺めている絵が浮かんでしまう。その少女が次第に妹のナットの姿に似てきたような――。

 

 パイパーが牢屋の前で凍り付いたまま動かないのを見て、何を想像しているのかキュリーもわかったようだ。

 彼女は顔を真っ赤にすると。

 

「えっ、あっ、そこはその。前の持ち主たちが使ってたもので」

「……」

「彼は別に片付けなかったってわけじゃなくて。そのつもりではあったとおもうんですけど、えっと……」

「(なに?別に何も言ってないよ?)」

「あの、こういうのを彼と一緒に。勉強というか、使ってるので――すいません」

 

 あっ、そういうことね。

 パイパーはたちまち納得する。悪い少年の顔は霧散し、脳裏のナットが目の前のキュリーに代わり若いカップルの刺激的な――いや、やっぱりどうなんだこれ?

 

 人柄とか秘密に近づこうとして、パイパーはいきなり若い2人の情熱を別に知らなくてもよかったのに覗き見てしまい、なんか気分が複雑になる。

 

――自分は未亡人とその娘で凹まされてんのに。どうやったらそんな簡単に関係を進められたんだろう。

 

 それがうらやましい。自分に何が足りないのだろうか?

 素直さ?それはあるかもしれない。自分は従順さが圧倒的に足りない。いきなり正解を自分で出してしまったか。

 ヘタレてる?そんなことはない。ナットじゃないけどパイパー姐さんはダイアモンドシティじゃ”黙っていれば美人”と誰にだって言われてるし。

 

「パイパー、パイパー?」

「(やっぱ正面からいく?ハーイ、レオ。思ったんだけどちょっと私達、体の方も合うと思うんだ……)」

「???」

 

 慌てて思考を切る。とんでもない方向に暴走するところだった。

 そんな妄想、今は必要ない!

 

 

 別に気を抜いていたわけではなかったが、静かな部屋の中でガチャリと何かが外れる音がして2人は武器をそちらに向けた。

 計器類の並ぶ壁のあたり――だが、そこが今。隠し扉であったと自分から証明してきたのだ。

 

 扉はそこで止まっていたが。パイパーは指で矢印を作ると、クルクルとそれを回す。キュリーはその意図を理解し警告を発し始めた。

 

「誰です?私達はここの主です。こちらは武器を持っています。出てこないなら攻撃しますよ」

「――た、助けてください」

「話をしましょう、出てきなさい」

「わかった。わかったよ、出るからさ。悪かったよ――」

 

 そういうと手を握り合った若い男女がゆっくりと姿を現してきた。

 

 

――――――――――

 

 

 工房の隠し部屋から出てきた若い男女は自分たちのことをコベナントにいた居住者だと主張したが。キュリーは逆にそれを否定し、彼らもキュリーは「自分たちが来たときはいなかった」ことを認めた。

 

 どうも話が見えてこない――。

 

 キュリーはこの2人を連れてコベナントへとすぐに戻ることを主張したが。

 逆にパイパーはここは先に彼らから事情を聴くべきだとして反対した。実をいえばキュリーの言っていることは正しいことだが、パイパーの勘が。あそこにいる誰よりも先にここで怒った出来事を聴いておいた方がいいと告げていたからだ。

 

 前回はこの勘に従ったせいでヤバい罠にどっぷりと頭の先まではまってしまったが。だからと言って人間、なかなかそれまで少なからず役に立った経験を捨てることは出来ない。

 

 だが、自己紹介から始まった若い2人の話は。最初からぶっ飛んでいた。

 気弱そうな青年は「えっと、あんまり人に行ってはいけないと言われてるんだけど……」と言いながら隣の少女と目を合わせた後。いきなり自分たちは人造人間だと言い出したのだ。

 

 これにはさすがにふたりは目を丸くする。

 

 彼らによるとあのレールロードに保護された人造人間たちの中に自分達も加わると。彼らはこの連邦の外へと脱出する計画があったらしい。

 ところがその計画は大失敗。攻撃を受けて全滅する恐怖を味わったが、その時自分たちを助けてくれたロボットによってこのコベナントへと導いてくれたらしい。

 

 そこはとても安全な場所で、てっきり自分たちはそこでこれからは暮らしていけるのかと思ったがどうもそうではないと聞いて全員は落胆したそうだ。

 そして医師とわずかな患者とその家族しかいないそこで、自分たちはなにをしたらいいのか。

 連れてこられた人造人間たちはさっそく戸惑い、混乱し、不満から次第に怒り始めてしまったという。

 

 だがこのふたりはそんな仲間達と距離を取り、ここでの生活を満喫していた。

 ロボットと一緒に彼の言う”レモネード”とやらを作り。ロボットの隣に屋台を作って同じものを販売したり。アキラの端末のプロテクトを解除しようと挑戦していたり。

 気楽な彼らに触発されたのかどうかはわからないが、他の人造人間たちも次第に好き勝手に何かをやり始めるようになったらしい。

 

 医師や患者達はここで自由にふるまいだした人造人間たちに対して冷たかった。それでもまだお互い、憎みあうような深刻な空気は全くなかったようだ。

 しばらくするとこのふたりはなんとこの地下道への道を見つけ、コベナントではなくこちらに遊びに来るようになったらしい。

 

 その頃、不安と怒りにとりつかれた人造人間たちは最悪の計画を秘かに練って、そのまま実行してしまう。

 彼らはいつの間にか外部のレイダーと連絡を取り、居住地の中へと引き入れてしまったのだ。

 

 襲撃のあった夜。

 ふたりは仲間だったはずのほかの人造人間たちに襲われた。外へ飛び出すように見せかけ、地下道へと潜り込んで逃げきったらしい。

 仲間に秘密のエリアについて内緒にしていたことが、彼らを助けたのだ。

 

「ここに出入りしていたロボットが、持ち主は今は留守にしているだけで。そろそろ戻ってくるはずだって。だからそれまではここに隠れてようって」

「――賢い選択だったと思います。ここには私とアキラの栽培室もありましたし、食料もあったはずです」

「そう!そうなんだよ。ここ、本当にすごいよね」

「でもひとつだけわからないことがあります。あんなところに隠し部屋があると、私も知りませんでした。どうしてあなた方はそれを知ったのですか?」

 

 するとふたりの男女の顔がパッと明るくなる。

 

「端末のプロテクトを解いたんだよ。そしたらここに動力が多く回されてるってわかって。それの使われ方を読んだんだ。僕ら、そういうの得意なんだ」

 

 仲がよいのか、笑顔で話している最中も握りあう手を離そうとしない2人からパイパーは目をそらす。

 キュリーは目を丸くして驚いていた。

 

「アキラのプロテクトはかなり難度の高いものだったはずです」

「うん。でも不可能ではなかった。時間はかかったけど、なんとかやれたんだ。本当だよ、なんなら今から見せようか?」

「いえ、それは後にしましょう」

 

 得意げに身を乗り出して自分は出来たと主張している――これがハンコックらが相手なら、殺された医師や患者の件があるのでこの男女の口にすることを黙って聞いてやれたかどうか。

 気が付くとパイパーは自分が隠し扉の前に立ち。扉に指をのばそうしていた。自分が何でそんなことをしようとしたのか、考えもなく。

 

 人造人間たちの言う通り、装置のスイッチを動かすことで扉は音を立てて開く。

 キュリーは目の前の彼らの話を聞きながら、ふとけげんな表情をパイパーの背中に向けた。彼女はいったい何をしているのか。

 

 

 扉が開くと中の冷気が外に流れ出てきた。

 とんでもなく寒い、零下何度だろう?部屋の中は薄暗いブラックライトで照らされ、はっきりと全てを見渡すことができない。もうす少し奥の方を覗こうとしたが、冷気が開かれた眼球を刺激し、痛みを感じてって――あれ?

 

 一瞬だが、奥に見えたものから感じた違和感に動きが止まった。

 次に顔色を変え一気に扉を最大にまで開いて見せた。キュリーはそんなパイパーに驚いて飛び上がる。

 

 パイパーは今度こそ中に飛び込んでいくと。自分が見てしまったものの正体を確認してしまう。なかなか感じることはない、凄まじい吐き気を催す邪悪なものがそこに存在していた。

 そして久しぶりに慌てて自分の口をふさごうとして、失敗する。

 

 地下道に最初は雄々しく、それから女らしい悲鳴が響き渡った――。

 

 

――――――――――

 

 

 あの爽やかな目覚めはなんだったというのか?

 この北部のレイダー、最後の砦と自負していたシケット・エクスカベーション最後の日は今日であったらしい。

 

 

 破壊、炎、衝撃、死――。

 いつも自分たちが振りまいているそれが、正面から堂々といきなり入ってきた。

 

 地上にいた仲間たちはそいつをさっさと叩き出そうとした結果。あっというまに死者に変えられてしまったようだ。

 複数回、続けて大地が揺れ。悲鳴と炎の後に、バラバラになったりなれなかったそいつらの残骸が地底へと落ちてきた。

 

 臆病な奴はこのあたりで頭の片隅にさっそく「逃げよう」などと考えるのだろうが。圧倒的な破壊者はその選択肢をこちらに渡すつもりはないらしい。半狂乱になった無様な連中の言い争う声が上からサリーの耳にも入ってくる。

 

「馬鹿野郎!なんでこっちくるんだよっ」「逃げろ、逃げろ」「こっちは行き止まりだぞ!下に押し込まれたら――」

 

 そうだ、このまま地底部にまで押し込まれては全滅は必至だ。

 だから戦うにしろ逃げるにしろ、上に行くのが正解だ。正解のはずだった。

 

「エレベーターシャフト!あいつを使え、地上から戻って、挟み込めばいい」

「――いけ!」

 

 言い出した奴をサリーが信じたわけじゃない。

 それでも運よく地上にたどり着けかなければ。このままではマズイ。

 だったらここは行かせて、この状況に変化が生まれるのかどうか見せてもらった方がいい。

 

 シャフトが音を立ててゆっくりと浮かび上がっていく。

 あそこにあるのは勇気か蛮勇か、それとも臆病か。7名ほどが乗り込んでいったようだが、思っていた通り。連中は地上にたどり着く前に上からゆっくりと降りてきている襲撃者の攻撃を受けた、それもたった一発。

 

 ヒューン

 

 やけにはっきりと響く弾頭の飛翔音の後。

 衝撃が走り、動くシャフトを見守っていたレイダー達は地面の上を転がりまわった。彼らが顔を再び上げた時、不気味な形の爆炎を上げながら燃えるシャフトが重力に負けて地底へと戻ってくるところだった。

 同時に地上の巻き上げ機のあたりからも、爆発音が聞こえてきた。あれでは修理には最低でも数十日はかかると思っていいだろう。

 

 

 もう逃げられない――死神は一方通行の先から地底へと進みながら、死刑宣告を与えてきたのである。




(設定・人物紹介)
・ロボドッグ
NVでも出てきたサイバー犬のこと。

・「どうしてヌカ・ワールドに居たんだ?」
別に隠す必要のない情報ではあるのだが、いくつかの理由から(パイパーのストレスなど)この事件の真相はもうちょっと先に明かされる予定。

・アキラがどうやって奪ったのか
実際は中に招かれたのち、戦闘開始。家屋が焼かれ、門の外に引きずり出されたところで決着がついた。が、やっぱり印象の強い方がイメージとして他人には覚えられてしまうものらしい。

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