ワイルド&ワンダラー   作:八堀 ユキ

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次回投稿は4日後を予定。


エージェント・フィクサー(Akira)

 サンクチュアリに置いてきたマーヴィンの経験が、皮肉な話だがこのハングマンズ・アリーで当分留守番をすることになるコズワースの役に立った。

 僕が入力した、ずらりと並ぶ彼のために用意した作業リストを確認して、ロボットは故障したかのようなうめき声をあげる。

 だが、しょうがないのだ。

 自壊した体から回収した部品が、完璧に新しいボディに合い。プログラムにもダメージがないと断言できなければ、人間達のそばには危険に過ぎておいておけないのだ。

 

 コズワースには時間が必要だった。

 

 僕はなるだけ冷淡にふるまい、エイダとキュリーをお供にレールロードへと向かう。

 チャールズ川にそっての移動は不思議と平和で危険がなく、僕と2台のロボットによる奇妙な一団は順調そのものであった。

 そんな時である――。

 

「?」

「どうしました?」

「野外劇場だ――よな?」

 

 遠くに建物の一部を見えると、またこの頭はすぐにソレが何かわかってしまった。

 また――あの症状か。

 

「人の気配がします。キャラバンでしょうか?」

「行ってみますか?アキラ」

 

 なぜかはわからないが、ここでは――これまでにない感覚をあの建物から感じていた。そうして僕はその原因が知りたくて、またもやトラブルに頭から突っ込んでいく。

 

 

 野外劇場の舞台を中心にして、たしかにかなりの数の人々がそこにいた。

 最初はキャラバンかと思ったが、近づくにつれてどうもちがうらしいとわかる。こんな場所で彼らは集団生活を試みているようだ。数ブロックの距離にレイダーやスーパーミュータントがわんさかいるというのに、頭がおかしいのだろうか?

 

「やぁやぁ、ようこそ。われわれの場所にまた新しい友人が訪れた、喜ばしいことだ」

 

 ほかと違い、彼らの中でスーツ姿の紳士然とした品のある男がいきなり僕に話しかけてきた。

 黙っていると、勝手にそいつは話を続けるが。商売はどうか?やキャップを出せ!といった要求が話に出てこない。

 なぜか、自分をまるで真人間のように語り。この世界の混沌への嘆きと想いをつらつらとこちらにくっちゃべって聞かせてくる。

 

 僕のセンサーは最大レベルで警告を発した。

 

「話の途中ですまないけど――ここは?」

「ああ、劇場だ。野外劇場だよ」

「ハッチ・メモリアル――?」

「いや、そうじゃないね。チャールズビュー野外劇場という、どこかと勘違いしていないかな?」

「そうなのか。どうやら勘違いしていたらしい――」

 

 僕は困惑していた。いつものごとく、場所の話をしようとしたら口が勝手に浮かんできた言葉を出してしまっただけだ。

 だが、驚いたことに今回はソレが間違っていたらしい。

 

「まぁ、勘違いも間違いも。人はそれをよくやらかしてしまうものさ。だから人生にはどうしても浮き沈みがあると感じて、強大な壁の前で時には絶望し、なすすべもないと立ち止まってしまう」

「そうかもねー―」

「よかった。どうもここまで話して君の様子を見るに、私たちは同じ仲間。同志になれる気がしてきたよ。よかったら事務所の奥で、ちゃんとした話をしてみないか?

 どうしたってお互いにとって悪い話にはならないと思うのだが」

 

 背後のロボットたちからは何も反応がない。僕に決断を任せるということなのだろう。そして――そして僕は、これまでにないくらいに満面の笑みを浮かべて彼に答えてやった。

 

「ああ、それがいいみたいだ。ぜひ、その話をこの僕に”聞かせてみてほしい”」

 

 こっちだという彼の後ろにつくと、ロボットたちにも着いてくるように指示を出す。

 気がつかなかったが。いつの間にか太陽が沈み、夜が大空を覆っていた。

 

 そんな野外劇場から見上げる星空を、二つに裂こうというのか。聞いたことのない不快な電子音と墜落音の協奏曲を響かせて光が走ると、遠い大地に墜落したのだろうか。遥か先の地上で真っ赤な火で出来た花を開かせ、轟音を響かせた。

 

 

==========

 

 

 一夜を空けると、チャールズビュー野外劇場は惨劇の夜の爪あとをそこに撒き散らしていた。

 

 ここには以前よりレイダーまがいの悪質な勧誘によって仲間を増やすという奇怪な教団が存在していた。

 彼らは自身を『コミュニティのピラー』と呼び、ブラザー・トーマスという詐欺師を教祖として活動していた。

 

 だが、ここにはもう誰もいない。

 

 四肢を切り落とされてうつぶせに絶命した人、腹部にそれこそ巨大な穴を開けて驚きに目を見開いたまま倒れた人、腕が壁に引きちぎられて打ち付けられ、レーザーに焼かれた人々がいる。

 生き残りがいなかったこともあり、彼らの最後に何があったのかはわからない。

 

 だが、もしも答えあるとするならば――。

 劇場の事務所の中で、座ったままの首なしの体と。そこから乱暴に引き抜かれ、後ろの壁に杭で打ち付けられた生首が教えてくれるかもしれない。

 その人物は生前、人からブラザー・トーマスと呼ばれていた――。

 

 

 

 僕は一人でレールロードの隠れ家にはいる。

 以前は彼らに止められ、銃を向けられた場所に近づいていくと奥から誰かの熱弁らしき声が聞こえてくる。

 ディーコンだ――あの男、とっくに戻っていると思っていたのだが。どうやらこちらにあわせて帰還すると、僕の任務の様子を仲間に熱く語っているらしかった。

 

(なるほど演出が凝っている)

 

 もう舌を巻くしかない。話は盛り上がると、そこに話題の英雄がちょうど到着した、とこうなるわけだ。

 そして悪いことに自分もそういうイヤラシサは大歓迎するタイプだったりする。

 

「……そうやって新入りは俺を引きずってあいつらと戦い続けた。俺は足を引っ張るまいと、必死で傷口をふさごうとするしか出来なかった。

 そうやって血路が開かれると、新入りは俺に肩を貸して奴等の銃撃の中を走りぬけながら施設の出口へと目指したんだ。本当に、凄まじい状況だったよ」

 

 ここで求められた役のとおり、無言で登場すると何食わぬ顔でハゲの隣に立った。そう、まるで戦場から協力して戻ってきたばかりの相棒のように。

 

「人造人間はそこらじゅうにいたが、エレベーターはすぐにはおりて来なかった。新入りは俺を担いでそれを待ちながらついに――バァン!――ドアが開くと、人造人間たちはいつの間にか地面に突っ伏していた」

 

 その場にいなかったこのハゲはどこか怪我をしていたらしい。

 初めて聞いたな、それは。

 レールロードのリーダーは、部下の嘘で作られた英雄の物語を信じているようには見えなかった。

 

「それを彼が、担いでやったの?」

「ああ、驚いただろ?」

「確かにそうだけど――」

 

 そういうとこちらに今度は疑問をぶつけてきた。

 

「ディーコンの話ではプロトタイプを一人で手に入れただけではなく、地雷原を突破し、100体以上の人造人間を叩き潰して見せたって。本当の話なの?」

 

 僕は眉をひそめ、首を横にふった。

 

「本当だが、それは少し表現が足りないな。それ以上のことをしたんだ。

 あの場所はもう誰も近づくことはないだろうね。完璧以上に、すべてを破壊しつくしてきたから、あそこで何かをしようというなら。

それはゼロじゃない、マイナスからはじめることになる」

 

 誇張はしていない。むしろやんわりとした表現で的確にあらわしたと思う。

 あのコルペガ工場攻略部隊は、余勢をかってあっさりとあの場所を叩き潰した。フェラルのように次から次へと湧き出てきて、しっかり手にしたレーザー銃でこちらを狙って撃ってくる相手には僕らはとてもイラつくこととなり。怒りと不満を、暴力にかえてあの場所にたたきつけてしまった。

 そんな『凄惨なロボットの死に様市場』を見て回りたいという変わった人がいるならば、今ならあそこに行ってみるといい。

 

「100体の第一世代を、本当に信じられない」

 

 どうやらまだ信じられないらしい。だが、それは間違いじゃない。

 

「あそこから回収したかったものを取り戻した以上、あなたたちの話を信じないわけにはいかないわね」

「信じるべきだ。それは本当だからね」

「あそこにはエージェントを含めたチームを送り込むしかないと考えていたわ。ところがそれをたった2人だけで回収してきたなんて。スイッチボードの人造人間も一掃もして」

「デズデモーナ、彼の力は組織の役にきっと役に立つはずだ」

「フフフ、あなた。このディーコンに気に入られたみたいね。彼がここまで新人を誉めるなんて、これまで見たことがなかった。それにあんな馬鹿げた嘘までついて」

 

 失礼な女だ。ディーコンはなにもしなかったが、こっちは確かにあそこで大暴れしたのに。このハゲがすっかりすべてを嘘で作り上げた物語だと思っているのだろう。

 

「ようこそエージェント、私たちのレールロードへ」

「ああ、参加できて光栄だ」

 

 気持ちとは間逆のそれまで無表情だった僕は、にっこり微笑みながら返事を返す。

 

「さっそくだけどここでは名前ではなくコードネームでお互いを呼ぶことになっている。あなたも自分のコードネームを決めてほしい」

「――フィクサーがいい」

「わかった。有能だけど、クセの強い人柄だと聞いている、頼もしいわね」

 

 そういうとこちらをこの場所の奥へと誘ってきた。

 目論見どおり、僕はレールロードに潜入を果たすことが出来た。

 

 

 本部の中を一通り見て回ると、僕はディーコンの元へ近づいていく。

 

「どうだった?感想は?」

「……噂のインスティチュートの怨敵は、どうも過大評価のしすぎじゃないか。これが今のところの感想だ」

「少し声を落とせよ。ほら、あんたを睨んでいるのがいるぞ」

 

 ズケズケとコズワースを見習って物を言うのはまずかったようだ。

 ディーコンは僕を人の少ない場所へと連れて行くと、説明した。

 

「あんたの言い草を、俺たちの組織は正直、甘んじて受けないといけないかも。前にも話したが、今。この組織はとてもつらい時期を終えたばかりで、まだ完全復活には程遠い状態にある」

「敵の攻撃を受けたと聞いた。それも強烈なやつを」

「そうだ。それでここ以外の隠れ家はすべて失った。それに当然だが、人も、仲間も多く失った。

 俺を含めたエージェントは5人も残っていない。これで状況がなんとなく理解できてきたんじゃないか?」

「ああ――ここまでひどいやられ方をしているとは考えなかった」

 

 本部の中は落ち着きがあったが、ここ以外は全滅となるとやはり連邦での彼らの活動は非常に小さいものに今はなっているということだろう。

 思った以上に苦しんでいる彼らの様子は、僕の想像をこえていた。

 

「暗い顔をしなさんな。俺たちは終わっちゃいない、まだこれからもやり直せるさ」

「ああ――そうだね」

「そうだ!実はあんたに俺からプレゼントがあるんだが。受け取ってもらえるかな?」

「ええと、いいよ。嬉しいね」

 

 デズデモーナの言葉が脳裏に浮かぶ「好意」といってたよな?それって、一般的な表現だよな?

 

「まずはこれ」「銃?」

「デリバラーという小さな大砲さ。これはあのスイッチボードで回収した。前の持ち主は組織の元ナンバー2だったがね。激しく抵抗したんだろう、残念だった」

「それを俺に?いいのか?」

「どうやらあんたはガンマンのようだし、他にこいつを使えるようなやつもここにはいない。だからあんたに」

「――わかった、きっと役に立てるよ」

 

 本体は小型だが、非常に密度のある合金で作られたコンパクトなそれは。僕が今使っている10ミリとは別物と言える品物だった。

 

「続いてもうひとつ――」

「まだあるの!?」

「あとひとつだけさ。これを受け取ってくれ」

 

 ディーコンが差し出してきたのは直方体の透明なプラスチックの中に何かの装置が入っているものだった。これでは中を調べようにも、外側の蓋のないプラスチックから出さないといけない。

 

「これは?」

「他の装置と使うためにあんたに必要なものだ――それが、これだ」

 

 机の一番下の引き出しを開ける。

 中のものが目に飛び込んでくると僕は一瞬だが驚いて――次にディーコンの顔を睨んでいた。

 

「おいおい、怖い顔をしないでくれ。おっかなくて震えてしまいそうだ」

「どういうことだ?」

「別に――言っただろ?あんたにプレゼントさ。ただ、それだけだ」

 

 引き出しの中にあったのはピップボーイである。それもどうやらVault111にあったのと同型のものが、そこにひとつだけ入っていた。

 

「あんたが口にしない疑問の答えになると思ってね。だから用意したんだ」

「……」

「警戒しなくていい。全部、説明してやる。あんた、このピップボーイが使えないと悩んでいたんだろう?」

「――そうだ、お前には話してないけどな」

「さっき渡した装置をベルトにでも挟んでおけ。それでこのピップボーイが動くようになる。

 そいつはな、外部の生体スキャンとデータを信号に変換して発信するための装置だ」

「……俺の体はこの手の生体スキャンをうけつけない。理由はわからないが」

「そいつがあれば大丈夫だ。今度はちゃんと動くはずだ」

 

 装置を腰のベルトに挟み、引き出しの中にあるピップボーイを取り出し、自分の左腕に装着する。だが目だけはディーコンを睨むのをやめない。

 

「どうやら誤解を解く必要があるようだ」

「そうだな。そうした方がいい」

「簡単な話さ。あんた、グッドネイバーのメモリー・デンで騒ぎを起こしただろう?」

「――ああ」

「知らないだろうが。あそこは裏でうちとつながっている。だから――」

「そうか。そういうことか」

「あそこの装置も動く前に生体スキャンにかける。

 そうしないと記憶を呼び出せないからな……あんたの情報のほとんどは彼女たちから聞いていた。それで考えたんだ『なんで居住者だったのに、あんたは腕にピップボーイをつけてないんだ?』ってな。答えは彼女たちがくれた」

 

 あの日はうんともすんとも言わずに沈黙していたピップボーイだが。今の僕の目の前では、起動がはじまると次々とプログラムが立ち上げられていくのがわかる。

 僕はそのディスプレイをいとおしく感じ、指で軽くこすって拭いた。

 

 これまではわからなかった自分の身体データがそこにはっきりとうつしだされていた。

 

「ディーコン」

「ん?」

「これはーー、いや、本当に嬉しいよ。ありがとう、本当にありがとう」

「いいさ。喜んでくれて、こっちも嬉しい」

 

 楽しいプレゼント会はそこまでだった。

 レールロードは早速新しいエージェントとなった僕に最初の命令を下してきた。

 それはバンカーヒルで組織に協力している商人の心配事を解決しろ、ということだった。僕はこの任務を進んで受けることにした。

 

 僕自身にはあまり近しいものではなくなってしまったが、人造人間と呼ばれる存在のことをもっと知りたいという好奇心がそうさせたのである。

 

 

==========

 

 

 夜の静けさが辺りを包み、教会は窓辺に灯された小さな光だけを頼りに僕たちは無言でそのときが訪れることを待っていた――。

 

 個人的な感想だが、まったくひどい任務をまかされたと少しうんざりしている。

 レールロードではディーコンから半ば一方的に示された好意と、彼らに伝えられたぜんぜん誇張ではない事実を受け入れられない人々から露骨に怪しまれる中で、任務を受けた。

 

 当初、彼らの隠そうとしないそんな態度に僕もイラついてしまったが。落ち着いて考えてみれば、彼らにすれば敵にぼこぼこにされ、立て直している最中に期待の新人があらわれて戸惑っているのだろうと考えられるようになった。

 だが、それにしたってこの任務というやつは――。

 

 

 物音がして、全員がいっせいに教会の入り口に注目する。

 

「撃つな、落ち着いてくれ――」

 

 闇の中の人影はそういうと、さらにこちらに近づいてくる。

 インスティチュートのレーザーの引き金に指をかけてはいたが、言われたとおり撃たないように気をつけていた。

 

「おい、まさかそこにいるのは我が友ディーコンか!?顔は変えていないんだな」

「ハイライズ、久しぶりだ」

「3ヶ月以上その顔か、ペースが落ちているんじゃないか?」

「最近は忙しくて、自分のための時間を融通するのが難しくなっている。わかるだろ?」

「そうだな。今は俺たちにとって冬の時代だ――」

 

 親しげに語り合うと、男は僕のほうにも話しかけてきた。

 

「あんたがフィクサーだな。スイッチボードでの活躍は聞いた。君のような新人が加わってくれるのは、喜ばしいことだよ。ようこそ、レールロードへ」

「……荷物を受け取りに来たんだよな?」

「そうだ。そうだった、確かにそのとおり。荷物を受け取りにきたよ」

 

 僕らの荷物――まぁ、想像はつくと思う。僕たちは人造人間をひとり(?)連れてきていた。

 ハイライズが人造人間と話している間、僕はディーコンにそっと耳打ちする。

 

「この後はどうなる?」

「多分、彼に協力を要請されるだろう。引き受けてくれ」

「まさかこれから夜のお散歩に付き合えっていうのか?」

「ぜひ、そうするべきだ」

「――クソッ、組織はエージェントになにをさせたいんだよ」

「あんたの得意なことをやってもらうだけさ、アキラ」

 

 ハゲはけろりと涼しい顔でそう言い放つと、離れていった。

 変わりにハイライズが人造人間との話を終えると、僕たちに想像したとおりの依頼をしてくる。

 

 確かにここから数ブロックも進めばそこはレイダーやスーパーミュータントが徘徊する危険地帯となる。それでもまぁ、あの日のスイッチボードに比べれば全然たいしたことはないだろうとはわかっているのだが―ー。

 

 

 

 暗い袋小路の中でレイダーに出くわし、スーパーミュータントの一団をやりすごし。

 そこそこスリリングな夜の散歩は、唐突に終わりを告げた。

 

「ここだ、ここが目的の俺たちのタイコンデロガだ」

「――ここが?」

 

 チャールズ川に面した、ただのオフィスビル――の成れの果て。ただの廃墟だ。

 ハイランズはその入り口に立って、苦い笑みを浮かべていた。

 

「これだって、中はちゃんとしているんだぜ?それに外側をいじらないのは……」

「偽装。大丈夫、彼はちゃんとわかってるよ」

 

 ディーコンがフォローしてくれたので、あわてて僕もそれに乗っかっていく。

 

「そう、そっちじゃないんだ。えと――名前がさ」

「そっちか!それならわかるよ。確かに、俺たちは名前を借りてここをそう呼んでいるんだ。大昔に激戦を繰り返した砦、ここは俺たちにとって同じ意味のある場所なんだ」

「……なるほど」

「さて、急ぐんじゃないなら中に入ってくれ。今からでも朝までぐっすり眠れるし、朝飯も奢るよ。ついでに武器や防具についても相談できる」

 

 ガランとした暗いフロアにハイライズの声はよく響く。一番奥のエレベーターの前に立つとポーンという電子音とともにドアが開いた。

 

 僕は自分のピップボーイを確認する。

 夜明けまであと4時間か――確かに少しは休めるかもしれない。




(設定)
・野外劇場
現実のボストンには、チャールズビューという野外劇場はないらしい。
これが意味するところは?


・星空を、二つに~
ゲーム内において特定のレベルに達すると、何かが地上へと落ちてくるイベントがある。
この話がそれなのだが、では2人はそこに行くのかというと――。


・ピップボーイ
ようやくアキラも装備が可能となる。
彼のSPECIAL値については、後日プロフィールを更新する予定。

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