アナザー11   作:諸々

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……体はもらった。

……心はある。

……デビューは華々しかった。

……その後も良く使ってくれた。

……おかしくなり始めたのは紅の角から。

 

 

村長との話が終わり、みんなは神があの少女の事を話すと思い身構えていた。

が予想に反して何も話そうとせず神は部屋に戻ろうとした。

あわててベルが聞いた。「神様、彼女の事なんですけど。」

「あれとは言葉が通じるだろう。必要なことは聞けばよいではないか。」と言って部屋に戻った。

女性陣は素早くアイコンタクトをして、ベルを置き去りにして部屋に駆け込んだ。

「まず私たちで調べるから。」と言うエイナの言葉を残して。

 

ベルはオロオロしながら待っていたが、初めにエイナ、次にアイシャが出入りした。

アイシャは部屋に入る時言った。「もう少し掛かりそうだがあんまり遠くに行かないでくれ。」

することが無いのでベルは鍛練することにした。

外に出て、問題であるモンスターと戦うイメージトレーニングをする。

だがたびたび手が止まる。戦闘の途中でモンスターがしゃべりだす。

断末魔に遺言する。

倒れた後、他のモンスターが駆け寄って泣く。

さまざまなイメージが湧いてきてろくな鍛練にならない。

それでも無理やり続けていく。

その時ふと視線を感じた。物陰から覗いているようだ。

視線の高さからまだ子供だろうと当たりをつけて気にせず続けた。

 

しばらく続けているとようやくお呼びがかかった。

現れた少女は皮のビキニとへそ当てで、どことなくアマゾネスっぽい格好だった。

そこで分かったことは予想通りの内容であった。

そしてベルを交えていろいろ確かめると次の事が解った。

力はレベル2クラス、足の速さはレフィーヤとほぼ同じである。またベルと離れると眠ってしまい活動不能になる様だ。

それと、好き嫌いがはっきりしていること、と言うより嫌いなものは受け付けない。服装もそれが影響しているらしい。

この事で彼女の物を買いに近くの町に行くことにした。朝食は予約、夕食をキャンセルして向かう事にした。

ベルはエイナを背中に、山の中を突っ切るようにして進んでわずか数時間で着いた。山道を進むと一般人なら3日ほど掛るらしい。

(辺りにはモンスターがいるので、道はあまり出現しない場所で遠回りになっているし、警戒しながら進まなければならない為。)

そこは小さな町だった。ヘルメス支店はそこの一軒だけの旅館兼食堂だった。周りには色々な店が10軒ほど集まっている。

ヘルメス支店でベルとエイナはギルドの報告と換金、その他は少女の買い物に行った。(支払いはベル持ち。)

 

エイナはベルをちらちらと窺う。ベルは今はやるべき事が有る為、普通に振る舞っている様に見える。

ただ時間が空くと何かを深く考えているベルをたびたび見る。

支店を出てベルは店を回り、店員と相談しながらクエストに必要そうなものを購入していく。

この機会にエイナは、ベルに再度問いただしたかった。だが神ヘルメスの言葉がそれを阻む。

何とも言えない気持ちになり、彼の言動に一層注意しようと強く思った。

 

一行は帰りの事もあり、食堂で早めの夕食を摂ることにした。

その為か食堂は他に誰もおらずあっという間に食事が終わる。

ただし少女はなにも食べなかった、ただベルがいつもより多く食べていたが。

レフィーヤが脱力して言った。「薄々判ってましたが着替えさせられませんでした。」

少女が言った。「僕はこれでいい、ううんこれが良いんだ。」

アイシャが言った。「護身用の武器もまったく受け付けなかったね。」

少女が言った。「ボクが自分でできる、むしろボクがやるんだよ。」

レフィーヤが続けた。

「なかなか言う事を聞いてくれなくって参りましたけど、リューさんの言う事は聞いてくれたから助かりましたね。」

アイシャも同意して言った。「そういやーそうだったね、ぶっきらぼうのエルフも子供には関係ないのかね。」

それを聞いて少女はリューの所に行って引っ張ってきた。(覆面の為食事は別に摂っている。)

リューをベルの隣に座らせ、自分はその間に入り二人と腕を組んだ。

レフィーヤはその光景に思わずつぶやいた。「まるで夫婦とその子供みたいですね。」

その言葉にアイシャは大笑いし、ベルとリューはそっぽを向き、エイナはなぜか不機嫌になった。




「ルールブレーカー」コレ来たのか?(ロキと敵対させる?)
次はクリーチャーとなった元仲間との死闘となるのか?

それにしてもレヴィスの元は誰なんでしょうね?
分かっていることは、赤髪の女ヒューマンであること。
白髪鬼の同僚と表現されているから、「27階層の悪夢」の犠牲者のうちの一人だろうこと。
戦闘に関しては白髪鬼より上っぽいから元レベルは4ぐらいか?(当時のリューと同格か?」
白髪鬼が知っている「剣姫」の事を知らないことから、記憶を弄られている様。(闇派閥ではないのか?)
当時も名をはせていたフィンとリヴェリアが知らない相手。(覆面でもかぶっていたのかも?)
まったく見当もつきませんが、次の対決には決着がつきそうなんで明らかになるかも。

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