青い海!
白い砂浜!
輝く太陽!
現在IS学園1年生一同は臨海学校に来ていた
臨海学校と銘打ってはいるがこれもISの強化合宿であった
尤も2泊3日の内、1日目は自由行動なので半分は遊びである
生徒達は目的地に到着すると今回お世話になる旅館【月花荘】に荷物を置き早速水着に着替え海へと向かって行った
その中には先日のスカルグレイモンの一件でケガをした本音もおり、今日までに無事完治し参加していた
尚、今回の臨海学校は例年と違い男の太一と一夏、更にはデジモンのアグモンがいるので【月花荘】の部屋割りが若干変更されていた
太一とアグモンはオータムと、一夏は千冬と同室になっていた
これは太一と一夏を相部屋にすれば一夏がまた懲りずに絡んでくると予想した千冬達の満場一致の意見と他の生徒が乱入するのを防ぐ為の措置だった
更にアグモンもいるので食事を一人分増やす様に千冬達が頼んでいた
その時に旅館の女将にアグモンを紹介したのだが、女将もニュースなどでデジモンの事は知っていたのだが、それが自分の目の前に現れるとは思っておらず驚きの余り腰を抜かしてしまった
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そして現在、海では水着に着替えた生徒達が思いっきりはしゃいでいた
そこにはセシリア、鈴、シャルロット、ラウラもいた
4人はそれぞれがセシリアは青のビキニに同じ色のパレオを巻いた水着
鈴はタンキニタイプの水着
シャルロットはオレンジを基本にした水着だった
ラウラは黒のレースのビキニで髪もツインテールにしていた
4人は顔を見合わせていると…
全員
「はぁ~…」
揃ってため息を吐いた
その理由は…
セシリア
「…やはり太一様とアグモンさんは来ませんわね…」
鈴
「あいつ等本当に釣りに行ったみたいね?」
セシリア達の言う通りココには太一とアグモンが来ていなかったからだ
2人は以前言っていた通り、別の場所で釣りに興じていた
太一とアグモンがいない事に…
セシリア
「オイルを塗って貰おうと思いましたのに…」
シャルロット
「あ~あ、折角の水着を見て貰おうと思ったんだけどな~…」
鈴
「そうよね~、それで太一を悩殺してやろうと思ったのに!!」
不満を募らせていた
ラウラ
「…アイツを悩殺するなんて無理だと思うぞ?」
セシリア&鈴&シャルロット
「へ?」
するとラウラが意味深な事を口にした
セシリア
「それはどう言う意味ですか?」
ラウラ
「アイツに色仕掛けは効かないと言う意味だ。以前太一の部屋のベッドに裸で潜り込んだらゲンコツ喰らって説教された後に部屋から放り出された。」
セシリア&鈴&シャルロット
「はぁ!?」
3人はラウラの突然の爆弾発言に驚きの声をあげた
まさかラウラがそんな事をしていたとは思わなかったのだ
鈴
「あんたそんな事したの!抜け駆けなんてずるいわよ!!」
シャルロット
「いやそれよりも裸って…ね、ねえラウラ?裸で潜り込んだって本当に?下着とかは?」
ラウラ
「そんな物はつけていない。…だが太一は裸の私を見ても顔色一つ変えなかった…地味にショックを受けたぞ…」
セシリア&鈴&シャルロット
「………」
自分の色仕掛けが通じなかった事に何気にラウラはショックを受けていた
そんなラウラに3人はこれ以上何も言えなかった
セシリア
「…まさか女性に興味が無い?…いえ、それはありませんわね…」
鈴
「そうよね、太一はどっかの朴念仁と違ってその辺り事はちゃんと分かるし、興味が無いなら無いで私達が告白した時にそう言ってるわよ。」
セシリア
「…となると…ラウラさんの体型?」
ピクッ!
鈴
「それどういう意味?」
セシリア
「え!?」
鈴
「あのさセシリア?それって私でも無理って聞こえるんだけど?」
セシリア
「あ!?」
セシリアの一言に鈴が過敏に反応した
鈴もラウラと同じ『低身長』『貧乳』と言う所謂『幼児体型』だからだ
鈴
「なんか今酷くバカにされた気が…気のせいか…それでどう言う意味?」
………危なかった…気を取り直して…
睨みつける鈴に対して…
セシリア
「え、え~っと…」
セシリアは必死に言い訳を考えていた
すると…
鈴
「この胸か!やっぱり男は大きい胸が好きなのか!!」
セシリア
「え?きゃあああああぁぁぁぁぁ~~~~~っ!!!」
鈴が突然半泣きになりながらセシリアに襲い掛かった
鈴
「こんな物捥いでやる~~~!!!」
暴走を始めた鈴がセシリアの胸を鷲掴みにしようとした時…
ガンッ!
鈴
「アダッ!」
鈴に拳骨が振り下ろされた
鈴
「だ、誰よ!!って千冬さん!?」
そこにいたのは黒のビキニ姿の千冬だった
千冬
「何をしてるんだお前は?」
鈴
「ううっ…千冬さんには分かりませんよ!持たざる者の気持ちなんて!!」
今度は千冬の胸を恨めしい目をしながらそう言って来た
普段なら千冬に反論など出来ないのだが今の鈴は怒りと妬みが千冬への恐怖心を上回っていた
千冬
「…それは………そうだな…スマン…」
鈴
「う、うわあああああぁぁぁぁぁ~~~~~んっ!!!少しは否定してくれたっていいじゃないですか~~~!!!」
千冬の返答を聞き鈴はマジ泣きしてしまった
これには流石の千冬も慌ててしまい慰め始めた
それから暫くして漸く鈴も泣き止んだ
鈴
「すみませんでした…」
千冬
「いや、私も悪かった…」
セシリア
「申し訳ありません…」
取り合えず鈴と千冬、そしてそもそもの原因となったセシリアが互いに謝る事で漸くこの騒ぎは落ち着いた
ラウラ
「それで教官?何か御用ですか?」
千冬
「ああ、お前達の会話が聞こえてな。それで私も少し思う所があったんだ。」
シャルロット
「と言いますと?」
千冬
「…アイツの場合、その手の事に興味が無いのでは無く反応しなくなっているんじゃないのか?」
全員
「え?」
ラウラ
「どう言う意味ですか?」
千冬の言葉の意味をラウラが聞いて来ると千冬は周りを見渡し、自分達の話を聞いている人がいない事を確認した
そして誰もいないのを確認すると…
千冬
「(アイツの実年齢を忘れたのか?)」
全員
「あ!?」
声を小さくして理由を話した
その理由に全員が気付いた
それと同時に以前太一を買い物に誘った時に言われた言葉を思い出した
シャルロット
「(そうだった…太一って見た目はあれでも…)」
セシリア
「(95歳の老人でしたわ…)」
鈴
「(じゃあ千冬さん…もしかして太一って…)」
千冬
「(性に関する感情…所謂性欲って奴が無くなっているのかもしれん…)」
千冬の結論に4人は黙り込んだ
だが納得も出来る話だった
普通に考えれば95歳のジジイに性欲などある筈は無い
今の太一は15歳にまで若返っているが中身は何も変わっていないので若返ったからと言って性欲まで復活したとは言えなかった
千冬
「つまりアイツをオトすなら色仕掛け以外の方法しかないという事だな…まあ恋愛感情までは無くなってはいないようだから頑張る事だ。」
セシリア&鈴&シャルロット&ラウラ
「はい!!!」
千冬からの激励を受け4人は力強く頷くのだった
だが、そんな4人を少し離れた所から見つめる者がいた
一夏
「………」
言わずと知れた一夏である
4人の会話、中でも『元』幼馴染の鈴の台詞に拳を握り締めていた
鈴は近くにいる自分の事など全く相手にせずセシリア達と太一の恋バナをしているのだ
自業自得でフラれたとはいえ、鈴が以前は自分を好きだったと知った一夏としては気に入らない事だった
尤も、そんな一夏の事などもはやどうでもいいと考えている鈴はそれに気付く事は無く、そのまま千冬や他の生徒達とビーチバレーを始めていた
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太一&アグモン
「ふわ~~~~~…」
一方、海水浴場から離れた岩場では太一とアグモンが旅館で借りた釣り竿でのんびり釣りをしていたのだった
<予告>
釣りに興じる太一とアグモン
そこにマドカがやって来てこれまで溜め込んでいた物をぶちまけた
そして太一はマドカの気分転換の為にある提案をするのだった
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
メタルグレイモンの遊覧飛行
今、冒険が進化する!