ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第032話:対決!メガロ・ドラグナーVSシュヴァルツェア・レーゲン

 太一と千冬が別の場所でアリーナの戦いの話を聞いた時…

 

生徒

「聞いた?今アリーナで専用機持ち達が戦ってるんだって!」

 

 この二人も同じ内容の話を聞いていた

 

一夏

「専用機持ち?」

 

シャルル

「誰の事だろ?」

 

一夏

「行ってみようぜ!」

 

 そして一夏も太一達と同じようにその戦いが気なりアリーナに向かうのだった

 

シャルル

「う、うん…(面倒そうだから…本当は行きたくないんだけどな~…)」

 

 しかしシャルルは関わりたくない様だった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「アレは…鈴!?…それにラウラだと!?」

 

 アリーナに着いた一夏とシャルルが見たのは鈴とラウラの戦いだった

 

一夏

「何であの二人が戦ってんだ!?」

 

シャルル

「さあ?(あ~やっぱり面倒な事が起きてる~…)」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 同じ頃、太一と千冬もアリーナに到着していた

 

千冬

「やはりラウラか!?」

 

太一

「相手は鈴か…マドカとセシリアは…あそこか。」

 

 太一は鈴が一人で戦っている事からマドカとセシリアが何処にいるのか探した

 二人はアリーナの壁際で戦いを見守っていた

 

千冬

「あの馬鹿!今度は鈴に喧嘩を売ったのか!!」

 

太一

「いや、恐らくマドカとセシリアも含めたあの3人にだ。だが、ボーデヴィッヒの相手は鈴一人でしているようだな。」

 

千冬

「…確かにアイツならそのくらいやりそうだな………所で八神、どっちが勝つと思う?」

 

太一

「そうだな…ボーデヴィッヒの機体は何か特別な機能があるのか?」

 

千冬

「ん?確か…【AIC】…【アクティブ・イナーシャル・キャンセラー】と言う機能がついている筈だ。」

 

太一

「【AIC】?」

 

千冬

「【慣性停止結界】とも言うんだが…【PIC】を発展させたもので任意の対象を停止させるシステムだ。」

 

太一

「対象を停止…つまり相手を金縛りみたいに出来るって事か?」

 

千冬

「そのような物だ。1対1では反則級の能力だ。…それで【AIC】を使うラウラに鈴は勝てるのか?」

 

 千冬はラウラの機体の能力を太一に教えると改めて聞いて来た

 

太一

「…まあ勝てるだろ。ボーデヴィッヒを相手に一番怖いのはその【AIC】くらいだ。どの程度の拘束力があるかは分からないが…【メガロ・ドラグナー】のパワーなら力づくで拘束を振り解く事も出来るだろうしな。何より…」

 

千冬

「何より?」

 

太一

「ボーデヴィッヒ程度に負けるような柔な鍛え方を俺がすると思うか?」

 

千冬

「…だよな。」

 

太一

「尤も一夏なら勝てないがな。」

 

千冬

「何?アイツも最近はお前に鍛えて貰ってるだろ?」

 

太一

「アイツには鈴達と違って根本的に足りないものがある。」

 

千冬

「足りないもの?何だそれは?」

 

太一

「それはな………」

 

 太一は一夏に足りないものを千冬に教えた

 

千冬

「…なるほど…確かにアイツにはまだそれが出来ていないな…ではお前の訓練は?」

 

 それを聞いた千冬は太一の話に納得していた

 

太一

「まずはそれを造る為の物だ。だからマドカ達とは違う訓練をさせている。」

 

千冬

「そこまでしてくれているのか…何から何までスマン…」

 

太一

「気にするな。それに今日からアイツは俺の訓練には来ないだろうからな。」

 

千冬

「何?…何故アイツはそんな事を…まさかデュノアの件か!?」

 

太一

「そうだ。まあアイツが参加したくないと言うなら俺はそれでいいがな。面倒も減るしな。」

 

千冬

「…そうだな…私もこれ以上は流石に…「【零落白夜】!!」…何!?」

 

 バキィィン!!

 

 千冬の言葉を遮って聞こえてきた一夏の声…

 そしてバリアが破壊された音…

 二人はすぐに声のした方を向くと【白式】を纏った一夏が【零落白夜】でバリアを破壊した所だった

 一夏はそのままアリーナの中へと突っ込んでいった

 

千冬

「あの馬鹿!!何をしてるんだ!!!」

 

太一

「…本当に後先考えない奴だな…」

 

 一夏の行動に千冬は怒鳴り声を上げ、太一は呆れ果てていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 一夏がアリーナに突入する少し前…

 アリーナの中では鈴とラウラが戦っていたのだが…

 

「どりゃぁっ!!」

 

 ガキンッ!

 

ラウラ

「ぐっ!?」

 

 鈴達3人に喧嘩を売る為に挑発しに来て、逆に挑発されたラウラは鈴に押されていた

 ラウラは鈴の《ペンデュラムブレイド》を受けて後ろに吹き飛ばされていた

 

ラウラ

「く、くそっ!?」

 

「さっきまでの余裕はどうしたの?3人纏めて相手をしてやるって言ってた割に私一人に押されてるみたいだけど?まさかそれで全力なんて事ないわよね?」

 

ラウラ

「何だと!?」

 

 憤るラウラを横目に鈴は観客席に視線を移すと千冬といる太一を見つけた

 

「太一も来たみたいだしアンタの相手をするのは…終わりよ!!」

 

 その為、ラウラとの勝負を終わらせようと突撃した

 だが、その瞬間…

 

ラウラ

「調子に乗るな!!」

 

 ラウラは鈴に向かって右手を広げた

 

 ピタッ!

 

「アレ?…機体が…」

 

 突然鈴の機体が動きを止めてしまった

 

ラウラ

「どうだ!私の停止結界は!!」

 

「…停止結界?…あ~コレが【AIC】ね!…へ~、噂には聞いていたけど本当に動けなくなるなんてね…」

 

 これが先程太一と千冬が話していたラウラの機体の特殊能力【アクティブ・イナーシャル・キャンセラー】だった

 ラウラによって拘束された鈴は最初は機体が動かなくなった事に驚いたが、それがラウラの【AIC】によるものだと気付くと、いたって冷静に現状を確認していた

 

ラウラ

「…随分と余裕だな!今のお前は私の手の中にいると言うのが分からないのか!」

 

 拘束されているのにまるで慌てていない鈴にラウラは苛立った

 

「…そりゃ余裕よ…だって「り―――んっ!!」へっ?」

 

 突然自分を呼ぶ声が聞こえたので鈴はそちらを向くと一夏がバリアを破壊してこちらに突撃していた

 

「何してんのアイツ?」

 

 鈴もまた太一と千冬と同様に一夏の行動の意味が分からずにいた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 【零落白夜】でバリアを破壊しアリーナに突っ込んだ一夏

 何故一夏がこんな行動をとったかと言うと…

 

一夏

「鈴!?何でいきなり止まったんだ!?」

 

 最初は一夏もシャルルと一緒に二人の戦いを見守っていた

 だが鈴がラウラの【AIC】によって拘束されたのを見た瞬間…

 

シャルル

「アレ【AIC】だね。」

 

一夏

「【AIC】!?」

 

シャルル

「【アクティブ・イナーシャル・キャンセラー】…分かり易く言うと相手を金縛りに出来る能力だよ。」

 

一夏

「金縛り!?じゃあ鈴は!?」

 

シャルル

「あのままじゃ何も出来ないね。」

 

一夏

「そんな!?くっ!!」

 

 シャルルから【AIC】の事を聞いた瞬間一夏は【白式】を展開した

 それを見たシャルルは…

 

シャルル

「ちょっと一夏!何する気なの!?」

 

一夏

「決まってるだろ!鈴を助けるんだ!!」

 

シャルル

「助けるって…アリーナにはバリアが張ってあるんだよ!ココでISを展開してどうするのさ!助けに行くならピットから中に入らないと…」

 

一夏

「そんな時間あるか!!」

 

 一夏はそう言うとシャルルの制止も聞かず【零落白夜】でアリーナのバリアを切り裂き中に突入していった

 

シャルル

「一夏!…あ~あ…八神さんとオルコットさんが中にいるのに…」

 

 シャルルの言う通りアリーナの中にはマドカとセシリアが控えていた

 だが一夏は二人の存在を綺麗サッパリ忘れており、このような行動に出てしまった

 この行動の結果、自分がどうなるのかも分からずに…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 この様な事があって一夏は鈴を助けようとしてバリアをぶった切ってラウラに向かって突撃したのだ

 そして突撃の勢いのまま【雪片弐型】でラウラに斬りかかったのだが…

 

 ガキンッ!

 

一夏

「何っ!?」

 

 ラウラは右手を鈴に向けたまま体を一夏の方に向け左腕のプラズマ手刀で【雪片弐型】を受け止めていた

 

ラウラ

「フッ!随分と軽い剣だな?」

 

一夏

「何だと!?」

 

ラウラ

「くたばれ雑魚が!!」

 

 ガシャッ!ドドドドドンッ!

 

 ラウラはそう言うと肩のレールカノンを一夏に向け至近距離で連続で撃ち込んだ

 

 ドガガガガガァァン!

 

一夏

「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ――――――っ!!!」

 

 レールカノンを喰らった一夏は吹き飛ばされた

 

ラウラ

「止めだ!!」

 

 ラウラは一夏にとどめを刺そうと倒れている一夏にレールカノンを向けた

 だがその時…

 

「あのさ~…私の事忘れてない?」

 

 【AIC】で拘束された鈴が話しかけて来た

 

ラウラ

「フンッ!コイツを始末したらお前も片付けてやる!大人しくやられるのを待っていろ!」

 

一夏

「そ、そうはいくかよ!俺は…鈴を助けるんだ!!」

 

 そう言って立ち上がる一夏だが…

 

「………アンタ何言ってんの?」

 

一夏&ラウラ

「え?」

 

 鈴の一言に一夏とラウラは声を揃えて固まった

 

「バリア壊してまで何しに来たのかと思ったけど…まさか私が追い詰められてると思ったの?だとしたらアンタ何見てたのよ?」

 

ラウラ

「貴様何を言ってる!私の停止結界で動けない状態で「こんなものすぐに抜け出せるわよ。」何だと!?」

 

「ぐぬぬぬぬっ…」

 

 すると鈴は両肩のバーニアを点火し全身に力を込め始めた

 

「ふんっ!!」

 

ラウラ

「ば、馬鹿な!?」

 

 そしてそのまま【AIC】の拘束を力づくで振り解いてしまった

 ラウラは【AIC】を破られた事に激しく動揺していた

 

「こう言う事よ!私を止めたかったら今の倍以上の拘束力じゃないと押さえられないわよ!だからアンタがココに来る意味って無いのよ。」

 

一夏

「そ、そんな…」

 

「それにこれは私とコイツの戦いなの。勝手に横槍入れないでよ。」

 

一夏

「………」

 

 鈴はそれだけ言うと一夏には目もくれずラウラに視線を移した

 

「さて待たせたわね?」

 

ラウラ

「くっ!」

 

 【AIC】を破られた事に立ち直ったラウラはレールカノンを鈴に向けた

 だがそれを見た鈴は…

 

(コイツ…さっきもそうだけどバリアが今は無いって分かってんのかしら?)

 

 レールカノンを撃とうとするラウラの行動に疑問を持ったが…

 

(…コイツならそんな事気にせずぶっ放すか…)

 

 相手がラウラだからという事ですぐにその事を考えるのを止めた

 

「(全く!一夏の馬鹿がバリアを壊したせいで衝撃砲も《アトミックブラスター》も使えないじゃない!…となると観客席に被害を出さない様にするには接近戦しかないか…)ならば!!」

 

 鈴は内心、一夏に毒突くと《ペンデュラムブレイド》を構えラウラに向かって突撃した

 

ラウラ

「正面から突っ込んで来たか!!」

 

 ラウラはそれを見て鈴に向かってレールカノンを撃ったが…

 

 ドカァン!

 

 鈴は避けずに砲撃を喰らい煙に包まれた

 

一夏

「り、鈴!?何で避けないんだ!!」

 

 一夏はそれを見て鈴の行動が分からなかった

 鈴のこの行動は躱せば観客席に当たるかもしれないと考えての行動だった

 そして鈴のこの行動のそもそもの原因は当然の事ながら一夏自身のせいなのだがこの男は勿論それが分かってはいない

 その時…

 

「はあああああぁぁぁぁぁ―――――っ!!!」

 

 煙の中から現れた鈴はそのままラウラに向かって突っ込んで来た

 

ラウラ

「チッ!いい加減くたばれ!!」

 

 ラウラは再びレールカノンを撃つが鈴は《ペンデュラムブレイド》を盾にしてラウラの砲弾を防いでいた

 先程の砲撃も鈴は同じ方法で防いでいたのだ

 

ラウラ

「クソッ!ならこれでどうだ!!」

 

 鈴にレールカノンが余り効果が無いと察したラウラは機体に装備された6本のワイヤーブレードを鈴に向かって放った

 だが…

 

「ハアァッ!!」

 

 ザザザザンッ!!!!

 

 ドガガガガンッ!!

 

 鈴は一端足を止め向かって来た6本の内の4本のワイヤーの先端を《ペンデュラムブレイド》で斬り裂き破壊した

 そして残る2本は…

 

「《アサルトバランサー》行けっ!!」

 

 ドガガンッ!!

 

 ラウラのワイヤーブレードと似たタイプの武装でもある、背中に取り付けられた《アサルトバランサー》で残りのワイヤーを突き刺して破壊した

 

ラウラ

「なっ!?」

 

 ワイヤーブレードがアッと言う間に破壊された事に驚くラウラだが、すぐさま向かって来る鈴を迎撃しようとレールカノンを向け、両腕のプラズマ手刀を構えた

 だが…

 

ラウラ

「!?…な、何っ!?」

 

 鈴はワイヤーを破壊した《アサルトバランサー》をそのままラウラに向かって伸ばし、巻き付けて縛り上げた

 

「コレで逃げられないわね!!」

 

ラウラ

「グッ!は、放せ!!」

 

 それは【AIC】で鈴を拘束したラウラが今度は鈴の《アサルトバランサー》で拘束されると言う形になってしまった

 鈴は両腕を正面で組み、再びバーニアを点火してラウラに向かって突進した

 その時《ペンデュラムブレイド》が輝きエネルギーの巨大な刃となった

 躱そうともがくラウラだが《アサルトバランサー》で縛りつけられている為、動く事が出来なかった

 

「喰らえ!!《ダブルエッジ》!!!

 

ラウラ

「うっ!うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!!!!!」

 

 バキィィンッ!!

 

ラウラ

「ガハッ!!!」

 

 鈴の《ダブルエッジ》が命中すると同時に《アサルトバランサー》の拘束を外されたラウラは激しく吹き飛ばさた

 

ラウラ

「ぐっ…く、くそぉ…」

 

「へ~?《ダブルエッジ》を正面から受けてまだ立てるなんて思ったより頑丈ね?でも…もう1発喰らっても立てるかしら?」

 

 起き上がり立ち上がったラウラを見て鈴は再び腕を正面で組んだ

 だがその時…

 

千冬

「そこまでだ!!!」

 

「むっ!」

 

ラウラ

「きょ、教官っ!?」

 

 観客席にいた千冬がアリーナに降りて来ていた

 

千冬

「随分とまあ派手に暴れたな?だがこれ以上は見過ごせんな!」

 

ラウラ

「止めないで下さい!!」

 

千冬

「馬鹿者!!お前は周りが見えてないのか!!」

 

ラウラ

「え?」

 

 千冬はラウラに怒鳴ると視線を一夏に向けた

 

千冬

「…織斑…何故バリアを斬った?」

 

 そしてバリアを破壊した理由を問い質した

 

一夏

「な、何でって…俺は鈴を助けようと…」

 

千冬

「それで何故バリアを斬る必要がある?凰を助けに行くならピットから回り込めば済む話だろ?」

 

一夏

「それは…鈴が…やられそうだったから…」

 

千冬

「なるほどな…だが見ての通り凰は苦戦などしていない。つまりお前の勘違いだ。」

 

一夏

「………」

 

千冬

「仮に凰が危険な状態だったとしてもその時はオルコットと八神妹が止めに入っていた。お前はアリーナにいた二人の存在に気付かなかったのか?」

 

 千冬は壁際から近付いてきた二人を指さしながら聞いて来た

 

一夏

「あ!」

 

千冬

「それにお前がバリアを斬ったせいですぐには復旧出来なかったんだぞ。」

 

一夏

「…え?」

 

 そう言うと千冬は今度はラウラに視線を移した

 

千冬

「ボーデヴィッヒ…バリアが破壊されたのに何故レール砲を撃った?」

 

ラウラ

「………」

 

千冬

「全弾命中したからよかったが1発でも外れていたら観客席に命中していたぞ?観客席に当たっていたらどうなっていたか軍人のお前が分からない訳無いよな?」

 

ラウラ

「………」

 

千冬

「やはりお前は以前私とオータムが言った態度を治せという事を守っていなかったか…」

 

ラウラ

「!?…い、いえ!私はちゃんと…」

 

千冬

「治せていればあの状況でそんなものを撃つ事などしない!!」

 

ラウラ

「ぐっ…」

 

 言い訳をしようとしたラウラだが千冬は今迄の行動から言われた事を守っていないのだと断言した

 

千冬

「まあ治せと言ってお前が素直に治すとは初めから思ってもいなかったがな。」

 

ラウラ

「!?」

 

千冬

「それからボーデヴィッヒ…何故凰がお前の撃った砲弾を避けずに全部受けたと思う?」

 

ラウラ

「ま、まさか!?」

 

千冬

「避けて観客席に命中する事を恐れて自分で受けたんだ!それにバリアが破壊されてから凰は一度も自分の射撃武器を使ってはいない!!」

 

ラウラ

「!?」

 

 千冬の言葉にラウラは目を見開き鈴を見ると、そのまま睨みつけた

 鈴は途中から射撃武器を使わなかった

 それはつまり最後は手を抜いていたという事に他ならないからだ

 そして千冬は再び一夏に視線を移した

 

千冬

「コレで分かったか!お前の考え無しの軽はずみな行動で客席の生徒達は危険に晒され、凰は武器に制限をかけ、生徒達を守る為に受けなくてもいい攻撃を受けたんだ!!お前のした事は凰を助ける所か邪魔以外の何者でも無い!!!」

 

一夏

「…そんな…」

 

 鈴の為を思っての行動が全て裏目に出てしまったと言われた一夏は激しく動揺しその場で膝をつき俯いた

 

千冬

「そんなに戦いたいなら今度の()()()トーナメントで決着を付けろ!!」

 

マドカ&セシリア&鈴

「…ん?」

 

 マドカ、セシリア、鈴は千冬の口にした単語に反応した

 

一夏&ラウラ

「………」

 

 だがこの二人は気付かなかった

 

千冬

「ではこれよりトーナメントまで全生徒は一切の私闘を禁止する!!…そして織斑、凰、ボーデヴィッヒは今回の騒動のペナルティを与える!!」

 

鈴&一夏&ラウラ

「………」

 

千冬

「まず凰はトーナメントまでに反省文10枚だ!」

 

「分かりました。」

 

千冬

「次に織斑とボーデヴィッヒは凰と同じ期限で反省文100枚の提出とその間のISの使用を禁止する!!」

 

一夏&ラウラ

「え?」

 

一夏

「ま、待ってくれよ千冬姉!!」

 

ラウラ

「何故私とコイツだけそんなに重いペナルティなんですか!!」

 

 自分達と違って鈴はペナルティが明らかに軽い事に異議を申し立てる二人だった

 

千冬

「この騒動は殆どお前達二人が原因だからだ!!」

 

一夏&ラウラ

「!?」

 

千冬

「凰とお前が模擬戦をしていた事に対して私は何も言うつもりは無い!だが問題はその後だ!…織斑!お前はバリアを破壊し生徒達を危険に晒した!!…ボーデヴィッヒ!お前はそんな状態で平気で砲撃を行った!!」

 

一夏&ラウラ

「………」

 

千冬

「凰は生徒を守っていた事もあるからペナルティを与える必要も無いと思ったが、お前がバリアを壊した後も戦い続けたからその事による罰だ!」

 

「あ~…確かにそうですね…すみませんでした…」

 

千冬

「うむ!…凰とお前達がやった事を比べればどっちのペナルティが重くなるか言わなくても分かるだろ!!」

 

一夏&ラウラ

「………」

 

千冬

「そしてISの使用を禁止したのはお前達がまた同じような事をしないとは限らんからだ!!」

 

一夏&ラウラ

「………」

 

 千冬の言った鈴とのペナルティの違いに二人は何も言えなかった

 

千冬

「以上だ!!解散しろ!!」

 

 

 




 <予告>

 鈴とラウラの戦いから始まった騒動は漸く収まった

 だが千冬の口にしたタッグ戦と言う言葉に再びアリーナは騒然となる

 そして太一に与えられたハンデ…

 それぞれの思惑が交錯する中、太一はどう動くのか?



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 交錯する思い

 今、冒険が進化する!


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