ラナークエスト 作:テンパランス
一時間ほどの議論でチーム名は『マルガリータ』と『ナーベラルがんばる』にしようとしたが何故か、
国家権力は横暴だとラナーは
「チーム名が決まるまでラナーはレベル5になっておいで。クライムと一緒に」
「では、そうさせていただきますわ。素敵なチーム名を期待しています」
「世にもおぞましい名前になっていたりしてな」
ラナーはそそくさと退出する。
知らない仲間よりクライムが全てに優先されるラナーはあっさりと帰宅する。
レイナース達が頭を悩ませている間に装備品を新調するラナー。
レベルは低いもののモンスターと戦えないわけではない。
「クライム。レベルを上げに行きますので付き合ってくださいな」
「
ミスリル合金製の白銀の
荒々しい顔つきに短く刈り込まれた金髪。毎日鍛えている筋肉は防具で見えないが、相当引き締まっている。
実直な性格で小技はまだ苦手としていた。
「70と言いたいところですが、まずは5です。どれほどのモンスターを倒せばいいでしょうか?」
「今は2ですから、単独で倒す場合ならば
「あらら。低いレベルでも大変なのですね」
「はい。そう簡単に強くならない世界なので」
従者であるクライムは冒険者ではないが金級の実力がある。
見た目は貧相だが、意外と強い。
レベルアップするには自分のレベルと同等か、それ以上の敵を倒さないと経験値は激減してしまう。
最低値は1だ。
ラナーならば
経験値と経験点は名称こそ違うが意味はほぼ同じ。モンスターが元々持っている経験値を経験点と呼んでいる。どちらを使っても個人の自由だ。
経験点はレベル差が開くごとに減っていく。
基本は討伐したモンスターの経験点の合計を平均レベルで割る。開きが五十レベル以降は平均レベルを10倍にした値で割る。
レベルの差が開けば開くほど得られる経験値は少なくなる。
逆に倍化はしない。経験点を倍にするようなアイテムを装備しない限りは。
モンスターの
魔法を使ったり、その魔法を当てる。武器での攻撃も同じ。回避運動。武技を当てる事でも経験値になる。微々たるものだが。
召喚物は倒しても経験値が獲られないのは通説となっていた。
様々な条件で獲られたり、獲られなかったりする。
鍛錬でも経験値は得られるが高レベルほど得られにくくなる。レベルアップするごとに必要経験値が消費されるので持ち越しは可能だ。迂闊にすぐレベルアップするより低レベルのままの方が稼ぎは多いので、そこは色々な工夫や戦略が必要になってくる。
最終的には数千万ポイントを稼がなくてはならない。実際にそこまで至る事はないかもしれないけれど。
ソロ活動以外で獲得した経験値はチームに割り振られる事になっているので更に少なくなる。
多くもらえるのは倒した者だが、強敵であればあるほど経験値は多いものだ。
雑魚モンスターばかりでは数年がかりとなるかもしれない。
「ラナー様が次のレベルになるには2200ポイントほど必要です」
獲得した経験値は溜める事が出来る。
特殊なスキルや魔法に経験値を消費する場合がある。場合によってはレベルダウンする事もありえる。
「そのポイントはどうやって調べるのですか?」
「冒険者組合に便利なアイテムがあったはずです。相手を見るだけでステータスが分かるという……」
「クライムは色々と勉強しているのですね」
「調べるのが好きなんです。歴史とか伝承とか」
「今回は女パーティで頑張りますが、いずれクライムと二人でモンスター退治に赴きたいですわ」
退屈しのぎには丁度良い。
それを
無闇に危険な場所に飛び込むほど愚かではない。