ラナークエスト   作:テンパランス

3 / 183
#002

 act 2 

 

 五人パーティとなったが予備として数人を控えさせようかと思ったが保留にする。

 今から色々と決めても戦闘までが長くかかりそうだったからだ。

 レベルに関係なく、最初は底辺の銅プレートから始める。

 

「チーム名は『黄金』ですか?」

「『排泄物』」

「却下」

 

 間、髪を入れずナーベラルが言ったのをレイナースが見事に拒否した。

 

「女のチームで排泄物とは何なんだ、貴様」

「黙れ、下等生物(ミツバチ)

「五人にちなんだ名前というのは難しいですね」

「『膣』」

「女性だけど~! お前、真面目に考えているのか!」

 

 レイナースはまたも激怒する。

 素っ気ないナーベラルはどこか不機嫌だった。

 それぞれ異なる職業(クラス)を持ち、武装も違うし種族も違う。なので考え方はもちろん、反応も色々と違う事にラナーは微笑みながら観察していた。

 アルシェは軽装だが貧乏なだけ。

 クルシュはほぼ全裸。隠す部分は隠している程度。

 

「『黄金の膣』でいいだろう」

「……ほう。お前、後悔するなよ」

「面白そうですが……、何かを失う気がしますわ」

 

 (とみ)というか名声などを。

 ラナーはとても心配になってきた。

 実力に関しては申し分ないのかもしれないけれど、まとめるのは難しそうだった。たぶん、モンスター退治よりも、と。

 

「『王女とゆかいな仲間たち』か『殺すことが何より大好き』チームか」

「ボクと契約して世界を……」

「『金色(こんじき)聖典』」

 

 パーティの次にチーム名を考えるのも大変だとラナーは知った。

 話しの都合上、全員のレベルを5に統一。5以下は特に変更なし。

 

「ええっ!?」

「……多少のハンデは仕方ないな」

「ああっ! 魔法が使えなくなってる!?」

 

 新規の魔法は改めて覚えなおすこと。

 詳しい詳細は『ギルガメッシュ』で勉強してこい、クズ共。

 

お前(モノローグ)GM(ゲームマスター)か? まあ、全員が仲良く低レベル帯なら色々と工夫が必要だろう」

「……63から5に落とされるとは……。身体が重くなったような気がする」

「異形種は鋼鉄から紙にランクダウンするようなものだな」

 

 倒すモンスターはいきなり死の騎士(デス・ナイト)では可哀想なので骸骨(スケルトン)などの弱いモンスターから。

 ちなみに骸骨戦士(スケルトン・ウォリアー)骨の竜(スケリトル・ドラゴン)と同じ強さである事を意外と読者は気付いていない。

 

黒い仔山羊(ダーク・ヤング)からスタートかと思ったぞ。アイテム類はどうする?」

「回復アイテムは無限ということで」

「戦闘が終わったら宿屋で回復。大抵はこれで解決するものだ」

「装備品は普通ですね。全員が布の服でなくて良かった」

 

 初期の資金は宿代くらい。モンスターを狩り、報酬などで資金を得ていく。

 ドロップ品は無いが、ダンジョンで手に入れる物は大抵がゴミ。すぐに売ってしまうのが良い。

 理由としては発見されているダンジョンにはろくなものがないのがお約束だからだ。既に調査隊が派遣されていたり、野盗が住み着いていたりする。

 運が良ければその野盗から分捕る事でも資金源に出来る。

 

「ではまず、皆さんは元々のレベルまでを第一目標と致しますか」

「異議なし」

「私はレベル75までクラスもそれに準じたものにする予定ということで……」

「入れ替えはあるんですか?」

「四人パーティが平均なら二人ほど死んでいただく必要が……」

 

 ラナーとしては愛するクライムと二人で冒険がしたかった。だが、今の自分は非力で冒険者としての経験が無い。

 急な苦境に立たされた時、起死回生する自信も無い。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。