で、二人で捜査開始。
「犯人はまだ近くにあるはずだ」
「俺もそう思う。放火魔は近くで自分の犯行を見てるからな。それと同じってことだろ」
「そゆこと」
ゲーセンの屋根から犯人の姿を探す。
「でも、どうやって探す?この野次馬の中から」
「とりあえず、笑ってる連中とかニヤニヤしてる連中片っ端から殴って吐かせればいいだろ」
「………お前ほんとに風紀委員か?」
「いいんだよ、捕まえられれば。じゃ、俺あそこの男捕まえて来るから、ていとくんあっちよろしく」
「誰がていとくんだ」
言いながら、二人は屋上から飛び降りた。
*
佐倉はスキルアウトっぽいヤツの前に立った。
「ふっは、スゲー」
「汚ねえ花火だ」
「おい、あんたら爆破犯?風紀委員だけど」
「あ?風紀委員サン?」
「お前ら何やってんだよ。風紀委員なら爆破止めろよ」
「よし、尋問しよう」
直後、二人のスキルアウトの頭を掴み、地面にダンクシュートする勢いで叩きつけた。
「「おごっ!」」
グリグリと頭を地面に擦りつけながら佐倉は聞いた。
「もっかい聞くぞー。あの爆破犯はお前らか?」
「ち、ちがふちがふ!おえたいたにもひてない!」
「ふいあへんした!」
「嘘ついたら肛門にマックの看板ねじ込むけど、ほんとだな?」
「「マジでマジで!」」
「よろしい」
離した。
*
垣根も同じように翼で脅して犯人を探し回った。だが、見当たらない。
「なぁ、もう逃げちまってるんじゃねぇの?」
「それあるかも」
「どうするよ」
「あー少し待って」
佐倉はスマホを取り出した。
「もしもし、初春?」
『どうしましたー?』
「今、ゲーセンが爆破したんだけどさ」
『はい』
「監視カメラで爆破に目も向けずに立ち去った奴探してくんない?逃げたルートも」
『簡単に言いますけど、監視カメラのハッキングって犯罪ですからね』
「もう何度もやってんだろ。いいからはよ」
『はいはい……』
「あとでパフェ」
『やります!』
電話を切った。
「誰?」
「後輩2号。役に立つんだよこれが」
「ふーん」
数分後、結果が出た。
「出たよ、結果」
「どこ?」
「第七学区。空中から行ってくれ」
「お前は?」
聞かれた直後、近くのバイクにまたがった。当然、自分のバイクではない。
「………お前、中学2年じゃなかった?」
「仕方ないね」
「や、何が仕方ないか全然分からないんだけど」
出発した。
*
眼鏡の痩せた少年は、ヘッドホンをしながら路地裏を歩いていた。自分の能力が徐々に上がって行くのを実感し、ニヤ付きが収まらなかった。
その直後、後ろからゴガッと何かが直撃した。
「ヤッベ、はねちゃった」
「お前それ犯罪だろ」
「犯人逮捕のためだ。仕方ないね」
「あれ?そいつ死んでね?」
「気絶だろ。警備員と救急車」
「そだな」