かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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守護者、出動

ープレシアsideー

 

「10代目とリボーンさん! 後古里の野郎が消えただぁああああっ!?」

 

ツナ達が突如消えてしまって数時間後。

獄寺と山本と了平、それとアーデルにジュリーに紅葉、らうじに薫にSHITT・Pが、シモンの聖地にいるプレシア達の住む館に集まった。

 

「ごめんなさい・・・・! わたしが、レリックなんか、見つけなきゃ・・・・!」

 

三人が突然消えてからずっと泣いているアリシアを、リニスとアーデルが慰めていた。

 

「んで、プレシアさん。ツナ達は今どこにいんのか分かるのか?」

 

「・・・・それが、分からないのよ。何しろレリックよって引き起こされた現象だし、別の次元世界か平行世界か、はたまた過去か未来に飛ばされたのか、それすらも分からないわ」

 

プレシアの言葉に、全員が顔をしかめるが、どうしようもない状況だった。

と、ソコでーーーー。

 

「やぁ皆! お久しぶり~☆」

 

『っ!? び、白蘭っ!?』

 

一同の後ろから聞こえた声に振り向くと、白蘭がにこやかな笑みを浮かべ、背中に羽を生やして宙に浮いていた。

 

「白蘭テメエ! こんな時に何の用だっ!?」

 

「そんな邪険にしないでよ獄寺クン♪ 綱吉クンとエンマクンとリボーンクンの居場所を教えに来たんだからさ☆」

 

『っ!』

 

白蘭の言葉に、全員が肩を揺らした。

 

「極限に本当か白蘭!?」

 

「結局エンマ達は何処に行ってしまったのだぁ!?」

 

「ん~、簡単に言うと、今から『八年後のミッドチルダ』に行ってるよ~☆」

 

『は、『八年後のミッドチルダ』!?』

 

「そ♪ それでね、獄寺クンと山本クン、あと了平クンにはーーーー“これで”、綱吉クン達の所に行ってきて欲しいんだ☆」

 

白蘭が獄寺、山本、了平に“カード”を投げると、三人はそのカード、いや、“チケット”を手に取ると、ミッドチルダの年号と日付が記されていた。

 

「これは・・・・!」

 

「あぁ、『ーーーーーーのチケット』だな」

 

「これを使えと言う事なのか?」

 

「そそ♪ これで綱吉クン達の所に行けるよ☆ で・も、シモンの皆は行けないよぉ」

 

「っ! 何故なのっ!?」

 

白蘭の言葉に、アーデルが反応するが、白蘭は少し目を細めて、真面目な口調で話す。

 

「〈ユグトラシル・コーポレーション〉が動きを見せているよ」

 

「っ! 〈ユグトラシル〉がっ!?」

 

白蘭が言った〈ユグトラシル・コーポレーション〉。

『沢芽市』に支社を置く医療系・福祉系事業を手掛ける巨大企業。

だが裏では、小さな、それこそ管理局のレーダーにも引っかからない小規模の空間湾曲が街の所々に発生する不可思議な現象が起こっている『沢芽市』で、暗躍をしている組織なのだ。

以前から、沢芽市の異常な状況を察知していたボンゴレとシモンは、この街を秘密裏に調査していると、沢芽市内で勢力争いをしているダンスグループ、『ビートライダーズ』が『果物や木の実の錠前』を使って、『インベスゲーム』と言う謎のゲームをしており、以前その錠前の一つを手に入れ、プレシアや『ボンゴレメカニックチーム』に調査させていると、その錠前には、“別の次元から生物を召喚する機能”が付いていると分かり、警戒をしていたのだ。

 

「〈ユグトラシル〉はどうやら、“新しいシステム”を使って何かの実験を行うようだ。君達シモンの守護者達までいなくなれば、“脅威”が起こった時の防波堤がいなくなるよ」

 

「・・・・アーデル。ここは聞いておいた方がいいわ」

 

「プレシア・・・・」

 

「〈ユグトラシル〉が何を企んでいるのかは分からないけど、ボス達のいない上に、守護者達まで全員いなくなれば、沢芽市からの脅威に対抗できなくなる。アーデルなら、ボスの次に守護者のリーダーをやれるわ。それに連携力と団結力なら、我の強すぎる守護者が多いボンゴレよりも、シモンの守護者の皆の方が動きやすいのも利点よ」

 

「・・・・・・・・」

 

「まぁ、ボンゴレの守護者はまとまりって物がねえからなぁ」

 

「うるせえ! そのまとまりの無さの最たる原因が雲雀と骸なんだよっ!」

 

ジュリーの言葉に獄寺が反論するが、確かにツナやリボーンを欠いたボンゴレ守護者達に任せるよりも、まだ自分達の方が適任だ。

 

「・・・・・・・・エンマを、私達のボスをお願い」

 

『・・・・・・・・』

 

アーデルが頭を下げると、ジュリーとらうじ、紅葉に薫にSHITT・P、プレシアとアリシアとリニスも頭を下げた。

 

「「「(コクン!)」」」

 

「ーーーーそれじゃあ、早速出発だよ☆」

 

三人はコクリと頷くと、白蘭がいつもの調子に戻って館の外に出ると、一同もその後を追って外に出たその時、

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~!!

 

突然、音が鳴り響くと空に穴が開き、さらに宙に路線が展開され、その上を流線型の新幹線ーーーー『時の列車』が現れ、獄寺達の前に停車すると、列車の扉が開き、三人は列車に乗り込んだ。

 

「獄寺クン♪」

 

「あ?」

 

「これ、正チャンが綱吉クンへ、調整が済んだからついでに贈り物だよ☆」

 

白蘭が獄寺に投げ渡したのは、『オレンジ色の匣兵器』だった。

 

「コイツは・・・・。一応、礼を言っとくぜ白蘭」

 

そして三人を乗せた『時の列車』が、宙の路線を再び展開させ走り、時空間が開き、その中に入っていった。

 

 

 

 

ー獄寺sideー

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンン!!

 

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

時空間を抜けて、『時の列車』が暴れるように暴走していると、獄寺は宙に投げ出され、地面を転がった。

 

「あ、あ、あのバカ鬼に、エロ亀にボケ熊にクソガキ竜とアホ鳥めがっ!!」

 

ガバッと起き上がった獄寺が悪態を吐いた。ツナ達のいる時代に向かっている途中、『時の列車』に乗る『ドアホ軍団』の喧嘩に巻き込まれ列車が暴走し、何処か分からない時代に放り出されてしまったのだ。

 

「クソッ! 少し歩いて、情報を集めるか」

 

獄寺が起き上がり少し歩くと、運悪く雨が降り始め、さらにどうやら墓地に着いたようだ。

 

「ん?」

 

ふと、葬儀でもしているのか、礼服を着たオレンジ髪の小さな女の子とその後ろで、礼服を着た何人もの男性達がお墓の前にいた。

獄寺は自分に関係ないと思い、その一団の後ろを通りすぎようとした時ーーーー。

 

「妹を置いて死んだか・・・・」

 

「それよりも、犯人を捕らえずに逃がしてしまうとは」

 

「若いながらも優秀な魔導師と言われ、驕り高ぶった愚か者めが」

 

「管理局の面汚しめ」

 

亡くなった人間、おそらく同じ仕事をした仲間に対して侮蔑の言葉を発する奴等に、獄寺は少なからず嫌悪感を抱くと、人垣の隙間からお墓の前に立つ幼い女の子、おそらく亡くなった人の遺族の少女の背中が見えた。

そしてーーーー。

 

「・・・・・・・・」

 

「ぁ・・・・」

 

その少女の肩が、小刻みに、悔しさと悲しさで震えていたのを見抜いた。ーーーーそれはかつて、母親の死を知った時の自分と酷似しており。

 

「ーーーー!!」

 

バキッ!

 

「がぁっ!?」

 

「な、何だ君はっ!?」

 

獄寺は男達の1人を殴り飛ばすと、他の男達や女の子が、なんだなんだと獄寺の方を向く。

 

「死んだ仲間を侮蔑するだなんて、んなクソみてぇな口を俺の前で吐きやがったテメエらが悪いっ!」

 

「わ、我々を〈時空管理局〉の魔導師と知って・・・・!」

 

「(お、一応『ミッドチルダ』には来ていたのか)・・・・はっ! テメエらみてぇなゴミクズ共が入れるんだ、〈時空管理局〉も大した組織じゃねぇようだなぁ!?」

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

礼服の男達がデバイスを取り出すが、その前に獄寺の鉄拳が繰り出された。

 

 

 

 

 

 

「ば、バカな・・・・管理局の、俺達が・・・・!」

 

僅か二分足らずで男達は獄寺に簡単に制圧され、気を失った。

 

「けっ、魔導師なんて魔法が使えなきゃソコらの雑魚と変わらねぇな。これならまだイーピン(七歳)の方がやるぜ」

 

獄寺は倒れ伏す男達に目もくれず、お墓の前で呆然と成り行きを見ていた少女に近づくと、ソッと頭を撫でた。

 

「ぁ」

 

「負けんなよ。強くなれ」

 

雨や曇り空で良く顔は見れなかったが、オレンジ色の髪だけは印象に残り、獄寺が少女から離れると、ちょうど『時の列車』が現れ獄寺を回収すると、再び時空間へと入っていった時、雨が止み、空の雲が割れ、日差しが射して、少女を照らした。

 

「・・・・・・・・強く、なる!」

 

その少女は獄寺から言われた言葉を胸に、顔を上げて、前へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、倒れていた男達は後日風邪を拗らせ、一週間も仕事を休んだだけでなく、魔法を使わない一般人にボロ負けして、魔導師としてのプライドがズタズタになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

そしてその頃のツナとエンマは。

 

「ツナ兄ぃ!」

 

「エンマお兄さん!」

 

エリオとキャロになつかれていた。

そしてここにも、

 

「ナッツ~! 可愛い~! モフモフ~!」

 

「ガゥゥゥゥ~!!」

 

「キュゥ! キュゥ!」

 

スバルに抱き締められ、ナッツは苦しそうにうめき声をあげており、フリードが友達のナッツを離してと言わんばかりにスバルに鳴き声をあげた。

そしてなのは達はーーーー。

 

「リボーンくん! 何この隠し扉っ!?」

 

「ちょっと隊舎を俺専用に改造したぞ」

 

「勝手に改造しないで!」

 

「だって~仕方ないじゃな~い。隠し扉とかはロマンじゃな~い」

 

「可愛子ぶって誤魔化されへんからな!」

 

「んじゃ退散だぞ」

 

隊長陣が勝手に隊舎を改造していたリボーンに文句を言うが、リボーンの立っていた床が沈み、リボーンの姿が消えると、床が閉まった。

 

「「「だから勝手に改造しないで!!」」」

 

なのはとフェイトとはやてが逃げたリボーンを探しに隊舎を走り回っていた。

 

「・・・・・・・・何これ?」

 

ティアナは呆れながらその様子を眺めていた。


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