かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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注意:今回の話で、なのはとフェイトがキャラ崩壊を起こします。


八年の恋心

「ちょちょちょちょっとはやて!/////」

 

「にゃにゃにゃにゃにゃ、にゃに言ってるのっ!?/////」

 

フェイトとなのはがはやてを部隊長室の隅に連行すると、詰め寄るように真っ赤になった顔を近づけ、小声で怒鳴る。

が、はやてはそんな二人の剣幕に全く恐れず、冷静に対応した。

 

「ええか二人とも、今目の前にいるツナさんとエンマさんは、八年前からやって来てしまった二人や」

 

「うん」

 

「プレシアさんと連絡がついて帰る目処がたったら、二人は帰ってしまうんや」

 

「そうだよ」

 

「でも、や。もしここでなのはちゃんとフェイトちゃんとの仲が一気に深まれば、いずれは二人と結ばれる可能性が出てくるで」

 

「にゃ!/////」

 

「ふぇっ!/////」

 

はやての言葉に、なのはとフェイトはさらに顔を紅くする。

 

「唯でさえ八年ちゅう短いようで長い時間の間があるんや。ここは少しでも自分達の事を忘れられへんように手を打って置いたらどうや?」

 

「だ、だけど!/////」

 

「あぅぅぅぅ~!/////」

 

「二人かて、今まで会えなかった分、甘えたいって気持ちはあるやろ」

 

「「うぅぅ~!!/////」」

 

煮え切らない二人に、はやては半眼になって睨む。

 

「それに、この間ちょっと三人でお酒を飲んだ時の事、二人が酔って愚痴って暴れた事、私は忘れてへんで」

 

「「あう・・・・」」

 

その言葉に、なのはとフェイトは申し訳なさそうに顔を俯かせる。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

19歳となった時、ちょっと大人の気分を味わいたかった三人は、こっそりなのはとフェイトが同居しているマンションでお酒を飲んだのだ。

はやては、“女の子のおっぱいを揉みしだく趣味”に目覚めているので、酔った勢いでなのはとフェイトのおっぱいを堪能しようと悪巧みを考えていたが、酔っ払った二人を相手にそんな考えは何処かに消えてしまった。

 

【聞いてよ、はやてちゃん!!】

 

【聞いとる、聞いとるよなのはちゃん!】

 

【酷いよね!? 雲雀さんは今でもはやてちゃん達に会っているのに、ツナさん達は会いに来てくれないの!!】

 

【ああ、雲雀さんは少し常識から離れた所におるから・・・・】

 

【言い訳しないで!!!】

 

【は、はい!】

 

持っていたお酒の缶をダン! テーブルに叩きつけて叫ぶなのはに、はやては座ったまま気をつけする。

 

【ツナさんの周りの女の人達を知ってるでしょ?!】

 

【き、京子さんと、ハルさんの事やね・・・・】

 

【そうなの! 京子さんはツナさんの憧れだし! ハルさんはツナさんの事大好きだし!二人とも凄く素敵な人達だし! 今頃どちらかがツナさんにアタックしているかもしれないのっ!! それを考えただけで、私、わたしぃぃぃぃぃ~!】

 

【せ、せやから、いい加減素直になってツナさんに好きって伝えてれば良かったやないか、私もフェイトちゃんもアリサちゃんもすずかちゃんもユーノ君も、口を酸っぱくして言うてたやん】

 

はやてがそう言うと、なのはは目に涙を溜め込んで、グスングスンと嗚咽を漏らす。

 

【そうだよね、本当は私ツナさんの事大好きなのに、素直になれなくて、意固地になって、否定して、なんで、なんでもっと素直になれなかったのかな・・・・う、うぅ、うわぁああああああああああああんん!! ツナさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんん!!!】

 

【あぁ、なのはちゃん、泣かんといて・・・・フェイトちゃん! フェイトちゃんも何とかうわぁっ!?】

 

遂に泣き出してしまったなのはを宥めようとするはやてが、フェイトに救援を要請するが、フェイトも全身から『ず~~~ん』と暗い雰囲気を纏ってお酒を飲んでいた。

 

【そうだよね・・・・何で私もエンマに好きだって伝えられなかったのかな・・・・】

 

【フ、フェイトちゃん、いや、フェイトさん?】

 

【何で言えなかったんだろう・・・・もしも言って、エンマに断られる事を考えたら、今の関係が壊れちゃうと思って伝えなかったけど・・・・でも、本当は私、クスン、エンマの事・・・・うぅっ、大好きなのに・・・・! うぅぅぅぅ! エンマァァァァァ・・・・! エンマァァァァァァァァァ・・・・!!】

 

【ツナさぁぁぁん・・・・!】

 

【エンマァァァァ・・・・!】

 

【な、なのはちゃん、落ち着いて、な。フェイトちゃんも、そない泣かんと、ね・・・・】

 

完全に泣き出してしまった二人に、はやてはオロオロとしながらも必死に宥めかしていた。

 

【もしもツナさんが京子さんかハルさんか、それとも別の誰かと結婚していたら・・・・!】

 

【もしもエンマが誰かと付き合って結婚なんてしたら・・・・!】

 

【【それを考えただけで!!】】

 

【ツナさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんん!!!】

 

【エンマァァァァァァァァァァァァッッ!!!】

 

もう涙が滝のように流れ出したくらいだ。

 

【二人ともしっかりしぃや・・・・!】

 

【ツナさんが結婚していたら・・・・!】

 

【エンマが結婚していたら・・・・!】

 

【ど、どないするんや?】

 

とてつもなく嫌~な予感がするはやてが、頭に大きな汗を流して聞くと、なのはとフェイトは俯かせていた顔を上げてこう呟いた。

 

【ツナさんを殺して私も死ぬのぉぉぉぉぉ!!】

 

【エンマを殺して私も死んでやるからァァァァァ!!】

 

【あかんんんんんん!! 二人ともそれは絶対にあかんんんんんん!!!】

 

それから空が白くなるまで二人の相手をしたはやては、寝不足と精神的疲労で仕事を休み、なのはとフェイトも二日酔いで休んだのであった。

後日、飲酒について管理局の医務官であるシャマル先生から、数時間に及ぶありがた~いお説教をもらった。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

「「あの時は、本当にごめんなさい」」

 

「ホンマやで」

 

後でデバイス達が録画していた自分達の醜態の数々を見せられたなのはとフェイトは、憮然として腕を前に組んだはやてに頭を下げた。

 

「と、話を戻すとな。二人もツナさんとエンマさんと一緒の部屋に住めるのは、二人にとってもプラスや」

 

「「・・・・でもでも~/////」」

 

顔を紅くしてモジモジする二人の後ろに回り込んだはやては両手を二人の肩に回し、二人を引き寄せ、首筋をツツ~となぞったり、ちゃっかり制服越しの二人の大きな胸を揉んだりして囁く。

 

「二人とも、もうビアンキさんやアーデルさん、シグナムやアインスやシャマル位のナイスバディになったんや。ここは1つ、大人のお姉さんの魅力で、二人を落として見たらどうや?」

 

「「~~~! お、落とす・・・・!/////」」

 

「そ、れ、に。一つ屋根の下で一緒に住んで、なのはちゃんがベッドの下に、フェイトちゃんが本棚の裏に隠した、ちょっとエッチな大人の保健体育の本のような、あ~んな事やこ~んな事やそ~んな事ができるんやでぇ~?」

 

「「あ~んにゃ事やこ~んにゃ事やそ~んにゃ事・・・・!!/////」」

 

何故はやてが二人のそんな本の事を知っているかと問い詰める事も忘れ、なのはとフェイトは何を想像したのか、顔が蕩けたように弛緩し、口元から涎を少し垂らし、若干鼻血まで流れていた。ちなみにはやても、机の二段目の引き出しの二重底に、そういう本を隠している。

 

「さぁ二人とも、どないするん?」

 

ツナとエンマは、同室なんて駄目だよと、異議を唱えるが、リボーンが物理的かつ強制的に黙らせていた。

 

「・・・・・・・・フェイトちゃん」

 

「・・・・・・・・なのは」

 

二人はお互いの顔を見ると力強く頷き、ツナとエンマに向き直ると、

 

「ツナさん!」

 

「エンマ!」

 

「「えっ?」」

 

「「一緒に住みましょう!!」」

 

「「なぁああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」」

 

二人の言葉にツナとエンマが叫び声を上げた。

 

「ちょっとなのはちゃん!」

 

「フ、フフ、フェイト!」

 

「「ダメ・・・・?」」

 

断られそうになり、なのはとフェイトが目を潤ませ、まるで捨てられる子猫か子犬のような雰囲気で二人に懇願した。

 

「「ううっ」」

 

ツナとエンマはその視線にたじろぎ、周りに味方してもらおうと視線を送るが、主犯のリボーンとはやてはニヤニヤと笑みを浮かべ、ヴォルケンリッターの皆は視線を反らした。どうやら味方はいないようだ。

 

「「~~~! お、お世話になります」」

 

観念した二人に、なのはとフェイトは、パァ! と、顔を輝かせるて、二人の手を取って部隊長室から出ようとした。

 

「それじゃ! すぐに家具とか衣服とか揃えないとなの!」

 

「今すぐ行こう! 車なら私のがあるし!」

 

「「うわぁああああああああ!!」」

 

ツナとエンマはそのまま連れて行かれるのであった。

 

「うまく行ったな」

 

「そやな。それで、リボーンくんはどないするん?」

 

「今日はザフィーラの部屋に住まわせて貰うぞ。ちょいとヴァイスから工具を借りてくる」

 

そう言って部隊長室から出ていくリボーン。

後日、はやて達はこう思った。

 

『あの時、リボーン(くん)を止めておけば良かった・・・・』

 

と。


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