かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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ここからは少し原作と違うかもしれません。


守護騎士VS守護者 再び

はやての部屋を退室し、アリサとすずかが迎えの車に乗ったのを見送った一同は、海鳴総合病院の屋上に着いた。

屋上に着くと同時に、シャマルが結界を展開した。

なのはとツナとリボーン、炎真とフェイト、獄寺と山本がシグナムとシャマルと向き合う。

 

「はやてちゃんが、闇の書の主・・・・」

 

「悲願は、あと僅かに叶う」

 

「邪魔するなら、たとえはやてちゃんのお友達でも・・・・!」

 

「ちょっと待って! 話を聞いてください! ダメなんです! 闇の書が完成したら、はやてちゃんは・・・・!」

 

「デヤァー!」

 

なのはの言葉を遮るようにヴィータがアイゼンを振りかぶって、なのはに襲いかかる!

 

「なのはちゃん!!」

 

「っ!」

 

ツナがなのは庇うように抱き締めて転がり、ヴィータがアイゼンで屋上の床をぶち壊すと、衝撃波でなのはを抱き締めたツナが吹き飛び、フェンスに叩きつけられた。

 

「ぐぅっ!」

 

「ツナさん!」

 

「だ、大丈夫・・・・」

 

「10代目!」

 

「ツナ!」

 

「ツナくん!」

 

「なのは!」

 

「ハァー!」

 

ツナとなのはに気をとられた隙に、シグナムがレヴァンティンを展開して、フェイトに斬りかかる!

 

ガキンッ!

 

「おっと!」

 

「山本武っ!」

 

「よっと!」

 

「くっ!」

 

寸前で炎真がフェイトを庇い、山本が『時雨金時』でレヴァンティンを防ぎ、シグナムを押し飛ばす。

 

「・・・・以前とは格段に違う得物を得たようだな?」

 

「へへっ! まぁな!」

 

「管理局に、我らが主の事を伝えられては困るんだ」

 

「私の通信防御範囲から、出すわけにはいかない・・・・!」

 

シャマルが指に嵌めたクラールヴィントを見せた。

フェンスに叩きつけられ、ダメージを負ったツナを庇うように立つなのはに、ヴィータが前髪で目を隠したままゆっくりと近づく。

 

「ヴィータ、ちゃん・・・・!」

 

「邪魔をすんなよ。あと少しで、はやてが元気になって、私たちのとこに帰ってくるんだ」

 

バリアジャケットを展開したヴィータの頬に涙が流れる。

 

「必死に頑張ってきたんだ・・・・! もう、あとちょっとなんだから! 邪魔すんなーーー!!」

 

顔を上げたヴィータの顔には憤怒に染まり、アイゼンを振り上げる!

 

「『カオスショット』!」

 

ダンダンダンダンダンッ!

 

「っっ!!」

 

アイゼンに黄色く輝く弾丸が撃ち込まれ、ヴィータは体制を崩した。

 

「『2倍ボム』!!」

 

「チッ!」

 

すかさずヴィータの頭上に大量のダイナマイトが落ちてきた。

 

ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカっ!!

 

「ヴィータちゃん!」

 

「安心しろなのは。どうやら防いだらしい」

 

爆発の煙が晴れると、障壁を張って防いだヴィータの姿があった。

 

「けっ、まさか月村のお友達が、テメェらのご主人様だったとはよ・・・・!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

獄寺は威嚇するように睨みながら言うと、ヴィータも唸るように睨み返した。炎真達も合流する。

 

「獄寺さん待って! 戦う理由なんて無いよ!」

 

「ちゃんと話し合えば!」

 

「それは無理だぞ」

 

なのはとフェイトが止めようとするが、リボーンが無駄だと一蹴し、ヴィータとシグナムとシャマルを指差す。

 

「見ろアイツらの目を、アイツらは生半可な覚悟で戦っちゃいない」

 

ヴィータ達の目には、強い想いが宿っていた。それはどんな汚名を被っても守りたい主を守ると言う決意に満ちた瞳だった。

 

「でも! ちゃんと話を聞いて貰えば・・・・」

 

「ああいう腹を括っている目をした奴らに、お手軽で耳障りの良い小綺麗な理屈云々は通用しねぇぞ」

 

「そんな・・・・!」

 

「じゃどうするの!?」

 

「こっちの話を聞かせるためにも、一度叩きのめして大人しくさせるのが1番手っ取り早い」

 

「ちょうど良いっすね、俺もあのチビには借りがあるっすから」

 

「俺も、ちゃんとシグナムと勝負したかったところだしな」

 

獄寺と山本が前に出ると、ヴィータと合流したシグナムもバリアジャケットを展開して、山本に向かってレヴァンティンを構えた。

それを見て獄寺と山本は、それぞれのボンゴレギアを起動させる!

 

「瓜!」

 

「次郎! 小次郎!」

 

獄寺は『嵐のバックルVer.X』から頭にゴーグルをかけ、四足と身体にまばらにアーマーをつけた『嵐ネコの瓜』を。

山本は『雨のペンダントVer.X』から、瓜と同じようにアーマーをつけた『雨犬の次郎』と、頭にトサカのような冠をつけた『雨燕の小次郎』を呼び出した。

 

「犬に燕に・・・・?」

 

「ネコだぁ??」

 

《二人とも油断しないで、あの動物さん達の耳の炎、おそらくロールちゃんと同じだわ》

 

レヴァンティンとアイゼンを構えたシグナムとヴィータは、戦場に似つかわしくない動物達の登場に、間の抜けた声を漏らすが、シャマルからの念話で引き絞めた。

 

「なのは、あの子達が、隼人と武のアニマル達なの?」

 

「うん。私も瓜ちゃんと次郎ちゃんと小次郎ちゃんが戦うのは初めて見るの・・・・」

 

なのはが獄寺と山本の戦いを見たのは、クロノとの模擬戦と、時の庭園での戦いだけ、クロノとの模擬戦で小次郎が雨を降らせる能力は知っているが、瓜はリボーンと観戦していたし、次郎は自分と戯れていたから、今回が守護者達のアニマル兵器が戦う姿を始めて見るのだ。

 

「ウニャァ~~~~!!」

 

「痛てててっ! コラ瓜! 引っ掻くなよ!!」

 

「へへっ! 次郎! 小次郎! 宜しく頼むぜ!」

 

「ピュィー!」

 

「ヘッヘッヘッ、ワンッ!」

 

獄寺の肩に乗った瓜が獄寺の顔を引っ掻き、小次郎は山本の肩に乗り、山本は腰を下ろすと、次郎の頭を撫で回すと、次郎は尻尾をブンブン振って山本の頬を舐めた。

 

《遊んでんのかアイツら?》

 

《油断するなヴィータ。気を抜いて戦える相手ではない事は以前の戦いで痛感しているだろう》

 

突如現れた動物とじゃれあっている二人に、ヴィータは訝しそうに見るが、シグナムは前回の戦いで接戦をした相手故に、油断なく睨んでいた。

 

「なのは、大丈夫なのかな?」

 

「大丈夫だと、思うけど・・・・ツナさん?」

 

「大丈夫だよ。獄寺くんも山本も、頼りになるから」

 

ツナも炎真もリボーンも、その顔には不安な顔色はまったく無かった。

 

「イテテテテ、たくっ、行くぜ瓜!」

 

「それじゃやるぜ次郎! 小次郎!」

 

「「形態変化<カンビオ・フォルマ>!!」」

 

「ウニャァアアアアアアアアアアッッ!!」

 

「ワオォオオオオオオオオオンンッッ!!」

 

「ピィィィィィィィィィィィィィッッ!!」

 

瓜の身体が激しく燃える赤い炎となり、次郎と小次郎の身体が水のようにたゆたうように燃える青い炎となって、獄寺と山本の頭上に飛び上がり、大きく弧を描きながら獄寺と山本の身体と重なった。

 

「えぇっ!?」

 

「まさかあれがっ!?」

 

「なんだぁっ!?」

 

「これはっ!?」

 

「一体なんなのっ!?」

 

なのはとフェイト、ヴィータとシグナムとシャマルが驚愕し、獄寺と山本の身体が赤と青の炎に包まれ、その身に鎧を纏った。

 

獄寺は瓜と同じゴーグルをかけ、口には煙草の形をした発火装置を口にくわえ、身体にダイナマイトが縦に連なったベルトを二本巻きつけ、腰にはボンボレの紋章をバックルに同じようにダイナマイトを巻きつけ、太腿にも巻きつけ、右手に籠手を装備し、足にもアーマーを装備し、SISTEMA C.A.I.が宙を浮き、左手にはドクロの砲台を新たに装備した『嵐の形態変化Ver.X』。

 

山本は剣道道着を身に付け、道着の胸元の素肌には黒いさらしが巻かれ、袴に鞘を差し込み、両手に刀と籠手を装備し、右手の刀には柄の下に燕が装飾された『小次郎』。左手の刀には柄の下に犬が装飾された刀を持った『雨の形態変化Ver.X』。

 

「ツナさん、まさかあれが・・・・?」

 

「うん。あれがボンゴレギアの形態変化だよ」

 

「前回は装備が不十分だったから使えなかったがな」

 

ツナとリボーンの説明を聞き、なのはとフェイトは見るからにフル装備となった獄寺と山本の姿に息を飲む。

 

「あれがアイツらの本気ってことかよ・・・・!」

 

「どうやら、これからが本当の戦いのようだな」

 

ヴィータが歯をギリッと噛みしめ、シグナムは静かに闘志を燃やしてレヴァンティンを正眼に構えた。

目の前の二人の少年は、以前戦った時は本気ではなかった。その事実を突き付けられて、二人のプライドは大きく傷つけられた。

騎士として、戦士として、全力で獄寺と山本を叩きのめすと、二人は闘志を燃やす。

 

「今度は手加減しねぇぞ、タコ頭っ!」

 

「ほざいていな、海老頭っ!」

 

ヴィータがアイゼンを振り上げて、獄寺に挑む!

 

「アイゼン! カートリッジロード!」

 

[ヤー!]

 

アイゼンから薬莢が射出されると、アイゼンのハンマーが大きくなり、ニードルが生えてきた。

 

「『ラケーテンハンマー』!!」

 

ハンマー後方のロケットが魔力が噴出し、ハンマー投げのように高速回転しながら獄寺に接近し振り下ろした!

 

「へっ・・・・!」

 

バシィィィィィィィィィンッ!!

 

ヴィータのハンマーが届く前に、獄寺の前に黒い骨で組み立てられた複数の輪が防いだ。

 

「んだとぉっ!?」

 

「ヴィータちゃんの攻撃が防がれた!?」

 

純粋なパワーと攻撃力なら守護騎士で1番と言ってもいいヴィータの一撃が防がれ、ヴィータとシャマルは驚愕する。

 

「果てさせてやるぜ! チビ騎士!」

 

「ぶっ潰れろ! 爆弾ダコ!!」

 

獄寺がボムを投げると同時に、ヴィータがアイゼンを振りかぶって突っ込んだ!

その横では、シグナムと山本も戦いを始めようとしていた。

 

「シグナム。ちゃんと決着つけようぜ?」

 

「・・・・良いだろう」

 

本来ならそんな事をしている場合ではないが、ひとかどの剣士として山本との勝負に受けてたった。

シグナムはレヴァンティンを鞘に納めて抜刀術のような腰を落として構えた。

 

「残念だ山本武。こんな出会いでなければ、お前とは良き好敵手となれただろうな」

 

「今からでも、遅くないぜ?」

 

「そう言う訳にはいかんのだ・・・・」

 

シグナムがレヴァンティンの柄を握る手を強くし、山本も二本の刀を構える。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

静かに闘志をぶつける二人は、お互いを鋭く睨み。

 

「「ッッ!!」」

 

ガキンッ!

 

レヴァンティンと二本の刀の刃が火花を散らせて、ぶつかった!


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