かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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なのは達の“最初の戦い”は終わったが、ツナ達は“最終決戦”へと赴く。


エピローグ また会う日まで

海鳴での事件が終わり、なのはは再びアリサとすずかと共に学校に通う日常に戻った。ユーノはなのはの魔法の先生として残り、フェイトはアルフと共に、リンディ達のアースラに乗り管理局の本局がある第1管理世界ミッドチルダへと向かった。フェイトの傍らには、炎真達シモンファミリーと共に楽しそうに笑いあった写真があった。

 

 

全ては終わったかのように思われたーーーーーー。

 

 

 

 

ー並盛診療所ー

 

そこはかつて、独立暗殺部隊『ヴァリアー』との『リング争奪戦』の折り、了平や獄寺や山本が治療してランボとクロームが入院した診療所の一室、黒髪の女性がベッドに横たわり、フェイトに良く似た金髪の少女がいた。フェイトに良く似た少女は瞳が“赤”ではなく“青”であった。

 

「ママ、具合はどう?」

 

「大丈夫よ、少しずつだけど治療は進んでいるから・・・」

 

心配そうに見つめる愛娘に黒髪の女性は安心させようと笑みを浮かべる。すると部屋のドアが開き、黒い短髪に白衣を来た締まりの無い顔の男性と茶髪に猫耳を付けた“女性”が入った来た。

 

「よぉ、“ミス・プレシア”に“アリシア”ちゃん♪ シャマル先生がやって来たよ~♪」

 

“トライデント・シャマル”、ツナ達の通う並盛中学の“一応”の保険医で(診るのは女の子だけで男は無視)、凄腕の暗殺者。なのだが、目の前の美女と美少女に完全に顔はにやけ、下心丸見えの笑みを浮かべていた。アリシアはそんなシャマルに構うことなく満面の笑みを浮かべ。

 

「こんにちは、シャマル先生」

 

「はい、アリシアちゃんこんにちは♪ いや~、今日も後10年後が非ッッ常に楽しみな可愛らしさだね~♪」

 

幼女と言っても良いアリシアに軟派な態度のドクターシャマルに猫耳の女性はジト目で睨む。

 

「ドクターシャマル、アリシアをナンパしていないで診断をお願いします・・・」

 

「喜んで“リニス”ちゃん♪ さて、アリシアちゃん、お小遣いあげるからちょっとリニスちゃんと自販機で飲み物買って来てね♪」

 

は~~いと言って退室するアリシアとリニスを見送って、シャマルはプレシアの診断を始める。

 

「・・・シモンのガキに感謝しているかい?」

 

診断中に途端にシリアスになったシャマルに面食らったが、プレシアも顔を少し下向きにして淡々と答える。

 

「正直、アリシアとリニスに関しては感謝しているわ、こうしてあの娘とまた過ごせるのだから・・・・」

 

虚数空間にアリシアと共に墜ちて行くプレシアを抱えた炎真は事前に白蘭からの情報からリンディ達が作り上げた『小型時空転送装置』を使って、『アルハザード』へと到達し、そこでアリシアを蘇生させ、当時死なせてしまった山猫の使い魔“リニス”も蘇生させ、プレシアをアリシアが生きていた当時の年齢にまで若返らせ再び『転送装置』で地球に帰還したのだ、ツナ達と再開した時リニスは山猫の姿でアリシアに抱えられていた。

 

「でも、アルハザードの“道”は閉ざされたわ・・・」

 

白蘭曰くーーーーーー

 

『プレシアが消える虚数空間の“場所”と“タイミング”、そして“装置”があったからアルハザードへ行けたんだ、また同じように行くのは不可能だろうね♪』

 

 

と言われ、事実上“アルハザードへの道”は閉ざされたが、リボーン曰く。

 

『管理局やマフィアがアルハザードへの道を知ればどんな手段を使ってもアルハザードへ向かおうとするだろう、“どんな手段”を使っても、な・・・・』

 

マフィアと管理局は“組織”としては表と裏の立場だが、本質は同じ、より強大な力が手に入るとなればどんな“犠牲”を払ってもアルハザードへ行く方法を手に入れようと考えると見込んだリボーンはリンディ達にもプレシアの事は死んだ事にした。

 

「ま、俺としてはこうして美女二人に美少女ちゃんとお近づきになれたから万々歳だけどな~♪」

 

「あのね・・・・」

 

あくまでも軟派なシャマルに呆れるプレシア。

 

「シモンのガキ共も、時々見舞いに来てくれるんだからありがたいじゃねぇの?」

 

「・・・・身体を若返らせても、病魔は取り除けなかったのね・・・」

 

「わざわざもう一人の“娘”に悪ぶった罰が当たったと考えるしかねぇわな・・・」

 

「こんな程度で、私がフェイトにしてきた事が赦されるだなんて欠片も思ってないわ・・・・」

 

炎真達シモンファミリーは殆ど毎日のようにプレシアの見舞いに来ては、アリシアと遊んだりリニスに『なみもり民宿』の掃除を手伝って貰ったりと大助かりなのだ。

 

「だが、しばらくシモンの連中は来れねぇかも知れねぇぜ・・・・」

 

「どう言う事・・・?」

 

シャマルの雰囲気が変わった事で緊張が走るプレシア。

 

「どうにもこの並盛にまたヤバい奴等が集まり始めてな、またぞろ何かデカイ騒動が起きそうなんだわ・・・」

 

「こんな平凡で平和な町で何が起きるの・・・?」

 

「一般人は知らねぇだけさ。実を言うと、この町では結構ヤバい事が起こるんだよな、主にボンゴレ関係で」

 

「ボンゴレが関わっていると言う事は、古里炎真達も巻き込まれるの?」

 

「少し違うな、ボンゴレが危機に陥ったら、シモンのガキ<炎真>は自分から友達であるボンゴレを助ける為に戦うぜ・・・・」

 

「そう・・・・」

 

「あの・・・・」

 

ちょうど診断が終わると部屋の扉が少し開き、第三者の声が響いた、扉から一人の少年が顔を出す、件の少年古里炎真がアリシアとリニスを連れて入室してきた。

 

「チッ、良いタイミングで来やがって・・・」

 

「古里炎真・・・」

 

「シャマル先生、プレシアの容体は?」

 

炎真に対してシャマルは気だるそうに応える。

 

「あぁ、大分安定してんよ、だがまだまだ静養は必要だな。このまま後半年位は安静にしていれば完治するぜ」

 

「そうですか、良かった・・・」

 

「古里炎真君・・・」

 

「は、はい?」

 

「一つ、貴方に言っておきたい事があります」

 

「??」

 

「私がこんな事を言う資格なんてありませんけど・・・フェイトを悲しませたら、承知しないわよ・・・!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「は、はいっ!!」

 

強烈な威圧感を出すプレシアに炎真は直立して頷き、アリシアとシャマルはケラケラ笑い、リニスは苦笑いを浮かべた。

 

それから他愛ない話をして炎真は河川敷の猫達にエサをやる為に向かった、炎真は出会う、(一応)最強の赤ん坊(紫)にーーーーーー。

 

 

 

ー雲雀sideー

 

雲雀は今日も八神家のソファーを我が物顔で寝そべり、そのソファーの足元で狼形態のザフィーラが自分の定位置のように寝そべり、そのザフィーラの身体の上にヒバードが座りロールがサラサラの毛皮を堪能していた。

 

「何か最近ザフィーラがよ、雲雀のペットになってんじゃねぇのかなって思うんだよな・・・」

 

「私も時々そう思う・・・」

 

最初こそ雲雀を監視する為にいたのに、最近雲雀がこの家にいるときははやての傍にいるよりも雲雀の傍にいることが多くなった盾の守護獣をヴィータとシグナムがジト目で見ていた。

 

「「ただいま~」」

 

すると、海鳴病院の検査から帰って来たはやてとシャマル(女)と草壁がリビングに入ってきた。雲雀はパチッと目を開き起き上がるのを確認した草壁は雲雀に耳打ちする。

 

「・・・・・・・・」

 

「雲雀さん帰るん?」

 

何も言わずに帰ろうとする雲雀をはやては不安そうに見つめる。

 

「・・・・・・・」

 

「オイコラ! はやてが聞いてんのに無視すんな!」

 

何も言わずに去ろうとする雲雀を張っ倒そうとヴィータが飛び上がりそうになったが、草壁が待ったをかけた。

 

「済まないなはやて嬢ちゃん、ちょいと並盛で“問題”があったらしくてな、風紀委員として直ぐに戻らなければならなくなったんだ」

 

「問題って何?」

 

「何、はやて嬢ちゃんが気にする事じゃないさ。問題が片付いたらまた来るから心配しないでくれ・・・・」

 

「う~~ん、分かった、ほんなら待ってるわ、雲雀さんまたな~♪ 今度来たら雲雀さんの好きなハンバーグ沢山作るからな~♪」

 

あくまでも明るく手を振るはやてを少しだけ手を上げて応えた雲雀。

 

「・・・・ザフィーラ」

 

「ワフッ!(ここに!)」

 

雲雀が囁くと狼形態のザフィーラは直ぐに雲雀の傍らにまでやった来た。

 

「「「(ホントにザフィーラ、雲雀(くん)のペットになったのか(かしら)?)」」」

 

「しばらく来られない、ここは任せる・・・」

 

「ワンッ!(御意!)」

 

雲雀の言葉にザフィーラは頭を垂れながら頷いた。そして草壁がシャマル(女)と少し話をして(お互い顔を少し赤らめながら)、雲雀と共に並盛に向かった。

 

そして雲雀も出会う、自分と似た容姿をした最強の赤ん坊(赤)にーーーーーー。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

その夜、帰宅したツナは海鳴にいるなのはと電話で話をしていた。

 

「なのはちゃん、俺達しばらく海鳴に行けそうにないんだ・・・」

 

《えっ!? どうしてなのツナさん?!》

 

「え、えっと・・・もうすぐテストがあるからさ、オレ達も勉強で忙しくなっちゃって・・・」

 

《何か考えながら話してないですか?》

 

「いや、そんな事はないよ! ホントに忙しくなるから行けなくなっただけだから!」

 

《フーーーーーーーン・・・・》

 

訝しそうに聴いてくるなのはに内心ヒヤヒヤのツナ。

 

《じゃあ分かりました、でもテストでもなんでも良いですけど、“忙しいの”が終わったらきっと来てくださいね!》

 

「うん、勿論、じゃあまた会おうね」

 

《はい、ツナさん、きっとですよ》

 

「うんきっと・・・」

 

そして通話を切ったツナは大きくため息を漏らし、それを見ていたリボーンがニヤニヤ笑みを浮かべて近づく。

 

「まるで女房に必死に言い訳した後の夫みたいだな♪」

 

「何言ってるんだよ! 今回は“お前の為”に忙しくなるんだから・・・!」

 

「フッ、じゃ細かい事は明日まで取っ手おくぞ、そろそろママンのご飯だ・・・」

 

「おい待てよリボーン!」

 

食卓に移動するリボーンの後を慌てて追いかける。

 

 

海鳴での騒動が終わり、ツナ達は新たな“戦い”に赴く、嘗ての強敵達、頼れる仲間、更に強大な敵達。この戦いが、リボーンを含む最強の赤ん坊、“アルコバレーノの秘密”と“トゥリニセッテの謎”に大きな関わりがあることを、そしてこの約数ヶ月後、海鳴に赴いたツナ達は再び魔導師の戦いに巻き込まれ、“守護騎士”と戦う事になることを・・・・・・・・今はまだ、誰も知らない・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと、やっと無印編が終わった・・・・A‘s編の前にツナ達は“虹の代理戦争”をやってもらい、その後にA‘s編へと行きます。

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