ー時の庭園ー
大ホールの螺旋階段のような場所から最上階にある駆動炉に向かうツナとなのは、リボーンとユーノとアルフ。しかし、上空から魔導人形達が襲いかかる。
「邪魔だ・・・!」
『ッッッ!!!!』
一瞬でツナが魔導人形達の目の前に現れ、殴り飛ばす。飛ばされた人形は他の人形も巻き込んで吹き飛ぶ。
「GAaaaaaOOooooo!」
ツナの『匣アニマル 天空ライオンのナッツ』の雄叫びを浴びた人形達は次々と石となって落下していき。
「カオス・ショット!」
ユーノの肩に乗りながらリボーンは、相棒の『形状記憶カメレオンのレオン』を拳銃に変化させると、人形に向けて発砲する、黄色のオーラを纏った弾丸が人形達の身体を貫く。
「あ、あたしら殆ど出番無いね・・・・・・」
「ツナさんもリボーン君もナッツも凄いの・・・」
「(獄寺さん達もそうだけど、魔法を使わないで何でこの人達はあんなに強いんだろう・・・?)」
獅子奮迅の戦いを唖然となるなのはとユーノとアルフ(ちゃんと人形を破壊したり、拘束したりしている)。だが螺旋階段から一体の人形が、なのはに向けて槍を投げ飛ばす。
「なのはっ!」
「あっ!!」
ユーノの声になのはは自分に向かってくる槍に目を向けると眼前に槍が迫っていた。
《サンダー・レイジ》
「大地の重力ッ!」
すると、突然金色の雷撃がなのはに向かってくる槍を破壊し、次々と現れる人形達が黒い球体に引き寄せられ一塊になった。
「えっ・・・?」
「これは・・・」
なのはとツナが上空に目を向けると、金色の魔法陣を展開して雷撃を放つフェイトと、両腕に紅いプロテクターを装備し角の形をした深紅の炎を額に灯した炎真がそこにいた。
「サンダー・レイジッ!!」
フェイトが魔法陣の中心を自身のデバイスバルディッシュで突くと、雷撃は激しくなり、一塊になった人形達を破壊する。
「フェイト・・・炎真・・・!」
「あっ・・・!」
アルフとユーノは突然登場した二人に唖然とする。フェイトはなのはの傍まで飛ぶ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
お互いに何を話したらいいのか悩む。
「あっ・・・「ドガッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッ!!!!」っ!?」
何か言おうとしたなのはを遮るように、螺旋階段の半分を覆うように背中のバックパックに小さな槍を、両腕に大型の突撃槍とサブアームに小さな槍を装備した巨大な魔導人形が現れた。
「大型だ、防御が硬い・・・!」
「うん・・・!」
「(なのは・・・!)」
「(フェイト・・・!)」
「待て、お前ら」
なのはとフェイトの元に飛ぼうとする二人をリボーンはユーノの肩に乗って二人の近くに行って待ったをかける。
「アレはなのはとフェイトに任せてみろ」
「リボーン・・・!」
「だけど、あの子もフェイトもぶっつけ本番の即席コンビだよ・・・」
「お前らだってぶっつけ本番で極悪な強敵と戦った事があんだろう? お前らに出来たんだ、あの二人にだって出来る」
確信を込めたリボーンの眼差しにツナと炎真はなのはとフェイトを見守った。
大型魔導人形は槍の矛先をなのは達に向けると魔力をチャージする。
「だけど、二人でなら・・・!」
「えっ?・・・うん、うん!うん!!」
フェイトからの共闘提案になのは嬉しそうに何度も頷いた。大型魔導人形は二人に向かって砲撃魔法を放つ。なのはとフェイトは余裕に回避すると、大型はバックパックの槍やサブアームの槍から魔力砲を連射する。
なのはとフェイトは網の目を潜るように魔力砲を回避する、砲撃を放つ大型の周りを桃色と金色の流星が翔る。
なのはは自分の周りに魔力弾を展開する。
「はああああああぁっ!!」
フェイトはバルディッシュをザンパーモードにして金色の斬撃を飛ばす。飛ばされた斬撃は縦に高速に回転し、丸鋸のような形となって大型の片腕に切り裂く。
すかさずなのはがもう片方の腕の槍に向かって魔力弾を放ち槍を破壊する。
「凄い・・・あの子<なのは>もフェイトも・・・」
「二人共、連携が取れてる・・・」
「本気で戦った者同士の間には、言葉なんて不要な程の連携が生まれるもんだ・・・!」
唖然となるアルフとユーノと別に、リボーンとツナと炎真は微笑ましそうになのは達を見ていた。
大型はサブアームとバックパックの槍から魔力砲を放とうとする。
「バルディッシュ・・・!」
《イエス・サー》
フェイトに答えてバルディッシュはザンパーモードから杖モードに変形する。
「レイジング・ハート!」
《スタンバイ》
なのはもレイジング・ハートを構えると杖モードからバスターモードになり、レイジング・ハートから魔力の翼が展開される。
大型のクリアカラーの魔力となのはとフェイトの足元に展開された桃色と金色の魔法陣が光輝く。
「サンダーーーーー・スマシャーーーーーッ!!」
フェイトの放つ金色の砲撃魔法が大型の身体にぶつかり装甲を削る。
「ディバイィン・バスターーーーーーーーーーーッッ!!」
追撃するようになのはの砲撃魔法が大型に放たれ大型の身体にぶつかる。
「「せーーーーーのっ!」」
呼吸を合わせた二人は大型に放たれた魔力を更に込めて上乗せした。すると、大型は膨大な二人の砲撃魔法に耐えられず大爆散した。
その砲撃は、壁を貫き、時の庭園の外にまで届いていた。
それぞれのデバイスから冷却の蒸気が噴出し、なのははフェイトの方へにこやかに顔を向ける。
「フェイトちゃん・・・・」
「・・・・・・」
フェイトもなのはに笑顔を向ける。
「フェイト、フェイト!」
二人に近づくツナ達、特にアルフは嬉しそうにフェイト抱きつき泣きじゃくる。
「あぁっ!ううっ、うっ!」
「アルフ、心配かけてゴメンね・・・!」
「うん! うん!!」
その様子をなのは達は微笑ましそうに見つていた。
ー時の庭・園最下層ー
なのはとフェイトの砲撃魔法で起こった振動が、プレシア・テスタロッサのいる最下層にまで届いていた。
「(この振動・・・もう時間は無いようね、でも・・・)後少し・・・」
急ぐプレシアの頭に、リンディの念話による勧告が入った
≪プレシア・テスタロッサ・・・!≫
「ッ!!」
≪終わりですよ、次元震は私が抑えています。駆動炉も時期封印、貴女の元には執務官が向かってます。“忘却の都 アルハザード”。彼の地に眠る秘術、そんなモノはとっくの昔に失われた筈よ!≫
「違うわ・・・アルハザードは今もある、失われた道も、次元の間に存在する・・・!」
≪仮にその道があったとして、貴女はそこに行って何をする?≫
「取り返すわ、私とアリシアの過去と未来を・・・取り戻すの・・・こんな筈じゃなかった、世界の全てを!!」
だか、最下層の天井を青い光と赤い炎が破壊し、ソコから魔導人形を山本と了平に任せて先行したクロノと獄寺が降りてきた、クロノはデバイスを獄寺はドクロの銃口をプレシアに向ける。
「知らない筈が無いだろう! どんな魔法を使っても、過去を取り戻す事なんか出来はしない!」
「テメェと娘だけが不幸だと思ってンのかよ! どんなに望んだって過去は戻ってこねぇんだ!」
「・・・・・・・・・」
二人を一瞥するプレシアは足音に気付いてその方向へ目を向けると、駆動炉の封印の為にツナ達と別行動となった炎真とフェイトとアルフもやって来た。
「・・・・・・・・・」
「(フェイト・・・やはり、来てしまったのね・・・)」
雷光と大魔導師は、遂に対峙する。