かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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決着、そして・・・

ー???ー

 

モニターや機材に囲まれた部屋で緑色のおしゃぶりをぶら下げた赤ん坊、ヴェルデはニッとした笑顔を浮かべた。

 

「ホウ、これが管理局の魔法か。私は魔法等非科学的な物は信じないが、管理局のソレは科学との融合で生まれた産物か、これは面白い。これなら以前から研究していた、“幻術”を“本物”にする装置の完成におおいに役立てる」

 

現在ヴェルデが研究している“装置”が後に起こる“戦い”に登場する事を今はまだ誰も知らない。

 

 

ー黒曜ランドー

 

「クフフフフフ、なるほど面白い。これが管理局の魔法嫌、あの少女<なのは>の力ですか、いずれ会ってみたい物ですね」

 

クフフと笑いながら、“六道骸”は席を立ち“ある場所”に向かった。

 

「さて、あの“馬鹿弟子”を迎えにいきますか。待っていなさい“フラン”!」

 

 

 

ーヴァリアーアジトー

 

「・・・・・・くだらん」

 

なのはとフェイトの戦いをその一言で片付け、タブレットを踏み潰した傷の男、“XANXAS”は自身の守護者から食事の用意ができたと聞き、食堂に赴いた。

 

 

ー海鳴 八神家前ー

 

雲雀恭也は八神はやての家のソファーで寛いでいた。

 

「雲雀さん♪今日は雲雀さんの好物のハンバーグやで♪」

 

車椅子の少女八神はやては愛想ゼロの雲雀に構うことなく明るく接していた。

 

「・・・・・・・・・」

 

雲雀は自分の足元にいる狼形態のザフィーラの頭をソッと撫でた。

 

「・・・・・・(パタ、パタ、パタ、パタ)」

 

撫でられたザフィーラは嫌がりもせず、静かに尻尾を振っていた。

 

「てめえ雲雀!はやてが話かけてんのに無視すんじゃねえ!今日と言う今日こそ息の根止めてやらぁ!」

 

バキッ!

 

「あああぁぁぁぁ~~・・・」

 

雲雀の態度に怒ったヴィータが雲雀に飛びかかるが、直ぐに返り討ちに合う。

 

「ヴィータも飽きん、なッ」

 

「これでざっと二十連敗ですか、なッ王手!」

 

「なっ!?草壁殿、その一手待った!」

 

「戦場に“待った”は無しですよ“烈火の将”殿」

 

「それは、そうなのですが・・・」

 

「哲矢さん、シグナム、もうすぐご飯ですから将棋はそこまでにしてください」

 

食器を並べていたシャマルに言われ片付けを始める草壁とシグナム。

 

後に八神はやてと守護騎士達の“盟友”となる少女達の戦いをその少女達と“腐れ縁”で結ばれる事になる雲雀も今は知らない。

 

 

ーなのはsideー

 

なのはの切り札『スターライト・ブレイカー』。周囲の魔力を自身に吸収・収束させ砲撃魔法として放つ強力な魔法だが。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

 

膨大な魔力は9歳の女の子の肉体に負担を掛けてしまう、レイジングハートが砲撃魔法を放った熱を噴射し、なのは自身も息切れをおこしていた。

 

「はぁ、はぁ、うっ!」

 

空中で倒れそうになるなのはを超モードのツナが抱き止める。

 

「ツナさん・・・・・・」

 

「よく頑張ったな、なのは」

 

抱き止めながらなのはの頭を優しく撫でるツナ、なのははとても安心しきったような笑みを浮かべる。

 

「あっ、フェイトちゃんは・・・?」

 

「大丈夫だ、ほら」

 

なのはの眼下で爆発の煙の中から落下する黄色い光<フェイト>に近づく紅い光<炎真>が見えた。炎真がフェイトを抱き止めて近くの瓦礫にソッと横たわらせる、炎真の耳の通信機からアーデルから連絡がくる。

 

「《炎真、フェイトは・・・?》」

 

「大丈夫。気を失ってるだけだよ」

 

炎真がそう言うと通信機越しからアーデルだけでなくジュリー達の安心した声が聞こえた。

 

「《炎真、白蘭からの情報だと・・・》」

 

「うん、ツナ君となのはちゃんもすぐ来るから皆も備えておいて」

 

了解とアーデルとの通信を切るとフェイトの意識が戻った。

 

「フェイトちゃん、大丈夫?」

 

「炎真・・・?」

 

「よかった、フェイトちゃんが無事で」

 

ソッと頬を撫でる炎真にフェイトは気持ち良さそうに目を細める。するとツナとなのはが降りてきた。フェイトはなのはを見ると警戒する。

 

「ッ!?」

 

「大丈夫?」

 

「フェイトちゃん、動ける?」

 

炎真に支えられながらフェイトは身体を動かして空に飛ぶ。

 

 

 

ー時の庭園ー

 

プレシア・テスタロッサはアジトである時の庭園からフェイトの様子を見て呟く。

 

「もういいわ、フェイト。私の為に戦わなくていい、貴女の“家族”を名乗る資格なんて私には無いわ。貴女の為に、そして貴女を大切に思う“家族”の為に、これから私がやる事をどうか、許さないで・・・!」

 

プレシアは魔法陣を展開させた。

 

 

ーアースラー

 

「ッ!?高次魔力確認!魔力波長は“プレシア・テスタロッサ”!戦闘空域に、次元跳躍攻撃!」

 

アースラで別次元からの攻撃魔法を検知したエイミィはリボーン達に連絡をする。

 

 

ーツナsideー

 

「《ツナ!空を見ろ!》」

 

エイミィから連絡を受けたリボーンは直ぐにツナに通信を送ると、空に紫色の雷が迸る暗雲が立ち込め始めた!

 

「(来た!)炎真!」

 

「(コクン!)」

 

紫色の雷は荒れ狂い、海に落ち瓦礫を破壊する。そしてフェイトの頭上の雲が渦を巻く。フェイトは唖然としながら呟く。

 

「母さん・・・!」

 

「ハッ!」

 

なのははフェイトに向かった飛ぶ。

 

「ナッツ!防御形態!!」

 

「フェイトッッッ!!」

 

ツナと炎真もワンテンポ遅れて飛ぶ。

 

「フェイトちゃーーーーーーーーーーん!!!」

 

なのははフェイトに手を伸ばすが直前にツナに救出され、フェイトの頭上の雲から極大な雷撃がフェイトを襲う!その直前、フェイトの頭上に巨大な黒い球体が現れると、極大の雷撃は急カーブを描きフェイトから反れる。

 

「・・・炎真・・・?」

 

「『大地の重力』!!」

 

この世の万物は大地の力、星の力である重力に逆らうことができない、嵐も雨も雷も霧も雲も太陽も、等しく大地の影響を受ける。唯一重力の影響を受けないのは“大空”のみーーーーーーー。

 

ーアースラー

 

その光景を見たクロノとエイミィは仰天した。次元跳躍するほどの極大魔法の軌道をずらした炎真の能力に驚いたのだ。

 

「ウソッ!あんな強力な極大魔法の軌道をずらすなんて!」

 

「・・・!エイミィ!それよりもあの魔法はどこから来ているんだ!」

 

「あぁ!すみません!・・・・魔力発射地点特定!空間座標確認!」

 

この情報をアースラの司令室にいるリンディ達に送る。

 

「突入部隊、転送ポートから出動!任務はプレシア・テスタロッサの身柄確保です!」

 

リンディは転送ポートにいる魔導師達に指示を送る。

 

 

ー時の庭園ー

 

「《転送反応、庭園内に侵入者多数》」

 

防衛システムから侵入者が来たと報告を聞き、恐らく管理局の魔導師だろうとプレシアは推察するが突然血を吐きながら咳き込む。

 

「ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!・・・まだ、終われないのよ・・・アリシアとの約束の為にも・・・フェイトが・・・私の事を“憎んでくれる”まで・・・!」

 

プレシアはフラフラになりながらも部屋を出て、侵入者の迎撃に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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