クロノとの模擬戦も終わり、改めて協力関係を結んだリンディ達とツナ達。
「それで炎真君、私達に協力してほしい事って何かしら?」
艦長室に戻りお茶を濁していた一同にリンディが会話を始める。炎真はリボーンに目配りをしリボーンはレオンを携帯に変化させとある人物に連絡を取る。
「・・・・・・俺だ、上手くいったぞ。ここからはお前の情報が頼りだからな。しっかりやれよ」
ハンズフリー状態にした携帯を床に置く。
『やあ、はじめましてだね♪リンディ・ハラオウンさんにクロノ・ハラオウン君とユーノ・スクライア君♪僕の名は白蘭よろしくね♪』
「「「?」」」
『あぁ、“こっち”の君達とは初めて会うからね。気にしないで♪』
“こっち”の単語に引っ掛かるがリンディが口を開く。
「貴方は何者?ツナ君達の協力者なの?」
協力者の単語にツナと炎真と山本は苦笑いを浮かべ、獄寺と了平は露骨に嫌そうな顔をしリボーンは目元に影が射した。
「え?あら?なに?この空気?」
少し狼狽えたリンディに携帯越し白蘭が笑いながら答えた。
『ハハハハハ♪協力者って言うのは違うなぁ♪僕のちょっとした気まぐれで“手を組んだ”だけだからね♪さて、管理局との協力関係は一応結べたって事で良いんだね』
「うん、白蘭さん、教えて貰えますか?“アルハザードに行く方法”を」
「「「!?」」」
リンディ達は驚いた。当然だ。アルハザードに行くだなんて普通あり得ない、頭のおかしな人間の考える戯言だとしか思えないのだ。
『うん、良いよ♪アルハザードに行く為には“タイミング”と“道具”が必要なんだ♪先ずは“道具”を教えて上げる♪“小型時空転送装置”の作り方をね♪』
フェイトとプレセアとアリシアを救う作戦準備が始まった。
ーなのはsideー
高町なのはは悩んでいた。今回の模擬戦で今まで自分が見てきたツナ達の力は氷山の一角に過ぎなかった。
『あんなに強いツナさん達がいるなら私なんて必要無いんじゃないかな?』
そう思ったなのはは公園のブランコに座りながら考えていた。
「あらなのはじゃない」
突然声をかけられ顔を上げると薄紅色の長髪をした美女がいた。
「ビアンキさん」
「毒蠍」と呼ばれた殺し屋であると同時に獄寺の姉にしてリボーンの恋人?で現在沢田家に居候しているビアンキだ。
「どうしてこっちに?」
「ママンからのお使いがあったんだけど、並盛じゃ見つからなくてね。海鳴にきたのよ(本当はツナやリボーンから頼まれたんだけどね)」
アースラから帰るとき浮かない顔をしたなのはを心配したツナとリボーンから連絡を受け、買い物をした風に装いなのはの元にきたのだ。
「どうしたの?浮かない顔してるけど、お姉さんが聞いて上げるわよ」
「・・・・・・」
「当ててあげようか?ツナの事でしょう?」
「!?」
生来の責任感の強い性格なので人に頼る事が苦手ななのはは話しづらそうにしていたがそこはなのはより人生経験豊富なビアンキ。なのはの心情を察する。なのはは観念したのか淡々とビアンキに話した。
自分より圧倒的に強いツナ達がいるなら自分は必要無いんじゃないかと。ビアンキはなのはに優しく微笑みながら話す。
「ねえなのは、ツナがどうして強くなったのか分かる?」
「え?・・・わかりません」
「なのはから見てツナって“戦いを好む性格”に見える?」
「それは、見えません。ツナさん凄く優しくし獄寺さん達の事も大切な友達として見てますから」
「そうね、ツナは“戦いを好む性格”ではないわ。寧ろその逆、“戦いなんて大嫌いな性格”よ。でもツナの周りの状況がツナ達を“戦い”へと誘ったのよ」
「え?」
ビアンキは語る。ツナはマフィア何かになりたくてなったわけではない。他のボス候補者達がいなくなり創設者であるボンゴレⅠ世の子孫である事が理由でボスにされ、その首を狙って脱獄した死刑囚に狙われたり、他のボス候補者がリーダーを勤める暗殺部隊に狙われたり、敵対マフィアに自分だけではなく自分と関わりをもった人達が狙われるようになった。
ツナ本人は獄寺や山本や了平や京子やハルにランボやイーピンにフウ太といった仲間達と遊んだり花火見たり海に行ったりと言った、当たり前のようにある騒がしくも平凡な“日常”を愛していた。だが状況が許してくれなかった。戦わなければ自分だけではなく自分の大切な人達が危険に晒される。だからツナは強くなった。途中心が折れくじけそうになったが仲間達に支えられ励まされ共に強くなり困難を乗り越えてきた。
「・・・・・・」
なのはは唖然とした。ツナ達が強くなった理由がそんなにも過酷な事があったのだと実感したからだ。
「なのは、自分は必要無いだなんてそんなの自分が決めることじゃないわ。少なくともなのはには“戦う理由”があるんじゃないの?」
「あ!」
なのはは思い出した。自分は“あの子”と“フェイト”と解り合いたいからフェイトの力になりたいと思ったから強くなろうとした事を。再び顔を上げたなのはの目には強い“意思”が宿っていた。
「ビアンキさん、ありがとうございます!私頑張ります!」
「(グッ!)」
ビアンキはなにも言わずニヒルに笑いながらなのはに親指を立てる。意気揚々と走ろうとするなのはだがふとビアンキの方を振り向き。
「ビアンキさん、何で私にツナさん達の事を話したんですか?」
「私は“恋する女の子”の味方よ。京子やハルの方がリードしてたんじゃフェアじゃないからね」(パチクリ♪)
そう言われてなのははボンッ!と夕日より顔を赤くした。
「////ビアンキさんまで!?だだから!私はツナさんの事は////////」(モジモジモジモジ)
「フフフ頑張りなさい、乙女!」
そう言ってビアンキは帰っていった。最後は良いようにおちょくられた気がするがなのはは息を整え決意を新たにリンディ達に連絡する。
『リンディさん、私決めました』
不屈の翼は法の塔に向かう。
ー炎真sideー
リンディ達との会合も終わりフェイト達のマンションに向かう炎真(跡をつけないようにリンディ達に釘を射した)。
「ただいま」
扉を開けるとジュリーが待っていた。
「よう炎真、首尾は上々って所か?」
「うん、こっちは上手くいったよ。所でフェイトちゃんは?」
「炎真を助けに行くって暴れだして大変だったぜ。アーデルが(物理的に)大人しくさせて今部屋でアルフと一緒に寝てる(気絶してる)ぜ」
所々にノイズがあって聞き取れなかったがフェイトが無事のようなので安心した炎真、そしてジュリーが真面目モードで話を始める。
「んで決行は?」
「今から数日後、なのはちゃんとお互いが持っているジュエルシードを賭けて決闘を行うようだからその時だよ」
了解と返答したジュリーと一緒に居間に戻る炎真。アーデル達が声を出そうとするがジュリーがしーっとさせる。フェイトの部屋にそっと入る炎真は犬モードいや狼モードでフェイトのベッドの足下で寝ているアルフを起こさないようにしベッドであどけない表情で静かに寝ているフェイトの前髪をそっと撫でる。
「(フェイトちゃん、何があっても絶対に守って見せる)」
炎真は気づいていない。最初は“妹”のように思っていた少女に対して自分の抱いている感情に“変化”が起こっていることに。
今回はここまで中々ストーリー構成が上手くいかない(ToT)