聖域近くのロドリオ村にはバイトしたり買い物したりで、よく顔を出してる。
ちなみにまだ星華姉さんは来てないみたいだ。バイトしてる理由は、シングルバーナー買ったり、ケトル買ったりドリッパー買ったりコーヒーのブラジル豆買ったり。
いやぁ登山やってた人間としては山コーヒーは基本ですよね!電気通ってない聖域でも使えるからまじで便利。
といつも通り買い物すませて、雑貨屋から出るとすんげぇ荷物抱えてる巨体が目の前に現れた。
「ぬぅ、まだ調味料を買い足していないが、さすがに持ち辛いな」
とかなんとかブツブツ言ってる。あれ?もしかしてこの人...
「あの~」
「ん?なんだ坊主」
「いや、調味料くらいなら持ちますよ?聖域の人ですよね。俺も聖域から来たんで」
「おお、本当か。それは助かるな。坊主は誰かの従者か?」
「一応聖闘士候補なんだけど」
「はっはっは。そいつはすまん。俺の名前はアルデバラン。宜しくな」
やっぱりアルデバランだ。黄金聖闘士の中でも常識人っぽくて、いい人そうなアルデバランだ!いやぁ知り合えてラッキーだね。アルデバランが大量の胡椒と塩を雑貨屋で追加購入して、それを俺が持つ。いやめっちゃ多いな。まぁなんだかんだ雑談しながら聖域に二人で帰ってると、最後の山越えの所で丁度夕焼けが差してきた。
「なぁアルデバラン。ちょっと休憩しない?」
「なんだもう疲れたのか?聖域までもう少しだぞ?」
「いや、そうじゃなくてさ。山頂で夕焼け見ながら飲むコーヒーって、すんげぇ旨いんだ」
「コーヒー?コーヒーなんて何処にある?」
「直ぐ作るから」
パッとザックからバーナーを取り出し、ケトルに水筒から水を入れ湯を沸かす。コーヒーミルでさっき買ったコーヒー豆を引いて、カップにドリッパーをセット。いやーカップも新しく買って2つ持ってて良かったね。
「坊主馴れてるな」
「坊主じゃなくて星矢って呼んでくれよ。...出来たよ」
「ん、頂こう。...旨いな。なんだか懐かしい味がする」
「懐かしい?あーアルデバランって南米大陸出身?」
「そうだ。俺はブラジルだ」
「このコーヒー豆ブラジル産なんだよね」
「...そうか」
はー何気ない会話しながら美しい夕陽を見て旨いコーヒーを飲む。最高ですわ。
「星矢、聖闘士候補と言ったな?聖域に来てどれくらいになる?」
「3ヶ月だね」
「そうか。小宇宙は感じるのは難しいか?」
「いやもう使えるよ」
「...何?」
「ほら」
アルデバランに自分の小宇宙を高めて見せる。何気に自分の小宇宙見せるの二人目だね。しかも黄金聖闘士。ちょっと緊張する。なんて言われるかね。
「まぁ3ヶ月ならそんなもんか」
嘘やん。原作の星矢六年やぞ。てか青銅聖闘士みんな六年やぞ。え?そんなに小宇宙無いの?小宇宙出せたわーで満足してた俺超恥ずかしいんだけど。
「もしかしてまだ(青銅)聖闘士には程遠いのかな?」
「ああ、(黄金)聖闘士の足元付近にしか到達してないな」
まじかー。え、俺ほんとに聖闘士なれるの?不安になってきた。
「星矢。普段どんな修行をしている?」
「午前中は魔鈴さんに基礎訓練見て貰って、午後は自主訓練だから基礎訓練やり直したり瞑想したりだけど...」
やばいな。足元付近とか言われたら根本的にやり方見直さないと。魔鈴さんの自主訓練でいいってもしかして、小宇宙その程度なら無駄だから面倒見てやらないって事?帰ったら土下座して頼み込むべき事案じゃね?
「ふむ、なら暇な時だけでいいなら午後俺が訓練付けてやろう。もちろん魔鈴には俺から言っておく」
「ほんとに!?いいの!?」
「あぁもちろんだ。その変わりと言ってはなんだが...たまにコーヒーを煎れてくれないか?」
「喜んで煎れるよ!宜しく!アルデバラン!」
俺の中で山コーヒー最強伝説が爆誕した。なお翌日には後悔する事になるのはよくある話。
「グレートホーン!」
「ぐわあああ」
光速の突進を喰らって吹っ飛び空を舞う。こんにちは星矢です。空は今日も快晴です。飛んでる俺が一番空の蒼さを知ってます。
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