【完結】星矢になりました   作:しらいし

4 / 43
4.どうせまた会えるから心配すんなよ

超でかい城戸さん家に来て二年。七歳になりました。もうすぐ"聖域"行きやね。行きたくないけど。

 

「星矢!馬になりなさい!」

 

きたー。原作のクソイベントだー。いや、その完璧な乗馬スタイルで人に乗るなし。馬に乗れや。乗馬ブーツの踵に付いてるトゲトゲの車輪まじで痛いんじゃよ。

とまぁ心の中では文句言いつつも無言で四つん這いになる。

 

「星矢、俺が変わるよ」

「前回変わってくれたろ?次頼むわ」

「早くしなさい!あなた達はグラード財団のお陰で生きてるんですからね!」

 

うわぁこの幼女まじうぜぇ。それに引き換え邪武まじいい子。しょうがねぇなと思いつつじゃじゃ馬娘を乗せて、乗馬用の鞭でビッシビシ打たれながらグラウンド一周。この子何が楽しいんですかね?アテナSM倶楽部とか作ったらどうですか女王様。絶対行かないけど。

 

とまぁ痛みから現実逃避しつつ、なんとか一周。超痛い。理不尽。いつも通りぶっ倒れる。

 

「星矢!大丈夫か!」

「星矢!」

 

仲良くしてる、後の青銅聖闘士達が心配してくれる。正直あんまり大丈夫じゃないけど、とりあえず大丈夫だと言っておく。

 

「は!お前も邪武も、あんなお嬢様に尻尾振って馬鹿なのかよ!」

「そうだ!情けないぞ!」

「邪武!そんなにあのお嬢様が好きなのかよ!」

 

仲良くしてないモブ共がなんか喚いてる。こいつらも可哀想なんだけどね。聖闘士になれなかった奴って五人に一人くらいは死んでると思う。残り?逃げるか、その修行地で従者とか普通に暮らしてると思う。一般社会に帰ってくる訳じゃないから死んだと思われてるだろうがね。でも悪口言う時もちゃんとお嬢様と言う所、城戸式教育システム(物理)が行き届いてますね。

しかしこいつらには言っとかないとな。

 

「俺か邪武が馬になってなかったら、他の誰かが傷ついちまうんだぞ?俺は(何故か毎回)指名されるからしょうがないが、邪武の事悪く言うとかぶっ殺すぞこのモブ野郎!めっちゃいい奴なんだぞ!お前誰かが傷つく変わりに自分が傷つく事が出来るとかすげぇと思わねぇのかよ!」

 

まぁストーリー上ではアンドロメダの瞬の役目なんですがね。大体何故毎回俺を指名するんですかね?"天馬座"の背中ってそんなに乗り心地いいんですかね?ちょっと気になるやんとか考えてたら、後ろで「星矢...」とか言って邪武が感動してるし。なんか感心してる未来の青銅聖闘士達がいるし。

 

気が付いたらなんか遠くから光政性欲爺と沙織暴力お嬢さんがこっち見てる。まぁ沙織お嬢さんに暴力良くないと諭してるシーンだろうね。しかしめっちゃ見てるな。辞めろや。基本お前らは嫌いなんだよ。

 

 

 

ある日、今日はボクシングでジャブだけで邪武をボコるかーとジャブ邪武しにリングに向かっていると、緑色の髪の美少女がリング上で泣いていた。あ、違うわ。あんな可愛い子が女の子な訳がない(錯乱)

 

「瞬!どうした!大丈夫か!」

「星矢...」

 

うるうるした眼で見るなし。可愛いなおい。俺はホモじゃないんだ勘弁してくれ。

 

「手当てしてやるよ。リングから降りよう」

「うん...」

 

前世にて登山の役に立つかもと赤十字救急法基礎講習を受講した俺に取って応急処置くらいなんともないぜ!結構皆の手当てしてるから、上手くなってんだよな。

 

「誰だ瞬を泣かせた奴は!」

 

怒鳴りながら入ってきた一輝に殴られた俺。なんでや。

 

「ち、違うよ、一輝兄さん。星矢は僕の手当てをしてくれたんだ」

「む...星矢、すまん」

 

む...じゃねぇだろ。まぁいいけど。このブラコン兄弟に常識は通用しない。問題は瞬を苛めるモブだ。瞬は冥王ハーデスにまでなる男だぞ?お前ハーデスLOVEの死の神タナトスが怒ったら冥界から瞬殺やぞ。

 

「いや、いいよ。それにしても瞬。ボクシングは瞬には向いてないと思うぜ?」

「無理やり誘われて...」

 

こんな美少女(美少年)無理やり誘うとか同世代であっても犯罪の匂いがする。あ、一輝がリングインした。おーリング内にいた三人のモブ全員アッパーで車田落ちだわ。あいつらには手当てしてやらない。

 

「一輝兄さんにも強くなれって言われてるし...」

「瞬、お前の優しさは強さだと思うぜ?こんな環境で、親もいない俺達の中で優しさを忘れないなんて凄い事だよ、な?一輝よ」

「星矢、でも俺達は修行先で勝ち抜いて聖衣って奴を手に入れないともう会えなくなっちゃうんだぞ!」

「一輝、お前自分の弟を信じろよ。お前の弟は、誰よりも優しい瞬は約束を守る男だぞ。なぁ瞬」

「うん、兄さん。きっと聖衣を手に入れて一輝兄さんとまた会えるように頑張るよ」

「瞬...」

 

ブラコン劇場が開幕したので、この場を去りますか。

一輝よ、そいつハーデスになる男なんだ。てか本気出したら黄金聖闘士の一人を一発で倒す恐ろしい男なんだぞ。自分の心配しろ。お前何回も死ぬから。

 

「星矢!お前も、聖衣手に入れるんだぞ!」

「星矢、約束だよ!」

「任せとけって」

 

原作より仲良くなったぽい兄弟と固い約束をした。まぁ実は俺も兄弟だけどな(多分)!

 

翌日、原作通りデスクイーン島行きでブラコン兄弟が揉めたりしたけど無事ギリシャの"聖域"行きが決定しました。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。