教皇の間に着いたら黄金の短剣で自害しているサガが横たわっていた。
え?ちょっ
思わず駆け寄ってサガに触れると「今しかなかった。後は頼む。すまない」とだけ小宇宙の残り香が俺のみに語りかけ、消えていく。
「何故サガが教皇に」とか言ってる黄金達にアイオロスから伝えられたという事実を沙織さんが皆に伝える。アイオロスの正義が証明され、アイオリアが救われた瞬間ではあるが正直どうでもいい。
俺はサガを追って冥界に行こう。勝手に死にやがって。ぶん殴って生き返らせてやる。その後?なんとでもしてやる。
と決めた瞬間、空間の歪みを感じた。多分俺が一番早く気付ける、冥界や地獄ではなく異次元と世界が開かれる空間の揺らぎ。...狙いはアテナか!?
空間の揺らぎとアテナの間に身を滑らせ、瞬時に小宇宙のバリア「カーン」を展開。
ザシュッ
空間から突如出現した剣が、俺のカーンをあっさりと突き破り俺の腹に刺さる。
「ぐっ」
「星矢!?」
沙織さんが手を伸ばし、黄金達が振り向いた時にはもう俺の体は捕らえられていた。
「ちっ、本命は外したがこいつでも足りるか」
「ティターン十二神!?貴様は星漢のクレイオス!?」
「馬鹿な...ティターン十二神は全員刻の迷宮で...」
「あぁ久しぶりだね黄金聖闘士。悪いが君たちとおしゃべりする気はないんだ。刻の門はもう開かないから今度はこっちには来れないよ?じゃあ僕は忙しいからこいつだけ貰っていくね」
「星矢!」
やっべぇ。刺された所が悪い。というか小宇宙ごと斬られて吸いとられた感半端ない。...あぁそういう剣だっけそれ。動けな...あっやべ。異空間に吸い込まれ...
...
...
一瞬か、一時かわからないが気を失ってた。目を覚ました瞬間斬殺されそうになったのを紙一重で躱す。あぶねぇぇぇぇぇ
「ちっ、避けないでよ。面倒だな。」
「何もかも判らないまま死ねるかよ!」
「ったく、その傷で小宇宙もほとんど無い青銅のくせに。神である僕に礼儀がなってないよ」
「俺ら聖闘士の神はアテナだけだっての」
「僕は君の神であるアテナの呪いから君を救ってあげるんだよ?」
「...は?」
「ほんとはアテナ自身が良かったんだけど、まぁ君でも我らが大神たるクロノス王や他の十二神を復活させるきっかけは作れるだろう。僕の神剣 星断剣で君が生まれた時から持つという、アテナの小宇宙を根こそぎ奪いとればね?」
「...な」
「女神の加護とも言えるが女神の呪いとも言えるだろうね?それは。思い当たる節あるんだろう?優しい神である僕はそれから君を断ち切ってやろうと言ってるんだ」
...正直言ってる事は分かるし、言いたい事も聞きたい事も山程あるが、今は早くサガの所に行かなきゃ間に合わなくなる。
実はさっきから無視してテレポートして逃げようとしてるんだが、小宇宙が奪われすぎてるのとこの時空間がなんか特殊過ぎて無理。積尸気にとも思ったけどそれも無理。神が作った空間に抵抗出来ない。てかなんでこいつ生きてんの?お前原作スタート前にシュラに斬られて死んだんちゃうの?なんで俺が生まれた時から女神の小宇宙持ってるって知ってんの?
くそ。
謎が謎のまま。以下流し読みで。
星矢の好感度が聖闘士達に高い、及び聖闘士達に絡まれやすいかったのも秘めた女神の小宇宙のせい。
星矢の性格が徐々にナチュラル畜生化したのも、黄金達の扱きもあるが、精神が神たる女神の小宇宙に侵されたのが大きな要因。この世界の神の思考と混ざってきてるので。
星矢が美穂ちゃんやヒルダと仲良くしたがっているのは色々女神の小宇宙のせいだと薄々勘づいているので、影響なさそうな聖闘士以外と接したがっている為。
幼女沙織の毎回星矢指名も自身と同じ女神の小宇宙を知らずに感じ気になってしょうがなかった為。
上記は伏線のつもりで始めから決めてた設定。感想欄で星矢が人の心を~と言ってた人、大体合ってる。
なお星矢自身の性格が好かれやすい為、今更嫌われる事は絶対に無いが星矢はずっと不安に思っている。
上記を踏まえて見返すとしっくり来る場面が増える。そしてちょっと悲しくなる。はず。多分。文才無いから分からないかも。