次の話からは多分レンチメイス君が登場します。
あとギャグ要素も多分入れられたと思います。
「お前達が、魔法少女か」
そう言って現れたのは緑色の鎧に身を包んみ、長い前髪で目を隠した魔法少女だった。
「君も魔法少女じゃないのか?」
ラ・ピュセルが目の前のイレギュラー魔法少女に尋ねた。
「そうだ。だがここを蝕む悪とは違う!」
緑のイレギュラー魔法少女は長い前髪を後ろに流し、金色に輝く瞳を現した。
そしてイレギュラー魔法少女は腰にマウントしていたバトルアックスを握り三日月に斬りかかる。
三日月はぐっとメイスでバトルアックスの一撃を防ぐ。
ラ・ピュセルは「ムーンライトバルバトス!」と名を呼びイレギュラー魔法少女に斬りかかるが、何者かによって道を阻まれた。
「誰だ!」
ラ・ピュセルの目の前には今三日月が戦っているイレギュラー魔法少女と酷似したもう一人のイレギュラー魔法少女の姿があった。
緑の鎧と髪型は同一だが武装はバトルアックスとシールド、そして赤いマントを身につけている。
「オーリス!黒い奴は頼んだ、私はこの騎士をやる!」
「クランクわかった!」
二人の魔法少女は三日月とラ・ピュセルのそれぞれを相手にする。
戦闘能力の無いスノーホワイトはこの事態に困り果てていた。
そんな時、スノーホワイトの足元に上空から3発の弾丸が撃ち込まれた。
スノーホワイトは「誰!?」と上空を見上げると、そこには二人のイレギュラー魔法少女によく似た紫色の鎧と機械的なスラスターを身につけたもう一人の魔法少女がいた。
その魔法少女は他の二人と同じバトルアックスの他にライフルとワイヤークローを装備していた。
「クランクさん、こいつは私がやります!」
そう言って紫色のイレギュラー魔法少女はワイヤークローをスノーホワイトに向かって放つ。
ただ呆然のしていたスノーホワイトは紫色のイレギュラー魔法少女に簡単に捕縛されてしまった。
そして上空に引き上げ振り回した。
上空で振り回されたスノーホワイトは悲鳴を上げる。
「スノーホワイト!・・・っ小雪!」
上空で振り回される彼女の名を叫び、助けに向かおうとするがクランクが行く手を阻む。
「貴様の相手は私だ。アインには向かわせはしないぞ」
クランクはラ・ピュセルに強い一撃を与えた。
「ここでお前は終わりだ!」
オーリスは三日月を蹴り飛ばし体勢を崩しとどめとばかりにバトルアックスを振り下ろす。
三日月はこれを紙一重で回避し跳躍、アインをメイスで殴りつけ鉄塔の足場まで叩き下ろす。
これによりスノーホワイトはワイヤークローの拘束から解き放たれた。
そしてよろよろと立ち上がり三日月の方へ視線を向けた。
三日月はすぐにオーリスとの戦闘を再開していた。
相手のバトルアックスの攻撃を全て回避し的確にメイスで殴る。
そしてオーリスが完全に体勢を崩し無防備になったその刹那、三日月は能力を使用してメイスをオーリスの頭頂部に叩きつける。
血飛沫がまるで真紅の雪のように舞い、その下で戦う三日月はスノーホワイトの目にはまるで修羅のように映った。
「オーリスさんを!」
アインはバトルアックスで三日月に斬りかかるが回避され腹部にメイスの一撃。
そしてアインの体は宙に浮く。
クランクはラ・ピュセルから瞬時に離れて宙に浮かんだアインを回収して鉄塔から離れていく。
「逃がすわけないだろぉ?」
「いや、追撃はやめておこう」
クランクとアインを追撃しようとした三日月をラ・ピュセルが引き止めた。
「どうしてとめるの?」
「このことを一度他の魔法少女達にも伝えて対策を考えよう」
「仕方ないか、分かったよ」
そう言って三日月は手に持っていたメイスを地面に置き、ナッツを取り出して食べはじめる。
三日月達がファブの言っていた魔法少女を襲うイレギュラー魔法少女に襲われた後、魔法少女達はチャットルームに集まった。
「なぁスノーホワイト達が知らない魔法少女に襲われたってそれマジか?」
トップスピードがスノーホワイトに尋ねた。
「はい・・・とても怖かったです」
スノーホワイトは自身が襲われたことに恐怖したが、イレギュラー魔法少女の一人を始末した三日月の修羅のような姿にも恐怖していた。
今や三日月が発言するたびに体を強張らせる。
「そいつらの一人は俺が始末した」
「始末したってどういう・・・?」
始末という言葉がひっかかったヴェス・ウィンタープリズンが三日月に尋ねた。
「そのままの意味だよ。あいつらは俺達を殺しに来る。死なないためには殺すしかない」
「殺すって戦わなきゃいけないってことなの?」
たまが三日月に怯えたように言うと三日月は静かに頷いた。
リップルは面倒なことになったとでも言うように舌打ちした。
「戦わなきゃいけないって力の無い魔法少女はどうしたらいいの?私とか」
ねむりんが言ったことに誰も答えることはできなかった。
先程襲われたスノーホワイト自身、力が無くただ成す統べなくやられていただけだった。
そしてチャットでの話し合いは今のところ戦闘能力を持つ魔法少女が非戦闘能力を持つ魔法少女を守るというかたちに落ち着いた。
◆
男子中学生の岸辺颯太は憧れていた戦いを強いられ複雑な気持ちになりながら学校での生活を送っていた。
戦闘能力を持つ自分が戦闘能力を持たないスノーホワイトを守らなければならない。
しかしイレギュラー魔法少女であるクランクと戦った時、明らかに自分は圧倒されていた。
ムーンライトバルバトスはあんなにも簡単にイレギュラー魔法少女のオーリスを圧倒し倒したのだ。
だが自分は相手を圧倒することができず、攻撃から身を守るだけだった。
こんな自分ではスノーホワイトを守ることができない。
いっそのことムーンライトバルバトスに全て任せて自分も守ってもらおうか?
そんな甘い考えが颯太の頭の中を巣くった。
それではだめだ、自分は彼女の剣となることを誓ったではないか。
そんなことで悩んでいては駄目だ。
そうとは分かっていても自分では何もすることができなかった。
こうして休み時間をただほうっと過ごしているとクラスメイトの男子が掴みあって一人が颯太の机を倒した。
倒れた颯太の机の中身はは教室の床にばらまかれた。
颯太は慌てて魔法少女の本を探したがそれはどこにも見当たらなかった。
「探してるのってもしかしてこれ?」
「そうそう、ありがとうね。・・・え?」
その本を渡してくれたのはクラスメイトの女子、アトラ・ミクスタだ。
決して誰にも知られたくなかった秘密がばれた。
しかも、女子に。
颯太の頭の中は真っ白になった。
先程まで思い詰めていたことはもう颯太の頭の中には無い。
「お願いします!そのことは秘密にしていてください!」
颯太の体は考える前に眼の前のアトラに土下座をしていた。
アトラは困ったような表情で「いいよいいよ」と言っている。
「実は私もこれ好きなんだ」
「え?」となった颯太は顔を上げる。
視界に真っ先に入るのはアトラの天使のような笑顔だ。
ピーキーエンジェルズ達のような天使と意味ではない。
それはまさしくなにもかもを包み込んでくれる優しい表情だった。
その後アトラと颯太は打ち解け魔法少女の話ができる友達となった。
名深市の魔法少女達についてまとめたサイトをよく見ているようで、一番のお気に入りは竜騎士の姿の魔法少女と言っていた。
颯太は何だか恥ずかしくなった。
そしてその週の日曜日、颯太はアトラと小雪の3人で遊びに行くことになった。
3人で遊んでいる時はとても楽しく、時間は早く過ぎていった。
帰り道、3人は鉄華団を見かけた。
鉄華団の中にアトラは見覚えのある人物を見付けたらしく「三日月ー!」と手を振って駆け寄っていき、颯太と小雪の二人もアトラについていった。
「あれ?ラ・ピュセルとスノーホワイトじゃん。何でアトラと一緒にいんの?」
三日月と呼ばれた男性の言葉に颯太と小雪は凍りつく。
「あれ?三日月二人のこと知ってるの?」
「うん。一緒に活動してる魔法少女の二人」
颯太と小雪は冷や汗が止まらなくなり、颯太は今度こそ終わったと覚悟した。
そして三日月の言葉から察するにこの男があのムーンライトバルバトスなのだろう。
小雪は傍から見てもわかるほど頭の中がすーっと真っ白になっているようだ。
スノーホワイトだけに。
「それってとても凄いことじゃん!」
アトラは興奮しなが二人の手を握り、「ねぇ魔法少女の姿を見せてくれない?」と言った。
二人は仕方なく路地裏で魔法少女に変身し、アトラに見せた。
「わぁ!本物の竜騎士の魔法少女だ!」
そう言ってアトラはラ・ピュセルに抱き着いた。
ラ・ピュセルは困ったなぁと頭を掻く。
ラ・ピュセルの考えていることはスノーホワイトに筒抜けであった。
◆
三日月達が初めてイレギュラー魔法少女達に襲われてからはそのようなことは一度も無かった。
そしてある日3人がいつもの鉄塔にいるとファブが現れ新アイテムの追加が発表された。
そのアイテムのラインナップはとても良さそうな物ばかりだったが、そのアイテムを購入するには寿命を支払う必要があった。
まさしく命の値段である。
しかしその中で比較的安価な武装があった。
バナナ型マガジンのザブマシンガン、シールドとアックスを一体にしたシールドアックス、武器の両端に装備された推進機でインパクト時の衝撃を強くするブーストハンマー、チェーンソーとメイスを一体にしたレンチメイス、物理攻撃以外を無効化するナノラミネートアーマー等と様々である。
三日月はレンチメイス、ラ・ピュセルはシールドアックス、スノーホワイトは最も安価な白のナノラミネートアーマーを購入した。
そしてラ・ピュセルはスノーホワイトにシールドアックスを渡した。
「これってラ・ピュセルの・・・」
「いいんだ。君は武器がないからね」
スノーホワイトはラ・ピュセルの名を呼び抱き着いた。
「だけど君のことは私が絶対に守るよ」
「そうちゃん大好き!」
「小雪、絶対に守るからね」
スノーホワイトとラ・ピュセルのこのやり取りを三日月はナッツを食べながら静観していた。
眠い目をこすって書いた最後の文章、小雪と颯太を強引にくっつけていくスタイル。
ラ・ピュセルは中身男だからGLありってつける必要ないかな?
だけどナナとヴェスの存在だけで付けなければいけない気がしてきた。
どうしたらいいでしょうか?
アドバイスお願いします。