Sword Art Online ~断片ノ背教者達~   作:ᏃᎬᎡᎾ

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どうも、お久しぶりです。ゼロです。

半年も間が空いたのにたった1000文字強の投稿かよとか突っ込まれそうですが、少し言い訳をさせて下さい。

今年の2月に公開された劇場版SAOOSを見て強烈にインスパイアされたはいいものの、映画に出てきた設定とこちらで考えていた設定が噛み合わないところが生じて修正していたらいつの間にやら話の根幹部分が揺らいでしまい、修正に修正が重なり、いつしか存在を忘れて閉まっていました。本当に面目しだいもございません。

まぁ、半年もお待たせした言い訳はこれくらいにして、今回はリハビリ的なもので別の視点でのプロローグ、断章的なものですので良ければ見ていってください。





断章Ⅰ

吸い込まれるような闇と深い静寂が辺り一帯を覆い尽くす中、体の芯が凍りつくような冷気に包まれて、少女はただ一人暗闇の回廊の中に倒れ()していた。

 

堅く冷たい床に投げ出された四肢(しし)は地面に()いつけられてしまったかのように微塵(みじん)も動かせる気配がなく、鋳溶(いと)かした銀を直接流し込まれるような痛みが途切れることなく少女を苛み続けている。

 

今にも消え入りそうな朧気(おぼろげ)な意識の中、少女は既に自分が記憶の大半を失ってしまったことを知覚する。

 

そしてこうしている今も尚、積み上げた記憶の塔が風雨に(むしば)まれ、ゆっくりと、しかし着実に消滅への道を辿っていることも少女は幽かに感じていた。

 

何か・・・・・・何か大切なものを忘れている気がすると、薄れゆく最後の自我がそう訴えかけてくる。

 

しかし、その「何か」を推し量る術は少女にはない。少なくとも今は。

 

 

────・・・・・・を・・・・・・・・・ければ・・・・・・

 

 

どこからとも無く声が聞こえた気がした。消え入りそうな、しかし明確な意思を感じる声。

 

それは誰の声?・・・・・・それは自分の声。

 

 

────このままじゃ・・・・・・・・・消え・・・・・・

 

 

不意に、ずきん、と右目の奥に痛みが走った気がした。

 

 

────なんで・・・・・・・・・私は・・・・・・

 

 

ずきん、と再び右目の奥に鋭い痛み。

 

それは、自分に対する警告のようにも思えた。

 

 

────・・・・・・である・・・

 

────・・・・・・・・という事は・・・

 

────アハハハハハハハハハハハハハハ

 

 

自分ではない誰かの笑い声や、上手く聞き取れない途切れ途切れの会話。それら断片的な記憶がフラッシュバックする度に、周期的な痛みがずきん、ずきん、と少女の右目を貫く。

 

 

────こんなの・・・・・・間違ってる・・・・・・

 

 

次第に声は声色を聞き取れるほど鮮明になり、それと同時にいつしか右目は灼熱の塊と化していた。

 

それまで少女を苛んでいた全身の痛みすら、無かったものと思えるほどの激しい痛みの流れが右目から頭の芯にかけてその奔流を迸らせる。

 

 

────だから、私は・・・・・・・・・・・・

 

 

視界が真っ赤に染まり、その奥に何か()()のようなものが渦巻いている気がした。

 

しかし、続く痛みに何も考えられなくなる。そして続く声は耳鳴りへと変わり────

 

 

限界を迎えて意識を手放した少女。彼女が最後に見た景色、その文字の意味を知るものは今はまだいない。

 

 

 

 

────視線の先に円弧を描いて廻る、【SYSTEM ALERT : CODE871】の文字を────

 

 




【memo】
■少女
????????????

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