Sword Art Online ~断片ノ背教者達~ 作:ᏃᎬᎡᎾ
初めまして、ゼロと申します。
以前から小説を書くと言いながらリアルが忙しく、ずっと書けずにちまちま設定だけを書いていた設定集の量がそろそろ笑えなくなってきたので書かせていただきました。
小説を書くこと自体初めてで何かと文章力の低さや語彙力の低さの目立つところが見られると思われますが、ご容赦下さい。
前置きが長くなりましたがどうぞのんびりとご覧下さい。
序章
────なんという、なんという壮大さなのだろうか。
目の前に聳え立つ高さ数百メートルはありそうな巨大な門の前で僕を含むギルド「フラグメンツ」のメンバー達は揃って絶句していた。
「なんつうでかさだよ・・・」
隣にいる男も同じことを思ったようだ。
燃えるような赤い髪を後ろで纏め、ガタイのいい体を純銀に輝くプレートメイルで覆っている。豪傑という文字がピッタリはまりそうなこの男の名前はジャック。ギルド「フラグメンツ」のサブマスターで、僕のSAO時代からの相棒だ。
そんなジャックも今だけは巨大な扉を見上げて呆けた面をしている。
後ろで先程から一言も話さないメンバー達も同じことを思ったのだろうか。
「恐らくこれが例のダンジョンなんだろうなぁ」
誰にともなく呟く。
僕達が今いるのは妖精の国アルヴヘイムの地下に広がる邪神級モンスター蔓延る闇と氷の世界、ヨツンヘイム。
天蓋までの高さが一番高い所で五百メートル超もあるため、現実世界では有り得ないサイズの巨大な構造物が散見できるこのフィールドでさえかつてこれ程に巨大な何かを僕は見たことが無かった。
まるで先にある何か大切なものを守るかのように巨大な扉はその口を閉ざし、扉には大きな泉を守る白い大蛇のレリーフが刻まれている。
それはまるで挑戦者を誘うような、それでいて阻むような矛盾した雰囲気を放っているようだ。
それ故に、この先に何があるのだろうという好奇心も湧いてきた。僕はここへと到達する前に手に入れていた青白い燐光を放つ鍵を取り出し、若干の興奮と共にその巨大な門にそぐわない小さな鍵穴へと差し込む。
ゴクリと息を飲む音が聞こえる。
巨大な扉は侵入者を中へと通すまいと抵抗をするかのようにゆっくりと、しかし確かな速度でその重々しい口をほんの少しだけ開けてゆく。
「じゃ、攻略開始だな。」
自分にも言い聞かせるようにして開いた隙間へと歩を進めてゆく。
「よし、行こう。」
暫く固まったままだったジャックが進み始めると共に同じく固まっていたメンバー達も次々と歩を進めてゆく。
かのデスゲームの50層迷宮区でフロアボスと相対した時や、75層の迷宮区の入り口に立った時に感じたものと同種の圧力を感じる。
死の危険のない普通のゲームではそんなものはもう感じないだろうと思い込んでいた僕自身に冷水を掛けられた気分だ。
いや、恐らく後ろで黙って付いてくるメンバー達も同じことを思っていたに違いない。
それもそのはずだ。ここは1週間前に発見された超高難易度ダンジョン、「ギンヌンガガプの門」、その入り口。
────サラマンダーの大規模なレイドパーティですら数分で壊滅した地獄のその入り口なのだ。
【Memo】
■Zero (ゼロ)
オリ主にしてこの物語の主人公。
ギルド「フラグメンツ」のギルマスをやっていて、穏やかな性格。
■Jack (ジャック)
ギルド「フラグメンツ」のサブマスター。曲がった事が嫌いでいつも真っ直ぐ突き進む正義感の強い男。