キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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VRの妹は現実の兄で、VRの兄は現実の妹

 

 

 

 

 

 

 GGOにログインした私の目に飛び込んできたのは、薄暗いコンクリートジャングルだった。SAOやALOとは雰囲気からして全然違う。まあ、銃を使って撃ち合うような科学の発展した世界線だから違って当たり前だけど。

 

 

 

 ログインした場所から動かずに合流することになっているが、どうやらキリトはまだログインしていないようだ。少し待っていればすぐ来るだろう、

 すると1人のプレイヤーがログインしてきたよう・・・だ・・・

 私の目に飛び込んできたのは私だった。鏡を見たわけじゃない。実際私は私を凝視しているのに、目の前の私は何かを探すようにキョロキョロしながらこちらに向かって歩いてくる。

 目の前の私と目が合った。目の前の私は私を指さしながら目を見開いた。

 

 「・・・お、おれ!?」

 

 「・・・え!?キリト!?」

 

 「・・・ユカなのか!?」

 

 こ、これは、まさか・・・

 

 「「入れ替わってる!?」」

 

 キミノ ゼン ゼン ゼン アバラ セーム・シュルトノボディデゼンクダケ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・ねえ、キリト。」

 

 「・・・なんだ。」

 

 「VRMMOって基本性別変更できないよね。少なくともGGOでは。」

 

 「・・・ああ。そのはずだ。」

 

 「・・・私はまだわかる。双子で、キリトは女顔だからぱっと見、現実のキリトに見えるけど、よく見ると髪型はショートで女の子のカットになってる。」

 

 「おい!女顔って!!」

 

 「・・・でもさ、キリトはおかしいよね?私から見ても、外見だけなら現実世界の私とおなじだよね?」

 

 「・・・いやでも、俺の性別は男だぞ?体の感じも男のままだ。女性みたいに胸もな

 

 その瞬間ユカはキリトの脳天目掛けて手刀を繰り出した。キリトは持ち前の反応速度を活かし、ユカの手刀を真剣白刃取りした。これがALOであった場合、ユカが腰に装備した刀・氷華の抜刀によってキリトは上半身と下半身に分かれていただろう。

 

 「ソレハドウイウイミカナ?ゲンジツノワタシノムネガオトコミタイダトイイタイノ?」

 

 「待て待て待て待て!!そういう意味じゃない!!」

 

 ユカの手刀をキリトが真剣白刃取りした状態で、ユカは腕に力を込めていく。キリトは膝をつきながらもなんとか耐えていた。

 

 「おお~!珍しいね!F-1300番系かい!」

 

 キリトの腰が悲鳴をあげ始めた頃、一人のプレイヤーが話しかけてきた。話し掛けられたことで、ユカも引いた。

 

 「お姉さん!レアなアバター引いたね!よかったらアカウントごと俺に売らない?」

 

 「・・・こいつ、男ですよ。」

 

 「え?本当かい!?」

 

 「あ、はい。男です。」

 

 「じゃ、じゃあM-9000番系かい!?ぜ、ぜひ売ってくれ!!4、いや、5M出す!売ってくれ!」

 

 「えっと、これコンバートなんだ。お金には変えられない。」

 

 「そ、そっかぁ・・・」

 

 そういうと男は立ち去って行った。キリトは心の中でその男に感謝した。窮地を救ってくれたその男に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちはとりあえず装備を整えるのとBullet of Bullets、通称BoBと言われる最強プレイヤーを決める大会にエントリーすることにした。た問題は、武器はどこに売っていて、エントリーするための総督府という場所が分からないことだ。

 それにしてもいろんなプレイヤーがいるなぁ。いかつい見た目の人が多いけど。時々世紀末の人いるよね、モヒカンの。流行っているのかな?

 

 「歩き回っててもしょうがないから人に聞くか。あ、すいませーん!」

 

 キリトが目の前を歩いていたプレイヤーに声をかけ、かけ足でそのプレイヤーのもとに向かった。

 ・・・目の前にいたプレイヤーは女性プレイヤーだった。この世界にログインして初めて見た女性プレイヤーだった。キリトが道を聞くために話しかけたのは今日初めて目撃した女性プレイヤーだった。わざとやってるんじゃないよね?これでもし、色々あったらどうなることか・・・。最悪の場合、バーサク状態のアスナの怒りが、私にも飛び火しかねない。しかもたしかBoBってライブ中継されるんだよね。目の前の女性プレイヤーに限らないけど、キリトが女性プレイヤーとくっついたりしてる光景が中継なんてされた時にはどうなることか。アスナのことだ。ほぼ100%の確率で中継を見るだろう。用事があったとしても、ユイちゃんに頼んで録画することだろう。アミュスフィアに危険はないとしても、場合によってはキリトの命が危ない。

 

 

 

 キリトが話し掛けた女性プレイヤーの吊り上がった目はネコ科を思わせるようだった。髪色は水色で、髪型はショートカットの左右の前髪を伸ばした感じ。服装は露出度が高く、さっき後ろから見るとちょっとお尻見えてた気がする。

 その女性プレイヤーは振り返った時険しい表情をしていたが、私たちを見ると優しく微笑んだ。

 

 「どうしたの?」

 

 「その、武器屋と総督府ってとこに行きたいんだけど、ログインしたばかりで道が分からなくて。」

 

 「なるほどね。街並みがどこも似たような感じだからね。いいよ。案内してあげる。」

 

 「え!?いいんですか?」

 

 「いいわよ。このゲーム男ばっかで、私としても女の子の知り合いが増えるのはうれしいから。」

 

 「そいつ、男ですよ。」

 

 「え!?」

 

 「あ、自己紹介がまだだったな。俺はキリト。」

 

 「・・・もしかして、あなたも?」

 

 「・・・私は正真正銘女です。ユカと言います。」

 

 「え、あ、その、ごめんなさい。私はシノンよ。」

 

 

 これがシノンとの出会いだった。

 

 

 


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