「ここが攻略会議の行われる場所だよ。」
「へぇー、結構人がいるのね。」
「たしかに結構あつまったほうかもねぇ~。」
俺たちは攻略会議の行われる場所に座っている。中央のステージに階段状の席があるような場所だ。簡単に言えば野球場を小さくしたような感じだ。俺の隣ではユカとアスナが談笑している。ちなみにアスナは赤、ユカは黒のローブを装備している。ユカはさっきNPCの店でアスナと色違いのローブを買ったみたいだ。あいつは昔から人と仲良くなるのがうまかった。事実そっけなかったアスナが普通にしゃべっているし。
それにしても・・・さっきからアスナと目が合うと睨まれるのは気のせいだろうか・・・
確かに俺はあいつと比べるとコミュ障だし、男だけど、なんかした覚えもないし。ていうかさっきから会話に入れないんだけど、街に入ってから一言も話してないんだけど。
「はぁあーーーい、じゃっ、そろそろ始めさせてもらいまーーす。」
「俺の名はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます。」
どうやら会議が始まったらしい。青い髪が特徴的な男性プレイヤーが名乗りを上げた。
「まずはパーティーを組んでみてくれ。」
「ユカ、お前、知り合いいるか?」
「・・・今日までコンビでやってきたんだよ。いると思う?」
「さっき人数を数えたんだが、フルパーティで組めば三人余る。」
「アスナ、知り合いいる?」
「・・・いないわよ。」
「と、とりあえず、三人でパーティー組もうか。」
「組み終わったかな。じゃあ、今からボスの説明を始めて「ちょお、まってんかー。」
金髪のおっちゃんが三段跳びで中央に飛び入りした。
「ワイはキバオウってもんや。」
「ベータテスターども出てこいや。こんなかにもおるはずやで。」
(キ、キ、キリト。どうしよう。)
(ま、まて。まだ俺たちがベータテスターだと分かっていないはずだ。)
(で、でも。)
(ここで出て行っても何にもならないぞ。)
「発言いいか。俺の名前はエギルだ。」
(マッチョな人が出てきたよ。)
(ああ、どうやらあの人はベータテスターに悪い印象は持っていないみたいだな。)
(ていうかでかくない。二メートルくらいあるって。土管に丸太の手足がくっついたような体してるよ。)
(あれで敏捷極振りだったら、恐怖だな。)
(確かに。筋肉の塊が突っ込んでくるもんね。)
とかなんとか言ってるうちにキバオウさんのベータテスター批判は終わった。
そして俺たちのパーティーは取り巻きの相手をすることになった。