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「イッツ・ショウ・タイム」
不気味な、だがどことなく人を引き付けるようなこと声でpohが言った。私の脳裏にあのときの記憶が強くよみがえる。しかし、ここでやめるわけにはいかない。おそらくこいつらはラフィンコフィンのギルドメンバーを解放しにこの場にやって来たはずだ。
「おい、お前ら。閃光は俺が相手をする。先に行ってろ。」
Pohがそういうとザザとジョニーブラックは黒鉄宮の方へ走っていった。あの二人を先に行かしたくはないが、ここで二人を止めようとすると一瞬で私はpohに殺されるだろう。あの二人は黒鉄宮を管理している軍の人たちを信じて任せるしかない。
「閃光よ。一度死んで蘇った感想を聞かしてくれよ!俺はお前と黒の剣士と舞姫を殺したくて殺したくて、やっと一人殺せたと思ったら生き返りやがったんだ。まあ、楽しみが増えたからいいんだけどよ。」
「あなたに教えることなどなにもないわ!」
「そうかよ。」
そういうとpohは斬りかかってきた。私はそれを避けると細剣ソードスキル・リニアーを発動した。しかし、それは短剣ソードスキル・サイドバイトで弾かれる。私は後方に下がり距離をとる。Pohは距離をつめて攻撃してくるが、私はそれを避け、時にソードスキルではじき回避し続ける。
アスナの敏捷特化のパラメーターはpohの強化された敏捷パラメーターを上回っていた。その結果、pohに効果的なダメージを与えることが出来なくとも、奇襲でもされない限り倒されるということはない。アスナもそれを理解し防御に徹した。
「ちっ。いい加減飽きてきたな。」
そういうとpohは自分の腕にメイトチョッパーを突き立てた。その理解しがたい行動に一瞬動揺してしまう。Pohは自分の腕からメイトチョッパーを抜くと、私に斬りかかってくる。私はそれを避けようとしたが今までとは比べ物にならない速さで襲いかかってきた。Pohの5連続の斬撃のうち2度斬られてしまい、それだけで私のHPは6割も減ってしまった。
Pohはフードの中で不気味に口元を歪めている。
「ぜあぁぁぁぁ」
掛け声と共に私の横を通りすぎ、黒い影がpohに突っ込んでいく。黒い影がpohと剣を交え、後方に押し飛ばす。
「ごめん。アスナ。遅くなって。」
私は目から涙が溢れた。今や、私の最愛の人の声が聞けたことがとても嬉しかった。
「来てくれるって信じてた。ありがとう、キリト君。」
後方に押しやられたpohがブーツを鳴らしながら歩いてくる。
「会いたかったぜ、キリトよ。前は逃がしちまったからな。」
「黙れ。」
キリトは今までにないくらいの怒気を放ちながら続けた。
「Poh。俺はお前だけは許せない。アスナを、ユカを苦しめる原因となったお前だけは。」
そういうとキリトはpohに斬りかかる。二人は互いにソードスキルを使わずに斬りあっている。お互いの力量を認めあってるからこそ、隙の生まれるソードスキルは簡単には使えないのだ。Pohはメイトチョッパーの効果と暗黒剣のスキルで大幅にステータスを強化している。キリトは高いレベルとエリュシデータとダークリパルサーという魔剣クラスの武器2本、この時点で筋力値ならpohと張り合える。それに加えて二刀流のおかげで手数は単純に2倍。二人の強さは拮抗している。
「いいねぇ。やっぱりお前は最高だ。」
二人は一度攻撃の手を止めた。
後ろからHPを回復させたアスナがキリトの横に並ぶ。
「もう大丈夫。私も戦うよ!」
「ああ、頼む。」
アスナの目には以前のような力強さが戻っていた。
「流石に今のままじゃあ、二人同時に相手するのは厳しいなぁ。」
そういうとpohはまた自分の腕にメイトチョッパーを刺した。
「じゃあな。また会おうぜ。」
そういうとpohは建物の上に飛び上がり、すごい速さで走り去っていく。キリトとアスナは後を追いかけたが、pohは転移結晶を使ったためそれ以上の追跡は不可能だった。
「くそ。」
キリトは悔しそうに舌打ちをする。
「キリト君!今はpohより先に黒鉄球の方に加勢に行こう。」
「ああ、そうだな。」
キリトとアスナは黒鉄宮へと急いだ。
キリトとアスナが黒鉄宮に着くと、異様な光景が広がっていた。
軍の人たちは黒鉄宮の奥の方にいるみたいだ。黒鉄宮の入り口付近にはラフィンコフィンのメンバーと思われるプレイヤー達が7人転がっている。麻痺しているようだ。また転がっているプレイヤー達は全員手首から先が斬り落とされている。転がっているプレイヤーの中にはジョニーブラックもいた。そして今は二人のプレイヤーが戦っていた。一人はラフィンコフィンのザザだ。もう一人のプレイヤーは黒のフードつきマントを装備しており、誰かは分からない。
しかし、キリトとアスナにはそのプレイヤーが何者かすぐに分かった。こんなことができるのは一人しかいない。
そのプレイヤーはザザを斬り、ザザは麻痺で動けなくなった。そのプレイヤーはキリトとアスナに気づくと体の向きをかえ、逃げようとした。
「待って!」
アスナが叫んだ。
「ユカ!」
ユカはその場から走って逃げた。キリトとアスナはユカを追いかけた。
「待って!お願い、ユカ。逃げないで!」
「ユカ。止まってくれ。」
ユカは足を止めた。背を向けたままその場から動こうとしない。
アスナはユカの背後までかけよると、そのままユカを抱きしめた。
「ごめんね。…ごめんね。」
アスナの目には涙が浮かんでいる。アスナはユカが人を殺してしまったことを知っている。そしてその原因は自分だ。アスナは謝る以外の言葉が出てこなかった。
そしてユカは体の向きをかえ、アスナに抱きついた。ユカも目には涙が浮かんでいる。口からは嗚咽を漏らしながら、アスナにしがみついているようだ。
少し遠くにいるキリトはしばらく抱き合って泣いている二人を静かに見守っていた。