キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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 Pohが強くなりすぎちゃったような気がする...




 今回はほとんど会話になります。


鼠は人をからかいます

 

 

 Pohが転移した後、私は50層の主街区・アルゲードに向かった。アルゲードは何というか、ややこしい街である。建物は所狭しと並び、街の中はほとんど迷路で迷ったら自力での脱出は困難と言われているほどだ。

 私はこの街の中のある店を目指した。狭い道に入り右に左に五分ほど歩いたところにある小さなカフェだ。店内は静かな雰囲気であり、出てくる料理と飲み物もおいしい。だが立地がかなり悪いためプレイヤーにはあまり知られていない。

 私はこの店のドアを開けた。

 

 「おっ!ユーちゃん、こっちこっチ!」

 

 「すいませんアルゴさん。いきなり呼び出したりしちゃって。」

 

 店内にはさっきメッセージを送っておいたアルゴさんが先に来ていた。

 

 「それで、今日は何の用なんダ?」

 

 「...Pohのこと。」

 

 「ユーちゃんまたあいつらにあったのカ?」

 

 「うん。今日はPoh一人だけだったけど、会ったのは最前線の51層なんだよ。」

 

 「ラフコフの奴ら最前線で活動しているのか!?そんな情報は聞いたことないな。」

 

 「いや、最前線で活動しているというわけではないみたい。Pohは武器を取りに来ていたみたい。そしてその武器が問題なんだ。」

 

 私はそれからPohの手に入れた武器・メイトチョッパーとPohとの会話した内容などを話した。

 

 「つまり、今のPohはユーちゃんと同じくらい強いってことカ。」

 

 「うん。私もあのまま戦っていたら勝てるかわからなかった。それほどあの武器は強い。それにPohのレベルも相当高いはず。」

 

 「なるほどナ。ただそうなるとPohと遭遇した時点でほとんどのプレイヤーが勝てないナ...」

 

 「うん。逃げるしかないね。ただ攻略組なら複数人いれば簡単にはやられないとは思う。」

 

 「ていうかその武器チートだロ。全く作ったやつの顔が見てみたいゼ。」

 

 「ほんとにね。」

 

 「ユーちゃんが50層のボスのラストアタックの武器を使えば勝てるんじゃないカ?話を聞くに扱える武器なんだロ?」

 

 「それが...刀なんだよねぇ。何で騎士のボスのドロップが片手剣じゃなくて刀なんだよ!!」

 

 「ニャハハハ、まあ、イノシシやドラゴンから片手剣がドロップする世界だからナ。ちなみにドラゴンのボスの方は片手剣だったみたいだゾ。」

 

 「え~~~。なんか、納得できない。まあ、剣舞のスキルがあるから刀でも問題ないんだけどね。あとは慣れの問題。」

 

 私はその刀をオブジェクト化した。

 

 「これがその刀・白雪だよ。」

 

 私の手には真っ白の刀が出現する。少しそりのある刀。いや、ほんと真っ白。

 

 「ホ~。白雪カ。」

 

 「うん。ステータスは魔剣クラスだよ。」

 

 「メイトチョッパーみたいに特殊スキルみたいなのはないのカ?」

 

 「ジャンプ力が上がるみたい。」

 

 「敏捷値が上がるっていうことカ?」

 

 「ジャンプ力だけ...。一応斜めにも飛べるみたい...」

 

 「...そうカ。いや、悪くはないんだけど、メイトチョッパーの話を聞いた後だとちょっとナ...」

 

 「ど、ドラゴンの方のラストアタックは特殊スキルとかなかったの?」

 

 「筋力値が上がるらしイ。ただ武器の要求筋力値が高すぎてギリギリ装備はできるらしいけど重すぎて振りまわされるみたいダ。」

 

 「その前に誰がラストアタックとったの?」

 

 「キー坊だヨ。」

 

 「キリトが振り回されるってどんだけ...。」

 

 「ユーちゃんは装備できるノ?」

 

 「私の方は敏捷値が高いけどぎりぎりとどいてるから装備しても問題ないよ。ていうかキリトがちゃっかり取ってたんだね。」

 

 「前にPKのことで話したときに教えてもらったんダ。」

 

 「PK?」

 

 「ああ、何でもタイタンズハンドっていうレッドギルドを捕まえてたナ。それでフローリアでビーストテイマーのシリカちゃんってプレイヤーとデートしてたって情報もあるゾ。」

 

 「えっ!!!」

 

 「今のはメイトチョッパーと白雪の情報のお礼だヨ。」

 

 「シリカちゃんってたしか私の記憶が正しければ小学生くらいだったような...」

 

 「そうだヨ。」

 

 カ、カズ。この世界ロリコンの人が多いとはうすうす感じていたけど、まさか、小学生にまで手を出すとは。でもまだカズは中学生。年の差的に見ればセーフ?いやカズが先天的に小学生くらいの子が好きだとしたら。人の趣味はそれぞれだけど手出しちゃったら世間的にはまずいんだよ。まって、たしかカズは現実世界で胸がでかい人のほうが好みだったはず。カズが隠れて見ていた動画の人も」

 

 「ユーちゃん!声出てる出てル。あとそれ以上はキリトがかわいそうだヨ。キリトの別の呼び方は聞かなかったことにしておくヨ。」

 

 「あっ!すいません。」

 

 「あとキー坊がフローリアにシリカちゃんと一緒にいたのはシリカちゃんがタイタンズハンドに狙われていたからだヨ。」

 

 「そ、それなら最初からそう言ってくださいよ。」

 

 「ニャハハハ。ごめんネ。」

 

 そういうとアルゴさんは椅子から立ち上がった。

 

 「オレっちはそろそろ行くよ。Pohのことはプレイヤーが混乱しないくらいに注意しておくよ。」

 

 「お願いします。あと今日はありがとうございました。」

 

 アルゴさんは手を振って店から出ていった。

 

 

 

 

 


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