キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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アインクラッド
双子でSAOにログインするみたいです


 

 

 「カズ! ついにこの日がやってきたぞぉ~」

 

 「がはっっ…」

 

 朝5時、まだ朝日も昇っていないような時間に俺は布団をはぎ取られ、ベットから床にたたきつけられた。それも顔面から。

 

 「あ、ごめん。その、大丈夫?」

 

 「…大丈夫なように見えるか?」

 

 「でも本当に大丈夫じゃない人は呼びかけても反応しないっていうくらいだから、大丈夫だよ、多分…」

 

 「いや、そういう話をしているわけじゃn

 

 「そ、そんなことよりついに今日だよ今日。SAO開始日だよ!」

 

 この俺を顔面から床にたたきつけた奴の正体は、双子の妹の優香だ。昔からちょっとそそっかしく、自分に都合の悪い話はうまくかわしていく。

 そんな優香がなぜこんなことをしたかというと、今日はソードアートオンラインの正式サービスが開始される日なのだ。完全な仮想現実で剣を手にしてモンスターを倒していく。ゲームの中なのに自分の体を動かしているような体験ができるため、まるでおとぎ話の中に入っているような体験ができる。

 というのも、俺たち双子はSAOのベータテストに当選し、このゲームを一足先に体験しているのだ。あの頃は二人で一日中ゲームをしたもんだ。あまりにやりすぎたもんだから母親に取り上げされそうになったときはさすがに自粛したが。

 

 「でも、正式サービスが開始されるのは午後一時からだし、まだ早すぎるだろう。」

 

 そうだ。正式サービスが始まるのは午後一時からなのだなのでこんな時間に起きる必要は全くない。

 

 「楽しみすぎて目が覚めちゃった。」

 

 「俺を起こす必要なくね?」

 

 「この熱い気持ちを誰かに伝えたいんだよ!」

 

 「ゲーム中に眠くなっても知らないぞ。」

 

 「大丈夫。レッ〇ブル買ってるから。」

 

 「…そうか。」

 

 どうして妹はこうも残念に育ってしまったんだろうか。ほんと、これで勉強ができるのが信じられない。性格さえ、性格さえ何とかなれば。あと胸と。あれじゃあ、男の俺ともほとんど変わらないんじゃ……

 

 「カズ。なんか言いたそうだけど、なに?」 

 

 「イイエ、ナニモアリマセン。」

 

 「いや、言わなくてもいい。私だって双子だ。カズの言いたいことはなんとなくわかってる。」

 

 「…え?」

 

 「世の中そんなに巨乳がえらいのかぁぁぁ!こっちだってなりたくてなったわけじゃないのにぃぃ!」

 

 「…え?」

 

 「カズもやっぱりおおきほうがいいの?」

 

 「いや、それはその…」

 

 「どっちなの?」

 

 これはどっちと答えるのが正解なのだろうか。どっちを答えても気まずい雰囲気になりそうなんだが。

 

 「はやく、どっちがいいか答えt、ガラっ

 

 俺が優香に問い詰められていた時、俺の部屋のドアが開いた。そしてそこには鬼(母さん)が立っていた。

 

 「あんたら今何時だと思ってんの?」 

 

 あ、だめだこれ。マジ切れしているときの声のトーンだ。逆らえば殺られる。

 

 「「ご、5時です」」 

 

 「わかっていてなんでこんなにさわいでるの?」

 

 「「ご、ごめんなさい」」

 

 「寝るか静かにしてるかどちらかにしろ」

 

 「「わ、わかりました」」

 

 そして母は部屋に戻り、優香も自分の部屋に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして現在12時59分、待ちに待った時間になった。今頃優香もナーヴギアをかぶり自分の部屋で転がっているだろう。あっちの世界で会う約束もしたし、ログインしたらすぐに合流できるだろう。じゃあ、13時になったし行くか。

 

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