剣の帝の異世界冒険   作:アルクロ

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第四十一話「悪意の喪失と善意の悪意」

あらすじ

会議に呼び出された剣帝とセラフォルーは会議終了後、すぐに戦争に向かい始める、一方その頃夜鴉は自分の配下を何処へと向かうように命令していた

そして、開戦して少し経つと魔術師の策略により魔術を封じられた剣帝、だが、剣帝は記憶に存在していた魔法と自分の剣を使って敵を倒していくのだった

――――――――――――――――――――――――――

剣帝「よっ!はっ!せいっ!」

 

朱色の空で剣帝は悪魔や魔術師達からの魔術師を切り裂き発動者を切り捨てていた

 

剣帝「はぁ…はぁ…流石に少し数が多いな…」

 

剣帝の目線の先には500は超える敵が居る、剣帝がそれを見つめていると

 

魔術師B「今だぁ!」

 

剣帝の後ろから斬られたはずの魔術師が炎の魔術で攻撃を仕掛けた

 

剣帝「なっ!?しまっ!」

 

魔術は剣帝に直撃し煙が起きた

 

魔術師B「良しっ!」

 

魔術師が喜んでいると煙が徐々に晴れていき

 

剣帝「いってぇ……」

 

腕が焼けている剣帝の姿が見えた

 

剣帝(チッ、魔術が使えないってだけでこうもダメージを入れられるのか…あの魔法は速攻性は無いし…)

 

剣帝はそんな事を考えながら自分の傷付いた腕を見て、動くかどうかを確かめた

 

剣帝「………無理か、治るまでは30分って所かな」

 

剣帝がそう呟いていると

 

??「フンッ、流石に偽物の魔王の眷属と言う訳だな、中々硬いではないか」

 

と剣帝の後ろから声がした

 

剣帝「誰だ?お前は」

 

剣帝が振り返るとそこには茶髪の長髪で軽鎧にマントを付けた恰好をした男が居た

 

シャルバ「我が名は真の魔王、ベルゼブブの正当なる後継者、シャルバ・ベルゼブブ」

 

男は腕を組みながらそう答えた

 

剣帝「シャルバ・ベルゼブブ……」

 

剣帝は使えない左腕を体の後ろに隠しつつ右腕のみで剣を構えた

 

シャルバ「フッ、あの程度の魔術師に傷付けられるような雑魚がカテレアに勝つとはな」

 

シャルバが左手を剣帝にかざすと天から光が剣帝に向けて降り注いだ

 

剣帝「グゥッ……」

 

光に当たると剣帝は苦しそうにうめき声を出した、その様子を見ていたシャルバは

 

シャルバ「貴様の大切にしている物を全て私が破壊して、貴様の元へ送ってやろう、ゆえに、貴様のような赤い汚物はとく死ぬが良い」

 

と言い放った、すると剣帝の頭に一人の少女の姿が浮かんだ

 

??「剣帝~」

 

次の瞬間、その姿が消し飛ばされる情景も思い浮かんだ

 

剣帝「あ……あぁ……」

 

剣帝が絶望に打ちひしがれた様な声を出していると剣帝の頭に声が響いた

 

???(お前の大切な物、つまり、あの娘を殺すってよぉ……良いのかぁ?そんな事を許しちまってもよぉ…)

 

その声に呼応するように、剣帝の心にはとある感情が渦巻き始めた

 

剣帝(嫌だ…嫌だ…あの娘を失いたくない…あの娘は俺の光だ…あの娘を奪われたくない…)

 

剣帝にそんな思いが渦巻いていると

 

??(なら、あそこの敵を消さないとな…だがなぁ、今のお前じゃ無理だなぁ…こりゃ諦めるしかないなぁ)

 

その声を聞いた剣帝は

 

剣帝(無理…諦める…あの娘を護れない…嫌だ…そんなの…絶対に…嫌だ!)

 

剣帝の頭にその考えが浮かんだ瞬間に剣帝の髪が朱色に染まり剣帝の動かなくなった筈の左腕が紅く光り始め、剣帝に降り注いでいた光が弾かれた

 

シャルバ「何っ!?」

 

シャルバが驚いていると

 

剣帝『我、目覚めるは…』

<始まったよ><始まってしまうね>

 

剣帝が言葉を唱え始めると

 

剣帝『覇の理を神より奪いし二天龍なり―』

<いつだって、そうでした><そうじゃな、いつだってそうだった>

 

言葉を進めるに応じて剣帝の姿が変化し

 

剣帝『無限を嗤い、夢幻を憂い―』

<世界が求めるのは―><世界が否定するのは―>

 

大きく肥大化し始め

 

剣帝『我、赤き龍の覇王と成りて―』

<いつだって、力でした><いつだって、愛だった>

 

元の剣帝の姿では無くなってしまい

 

ドライグ≪何度でもおまえたちは滅びを選択するのだなっ!≫

 

剣帝が言葉を唱え終わると剣帝の姿は紅い蛇のような龍のような顔の巨大な怪物となってしまった

 

シャルバ「何だ…この力は…」

 

シャルバは変化した剣帝に畏怖を感じ転移魔法陣を展開し逃走した

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

怪物になった剣帝は鳴き声を上げ辺りの敵味方を関係無く攻撃し始めた

 

セラ「何…あれ…」

 

セラフォルーは遠くから剣帝だった怪物の姿を見ていた

 

~???~

 

黒い空間の中に剣帝は眠った状態で浮かんで居る

 

剣帝「うっ…うぅん…此処は…」

 

剣帝は辺りを見回した

 

剣帝「…俺の精神内か…それにこの色」

 

剣帝がそんなことをブツブツと言っていると

 

??「ヒャーハハハハハハッ!起きたかクソ野郎!」

 

剣帝の頭上から喧しい笑い声がした

 

剣帝「ハァ…お前に唆されるとは俺も落ちたものだ」

 

剣帝がそう言って呆れていると

 

??「んだよ、お前が弱いから俺様が動いてやったんだから感謝しやがれよ」

 

と男は剣帝の目の前に降りて来ながら言った、その男の容姿は剣帝にそっくりだった、髪色が黒いことを除けば

 

剣帝「…うるせぇなぁ、黙ってろよ、黒」

 

剣帝は苛つきながら降りて来た男、黒を睨んだ

 

黒「ヒャハハッ、睨んだところでテメェが無力なのは変わんねぇんだからよ、諦めて俺様に完全に身体を寄越せよ」

 

黒はそう言いながら剣帝を見ている

 

剣帝「断る、誰がお前に明け渡すかよ」

 

剣帝は黒の持ち掛けを断った

 

黒「……チッ、今までは体が無くなると困るから力を少しやったりしたが、そういうんなら仕方ねぇ、ボコボコにして精神内に閉じ込めてやる」

 

黒はそう言うと剣帝の持っている剣そっくりの黒い剣を取り出した

 

剣帝「ヤダね、俺の体は俺の物だ」

 

剣帝も自分の近くに浮遊していた紅い剣を持って構えた、そして、双方同時に切りかかり鍔迫り合いになった

 

黒「大体!最初からお前がこっちの世界に来たいとか言わなきゃこんな面倒な事しなくて良かったんだよ!」

 

黒はそんな文句を言いながら剣を押した

 

剣帝「知るかよ!俺が何をしようが俺の勝手だろうが!」

 

剣帝も剣を押し返した

 

黒「俺様が体内に居るの知ってた癖にそれを言いやがるか!」

 

黒は鍔迫り合いを止め剣帝から距離を取った

 

剣帝「あぁ、言うね!」

 

剣帝も黒から距離を取った

 

黒「昔からテメェはそうだよな!自分勝手に決めて俺様の事情なんぞ完全無視だもんな!」

 

剣帝と黒は同時に切りかかり刃をぶつけ合った

 

剣帝「俺の体なんだから俺がどうしようが勝手だろうが!」

 

剣帝はぶつけ合いの隙を付き黒の鳩尾を蹴り、黒を吹っ飛ばした

 

黒「ガハッ!!いってぇなぁ」

 

数百m吹っ飛ぶと体が止まり、剣帝に向かって飛んで行った

 

剣帝「流石黒だな、力の開放率が5割になってる俺の蹴り受けても数百mだけだもんな」

 

剣帝の体は身は力に満ちていた

 

黒「やっぱり開放率上がってたか!道理で俺様も力が湧き出る訳だな…」

 

黒はニヤリと笑った

 

黒「さぁ!楽しい楽しい争いの続きを始めようぜ!」

 

剣帝と黒はまた剣と剣の撃ち合いを始めた

 

~朱天の荒野~

 

セラ「辞めて剣帝君!」

 

セラフォルーは必死に怪物と化した剣帝の足を凍らせていたが

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

剣帝の首と思われる場所から生えている頭の上に存在している角から放たれた紅い雷に氷は破壊されてしまった

 

セラフォルー「キャア!」

 

セラフォルーは氷が破壊された際に起きた爆風に押されてしまった

 

サーゼクス「やはり彼はもう戻らないようだ」

 

サーゼクスはそう言いながら右手に魔力を溜めている

 

アザゼル「まっ、仕方ねぇわな」

 

アザゼルも巨大な光の槍を出現させた

 

ミカエル「彼には申し訳ありませんが、コチラの陣営にこれ以上被害を出す訳にはいきません」

 

ミカエルもそう言いながら巨大な光の槍を剣帝に向けた

 

セラ「待って!!」

 

セラフォルーは三人を止めようとしたが

 

サーゼクス「フンッ!」

 

アザゼル「おらよっ!!」

 

ミカエル「ハァッ!!」

 

剣帝に向けて攻撃が放たれ爆発が起きた

 

セラ「嫌ァァァ!!剣帝君!!」

 

セラフォルーが剣帝のち核へと飛んでいこうとしたが

 

サーゼクス「待つんだセラフォルー!彼はもうさっきの攻撃で」

 

サーゼクスが腕を掴んでセラフォルーを引っ張ろうとすると、剣帝の居た方向の煙からゴキュッゴキュッ、と何かを飲むような音がした

 

サーゼクス「この音は一体……」

 

煙が晴れると其処には変わらず怪物と化した剣帝の姿があり、身体の所々に何かが流れているような動きが見える

 

サーゼクス「あの光の動き…そして、この音……まさか!?」

 

サーゼクスは一つの結論を導き出した

 

ミカエル「恐らく貴方の考えの通りでしょう」

 

とミカエルも何かしらの答えを導き出していたようだ

 

アザゼル「まっ、それしか有り得ねぇわな」

 

アザゼルも納得したような顔をしている

 

セラ「えっ?えっ?どういう事?」

 

セラフォルーがそんな疑問を浮かべていると

 

サーゼクス「彼は我々の攻撃を受けたのにも関わらず無傷だった」

 

サーゼクスが説明を始めた

 

セラ「うんうん」

 

サーゼクス「そして、攻撃され後に聞こえるあの何かを飲み込むようなこの音」

 

セラ「もしかして…」

 

サーゼクス「先程より強くなった攻撃、つまり、彼は我々の攻撃を」

 

サーゼクスが説明していると

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

怪物の身体から無数の触手が伸びて空中にいる魔術師を捕まえ

 

魔術師C「な、何をする!?離せ化物ぉ!!」

 

触手ごと口の中へと放り込んだ、その次の瞬間からまた、ゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ、と言う音が聞こえ始めた

 

魔術師D「よ、よくも仲間を……死ねぇ!!」

 

魔術師は激昂しながら剣帝の頭部目掛けて魔術を放った、それは剣帝の顔に命中し煙がまた起きた

 

魔術師D「死ねぇー!!!」

 

魔術師は次々と魔術を放ち続ける

 

サーゼクス(これでまたあの音がしたら確定だ)

 

全て命中しているかと思った、だが、一発目以降からはゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ、と音がするだけで爆発は一切起こらなくなった

 

魔術師D「ハァ……ハァ…どうだ」

 

魔術師は魔術を放つのに必死で爆発が起こらなくなった事に気付けなかった、そして、疲労している魔術師に向かって触手が容赦無く伸び、また一人が剣帝に食われた

 

サーゼクス「やはり彼は我々の攻撃を吸収しているようだ」

 

それを聞いた瞬間に両陣営の部隊員は顔を青ざめさせた

 

~剣帝の精神内~

 

剣帝「お前との戦いを飽きたからな…そろそろケリを付けてやる」

 

剣帝は疲労しながらそう言い右手に灰色、左手に赤黒い光球を出現させた

 

黒「ゲッ……そう来るんだったら俺はこうだ!」

 

黒はそう言いながら黒い太陽を作り出した

 

剣帝&黒「「スペルカード宣言突破!!」」

 

剣帝と黒は同時に叫ぶと

 

剣帝「双蛇龍砲『ダラ・ツイン・バーストォ!!』」

 

剣帝は黒に向けて灰色と赤黒い色が混ざり合った極太ビームを放った

 

黒「落天『中天から堕つる黒い焔』!!」

 

黒も剣帝に向けて黒い太陽を数十倍の大きさにして落とした

 

剣帝「負けるかァァァァ!!!」

 

黒「死ねぇぇぇ!!」

 

剣帝と黒が放った技はぶつかりあい、互いに押し合い、黒い空間を光で包むような大爆発を起こした

 

~朱天の荒野~

 

剣帝『GAAARUUU!!!』

 

剣帝だった怪物は突然唸り声を上げると動きを止めた

 

セラ「止まっ……た?」

 

セラフォルーがゆっくりと剣帝に近付くと

 

剣帝『GARUU!!!』

 

剣帝はセラフォルーに向かって口を開いて首を伸ばした

 

サーゼクス「セラフォルー!」

 

~剣帝の精神内~

 

剣帝「ふぅ……俺の勝ちだ」

 

剣帝は傷だらけの姿で立っていた

 

黒「チッ…流石に…ゲホッ…体の所有権を…ゴホッゴホッ…元から持ってるテメェにゃ勝てねぇ…か」

 

黒は剣帝の前に仰向けになって倒れている

 

剣帝「さて、これで終いだな」

 

剣帝がそう言いながら黒に近付くと、空間に亀裂が走った

 

剣帝「なっ!?まさか!」

 

剣帝が驚いていると

 

黒「ヒヒッ、現界の身体が俺の敗北にに引っ張れて崩壊し始めたか」

 

黒はニヤニヤとし始めた

 

剣帝(俺の体が壊れたら俺は無事だ…だが黒が笑っていられるりゆうって……!!)

 

剣帝は考え、そして、即座にとある事柄を思い出した

 

ロキ『呪いあれ』

 

剣帝「………まさかお前、元からアレを狙って!」

 

剣帝は黒の狙いに気が付いたが

 

黒「せぇいかぁい、まぁ、もう打つ手なんて無いけどなぁ?」

 

黒がそういった次の瞬間には空間が砕け散った

 

~朱天の荒野~

 

剣帝「…………此処は…」

 

剣帝が目を覚ますと元の朱色の荒野に倒れていた

 

セラ「剣帝君!目が覚めたんだ!」

 

剣帝が上半身を起こすとセラフォルーが抱き着いた

 

剣帝「うおっ…セ、セラ様!?どうしたんですか?」

 

突然抱き着かれて剣帝が困惑していると

 

セラ「化物の姿から剣帝君元に戻っても全然起きないから心配したんだよ?」

 

とセラフォルーが説明した

 

剣帝「そうでしたか……御心配をお掛けしました」

 

すると、剣帝はセラフォルーに頭を下げて謝罪した

 

セラ「えっ!?謝らないでよ、剣帝君は何も悪くないんだし、だから顔を上げて?」

 

とセラフォルーがそう言うと剣帝は頭を上げ、立ち上がり戦闘の後始末に行こうとした、が

 

セラ「そういえば剣帝君…この写真の娘誰?剣帝君とどんな関係?」

 

セラフォルーがそう言って剣帝に呼び止めた

 

剣帝「えっ?誰の…事……です…か?」

 

剣帝が振り返るとセラフォルーが一枚の写真を持っていた、その写真には幸せそうに笑う剣帝とその隣に白髪の少女、そして、その少女に良く似た黒髪の少女と剣帝の頭の上に楽しそうにピースをしながらこれまた剣帝の隣の少女に良く似た猫耳の付いた少女が写っていた

 

剣帝「えーっとぉ……それはぁ…そのぉ…」

 

剣帝が背中に冷や汗をかいていると

 

黒「その写真の娘達は…ゼェ…剣帝の…ハァ…娘さん達と…奥さんだ…」

 

剣帝が倒れていた位置から少し離れた所から黒が出て来た

 

セラ「えっ?えっ?剣帝君が二人居る!?」

 

セラフォルーがそう言って驚いていると

 

剣帝「てんめぇ……やっぱり出て来てやがったか…」

 

剣帝はそう言うと、右手で魔術を使おうとした、だが、その瞬間に立ち眩みが起きた

 

剣帝(しまった…魔力切れ…)

 

剣帝がそう考えながら体制を持ち直そうとしていると

 

魔術師「フハハッ!今が奴を討つ絶好の好機!!死ねぇ!!」

 

剣帝の後ろの瓦礫の中から1人魔術師が魔術を放った

 

剣帝「ゲッ……しまっ」

 

剣帝に向かって飛んで行った火球は剣帝が驚いている間に剣帝に当たり、爆炎が起きた

 

魔術師「良し!魔王セラフォルーのクィーンを討ち取った……ぞ?」

 

煙が晴れていくと、其処には変わらず無傷の剣帝とその真後ろに一人の女性が立っていた

 

??「妾の大切な主たる剣帝様に牙向こうとは、殺されたいらしいのぉ」

 

その女性の見た目は褐色の肌に白髪の長髪に着物姿、そして、一番の特徴は髪にまぎれて見える先端の黒い狐耳に八つの狐の尻尾が生えていた

 

黒「なっ…俺が出たのに乗じてテメェも出てきたのか?」

 

黒が驚いていると

 

剣帝「八剣!」

 

と剣帝が狐耳が生えている女性を見ながら言うと

 

八剣「久方振りじゃのぉ!妾の愛しき主、剣帝様よ~!」

 

八剣は剣帝の居る方向を向き剣帝に抱き着きキスをした

 

剣帝「んぐっ!?」

 

剣帝が驚いていると

 

セラ「あー!!私の剣帝君に何してるのぉ!!」

 

セラフォルーが急いで駆け寄り剣帝から八剣を引き剥がそうとし始める、が、八剣の力が思っていたよりも強く引き剥がせない

 

八剣「何じゃお主は!妾の愛しき剣帝様との楽しみを邪魔するでない!!」

 

セラフォルーが引き剥がそうとしている事に腹を立てた八剣がそう文句を言った

 

セラ「剣帝君は私のだもん!私の眷属だもん!!」

 

セラフォルーは対抗するかの様にそう言って怒り始めた

 

八剣「ほほぉー、剣帝様がお主の眷属…のぉ…つまり、お主は剣帝様より強いのか?」

 

八剣は黒い笑みを浮かべながらセラフォルーにそう質問した

 

セラ「それは………剣帝君は私よりゴニョゴニョゴニョゴニョ……」

 

その質問をされた瞬間にセラフォルーは口篭った

 

八剣「おやおや、どうしたのかのぉ?それでも剣帝様の主かのぉ?疑わしいのぉ、カカカッ」

 

八剣がそう言いながら嘲笑うと

 

セラ「そう言う貴女は剣帝君の何?すっごく仲良さ気だけど」

 

セラフォルーが反撃とばかりに質問した

 

八剣「妾か?妾は剣帝様の……妻じゃ…///」

 

八剣はそう言いながら頬をポッと赤くした

 

セラ「なっ…どういう事なの!剣帝君!さっきの写真の……アレ?剣帝君が居ない」

 

セラフォルーは辺りを見回したが剣帝の影も形も見当たらなかった

 

八剣「それならば、黒様じゃ!黒様!剣帝様は……何処へ行ったのじゃ…黒様も居らぬし…」

 

黒も姿を消していた

 

~瓦礫の下~

 

剣帝「危ねえ……あやうく俺の過去を探り入れられる所だった…」

 

剣帝は魔術師が出て来た瓦礫の下に隠れていた、実は剣帝は二人が口論を始めた隙にセラフォルーから写真を回収し唖然としていた魔術師を倒し、その魔術師が居た場所に隠れたのだ

 

黒「テメェがそんな写真持ち歩いてるから探られんだろうが!…このタコ!」

 

そして、黒もその時に便乗して動き同じ瓦礫の下に隠れていた

 

剣帝「うるせぇやい、第一写真の事バレたのは元はと言えばお前のせいだろうが!」

 

剣帝と黒は隠れながら小さな声で口論を始めた、そして、その間に黒は

 

黒(さて…慌ててたからなぁ…ボケの剣帝の近くに一緒に隠れちまった…今やり合うと俺確実に負けて体内に戻されるだろうなぁ…どうするかなぁ…困った…)

 

と逃げる手立てを考えていたが

 

黒の隠れている場所にどんどん近付いてくる足音が聞こえる

 

黒(あっ…)

 

黒が足音に気付くと

 

剣帝(バレたかな?)

 

剣帝も気付き、唾を飲んだ

 

??「さぁ来なさい」

《Drive typeNEXT!》

 

黒の首を謎の腕が掴みあげた

 

黒「うぐっ……」

 

黒は苦しそうな声を上げ、足をジタバタとバタつかせた

 

剣帝「ソイツを連れて行かれると困るんですよねぇ」

 

黒が掴み上げられた所を見ていた剣帝はメモリを取り出し

 

《Joker!!》

 

とメモリを鳴らし、変身した

 

??「ふむ。だから何だと言うんだ?」

 

と謎の二人組の片方が構えもせずに剣帝を見ていると

 

少女「あはっ♪ここは僕に任せたまえよ」

 

ロングの黒髪ストレートの白いワンピース姿の少女が剣帝を蹴り飛ばした

 

剣帝「グハッ!この力はもしかして……夜鴉様の命令ですか?」

 

剣帝は蹴り飛ばされ数m吹っ飛ぶとすぐに体制を持ち直した

 

??「貴様、ここがどの場所か解っているのか!」

 

と現れた謎の二人組の片方がもう片方のワンピースの少女に対して言った

 

少女「わかってるよ~?でもでもこんな事しないと彼に構って貰えないしね~♪それとこいつを殴りたかったのもあるしねぇ~」

 

とワンピースの少女は言い返した

 

??「ふん。勝手にせよ私はこいつを連れていくだけだ」

 

と謎の二人組の片方は黒を持って去っていった

 

少女「解っているよ~で、何だっけ?」

 

彼女達は剣帝を無視して話をしていた後に少女は剣帝に向き直った

 

剣帝「………流石夜鴉様の配下ですね…興味が無いと話をあまり聞かない」

 

剣帝はそう言いながら変身を解いた

 

少女「ん~、僕は彼の配下でも何でもないよ。どちらかと言うとライバルだもん♪」

 

と楽しそうに少女は言った

 

剣帝「…………」

 

剣帝は絶句して居た、そして、その心の中は

 

剣帝(あっ、勝つの無理ポ、\(^o^)/)

 

と完全に諦めていた

 

古城「僕は古城恵、またの名を本筋の守護者だよ」

 

と少女は自分の名を名乗った

 

剣帝「…………何でそんなに強い方が来るんですか。本来の俺でも手も足も出ない相手じゃないですか」

 

剣帝はそう言いながら小さな白旗を振った

 

古城「何で来ているかって?簡単な話だよ。君が気に食わないからに決まってるだろ?」

 

と少しだけ怒気を交えた声で言った、すると

 

剣帝「何で初対面で気に食わない発言されにゃならんのですか!?」

 

剣帝は理不尽な意見に対して驚きを示した

 

古城「何で君なんかが彼に気に入られているの?彼は僕だけの物の筈なのに死んでも彼は僕の元へ戻ってきたんだよ。つまり彼と僕は繋がっていると言う事だよ。前世でも恋人同士だったからね。ああ、でも喧嘩別れしたときに彼は死んでしまったから本当の意味で別れた訳じゃないだよね彼はその事を忘れているみたいだけどね。ああ、でも僕は君が気に食わない理由だったね。君なんかが彼に色々貰っている事と彼の一部を持ってるからだよ。理由はそれだけさ」

 

と古城は言い連ねた、そして

 

剣帝「あー……えー…あのぉ…」

 

その様を見ていた剣帝は古城恵に気圧されると同時にとある事柄を思い出した

 

??『剣帝様、何故貴方は何時も何時も私達からお逃げになるのです?私達の何が気に食わないのですか?何処ですか?お応え下さい、さぁ、さぁさぁさぁ!』

 

剣帝はその記憶を思い出し、顔を青ざめさせた

 

剣帝「ヤン…デレ…」

 

と剣帝が呟くと

 

古城「僕はヤンデレじゃないよ。彼に依存してるだけだよ」

 

古城恵はそう言って剣帝の言った事を否定した

 

剣帝「依存って…」

 

剣帝は更にそう呟いてから余所見をした

 

古城「さぁてと時間稼ぎはそろそろ良いかな」

 

古城は剣帝を見ながらそう言った

 

剣帝「時間稼ぎ…あっ…」

 

剣帝は黒を持ち逃げされた事を忘れていた

 

「じゃあ僕は帰るよ。ふふふ、これで彼にまた虐めて貰えるよフフフフフフフフフ」

 

古城はそう笑いながら去って行った

 

剣帝(どう見てもヤンデレ……いや、ドMか…)

 

剣帝がそう考えていると後ろから八剣とセラフォルーに捕まり、セラフォルーには質問責めをされ、八剣からは襲われかけた




無名「よぉ、読者諸君、毎度お馴染みの無名さんだぜ、っと、さてさてさぁて、早速今回の話を振り返るとしようか………相変わらずあの二人は仲悪いのか良いのか…まぁ、アイツは剣帝の影みたいなもんだし……っと今回はこんなもんだな、それじゃまた次回な!」

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