あらすじ
授かった力の使い方が分からず困っていたソーナ、だが、奇跡的に地面にあった水溜りに体が反射してベルトが出現し、変身する事に成功し、ロキと互角の戦闘を行えるようになったソーナ、だが、攻撃を防がれ逆に攻撃を喰らわせられ続けたロキが激昂し、本気でソーナを殺しに掛かったが、それは傷が完治し目を覚ました剣帝により防がれてしまった、だが、やはりロキには剣帝の攻撃であろうと防がれてしまい、絶望を味わいかけたかと思うとウサミミの少女が現れ剣帝を二発程手に持っている杵で叩かいたかと思えば、その少女が去った後から剣帝の力が数段上がりロキを圧倒し、無事にロキを撃退することに成功したのだった
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―セラフォルー邸:剣帝の部屋―
剣帝「(´Д`)ハァ…昨日のロキとの戦いは疲れたなぁ…」
剣帝は椅子に座りつつ赤い本を右手で開きながら左手を握ったり開いたりしたしながらそう呟いた
剣帝(やっぱりだ、昨日のロキとの戦闘途中でウサリアちゃんに殴られてから封印が緩んでる気がする、封印を10分割にすると、ウサリアちゃんに殴られるまでが1割でウサリアちゃんに殴られてからは3割ってくらいに変わってる…)
そう剣帝は思った
剣帝「……これからは物とか壊さないようにもっと注意しないとな……」
剣帝はそう言いながら左手にペンを持つと目の前にある机に持っていた赤い本を置いてペンを右手に持ち替えて向かった
―一方その頃セラフォルーは―
セラ(剣帝君がロキとの戦いから帰ってきてからよく疲れたって言ってるから疲れが無くなるような事してあげたいなぁ…そーだ!料理作ってあーげよっと)
と考えつつセラフォルーは厨房へと足を運んだ
セラ「という訳で料理するから味見宜しくね?リオールちゃん」
そう言われたリオールは少し困った顔をしていた
リオール(セラフォルー様の命は断れませんが…どうしましょうかね…セラフォルー様って料理が…)
リオールがはそう心の中で考えながらとある状況を思い出していた
―リオールの回想―
セラ「はい、剣帝君、私が一人で頑張って作ってみたから食べてみて?」
そういってセラフォルーは剣帝にカレーを食べさせようとしていた
剣帝「あっ、はい、頂きます」
剣帝はそのカレーを受け取り一口食べ
剣帝「美味しいですね」
と笑顔で言った
セラ「えへへ〜、有難う剣帝君」
剣帝「………セラ様、鍋の火はちゃんと消しましたか?」
と剣帝がセラフォルーに聞くと
セラ「う〜ん、もしかしたら消し忘れてたかも知れないから、ちょっと見て来るね」
そう言うとセラフォルーは厨房へと向かい、退室した
剣帝「…………」
セラフォルーの退室を確認した直後に剣帝の顔が急激に青ざめ始めたので、リオールが
リオール「どうなさいましたか?剣帝様」
と聞くと
剣帝「食べてみたら……分かります…ゴフッ」
剣帝は音を立てずに倒れてしまった
リオール「……まさか…」
リオールは恐る恐るセラフォルーの作ったカレーを食べてみた
リオール「……こ、これは…」
カレーの味は甘さと辛さが同時にやって来るような味で、更に野菜はゴロゴロと塊状で硬かった…はっきり言うと
リオール「……お、美味しくない…」
リオールも剣帝とほぼ同時に倒れ、その後はそこをたまたま通り掛かったメイド達により各自室へと運ばれた
―回想終了―
リオール(あんなふうな物をまた剣帝様に食べさせたりしたら…また倒れられる!)
リオール「セ、セラフォルー様」
リオールの頭をその考えが過ぎりリオールは急いでセラフォルーを止めようと声を掛けたが
リオール「なぁに?リオールちゃん」
セラフォルーの前方にある鍋には既に完成済みの味噌汁があった
リオール「あ、味見を致します…」
リオールがそう言うとセラフォルーは鍋の前を横に退いた
リオール(あの時よりは恐らくはマシな筈です…チョコを一緒に作った時はちゃんと作れましたし…なので、セラフォルー様には申し訳ありませんが。転けるフリをして鍋の中身を捨ててしまいましょう…)
リオールはそう決心すると、唾を飲み込み味噌汁の味をお玉ですくって確認した
リオール「………」
リオール(カレーの時と同じ様な味がする…)
リオールの頭にそんな思いが出たかと思えば、リオールはその直後に気絶した
セラ「リオールちゃん!?」
その後、リオールが倒れた事に驚いたセラフォルーがメイド数名を呼びリオールを部屋へ運ばせ看護をさせたので何事も無かったそうだ
―リオールが倒れた10分後:剣帝の部屋―
剣帝は部屋の外、厨房でメイド長が倒れている事などつゆ知らず、黙々と赤い本に向かってペンを手に取り文字を書き連ねていたが
剣帝「……ん?」
ペンを持っている右手に違和感を覚えた、否、力が入りにくいという事実を確認した
剣帝(……力が抜けて行く?……違うな…封印が強まって力が1割に戻されたか)
剣帝はそう思うと
剣帝「ハァー……」
と溜息を付いた
剣帝「折角力が戻ったと思ったんだがな…そんなに甘くないか…」
剣帝がそう言いながら落ち込んでいると、部屋の扉から
セラ「剣帝くーん、開けて〜?」
とセラフォルーの声がした
剣帝「あっ、はい!了解しましたー」
剣帝は声に反応してすぐに椅子から立ち、扉を開けた、其処には蓋を被った先程の鍋を持っているセラフォルーが立っていた
剣帝「セラ様、その鍋は一体…」
と剣帝が問うと
セラ「えっとねぇ〜、剣帝君疲れたっていう昨日から言ってるから、疲れが取れるようにってお料理作って来たから食べて?」
とセラフォルーは笑顔で言った
剣帝はそれを聞いて、見た瞬間に背中に冷や汗を掻きながら
剣帝「あ、有難う御座います」
笑顔で感謝の言葉を言った
セラ「いーのいーの、剣帝君はいっつも頑張ってくれてるからね〜」
セラフォルーはそう言いながら部屋の中にある机の上に鍋を運んだ、そして
セラ「剣帝君、この本なぁに?」
と赤い本を指差して聞いた
剣帝「!!!ヤベッ!」
聞かれた瞬間に剣帝は高速で移動して本を閉じ、自分の後ろに隠した
セラ「あ~!剣帝君何で隠すの~?」
セラフォルーが少し怒ったような口調でそう言うと
剣帝「い、いえ、隠してませんよ?」
と剣帝は顔をセラフォルーの居る方向とは別の方向に向けてしらばっくれた
セラ「さっき、後ろに隠したでしょ!」
セラフォルーがそう言いながら剣帝の後ろに周りこんだが
セラ「アレ?無い」
剣帝の手には何も無かった
剣帝「見間違いだったんじゃないですか?」
と剣帝が誤魔化すと
セラ「うぅ〜ん、そうなのかなぁ?」
とセラフォルーは考えはじめた
剣帝「そ、そうだ!鍋の中身頂きますね」
と言いながら剣帝は鍋の蓋を開け、一緒に置いてあったお碗に味噌汁を注いだ
セラ「えっ?あっ、うん、食べて食べて〜?それで感想きかせてね?」
セラフォルーは近くにあった椅子に座りながらニコニコとしている
剣帝「………」
剣帝(嫌な予感がするが…セラ様悲しませたくないし……えぇいままよ!)
剣帝は一気に味噌汁を飲み干した、すると
剣帝(………なんだろう、渋い上に酸っぱい…その上味噌が溶けきってないからかなりドロドロしてるし……何より塩っ辛い…うん、カレーの時より不味い…)
剣帝の頭にそんな考えが浮かぶと剣帝も瞬く間に倒れた
セラ「えっ?えっ?何で倒れるの!?」
セラフォルーが慌てて扉を開けてまたメイド数名を呼んだ
メイドA「それじゃ、せーのでいきますよ!せーの!」
メイド達数名が剣帝を持ち上げて運び始めると、剣帝の服の上着の裾から一冊の本が落ちた
セラ「アレ?これってさっき見た…」
それは剣帝が机に広げていた赤い本だった
セラ(剣帝君頑なにコレを隠そうとしてたけど、どんな事書いてあるんだろ…もしかして剣帝君の恥ずかしい事とか書いてあるのかなぁ……)
メイドA「それでは私達は従来の仕事に戻らせて頂きます」
メイド数名はセラフォルーにお辞儀をしてから部屋を出て行った
セラ「は〜い、急に呼び出しちゃってゴメンね~」
セラフォルーはメイド達が出て行ったのを確認すると赤い本を開き読み始めた、一頁目、其処には剣帝がセラフォルーと会う少し前、駒王町に来た時の事が書かれていた
~魔王少女黙読中~
剣帝が気絶してから十分程経過した後
剣帝「う…うぅーん…」
剣帝はベットで目を覚ました
剣帝(アレ?えーっとぉ…何で俺寝てたんだ?確か…朝起きて…本を書いてて…本を…)
剣帝は自分の身体の各所を触った
剣帝「本が無い!」
剣帝は慌てて上半身を起こして辺りを見回した
剣帝(あの本は此方の世界の人に読まれるとマズイ!本は何処だぁ!)
剣帝がキョロキョロと周りを見回していると探していた本はすぐに見付かった、だが
剣帝「……マズイ!」
剣帝は慌てる様子はないが嫌そうな顔で全身をベットから起こして、立ち上がりセラフォルーの近くへと移動した
剣帝「セラ様…」
と剣帝が声をかけると
セラ「えっ?あっ、お早う剣帝君」
剣帝「おはよう御座います……じゃなくて!本返して下さい」
剣帝がそう言うと
セラ「嫌!」
とセラフォルーは本を抱き締めてしまった
剣帝「嫌と言われましても……俺の大切な物なのです!返して下さい!」
と剣帝は必死な表情で訴えかけた
セラ「………なら、一つだけ答えて…」
セラフォルーは静かに剣帝の方を見据えてそう言った
剣帝「はい?……何でしょうか?」
剣帝はセラフォルーの目を見るまでは軽く笑い混じりの表情だったがセラフォルーの目を見ると真面目な表情へと変わった
セラ「貴方は……何者なの?」
セラフォルーがそう問い掛けると
剣帝「単なる一人の元人間ですよ。というか、その質問が出るという事は二天は読みましたか」
剣帝がそう聞くとセラフォルーはゆっくりと頷いた
剣帝「そうですか……まぁ、俺の力が何処かおかしいのは最初から知っていたでしょう?」
と剣帝が聞くと
セラ「まぁ、あんな力を見せられればね」
と答えた
剣帝「でしょうねぇ…それでもそれ程とは思わなかったって所でしょう?あっ、質問には答えたんで早く返して下さい」
剣帝はそう言いながらセラフォルーの方向に手を伸ばした
セラ「うん…何時も何時も強いなぁとは思っては居たけど、まさか全盛期の二天龍を相手にしても圧倒する位強いとは思わなかった」
セラフォルーは大人しく本を手渡した
剣帝「嘘偽り無く答えてくださいね?ひいたでしょう?こんな怪物みたいなだって知って」
剣帝は本を受け取り懐になおしながらそう言った
セラ「うぅん、頼もしいなぁって感じちゃった、事実私って立場上良く襲撃されるから強い人が近くに居てくれるのってすっごく頼もしいって思うの」
セラフォルーは笑顔でそう言った
剣帝「………ハァ…ポジティブと言いますか…何と言いますか」
剣帝はそう言いながら呆れたように息を付いた
セラ「もー!さっきの溜め息なぁにー?」
とセラフォルーは少し怒ったように言った
剣帝「別に何でもありませんよ。単に緊張していた自分が馬鹿らしく感じただけです。あぁ、それから言い忘れましたが。俺は今さっきの本に書いてあった時よりは弱くなってますからね。知ってるでしょうけどもね」
剣帝はそう笑顔混じりで答えた
セラ「えー、絶対嘘でしょー!」
セラも剣帝の返答を聞いて笑顔になりながら怒ったような口調で剣帝を追い掛けた
剣帝「アハハー、本当ですよ」
剣帝はそう言いながら逃げ回っていた
剣帝「あぁ、それから……セラ」
剣帝は逃げ回るのを辞めて止まった
セラ「なぁに?剣帝君」
と止まった剣帝に抱き着きながらセラフォルーは聞いた、すると
剣帝「今度教えるから、練習しような、料理」
味噌汁の入った鍋を持ち上げながらそう言った
セラ「………美味しくなかった?」
セラフォルーが頭を少しかしげながら聞くと
剣帝「うん、言っちゃ悪いと思って黙ってたけど、かなり美味しくない……だから、ちゃんと教えてあげるからな?」
剣帝は顔を笑顔にしていた
セラ(目が笑ってない……)
その時の剣帝は冷淡な目をして居たらしい
無名「よぉ!読者諸君!毎度お馴染みの無名さんだぜ!さて、今回も早速内容の振り返りをっと……何してんだよ剣帝、それ読まれちゃマズイだろう、まぁ、本当にマズイ部分は読まれてないっぽいが…気を付けないとなぁ…後、セラフォルーの料理の不味さはかなり物もらしいぞ!主情報だ」