いやー、マインクラフト楽しいですね。
ごたごたが片づいて久々に遊んだらおおいに時間泥棒されてしまったので、ひょっとしたらプレイを文章に書き起こせば読み物になるし楽しく書き続けられるんじゃと思い、試験的に書き起こしてみました。
思いっきり試験的な企画ですが、需要があったらいいなぁ。
あ、書きかけの作品ももちろん忘れては居ませんよ?
ダイジョウブダイジョウブ、ブンショウニカキオコストイウカセヲツケテルカラ、アソビスギデフデガトマルナンテコトハナイハズナノデスヨー、タブン。
では、お話をはじめたいと思います。マイクラの世界にごー!
「え?」
気が付けば、そこは斜面だった。木々が茂り、麓の方に見えるのは湿地。そして、やけに角張った世界。
「ビルダーズ、にしちゃ木がカクカクしてるなぁ」
そっかぁ、じゃあマイクラかな、なんて言いながらあははと笑うととりあえずほっぺたをつねった。
「ベタって言うな! って、僕誰に言ってるんだか……」
わかってる、それを含んで現実逃避だ。こう、気が付いたらゲームの中でしたよなお話は呼んだことも書いたこともあるが、我が身に起きるとか誰が思うだろうか。そう言う妄想なら、したことはあるけれども。
「じゃなくって、ここがあの『マインクラフト』の世界なら――」
ぼーっとしているのは拙い。夜が来るとどこからともなく魔物が湧いてきて襲われる危険地帯、それが僕の知るマインクラフトの世界なのだから。
「難易度によっては魔物でないとも聞くけど、この世界に難易度設定があったとしても確認する術はお腹が減るかどうかと実際魔物が湧くかどうかくらいしかない訳で……」
安全なのは前者だが、だったら難しく考える必要はない。魔物が湧く前提で動いていれば自ずと結果はわかるだろう。
「じゃ、とりあえずは木を殴ろうか」
気がふれた訳ではない。このゲームの木は素手で破壊出来てアイテムに変えられるのだ。そして手に入れた原木を加工して板を作り、この板から作った作業台を使うことで、更に多くの道具が作れるようになる。
「普通なら手を怪我する、ん、だけど、な」
奇妙な光景だった。木の幹にヒビが入り、徐々に広がって砕け、アイテムと化す。
「とりあえず、ここまではゲーム通りかぁ。じゃあ――」
これも出来るはずと、原木を板にさらに作業台へ加工しようとすると、身体はすんなり動いた。流れるように残った板から何本かの木の棒を作りだし。
「ふぅ、まずは第一歩……で、つぎは『あれ』、かな」
視線を向けたのは、右手。そびえ立つ大きな山の麓にある石の露出した面だ。
「石だー!」
ゲームでも鉄器以上は僕にとって贅沢品だった。石器こそがわが愛用品。石があれば柄に使う木材は既に手元にある。
「出番だ、木のつるはし!」
懐かしさからか謎のテンションで作ったばかりの木製つるはしを振り上げ、僕は石のブロックに襲いかかる。全ては石器生活の為。
「出来たぁ! さてっと……じゃあ、もう少し丸石を確保しておこうかな」
つるはしで石を粉砕して手に入れた丸石を手にとんぼ帰り。木を殴った場所に設置していた作業台で石のつるはし、石のスコップ、石の斧、石の剣を作った僕はそのまま採石した場所に戻り。
「あ」
置くに見えたのは黒いツブツブを含んだ灰色の地面。
「石炭だ! これでたいまつも作れる!」
他にも用途はあるが、今はまだ頭上にある太陽もやがては沈む。夜に備えてたいまつを用意するのは当然だった。
「良かった良かった。木炭でも作れるけど木炭は作るのに時間と手間がかかるもんなぁ」
嬉々として黒のツブツブに近寄ると、石のつるはしを振るい。
「よーし、それじゃ今の内にたいまつを作っておこう」
再び作業台の所まで戻って12本のたいまつを作ったが、石炭は38個も残った。
「有限とはいえ、これだけあれば色々出来そうだ」
鉄鉱石を見つけて来て竈で鉄を生成する時の燃料にしてもいいし、肉を焼く時の燃料にも出来る。
「まぁ、鉄鉱石は洞窟とか地面をある程度掘ったところとかにあるのが殆どなんだけど……便利な道具は鉄がないと作れないの多いしなぁ。水を汲むバケツとか、羊を殺さず羊毛を刈るハサミとか」
今の段階ではどちらもないモノねだりでしかない。
「んー、とりあえずはこの山をもっと登ってみようか。高いところからなら周囲が見えるし、石炭を掘ったこの穴を仮の安全地帯にするにも周辺状況の確認は必須だし」
ゲームだった頃、周辺確認を怠った為に酷い目にあったことが何度かある。例えば、こういう安全地帯を作ったつもりが、壁面の上方に洞窟がぽっかり口を開けていて、外に出た直後、上から降ってきた洞窟産モンスターに背後をとられた、とか。
「あれは嫌な思い出だった」
その時降ってきたのは、匠という別称があるグリーンの自爆魔だった。プレイヤーキャラに近寄ってきて、周りを巻き込み自爆、周囲にあったモノを消失させるという凶悪極まりないモンスター。色が場所によっては保護色になるし、死角から近寄ってきて気が付いたら爆発の瞬間なんてことも結構ある心臓にも優しくない魔物だ。
「やっぱ、上は重点的に調査、対策しておかないと」
僕は手持ちの資材を幾らか消費する覚悟で今居る山を登る決意をし。
「その前に……」
樫の板で二代目の作業台を作ると石炭を掘った穴に設置、これを使ってここまでにつるはしで割った石のかけらで竈を作り、隣に設置。
「荷物入れはまだ後で良いか、つぎはドアを――」
樫の板がまた減る事になったが、ドアが無くてはこの穴を安全地帯たらしめない。
「ふぅ、これで良し」
たいまつを設置すると竈に使っても残っていた石でドアの接地面を残して穴の入り口を塞ぎ、ドアを付けて両脇にもたいまつを立てる。
「時間か道具の無い時のセーフティーエリアと言えば生け贄の台座かこの手の横穴は基本だよなぁ」
ゲームの経験がこういう活かされ方をするとは思っても見なかった。
「さてと、出ぱーつ!」
こうしてセーフティーエリアを設け、僕は登山を開始した。
「ここは、飛び越えられる、こっちは登るのに邪魔だから……壊してっと」
途中、つるはしで登るのに邪魔な岩を砕きながらの登山だ。資材もたまってまさに一石二鳥。
「ん?」
だが、手に入ったのは石だけではない。壊した石肌の向こうに一箇所石炭が纏まって埋まっている場所を見つけたのだ。
「採掘中に岩壁堀抜いて落っこちるってことはないよね」
件の石炭の場所から外側へ回り込んでわざわざ確認しようとしているのは、随分上まで登ってきている自覚があるから。
「うん、眺めもいいや。これなら頂上に行けば……あ」
もっと遠くまで見える、と続けようとした僕は湿地の一角に目をとめる。オレンジ色の塊が、点々と転がっていたのだ。
「カボチャだ。さい先が良いな」
たいまつと組み合わせれば、水の中でも使えてたいまつより明るいランタンに。幾つかの食材と合わせればパイに、並べた特定のブロックにのせればゴーレムを作り出せるという素敵作物をまさかこんなに早く見つけられるなんて。
「じゃ、あそこに行く為にも資材を集めなきゃな」
僕はつるはしを手に石炭が纏まって埋まっている場所に戻り。
「ふぅ、ちょっと寄り道になっちゃったけど……これは仕方ないよなぁ」
これで石炭は53個になる。
「あ……雪だ」
更に登った先、岩の上にうっすら積もった白く冷たいモノ。
「あそこのカボチャと合わせれば雪のゴーレムが作れたなぁ、たしか」
雨や熱で溶けてしまうことを知らず、初めて作ったガーディアン的存在に大はしゃぎしつつも、翌朝姿形がなくなっていて愕然としたのももう懐かしい思い出だ。
「シャベルはあるけど、これの回収はまた後で良いかな……もう、日が暮れる」
茜色に染まる空は美しいと思う。だが、ゲームでこの世界を知る僕にとっては焦りを覚える光景でもあった。
「戻ろう」
作業台を27個置けば埋まってしまうちっぽけな空間。だが、幾つかのたいまつに照らされたそこだけが今の僕が作り出した唯一の安全地帯だ。
「明日は、牛か羊を狩らないとな」
ゲーム通りなら動物を狩り肉を得るのはそれ程グロい光景ではないのだが、どこまでゲームの通りなのかなんて今の僕にはわからない以上、そっちに耐性のない僕としてはかなり気になるところで。
「牛の皮と羊の毛は確実に必要だからなぁ、得に羊毛」
ゲームと違ってベッドが無くては寝られないなんてこともないかもしれないが、寝袋も毛布もなく、セーフティーエリアの床はつるはしで削っただけの石。これに横になって寝られるのは野宿上級者だけだと思う。
「そもそも、ここもう少し登れば雪が積もるような場所な訳だし……ん?」
麓を見れば夕暮れの余韻が終わりかけ、闇に包まれようとしている湿地に巨大なスライムが飛び跳ねているのが見えた。時間切れだ。
「かんぜんにまものがわきだしてるじかんたいですね、ありがとうございました」
外にも幾つかたいまつを設置しておいて良かったと思う。明るい場所に魔物は湧けない。だから、村や自分の拠点などは魔物が湧かないように内外問わず明るくする湧き潰しと言われる作業をするのが基本らしい。
「羊毛は早くて明日、カボチャも明日、食事も明日、か……」
小さな安全地帯には、竈がある。
「肉さえ手に入れば、燃料は石炭がある。出来れば農業もしたいけど……」
平原で草を刈った時、小麦の種が希に手に入る。だが、中腹で周囲を見回した時見つけた草原は湿地を抜けた先、この世界に迷い込んだばかりの僕にとってかなりの遠出だ。
「旅立つにしても必要なモノを確保しない事には、ね」
纏まった食料、ある程度の道具、そして無難な量の資材。全部が揃ってから僕はここを旅立つこととなるのだろう。
「けど、夜になっちゃったら本当に暇だなぁ」
出来ることと言えば、このセーフティーエリアを掘って広げつつ資材を手に入れることぐらいだ。
「ま、丸石はたくさんあっても困るもんじゃないし……」
外に貫通しないように、あるかも知れない洞窟に繋がらないように気を配りつつ、つるはしを振るう僕。初日の夜はこうして更けて行くのだった。
まぁ、初日じゃこんなモノですよねー?
しっかし、軽い気持ちで書き始めましたが、こう、プレイ日記とか動画やマンガでやられてる方への尊敬が一段階上がった気がします。
プレイデータの検証本当に大変だわ。
強くて逃亡者の時も台詞調べるのに途中までは冒険の書新しく作ってデータとったりしてたけど……うん。