犠牲者の多い幻想郷   作:海猿

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愛のこもったチーズケーキ編

神奈子「おお、こんな所にケーキが……」モグモグ

 

 

 

神奈子「おっと、これはかなり美味いぞ?」

 

 

 

神奈子「これは……あの甘味処のやつだねえ……」

 

 

 

諏訪子「けろけーろけろ♪ ……ってああ!!」

 

 

 

神奈子「!? な、なんだ諏訪子か……驚かすんじゃないよ」

 

 

 

諏訪子「ちょ、神奈子! それ私の――」

 

 

 

神奈子「ん、諏訪子のだったのかゴメンゴメン」

 

 

 

諏訪子「ゴメンじゃないよもー……って違う!」

 

 

 

諏訪子「これ早苗のだよ!!」

 

 

 

神奈子「早苗の? そうか、それは悪いことをしたな」

 

 

 

諏訪子「大丈夫かなぁ……早苗こんなこと言ってたよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前――守矢神社

 

 

 

 

諏訪子「あれ? 早苗、どっか行ってたの?」

 

 

 

早苗「あ、諏訪子様。はい、少し里の方に……」

 

 

 

諏訪子「ふーん……で、買い物?」

 

 

 

早苗「はい! ……あ、そうだ」

 

 

 

早苗「お土産です。どうぞ」

 

 

 

諏訪子「ありがと。お、あそこのケーキかい……いいねえ」

 

 

 

早苗「はい、それじゃあ私はこれ片付けてきますので」

 

 

 

諏訪子「うん、じゃあね」

 

 

 

早苗「そういえば諏訪子様」

 

 

 

諏訪子「どうかした?」

 

 

 

早苗「あまり、この袋を漁らないでくださいね?」

 

 

 

諏訪子「う、うん……?」

 

 

 

早苗「特にこの紙袋には近付かないでくださいね!」

 

 

 

諏訪子「あ、うんわかった……(?)」

 

 

 

―――

――

 

 

現在――守矢神社

 

 

 

 

 

 

神奈子「おいおいやめろよ、ちょっと恐いじゃないか……」

 

 

 

諏訪子「と、とにかく。どうしよう」

 

 

 

神奈子「諏訪子のケーキでもこの紙袋に入れれば――」ガサゴソ

 

 

 

諏訪子「やだよ! 私のショートケーキ!」

 

 

 

神奈子「いやまあそう言わずに……あとで新しいの買ってきてやるからさ……」

 

 

 

諏訪子「うー……って紙袋の中何か入ってるよ?」

 

 

 

神奈子「何? 何だこれ……メッセージカード?」ピラッ

 

 

 

『さなえさんへ

 いつも、やさしくしてくれてありがとう。

 ぼくとおにいちゃんでつくったチーズケーキたべてね  少年より』

 

 

 

諏訪子「」パタン

 

 

 

諏訪子「うん……それじゃあ、私はたびに出てくるよ。うん」

 

 

 

神奈子「ちょっと待ってくれ」

 

 

 

諏訪子「うん。わかった私は、何も見なかった事にする」

 

 

 

神奈子「いや、あの、ね?」

 

 

 

諏訪子「どーすんの!? チーズケーキじゃん! 私のショートケーキじゃ勝てっこないよ!!」

 

 

 

神奈子「諦めるなよ! 諦めたらそこで試合終了だぞ!!」

 

 

 

諏訪子「そ、それじゃあどうするの!? このままじゃ絶対――」

 

 

 

神奈子「うっ……それ以上は言わないでくれ!!」

 

 

 

神奈子「私がケリをつける――!!」

 

 

 

神奈子「里に行ってチーズケーキを買ってくるさ!!」

 

 

 

諏訪子「それじゃあ、頑張って! じゃ、私はこれで」

 

 

 

神奈子「だから諏訪子はどうにか早苗の足止め――え?」

 

 

 

諏訪子「うん、私はたびにでるから!」

 

 

 

神奈子「ちょいまて! 頼むからさぁ!!」

 

 

 

諏訪子「いやいや、私に敵うわけ無いじゃん。だってチーズケーキだよ?」

 

 

 

神奈子「いやいや、お願いだって! こんどケーキ買ってきてやるから!!」

 

 

 

諏訪子「うーん……それじゃあ――わかった。まかされよ!」

 

 

 

神奈子「そうか! それじゃあ頼む!! 私はすぐ行って買ってくるから!!」

 

 

 

諏訪子「いってらっしゃーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「チーズケーキ一つおくれ!」

 

 

 

店員「あ、ごめんなさい。チーズケーキ売り切れです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「\(^o^)/オワタ」

 

 

 

諏訪子「そうだよねー。あそこのチーズケーキ人気だもんねー。そりゃ売り切れるのも早いよねー」

 

 

 

神奈子「どーするんだよ!!」

 

 

 

諏訪子「まあ待ちなさい、この私のショートケーキをチーズケーキと言い張れば――」

 

 

 

神奈子「無理だよ!!」

 

 

 

諏訪子「はぁ、あれも駄目これも駄目……もうあきらめたら?」

 

 

 

神奈子「うー……どうしたもんか……」

 

 

 

諏訪子「……あ! そうだ!」

 

 

 

神奈子「なんだ何か策が!?」

 

 

 

諏訪子「ショートケーキのいちごを全部取れば――」

 

 

 

神奈子「それじゃあただのプレーンじゃねえか! チーズケーキを貰ったんだぞ?」

 

 

 

諏訪子「ああ、それじゃあ……カードに書いてあったチーズケーキのチーズを消せば……」

 

 

 

神奈子「…………そんなことするぐらいなら、私は謝るさ」

 

 

 

諏訪子「か、神奈子……」

 

 

 

神奈子「自業自得っていうか……悪いのは私だからな……行ってくるよ」

 

 

 

諏訪子「行ってらっしゃい! もしかしたら早苗にめちゃくちゃ怒られた挙句晩ごはん抜きにされる可能性も無きにしもあらずだけどいってらっしゃーい!」

 

 

 

神奈子「」ビクッ

 

 

 

諏訪子「そこから皆に謝りに行って『あれ? あの神様使えねえの?』みたいなこと思われても自業自得なんだよね、そうだよねいってらっしゃーい!」

 

 

 

神奈子「……」

 

 

 

諏訪子「神奈子。それじゃあ行ってらっ――」

 

 

 

神奈子「行きにくいわ!!!」


















 その後、少しだけ怒られた神奈子。
そして、そのまま里に行き少年へのコメントに少し困った早苗。

守矢神社は今日も平和です。




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