犠牲者の多い幻想郷   作:海猿

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もやしまで後一歩

主水「守矢神社はもやし生活」

 

 

 

諏訪子「結局ゆるキャラも何もしなかったからね」

 

 

 

神奈子「仕方ないな……これだけは使いたくなかったんだが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守矢神社→里

 

 

 

主水「……んで? 里に何しに来たんだ?」

 

 

 

神奈子「まぁまぁ……黙ってこれを持って町を徘徊するんだ」

 

 

 

箱 「募金箱」

 

 

 

主水「こんなもんに金を入れる奴なんていないと思うんだが……」

 

 

 

神奈子「大丈夫だ、「恵まれない子に愛の手を!」って言えばオーケーだ」

 

 

 

主水「そうか……?」

 

 

 

神奈子「さあいくぞ!」

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

神奈子「……ん? なんだ?」

 

 

 

咲夜「本当に申し訳ございません」

 

 

 

慧音「い、いや……別に大丈夫だよ、反省もしてるみたいだし……」

 

 

 

レミリア「うーうー!」タンコブダラケ

 

 

 

咲夜「募金箱と偽って皆さんから巻き上げたお金は全額お返しします」

 

 

 

慧音「あ、ああ……」

 

 

 

 

 

神奈子「……」

 

 

主水「……」

 

 

 

神奈子「帰るか」

 

 

 

主水「そうっすねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里→守矢神社

 

 

 

諏訪子「あ、おかえり! どうだった?」

 

 

 

主水「彼女は犠牲になったのだ……」

 

 

 

諏訪子「……?」

 

 

 

神奈子「ま、まあ神があんなことしたら駄目だろ? それに途中で気づいたまでさ」

 

 

 

諏訪子「どうせなら最初から気づけばいいのに……」

 

 

 

神奈子「うーむ、しかし困ったな。この手段もダメとなると……後は」

 

 

 

諏訪子「……諦めてバイトでもしたら?」

 

 

 

神奈子「神がバイトだと!?」

 

 

 

諏訪子「なんで今回だけ神にこだわるかな?」

 

 

 

神奈子「ぶっちゃけ面倒臭いな」

 

 

 

諏訪子「それじゃあもやし?」

 

 

 

神奈子「それはやだな」

 

 

 

諏訪子「……どっちか選ばないといけないよ?」

 

 

 

神奈子「いや! まだもう一つだけ道がある!     はず!!」

 

 

 

諏訪子「いやいや、無いから……」

 

 

 

神奈子「あれ? そういえば主水は……?」

 

 

 

主水「……いやー。神様って大変そうっすね」ズズズ

 

 

 

早苗「そうですねー」

 

 

 

神奈子「そんな現実逃避やめろ!!」

 

 

 

主水「……」ズズズ

 

 

 

神奈子「おいっ!!」

 

 

 

主水「はぁ……そこまで言うなら、最後の手段と行きますか……」

 

 

 

神奈子「最終……手段!? そんなのがあるのか……!?」

 

 

 

主水「勿論! これが成功すれば、最高十億……最低三百円!!」

 

 

 

神奈子「最高十億!?」

 

 

 

諏訪子「最低三百円って……それ……」

 

 

 

主水「ロト7ッ!!」

 

 

 

諏訪子「やっぱり宝くじ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後・・・

 

 

 

 

主水「さて……今日が運命の日ですよ」

 

 

 

神奈子「そ、そうだな……」

 

 

 

主水「一応、早苗に買ってきて貰ったから、それなりに当たるはず……!」

 

 

 

諏訪子「うーん。取り敢えず、新聞の日にち確認しとこう? 絶対新聞の日にち間違えてるオチになるのが目に見えてるからさ……」

 

 

 

主水「……新聞の日にちはオッケー……さ、いくぞ!」

 

 

 

神奈子「よし!」

 

 

 

諏訪子「(当たってるわけ無くね?)」

 

 

 

神奈子「あ」

 

 

 

主水「お?」

 

 

 

諏訪子「……?」

 

 

 

神奈子「当たったー!!」

主水「おおおーっ!!」

 

 

 

諏訪子「マジで!?」

 

 

 

神奈子「三百円!」

 

 

 

諏訪子「それ絶対当たるやつ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はて さて

 守矢神社の

 大冒険

 このさき いったい

 どうなりますことやら…

 では つづきを

 おたのしみに!




神奈子「あーあ、結局当たってないよ……」



諏訪子「だろうね……」



主水「もう……バイトしろよ」



神奈子「ヤダー!」



諏訪子「わがままだなぁ……」



神奈子「そうだ! じゃんけんで負けたヤツがバイトしてくるってのは?」



諏訪子「えー……」



主水「いいよ」



諏訪子「いいの!?」



主水「いいよいいよ、そういうのは言い出しっぺが負けるって相場で決まってる」



神奈子「そんなに言い出しっぺの法則を信じてるのかい?」



神奈子「私の奇跡を起こす程度の能力を舐めるんじゃないよ!」



諏訪子「それ早苗の……」



主水「じゃーんけーん!」



諏訪子「てかこの勝負私も参加してんの?!」



神奈子「ポン!!」



諏訪子「チョキ」

神奈子「パー」

主水「パー」



諏訪子「あ、やった」



神奈子「何ッ!?」



主水「ふっ……1on1か……」



神奈子「クックックッ、最終ラウンドだ!いくぞッ!」



主水「じゃーんけーん!!」



神奈子「ポン!!!」



主水「(ふっ、じゃんけんを提案してきた時――本当に言い出しっぺの法則だけを頼りにこんな勝負に乗ったと思ったのか?)」



主水「(俺は幻想郷に来てから神奈子がじゃんけんのここぞという時に
    何を出すか観察していたのさッ! 
   これまでの統計を確認し、一番出てくる確率が高いのは――




    パーだッ!!!)」



主水「(これで終わりだ!!)」



主水「チョキ」

神奈子「グー」



主水「な、何ぃ!?」



主水「か、神奈子!? お前はパーを……パーを出すんじゃないのかっっ!!」



神奈子「……ふっ、そうさ。私はパーを出そうとした……さっきまでは……な!」



主水「!?」



神奈子「パーを出す前ふっと頭に疑問が浮かんだんだ……
    主水は何故じゃんけんを了承したのかってね!」



主水「それは……」



神奈子「確かに、最初の言い出しっぺの法則だけでも十分戦う判断材料にはなる……」



神奈子「だが! 主水お前はその程度の勝算じゃあ絶対にこの運否天賦の勝負はしない!」



主水「な、そんな薄い確率で勝負しようと俺の勝手だろう!?」



神奈子「いいや、違うね。お前には更に勝率を上げる『何か』があったんだ!」



神奈子「そうでもなけりゃあ疑り深いお前がこんな運否天賦の勝負をするわけがないだろうう?」



神奈子「そうと分かればもう簡単な話……私のこの勝負手『パー』を『グー』に切り替えればいい……」



神奈子「ふふ……言い出しっぺの法則を持ち出して上手く自分の戦略を隠していたようだが……私には効かないよ!!」



主水「くそっ……クソぉオオオオ!!!」



賭博黙示録神奈子――完――





諏訪子「……あ、これ全部アドリブだからね。そんな変な心理戦この二人にできるわけ無いから」





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