犠牲者の多い幻想郷   作:海猿

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犠牲者の多い永遠亭

新 「ん……ここは?」

 

 

 

輝夜「やっと起きたのね」

 

 

 

新 「輝夜……ん?」

 

 

 

新 「俺が輝夜より遅く起きただとッ!?」

 

 

 

輝夜「そんなことどうでもいいわよ!!」

 

 

 

新 「そんなことよりここはどこだ?」

 

 

 

輝夜「あら、貴方なら知ってると思ってたんだけど……」

 

 

 

新 「全く知らない」

 

 

 

輝夜「……そう」

 

 

 

輝夜「それなら、今置かれている状況を整理しましょうか」

 

 

 

新 「……窓一つ無い密室」

 

 

 

輝夜「ドア一つ見つからないわね……」

 

 

 

新 「それと……」

 

 

 

輝夜「私達に足枷が付いている……」

 

 

 

新 「一体……誰がこんな事を」

 

 

 

輝夜「さあね……」

 

 

 

新 「案外永琳さんが黒幕だったりしてね」

 

 

 

輝夜「そんなこと……う~ん」

 

 

 

新 「否定しないんだ」

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

てゐ「あーあーマイクテストマイクテスト」

 

 

 

新 「……?この声は」

 

 

 

輝夜「てゐ……?」

 

 

 

鈴仙「てゐ!てゐ!ボイスチェンジャーつけて!!」

 

 

 

てゐ「はっ!」

 

 

 

ピーピーピー  ガガッ

 

 

 

てゐ?「マイクテストマイクテストあーあー聞こえますかー?」

 

 

 

輝夜「聞こえてるわよ」

 

 

 

てゐ?「それならよかったう……よかった」

 

 

 

新 「無理してキャラ作らなくても……もうバレてっから」

 

 

 

てゐ?「うるさい!うるさい!!」

 

 

 

てゐ?「私はてゐなんかじゃない!」

 

 

 

新 「誰もてゐだなんて言ってない……」

 

 

 

輝夜「そのことはもういいから……とにかく私達をどうするつもり?」

 

 

 

てゐ?「……そうだネ。そろそろ話してあげようカ」

 

 

 

新 「何故キャラを変える……」

 

 

 

てゐ?「君たちの居るその密室は、完全に外の世界から隔離された空間であることをまず頭に入れておいて欲しい」

 

 

 

新 「戻した……」

 

 

 

てゐ?「その部屋からは一人だけ脱出することが出来る……」

 

 

 

輝夜「一人だけ……?」

 

 

 

てゐ?「そう、つまり、どちらかが死んで一人になった時、その残った人間を開放しようというわけだ」

 

 

 

新 「な、なんだってー」

 

 

 

てゐ?「それじゃあ、頑張ってねー」

 

 

 

プツン

 

 

 

輝夜「ちょ。」

 

 

 

新 「……」

 

 

 

輝夜「さて……」

 

 

 

新 「……」

 

 

 

輝夜「どうする?ここで殺し合いでもしてみる?」

 

 

 

新 「ふっ……ふふふ」

 

 

 

新 「はーはっはっはっ!!」

 

 

 

輝夜「……?」

 

 

 

新 「殺し合いでもなんでもいいが……それに関しては俺に分があるらしい……」カチャッ

 

 

 

輝夜「…‥!?それって」

 

 

 

新 「この拳銃で……」

 

 

 

輝夜「くッ……」

 

 

 

新 「呆気なく終わりだ!」

 

 

 

ぽすん・・・

 

 

 

新 「あれ?」

 

 

 

ぽすん・・・

 

 

 

新 「な、なんだとぉ?!」

 

 

 

輝夜「……ん?」コロコロ

 

 

 

輝夜「なるほどね……」

 

 

 

輝夜「こっちに弾が置いてあるわ」

 

 

 

新 「なにいッ!?」

 

 

 

輝夜「さてと……これで対等になったのだけれど……」

 

 

 

新 「ちっくしょう!!」

 

 

 

輝夜「まぁ、即決で私を殺そうとしたことは許してあげるわ」

 

 

 

輝夜「その代わり、その銃貸して❤」

 

 

 

新 「……ああ―――ってダメダメダメ!!?」

 

 

 

輝夜「何でよケチー」

 

 

 

新 「ケチとかそんな次元の問題じゃないって!!」

 

 

 

輝夜「……じゃあどうするのよ。このまま二人共衰弱死するのを待つって言うの?」

 

 

 

新 「う……それは」

 

 

 

輝夜「それならどちらかが犠牲になるしか無いのよ!!」

 

 

 

新 「そうだな……」

 

 

 

輝夜「そうよそうよ!」

 

 

 

新 「死ぬ……?」

 

 

 

輝夜「そうそう……」

 

 

 

新 「……」

 

 

 

輝夜「……」

 

 

 

新 「俺たち死ねなくね!?」

 

 

 

輝夜「詰んだわー」

 

 

 

新 「おおぃ!?」

 

 

 

新 「どうするんだよ!外出れないよ!!」

 

 

 

輝夜「……ハッ、良いこと思いついたわ!!」

 

 

 

新 「い、いいこと?」

 

 

 

輝夜「そう……その名も『蘇生待ち時間中に何とか黒幕を倒そう』作戦よ!!」

 

 

 

新 「……ん?」

 

 

 

輝夜「どちらかが死ねば外に出られる」

 

 

 

輝夜「でも私達は死ねない……」

 

 

 

輝夜「でも、死ねないってのは最終結果なだけであって、分子レベルにでも分解してやれば何分か時間が稼げるはずよ」

 

 

 

新 「な、なるほど……?」

 

 

 

輝夜「よし、それじゃあ」グッ

 

 

 

新 「よし、じゃない!!ちょっと待てなんだその握りこぶし!!?」

 

 

 

輝夜「……だから分子レベルで分解するんだって」

 

 

 

新 「いやいやいや。その役は死に慣れてる輝夜さんにお願いしたいかな……」

 

 

 

輝夜「……駄目なのよ」

 

 

 

新 「何故ぇ!?」

 

 

 

輝夜「その死に慣れてるってのが逆に駄目」

 

 

 

輝夜「死ねば死ぬほど。私達の身体は蘇生が早くなってくるのよ」

 

 

 

新 「へー」

 

 

 

輝夜「つまり、私はどんな死に方をしようが一瞬で復活するの。OK」

 

 

 

新 「おっけー……え?」

 

 

 

輝夜「よし、それじゃあ」グッ

 

 

 

新 「ちょ!ちょっと!?」

 

 

 

輝夜「何よ、まだ何かあるの?」

 

 

 

新 「俺が消えとけけば……俺が死んどけば……本当に俺をここから脱出させてくれるのか……?」

 

 

 

輝夜「ええ、勿論」

 

 

 

新 「だが断る」

 

 

 

輝夜「!?」

 

 

 

新 「この蓬生新が最も好きな事のひとつは 自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ」

 

 

 




結局……



新 「お、おおう」



輝夜「こんな感じね」



新 「凄いな……復活する場所とか指定出来るんだ」



輝夜「まあコレはかなり力を使うし、その場所を強くイメージしないと行けないからたまにしか使わないんだけどね」



新 「こんなのあるんだったら最初から言ってくれればよかったのに」



輝夜「だって犠牲者出さないとタイトル詐欺になっちゃうじゃない」



新 「そんなくだらない理由で殺さないでいただきたい」

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