犠牲者の多い幻想郷   作:海猿

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厄神 鍵山雛

豊 「あーあ、なんかお腹空いてきたなぁ」

 

 

 

豊 「お、きゅうりあんじゃん」

 

 

 

豊 「いっただっきまーす……」モグモグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとり「さぁ~、仕事サボって食べるきゅうりは美味いぞ~……」

 

 

 

豊 「お、にとり」モグモグ

 

 

 

にとり「おボッ!?」

 

 

 

豊 「? どうした変な声出して」

 

 

 

にとり「ゆ、豊それって……」

 

 

 

豊 「え? そこにおいてあったきゅうりだけど……ってにとりのだったのか」

 

 

 

豊 「ゴメンゴメン、食べちゃった」

 

 

 

にとり「くぁwせdrftgyふじこlp!!!?」

 

 

 

豊 「……にとりどうした」

 

 

 

にとり「よ、よくも……よくも私のきゅうりをッ!!」

 

 

 

豊 「?!」

 

 

 

にとり「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」ニブニブニブニブ

 

 

 

豊 「!?」

 

 

 

豊 「な、なんだかよく分からんが逃げる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊 「はぁ……はぁ……撒いたか?」

 

 

 

にとり「きゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうり」

 

 

 

豊 「やべえまだ来てる!?」

 

 

 

豊 「逃げるんだよォ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊 「ま、撒いたか!?」

 

 

 

雛 「誰だッ?!」

 

 

 

豊 「!? あ、え?」

 

 

 

雛 「鍵山――雛」

 

 

 

豊 「?」

 

 

 

雛 「私の名前。覚えておけッ」

 

 

 

豊 「あ、ハイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛 「ふぅ、なるほど。君が噂の犠牲者ってわけだ~ね」

 

 

 

豊 「まあ、詳しくは知らないんですけど」

 

 

 

雛 「ああ……そうか、ここで出会ったって事はつまり……」

 

 

 

豊 「あ? うん? ……?」

 

 

 

雛 「ああ、この包帯のことかね?」

 

 

 

豊 「聞いてないです」

 

 

 

雛 「この右腕には厄神が封じ込まれて――うぐっ?!」

 

 

 

豊 「ど、どうかしました!?」

 

 

 

雛 「ぐ、豊、私から離れろッ!!」

 

 

 

豊 「え、ええっ?」

 

 

 

雛 「は、は厄……私の理性があるうちに―――」

 

 

 

グルグル

 

 

 

雛 「…………」

 

 

 

豊 「ひ、雛さん?」

 

 

 

雛 「くっ、クックックッ――ハーッハッハッハ!!」

 

 

 

雛 「全く、此奴は自我が強すぎて敵わんのう……」

 

 

 

豊 「……」

 

 

 

雛 「おっと、自己紹介が遅れたな」

 

 

 

豊 「鍵山雛さんでしょ?」

 

 

 

雛 「我が名は『厄神 鍵山雛』」

 

 

 

豊 「鍵山雛さんでしょ?」

 

 

 

雛 「厄神 鍵山雛だ」

 

 

 

豊 「……」

 

 

 

雛 「さて、数百年ぶりに外へ出てこれたんだ……」

 

 

 

豊 「何するんですか?」

 

 

 

雛 「片っ端から人間を殺していくのも良いだろうし、そのまま人間どもの厄を……」

 

 

 

豊 「それじゃあ頑張ってください」

 

 

 

雛 「なんだ。私の事を止めたりしないのかい?」

 

 

 

豊 「そういうのは卒業してるんで」

 

 

 

雛 「ふむ。つまらんな」

 

 

 

豊 「さよなら」

 

 

 

雛 「……なッ?!」

 

 

 

豊 「……?」

 

 

 

雛 「馬鹿な!? まだ抵抗するかッ!!」

 

 

 

豊 「……はぁ」

 

 

 

雛 「く、くそっ……せめて、目の前の人間だけでも――――」

 

 

 

グルグル

 

 

 

雛 「っ――はぁ……はぁ……はぁ」

 

 

 

豊 「……ふっw」

 

 

 

雛 「こ、これで分かっただろう? 私の中には厄神が封印されているのだよ」

 

 

 

豊 「え、雛さんが厄神なんじゃなくて?」

 

 

 

雛 「いや、私の中に厄神がいるの」

 

 

 

豊 「へ、へぇ……」

 

 

 

雛 「今は私の能力により、厄神を封じ込めてるの」

 

 

 

豊 「はいはい」

 

 

 

雛 「この右腕の封印が解かれる時、世界は混沌に包まれ…………………」

 

 

 

豊 「(妖怪の山って変な人ばっか)」

 

 

 

雛 「その為に、私はこんな辺境の地で日々悪魔の研究に…………………」

 

 

 

豊 「(……もしかして昔のにとりってこの人に感化されたんじゃ……)」

 

 

 

雛 「それと、最近では幻想郷宇宙開發グループ『GSDG』との戦争の果…………………」

 

 

 

豊 「(てかにとりと雛さんの関係ってなんだろう……)」

 

 

 

雛 「やはり、私の本当の力を開放するときが来たのかもしれないな……………………」

 

 

 

豊 「(もう帰りたい)」

 

 

 

雛 「聞いているのかいっ!? 弟子一号!!」

 

 

 

豊 「あ、はい! って弟子!?」

 

 

 

『厄神 鍵山雛』の弟子になりました。

 

 

 

 

 

 

 




にとり「きゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうり」



みとり「にとり?」



にとり「きゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうり」



みとり「にとり、きゅうりここにあるわよ」



にとり「き……きゅうり!!」



みとり「はいはい、きゅうりきゅうり」



にとり「きゅーりきゅーり!」



みとり「さっさと食べなさい」



にとり「cucumber」

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