みとり「そう言えばさ、タイムマシーンってあるよね?」
にとり「……ある」
みとり「にとりってそんなのは作れないの?」
にとり「……多分、作れる」
みとり「へー。凄いね」
にとり「別に……簡単なこと」
みとり「じゃあさ、作ってみてよ。タイムマシーン」
にとり「それは駄目」
みとり「え、なんで?」
にとり「タイムパラドックスが起きてしまう」
みとり「たいむ……なんだって?」
にとり「タイムパラドックス」
にとり「タイムパラドックス、時間の逆説。それは時間軸を遡って過去のでき度とを改変した結果、因果律に矛盾をきたすこと」
みとり「う……う~ん? つまりどういうこと?」
にとり「仮に時間(軸)を遡って過去の事象に介入することが可能であるとすると、改変された過去の事象が既に確定している(観測されている)未来の事象と矛盾をきたすことがある。
例をあげるとするなら『自分が生まれる前の時代にタイムトラベルし、自分の親を殺す。結果として自分自身が生まれなくなるはずなので、存在しないはずの未来の自分が過去にやってきた結果、未来の自分が存在しなくなるという矛盾を来たす(親殺しのパラドックス)』や
『ある日、あなたは見知らぬ老人からタイムマシンの設計図を渡される。あなたはそれをもとにタイムマシンを発明し、大金持ちになる。やがて年老いたあなたはタイムマシンで過去へ向かい、かつての自分に設計図を渡す……となると一つの疑問が現れる、最初の設計図ってどこから出て来たんだ?このようなどこから出て来たのか分からないものが時空をめぐる「存在の環」が発生する可能性がある(ニワトリが先か、卵が先か)』
等、今の時間軸に大きな傷跡を残す可能性が出てくる……ので、時間軸の移動は私達、河童科学の中では禁忌とされている」
みとり「へ~……科学って難しいんだねぇ」
にとり「……それ以外なら、頼まれれば作れる」
みとり「そうね……必要になったら頼むわ。よろしくねにとり!」
にとり「了解した……」
―――――――
―――
―
みとり「って事が昔あってね」
にとり「ちょ! 何話してんの!?」
豊 「…へー……にとりにもそんな時期があったんだな……」
にとり「う……それ以上言わないで……」
豊 「いや……そういうのは別に……個人の自由だと……w思うぞ……?w」
にとり「わ、笑うなぁ!」
豊 「だって……長いしwwwwwwiki丸パクリだしwwwwwww『了解した』だってwwwwwwwwwwwwww」
にとり「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」ジタバタ
豊 「wwwwwwwwwwwwwwwww」
みとり「それにしても、不思議よね」
にとり「へ……?」
みとり「ニワトリがいないと卵が生まれないけど……ニワトリは卵から生まれる。ニワトリが卵を生むんだからニワトリが先? いいやでもニワトリは卵から……(無限ループって怖くね?)」
豊 「それなら、やっぱりニワトリが先に生まれたんだろ!」
にとり「……いやいや、卵でしょ?」
豊 「お? 卵である可能性が高いんですか?ww」
にとり「…………な、何言ってんのかなぁ?」ピクピク
豊 「でもニワトリから先に生まれたに決まってるだろ」
にとり「いやいやいやいや。卵だって!」
豊 「ニワトリ!」
にとり「卵!!」
豊 「なんでだよっ!! ニワトリ以外ありえないだろ!」
にとり「何処をどうやって考えたらニワトリになるの!? 卵に決まってんじゃん!?」
豊 「何だとぉ~!?」
にとり「なによ!?」
豊 「みとりはどっちだと思う!?」
にとり「みとりはどっちだと思う!?」
みとり「まず理由を言えよ……」
豊 「いいか? これまで生物という生物は皆進化して生きてきたんだ!」
豊 「元から卵でニワトリが生まれたなんてそんなのありえない! だからニワトリの祖先がニワトリになって卵が生まれてって感じになったんだよ!」
にとり「ハイ馬鹿ーwww ニワトリの祖先が進化した? 何? ニワトリの祖先って進化する時一瞬でニワトリになるわけ? 違う違うww少しずつ……少しづつ時間を重ねて変わっていくんだよ、だから『ニワトリの祖先』+『ニワトリになるための何か』=卵だから卵に決まってんじゃん?」
豊 「……!! ぐ、ぐぬぬ……」
にとり「勝った! これはもう勝ちましたー!!」
豊 「くっ、くそッ! ここまでか……ハッ!!」
豊 「待て! その考えには一つ――大きな欠点があるッ!!」
にとり「な、何ぃ!?」
にとり「言いがかりはやめたまえ! もう私の『ニワトリの祖先』+『ニワトリになるための何か』=卵 の式で決着がついただろう!?」
豊 「いや違う!」
にとり「何が違うと言うんだッ!」
豊 「にとり……お前はこう言ったよな? 『少しづつ時間を重ねて変わっていく』って」
にとり「言ったが……それがどうした?」
豊 「それだけで……どうして交配で進化するって……決めつけた?」
にとり「ッッ!!」
豊 「交配以外にも進化する方法はいくらでもある!!」
にとり「ぐあぁぁぁ!!! くっ。わ、私の式が崩れるとは……」
豊 「そうだな……お前の式はボロボロだ……だが」
豊 「俺の論理だって正解とは言い切れない、穴だらけだ」
豊 「だから……さ」スッ
にとり「ゆ、豊……」ガシッ
豊 「にとりの式、中々いい出来だったよ」
にとり「いいや、豊の論理だって良く出来たものだったよ」
あはは……はっはっは
みとり「なんだこれ……」
みとり「というか、二つが同時に生まれるって発想はないもんかね? そっちの方がいくらか現実味がありそうだ……」
みとり「あれ? そしたら結局どっちが先に生まれたんだ? って問に戻るような……あれれれ?」
みとり「うーん。頭がこんがらがるから、こういうことはもう二度と考えないようにしよう……」
豊 「結局、河童科学なんなんだ?」
にとり「それは私達の禁則事項で、それを他人に伝えてしまうと禁則事項になってしまう」
豊 「もう良いってそれはwそんなキャラ付け今更虚しいだけだろ?」
にとり「しかし。我々の組織ではこの禁則事項を今の時間軸まで禁則事項に守り――」
豊 「……え?」