またまたお久しぶりです。
今回は少しホモォ…くさい部分があるかもしれません
そういう関係には鳴りませんので大丈夫です。(たぶん
『妻』
出雲は追いつかない頭を必死に回しつつ質問を投げかける。
「妻ってことは、結婚してるってことだよな?何と言うか種族的にどうなんだ?」
「ええ結婚してるわよ、種族?」
「いや、エルフとドワーフってなんか確執みたいなものがあるイメージなんだけど」
「・・・懐古的な思想ね」
質問を返すミネバは少し威圧的な雰囲気を放っていた。
その雰囲気を感じた出雲は色々あったんだろうな、と邪推をしつつも言い繕う。
「あ~、すまない、別にそういうんじゃないんだ、昔見た本にな」
「へぇ~」
まだ少し懐疑的な雰囲気があるものの乗り切ったようだ。
ずっと見ていたイリスがようやっと、と言わんばかりに
「挨拶は終わった?と言ってもずっと見てたわけだけど」
「ああ、ごめんなさいね、要件があって此処に来たんですものね」
「ええ、じゃあ本題なんだけど、この二人に武器を作ってほしいの」
「そういう事ね、分かったわ」
そう言うと二人に向き直り、
「と、いう事で何かリクエストとかあるかしら?」
いきなり話を振られた二人は少し狼狽えながら絞り出す
「・・・考えさせてくれ」
と出雲、天月は
「それじゃあダガ―をお願いします。」
即決である。
イリスが了承すると、バーツが天月に近寄ってきた。
「アマツキ・・・少し来い。」
「あっはい」
そう言いながらバーツと天月は奥の部屋に連れていかれた。
「なんかホモホモしいな。オイ」
「決めた?」
「アッ、まだです」
そう言うとミネバはゆっくりでいいのよと一言添えてイリスとおしゃべりに興じ始めた。
ーーー天月ーーー
扉に入る直前、どちらにも失礼過ぎる言動が聞こえた気がしたが、
気にしないことにしよう、扉もしめておいた方がいいか・・・
これじゃあアイツが言った通り誘う男と誘われる男だな、ふぅ。
「脱げ」
オイィィィイイ!?どういう事だってばよ。
・・・いや、そうだ、冷静にならなきゃな、確かにこの人、酷いことかもしれないがガチムチのオッサンだよ、でも妻居るやん?しかも扉一枚越しにいるやん?大丈夫だよ、きっと。
そんな事を数秒ののちに考えつつも天月は防弾チョッキを外し、上半身を露わにしていく。
バーツはそれを曇りの無い鋭い眼光で突き刺すように見つめた。
少し驚いたのか目が見開かれるがすぐに何時もの鋭い目に戻る。
「なかなかのもんを持っているな」
「え?そうですか?」
驚くのも無理はない。
天月の肉体は鍛え抜かれ、人間、延いてはドワーフですらこれほど熟達された肉体を見ることは少ない、
点在する銃創や切創は熟年の兵士を彷彿とさせるものだった。
本人曰く"ほぼ全ステを高められる筋力ってのは育てておいて損は無いだろ?"だそうだ。
話を戻そう
バーツは腕に触れ、鍛えられた筋肉に内心驚きつつもバーツは肉体に触っていた
しっかし、恐らく採寸みたいなものとはいえ、触られるのはなんだかくすぐったいな。
にしてもなんつー武骨な指だな、でも触り方に何と言うか他人の肉体に触ると言う気遣いが感じられる、何と言うか・・・いい人そうだな、うん。
・・・俺はホモじゃないから何とも言えんが
馬鹿らしいことを天月が考えていると、何かが終わったのか「よし」と呟き、紙(質はよくないが)に何かを描き始めた。
天月は何をしていいかわからず狼狽えていると、
「すまない、着て良いぞ」
「あ、はい」
装備を全部付けた頃、バーツが此方を見つつ
「大丈夫か?」
「?ええ、良いですよ」
天月がそう返すとバーツが何かを描いてきた紙を見せて来た。
そこには両刃の合口(鍔の無い短刀)と鞘が描かれていた。
「何か要望が無ければこれで作るが。」
「ええ、大丈夫です。楽しみにしています。」
「・・・そう言ってもらえるとやりがいがある」
少し口達者になったバーツとやり取りをしていると、扉が開く。
「終わったかしら?」
「ああ、終わった」
「それじゃあこっちも採寸するわ」
「ああ、行くぞ、アマツキ」
「ハイ」
すれ違いざまに二人は
「随分と打ち解けたようで、」
「色々あったからな」
とあえて意味ありげに言葉を交わした。
此処まで読んでいただき有難う御座います。
物語をぶった切る形になりますが
話数的にはキリが良いので次回は整理ついでのまとめ回にしたいと思います。