今回はイリスが加わります、やっぱり説明回ですね(苦笑)
言ってしまうのはアレですが説明回って文字数稼ぐのが楽なんですよね。
それでは、どうぞ ノシノシ
ー二人+αーー
出雲は空を見上げ、紅と呼ぶまでに赤くなっている月を見つめていた。
天月はその言葉に釣られて上を見上げる、
染まった月に見惚れ、少し時間が止まる様な不思議な感覚を感じて、すぐにハッとして言葉を紡ぐ。
「紅いな、この濃さだと・・・5月か?」
この世界の月は不思議なもので季節ごとに色が変わる。
そして、季節というのは気温などの要因ではなく主にこっちの世界の旧暦を元に月の色が変わる様だ。
最初の月は普通、真ん中の月が一番濃くて、最後の月が一番薄い。
123月の春は緑色。
456月の夏は赤色。
789月の秋は黄色。
101112月の冬は青色。
こんな感じだ。そして月が替わる最後の一日は白、いわゆる俺たちになじみ深い何時もの月の色、そいえば俺たちがこっちに来た日も白色だったな、そいえば。
ということは今日は五月一日といったところだろうか?
まぁ、とりあえず今、考えることは置いておいて…
というか、俺達が空を見て物珍しそうに見ていたのがおかしかったのか、首を少し傾げ不思議そうにこちらを見てながら呟く。
「月、ですか?別に変わったところもないと思いますが」
その声に天月がハッとなり言い繕う。
「あ、ああ、すいません、此処の所町や村に行けずに森や荒野で生活していまして・・・ずっと気を張っていたんです。」
これは別に嘘じゃない。あのの森・・・光の森、だったか。
流石に異世界で気が抜けるほど二人は間抜けではない。
その前も呼ばれる少し前まで、殺し合っていた。訳だ
空を見上げ、堂々と月を楽しむ。 そんな時間は無かったし、興味もなかった。
そう思えば、感慨も深まるものだ。
「そういう事ね、それは大変だったでしょう、とりあえず私の家に招待します。すべては明日、始めましょう?」
「良いのか?そんなことまで、一応ランクアップの条件だったとしても私たちの教導をしてるんだ。仕事する時間も少ないし、それこそ食料も・・・」
「新人はそんなこと気にしなくていいのよ、それにランクアップ為にため込んでいたのよ、今使わなくて何時使うというの?」
微笑みを浮かべるイリスは女性なのに漢気を感じる風格であった。
あれ?この人、一応回復魔道士ですよね?
「イリスは本当に回復魔道士なのか?風格は前線で皆を守る騎士みたいだぞ、」
「ハハッ、それは---喜んだ方がいいのかしら?」
何とも言えない複雑な表情をしつつも、足を止める。
「さて、着きましたよ」
イリスが振り返り、手を広げそう言った。
イリスの後ろにある建物は、酒場の様だった。
「ここが私の家です」
出雲は少し驚いて
「なるほど、住み込みで酒場で働いているのか?」
「ええ、私は・・・働いているというか、此処の主人の娘なのです。」
「あ~そういう」
「とりあえず立ち話も何ですから、まだ騒がしいですが」
苦笑いを浮かべ酒場の顔のあたりが講師になっている木製の扉を奥に押し開き招待する。
それに従い二人は酒場へ足を踏み入れた。
其処にはイリスに似た垂れ目が優し気だが瞳の鋭さはいまだ健在、
明るめの茶髪に白髪が混じっていい具合に金髪になった髪をオールバックにしている。
なんというか、とてもナイスシルバーなおっさんだ、いや髪はゴールド何だけども。
そんなことを二人は考えていると、ナイスシルバー、もといイリスの父親は
「いらっしゃい、おや?イリスか、お二人さんは?」
二人は軽い身のこなしで酔っ払い蔓延るテーブル群を抜けてイリス父に軽く会釈をし、カウンター席にとりあえず座る。
イリスも酔っ払いに絡まれつつこっちに来ようとする。
「おお、イリスじゃねえか!元気だったかぁ~?」
「いやぁ、イリスちゃんまた胸大きくなった?」
胸に手を出そうとする酔っぱらいの手を手刀で叩き落し、
「悪ノリはやめなさい!また親父に頭砕かれるよ」
「ひぃ~こわいこわい、あのアイアンクローはヤバイからねぇ」
そんなこんなで酔っぱらいをあしらいここまで来たイリスと二人にイリス父は、木製のコップに入れた水を置いて
「お疲れさま、それで、このお二人さんは?」
「教導対象よ、まぁそこら辺については閉店後に話しましょう、それより何か食べ物頂戴、この二人にも」
「あいよ、というわけだお二人さん、何か食いたいものはあるかい?」
二人は顔を見合わせてすぐにイリス父に向き直ると、
「「おまかせします」」
「そうか、分かった。適当にいくつか作るから少し待ってくれ」
「ええ、ありがとうございます」「ありがと」
「いやぁ、カッコいい親父さんだね」
出雲は素直に思った事を言う、イリスは少し苦笑いをして
「そうね、頼りになる父よ、少しだけうざ・・・心配性な所があるけど」
天月もイリスの言いかけた言葉に苦笑いをしつつ
「まぁ、娘が可愛くて仕方がないんですよ、きっと」
「そうね、可愛い娘が命に関わる仕事してたら、尚更心配にもなるわよ」
「そういうものなのかしらね?」
出雲は呆れつつも微笑みつつ、自分のふとした疑問をぶつける
「そういうもんよ。
あっ、ところでいきなり話は変わるけど、スキルについて教えてくれない?本だけだと解らない事も多くて・・・」
「スキルの事も解らないのね、まぁいいわ、店が閉まるまで時間があるし教えてあげる」
此処まで読んでいただき有難うございます。
恐らく視聴者さんの予想通り、次回も説明回になると思います(苦笑)
そいえばこの国いろんな種族がいるにも関わらず未だ人間が多いですね。
何処で出そうか悩んでいます。
それでは、また、いつか ノシノシ