不幸な憲兵が提督に!?   作:A・Dson

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どうもみなさん、いかがお過ごしでしょうか?
E4輸送面を完走して、空母棲姫を吹っ飛ばしにかかってる作者です。

感想来ました!ありがとうございます!!
早速返信しようと思います。
HEBIさん
そうですね、いつの間にやら無駄にヘヴィーなお話になってしまいました(-_-;)
比叡は作者の艦隊でも初の戦艦でトップクラスの練度なので心が痛いです(´;ω;`)
もう一つについては、読めばわかるかと・・・

あとがきで、前回登場した陸軍の二人を簡単に紹介します。

では続きをどうぞ!!


第二話 不幸な憲兵激昂す!?

宿舎砲撃事件の日の夜、空は着任日からやっている見回りをしていた。

 

(俺の予想が正しければ今日、何かが起こる・・・)

 

彼は見た目からすればガサツな人間に見えるがその実頭の回転もそこまで悪くはない。

彼は、「俺を殺せなかったストレスをあの提督がため込む」とは思えなかった。

事実、あの事件後に戦艦比叡が呼び出されてそれ以降姿が見えない。

 

パラパラ・・・

(っ!!そら来た!!だが・・・場所はどこだ!?)

僅かだが鎮守府が揺れた。それに加え、彼の耳はほんのわずかではあったが、砲撃音を捉えていた。

しかしそれをもってしても、場所が把握しきれない。

 

(考えろ・・・!!懐柔したとしてもそのあとに口封じをするような奴だ、性格は割とビビりなはずだ・・・そんなやつが何かを隠すとしたらどこだ?・・・自分の部屋のように安心できる場所・・・・・・執務室か!!)

考えをまとめ、彼は執務室へ向かって走り出した。

 

~~~~~~~~~~十数分前(視点が変わります)~~~~~~~~

 

私・・・比叡は、今牢獄にいる。

 

艤装も服もボロボロだ・・・体の節々も痛い・・・

 

・・・原因は私にある。金剛お姉さまのためとはいえ、あの憲兵さんを殺そうとした。そして殺し損ねた。無実の人を殺そうとしたばちが当たったのかもしれない。

あいつは私にこう言った

 

「あの憲兵を始末すれば、貴様の姉妹艦を・・・金剛お姉さまとやらを助けてやろう」

って。

 

そのためと言われ、弾薬を補給してもらった。これであいつを始末するよう言われた。

でも、私は弾薬を一発分多く取った。何かあった時のために・・・だから・・・ここであいつを、あの提督を殺そう。そうすれば、お姉さまはまだ助かるかもしれない・・・!

幸いなことに手錠は無い。牢獄で撃つからには自分もただでは済まないだろうし、直撃もしない。でも、あいつは人間だ。爆風でも殺すには十分のはず・・・

 

コツ...コツ...コツ...

来た・・・!

 

「やあ比叡、気分は・・・」

 

ドゴオオオオオオン!!

 

爆風が襲い掛かる。でも自分は艦娘だ、ボロボロとはいえこの程度では死なない。

でもこれで・・・!!

 

 

 

 

 

「・・・それで?私が死んだかと思ったかね?比叡。」

 

うそ・・・なんで・・・?確かに爆風に飲まれたはず・・・!!

 

「よくできていただろう?あれは試作品のデコイでね、実験への協力感謝するよ。そもそもだ、私が一発分余計な弾薬を取ったことに気づかないとでも思ったかね?甘い、実に甘い。私はそこまで慢心するような人間ではない。お前たちは兵器だ。いつ暴発するかわからないようなものだ、管理はきっちりしなければな。」

 

「あれが・・・管理といえるのか・・・!!」

 

「言えるとも、弾を込め、使いつぶして捨てる、同じことだ、この銃と一緒でな。」

そういってあいつは銃を向けてきた。

 

「確かに艦娘というのは頑丈だ。こんな銃弾では死にはしないだろう。だが・・・それは万全ならの話だ。ここまでのダメージを受けた上に、脳に銃弾を受けて果たして君は耐えられるかね?」

 

答えは・・・否だ。いくら艦娘といえども頭部へのダメージは致命傷足りうる。万全ならまだわからないが、今の状態で食らえば間違いなく死ぬだろう。

 

「試させてもらおうか。その手の実験はまだしてなくてね。あそこであの憲兵を始末できれば良かったものを、できなかったのならお前はもう用済みだ。次は他の奴らに姉妹艦を盾にしてやらせればいい。お前は他の姉妹艦よりも先に沈むといい。」

 

・・・良かった。まだ、金剛お姉さまは生きている。なら、私は・・・・・・

 

タァンッ・・・!!

 

 

~~~~~~~~視点を戻します~~~~~~~~

 

執務室内

 

「ここだ、ここに何かがあるはずだ。」

くまなく探すがそれらしきものは見つからない、焦りだけが募る。

 

(くそっ、あれ以降揺れはない。ということは、唯一あった夜間演習の線も無い。確実に何かが起きている・・・!!急げ・・・手遅れになる前に・・・!)

焦りが注意散漫を生み、棚に足をぶつけてしまう。

 

「いってえ!?・・・ん?レール・・・!?ここか!!」

急いで棚を押す。しかし動力なのかなかなか動かない。

 

「くそっ!!めんどくせえっ!!」

持ってきた朱槍で棚を解体する。

その先には、無機質な扉があった。

「ビンゴだ、急がねえと!」

 

扉を開け先に進む、そこは・・・

 

「おいおい・・・マジかよ・・・こいつは・・・」

 

そこにあったのは・・・牢獄だった。中には艦娘がいる。誰もがひどいありさまだ。中には四肢が一部欠損していたり、薬物を打たれたような痕跡もあった。

 

(そうか、そういうことかよ・・・艦娘を実験体にしてやがったなあの野郎!!)

 

奥で話し声が聞こえる、彼は牢内の艦娘たちに懺悔しながら先を急いだ。

 

そして・・・

(見つけた・・・!!銃を向けてやがる!射撃は苦手だがうだうだ言ってらんねえ!!)

 

ホルスターから銃を抜き発砲する。

 

タァンッ・・・!!

 

「ぐうっ!?貴様・・・!!」

 

「ようやく見つけたぜ、ずいぶんと派手にやったみてえだなおいっ!!」

 

「・・・兵器をどうしようと私の、提督の勝手ではないかね?」

 

「そういうてめえは提督以前に人でなしだろうが!!あぁっ!?」

 

「・・・ずいぶんと余裕ぶってるが私はまだ銃を持っている。最も足には当たったがね。」

実は彼、銃を弾き飛ばそうとしたが足が微妙に滑り狙いがそれてしまったのだ。最も、何とか足に当てているあたりはさすがだが。

 

「ちっ・・・!」

 

「さあ、彼女を助けたければその銃と槍を捨ててもらおうか。」

 

「・・・・・・ほらよ」

彼は槍と銃を投げ捨てた。

 

「そんな・・・なんでですか憲兵さん!?私は・・・あなたを・・・!!」

 

「・・・本当に殺したかったわけじゃねえんだろ?しゃあねえさ。」

 

「そんな・・・私のせいで・・・また・・・」

 

「ふん、話はそこまでだ。他の奴らにやらせる手間が省けたよ。自分で始末をつけることほど確実なことは無い。」

 

「・・・はっ、やってみろよ。言っとくが、俺は動ければ即座にお前を捕らえるからな」

 

「ふん、動ければ・・・な、」

 

「や、やめてえええええええっ!!」

 

カチッ・・・

 

「ジャムだと!?」

 

(今だ!!)

 

即座に前進して動きを止めるために近くにあった槍を提督の足を狙って投げた。

 

 

 

のちに彼はこう語る、

「いや~なんであの時素手で取り押さえに行かなかったんかねえ・・・」

 

彼は確かに足を狙った。しかし彼が次に見た光景は・・・

 

 

 

・・・・・・心臓を貫かれ息絶えた提督の姿だった。

 




いかがだったでしょうか?

次回は憲兵編エピローグです。
やっぱり悪運A+ですな(白目)

では、前書きにもあったように、陸軍の二人を紹介します。

日宮 楓 (ひのみや かえで)

年齢23    陸軍憲兵中尉
空の一つ後輩で陸軍では珍しい女性憲兵。空によく引っ張りまわされる苦労人。彼が岩川鎮守府に着任したときは、「これで引っ張りまわされなくて済むわ~」とか言ってたがその後の飲み会で酔ったはずみでさみしいことを暴露、まさかのツンデレ枠だと判明した。空と同じく関東出身。

デイル・フェルグス

年齢24    陸軍憲兵大尉
空の同期で親友。彼もまた槍を使い腕前は空とほぼ互角。空とは海外(日本)での研修で出会った。海外出身だが、研修後日本へ留まり空と共に陸軍に入隊した。既婚者であり、休日には妻のグラニアと仲睦まじい姿を見ることができる。

こんなところでしょうか。憲兵の一人はモチーフがバレバレな件について(笑)

ではまた次回でお会いしましょう!!

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