洗濯機が壊れたり、Wi-Fiがお亡くなりになったりと最近空の悪運がこっちにも来たのかと感じている作者です。
二月と言えばこのイベントがあることを素で忘れていました。(どうせチョコなんてもらえませんし・・・)
さて、番外編ということで例にもれず、
1、艦隊メンバーが変わっている。
2、時間が経過しているため改二になっていたりキャラが変わっています。+空も強化。
3、一応ifルート(一部適応予定)
以上の点にご注意ください。
では、投稿します!(次回からはきちんと本編に戻ります!)
追記 2017/02/22 誤字修正をしました。
今日は二月十四日・・・すなわちバレンタインデーである。
しかし、海軍提督である空にそんなことにうつつを抜かしてる暇は・・・
「おう叢雲、これどうにかしてくんねえか?」
「・・・自分でどうにかしなさい!」
案外あった。(暇を作らざるを得なかったともいう)目の前にはチョコの山。当然書類も埋もれている。
「大体、なんでそんなにあるのよ。あなたそんなに好かれてたかしら?」
「さぁな、というか大半は上司への義理だろうしな。」
本人は気づいていないがもらったチョコの約半数はいわゆる’’本命’’というものである。
「あなた・・・そういうところには本当に無頓着よねぇ。」
「・・・まぁな。ところで、」
「何?」
空の顔が叢雲のすぐ近くに来る。
「っ!?///」
「お前さんからは無いのかい?」
「あ、ああああんたには無いわよっ!!勘違いしないで頂戴っ!!」
「・・・そうか。さて、じゃあこの大量にあるチョコをどうしますかね・・・」
そう言って空は一旦チョコの山を机から降ろす。
「・・・私は一旦部屋に戻るわ。何かあったら放送で呼んでちょうだい。」
そういって叢雲は執務室を後にした。
「やっぱり負い目に感じてるのかねぇ・・・あの時のことを。」
そう言って空は自身の群青に変色した髪をかいた。
~~~吹雪型の部屋 視点変更SIDE叢雲~~~
「はぁ・・・」
自室に戻った私は部屋に戻ってから何度目かわからないため息をついた。
思い返されるのは艦隊作戦第三法。大破した自分を庇い被弾する彼の乗艦。作戦は成功したものの、彼の意識は一週間戻らなかった。そして彼が目覚めたとき私は愕然としてしまった。彼は確かに意識を取り戻した。しかし、何かが違う。比較的長く共にいた私はそのことを感じ取った。髪は群青色になり瞳も赤くなっていたがそういうことではない。もっと奥底の、それこそ魂が変わってしまったかのような・・・
当然私はあやまった。それこそ涙を流しながら。それでも、あの人は笑って許した。戦場なんだからこんなことはいくらでもあるって。そう言って私を撫でるその手は、やっぱり変わってなくて。
それから私は貪欲に強さを求めた。あの時の過ちを繰り返さないために。彼に頼んで槍の扱いも習った。砲撃もより正確に、より早く撃つことを目指した。
そうしているうちに自分は鎮守府でもトップクラスの戦力になっていた。練度が上がり近づく練度限界。でも・・・私には指輪を受け取る資格は無い。
彼を含めた皆は気にするなという。でも、それは私のプライドが許さない。思えば、あの作戦以前から私は彼のことが好きだったのだろう。だからこそ、あれだけの傷を負わせ、彼を変えてしまった自分が許せない。
「私は・・・このままでいい・・・」
そう、私たちの距離はこれでいい。そう自分に言い聞かせ私は彼に作ったチョコを捨てようと・・・
~~~執務室 視点変更SIDE空~~~
「はぁ・・・やっぱり吹っ切れてねぇか・・・」
俺は執務をこなしながら朝の出来事を思い出す。
昨年秋にあった艦隊第三法。そこで俺は大破した叢雲を庇い意識不明の重体に陥った。実際このままだと俺は死ぬはずだったらしい。しかし、俺は意識を取り戻した。そこまではよかった。その後、鏡を見たら自分が変わってた。そして何より、自分の名前が二つあることに気づいた。
風林 空
ーー----ー(ネタバレ防止のため伏せますby作者)
そして混ざる二つの記憶。しばらくは頭痛で動くこともままならなかった。
頭痛が収まってきたころ、叢雲が来た。あいつは泣きながら今回のことを謝ってきた。
当然俺は気にしてない。むしろ守れてよかったと思ってる。いつからだろうか、いつも隣に立つ彼女のことを気にしだしたのは・・・。思えば、彼女は着任のころからの付き合いだ。秘書艦を務めた回数も鎮守府一だろう。冷めた言動の中の優しさ。ちょっとしたことで照れる顔の愛らしさ。いつの間にか、惹かれていたんだろうな。事実、あの時も叢雲が沈むって考えたら体が自然に艦を動かしてた。さて、どうしたものかねぇ・・・。
「・・・こうやって悩むのも、俺らしくないか。思い立ったら即行動、ってな。」
~~~その日の夜 19:30~~~
「おう、集まってくれたか!」
空は艦娘たちを食堂に集めた。
「なにかお話があるんですか~?」
疑問を持った山雲が空に尋ねる。
「いやぁ、流石にあれだけのチョコを一人で食べるのは無理があってな・・・そこで、」
空は巨大なチョコレートケーキを前に出す。
「「「おお~っ!!」」」
「さ、皆で食おうや。」
そう言って皆の分を切り分ける。
「それにしても・・・どうやってこんな短時間でこれほどの物を・・・」
「わりぃ、そいつは秘密ってことで。」
この催しは予想以上に盛り上がった。
~~~その後 22:00 鎮守府灯台~~~
「・・・来たか。」
「・・・まったく、こんな寒い中外に呼んでまで・・・何の用?」
「・・・お前さん。まだあの時のことを気にしてるのかい?」
「っ!」
「・・・何度も言うが気に病む必要はないんだぜ?あん時だって・・・」
「私が!!」
「っ・・・!」
「私が・・・私自身が、許せないのよ。あなたに傷を負わせて、あなたの中の何かを変えてしまった自分が。」
「叢雲・・・」
「話は終わり?なら寒いしさっさと帰らせて「待てよ・・・!」・・・まだ何かあるの?」
「俺は・・・お前のことが好きだ・・・!!」
「っ!?」
「最初は自分でも自覚が無かった。でも、あの時、お前が死ぬと思ったら、自然と体が動いた。何よりも、お前を、失いたくなかった。」
「・・・・・・」
叢雲は何も言わない。
「だからここで言わせてくれ。俺は、お前とケッコンしたい。戦いが終わったら、その先もな。」
「・・・あんたは、あなたは・・・それでいいの?」
「叢雲・・・」
「あなたを変えてしまった私でも・・・?」
「・・・お前だからいいんだ。俺は、お前と、結ばれたい。」
言い聞かせるように、自分の気持ちを伝える。
「私は・・・今までの距離でいいと思ってた。でも・・・」
叢雲の眼に涙が浮かぶ。
「そんなこと言われたら・・・我慢・・・できないじゃない・・・!!」
叢雲が空に抱き着き嗚咽を漏らす。
数分後・・・
「落ち着いたか?」
「グス・・・えぇ。」
「で、返事は?」
「・・・いいわ。あんたに一生ついて行ってあげる。だから・・・」
「・・・だから?」
「・・・浮気したら許さないわよっ!!」
そう言って叢雲は走り去る。
彼の手に、捨てきれなかったチョコを渡して。
チョコを受け取った空は一口食べつぶやく、
「・・・甘くて、うまいな。」
いかがだったでしょうか?
・・・今回は真面目なお話にしてみました。(割と行き当たりばったり)
お相手は作者の初期艦こと叢雲さんです。駆逐艦トップの練度は伊達ではありません。
こういう話を書いているとなんというか・・・空しくなりますね(-_-;)
皆さんはチョコレートはもらえましたか?作者の場合は・・・お察しください。
では、次回予告行きます、
正規空母が増えたのにもかかわらず降りない予算。このままでは鎮守府の食卓が危ない。
そんな中で空がとった行動とは・・・!?
「金が無いなら、自分で取りに行くしかないだろ!!」
次回、「不幸な提督、漁に出る!?」
では、次回の投稿でお会いしましょう!!