奈須きのこ&ワダアルコ「BBは圧倒的な後輩力とヒロイン力を持っている」
マシュ「私の立場は!?」
???「後輩キャラは私だけ。正ヒロインと後輩の座は渡さない!」
対後輩キャラ用決戦兵器。コードネーム M.K.
『謎の後輩ヒロインM』爆☆誕!
うん、ないわ...。
「やって来ました古代シュメル!さて、早速ですが、私達は今どこにいるでしょーか!?」
「知らんよ」
どこぞの謎解き冒険バラエティのオープニングみたいな台詞言ってるけど、実際ここどこだよ。
第7特異点、古代シュメル。確か、そんな所に行くという話は聞いていた。そして、レイシフト先はこの時代最大の都市だとも。
だが断言しよう。俺達がレイシフトしたのは最大の都市なんかじゃない。ましてや草原や砂漠でもない。
何を隠そう、上空200Mの地点だ。
慌てる藤丸と英霊達。だがしかし、よく考えてみて欲しい。
──俺にとっては、上空200Mとかラッキー以外の何ものでもない。何せ最高で4000Mを経験してるからね、当然だね。
別にISを展開する程では無かったが、生身の人間である藤丸を無事着地させる為にトニトルスを展開させて地上に降り立ったのだ。
そして冒頭へ戻る。正直に言って、まだ右も左も分かっていない状態です。
『調査結果が出たよー。どうやらウルクの周辺には結界が張ってあるみたいだ。その結界に弾かれた結果が空中ダイブだね』
ダ・ヴィンチちゃんからの映像越しの情報を得て、とりあえず現在置かれている状況を把握する。
ちなみに今回俺が連れて来ている英霊は静謐ちゃん、道満、モードレッドの3人だ。というか、この3人しか暇そうじゃなかった。ネロはロムルス達と用事があるなどと言い出して欠席。ジャンヌは邪ンヌやジル、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ達と、ニトクリスはオジマンやクレオパトラと各自用事があるそうで不参加。三蔵に至っては発見すら出来なかった。どうせまたどっかで藤太とかに迷惑でもかけているのだろう。
エミヤは、今厨房から抜けられると困る、とブーティカ達に止められた。オカン活躍しすぎ。
そして藤丸の引き連れる英霊はマシュ、エウリュアレ、ジャック、そして金時(騎)である。神代なんだし、神秘殺しの頼光さんとかスカサハ師匠とか連れてきたら?と提案したのだが、どちらも用事があり来れなかったそうだ。ネロ達が「ちょっと叔父上達と用事がある!」と言い出した時も思ったのだが、人理より大切な用事とは一体何なのだろうか?
まあ過ぎてしまったものは仕方がない。このメンツでやりきるしかないだろう。それに、神代とか普通に神仏が闊歩してる時代なんだろ? それって俺のホームグラウンドって事じゃないですかやだー。
「...見渡す限りの廃墟です。これではウルクまでの食料調達なども望めないかと...」
『うぅん、せめて召喚サークルが設置出来たらなぁ...。いや、カルデアの食料も底を尽きかけてるんだけどね?』
「ウチのアルトリアが本当にすいません」
綺麗な土下座をする藤丸を横目に見つつ、辺りの気配を探る。今の所強力な気配はない。ちょろちょろと動物っぽい反応はあるが、まあ俺の敵ではないだろう。
ここ神代は空気中に魔力が満ち溢れている。魔力濃度はオジマンの喚び出していたエジプト領よりも濃い。藤丸はダ・ヴィンチちゃん特性のマフラー型マスクで事なきを得ているが、俺はそんな補助具など支給されていない。まあ魔力が溢れていて力が湧いてきているので特に問題はないだろう。
というかこの時代に来てから常にカンピオーネとしての特性が働いている。つまりはこの空気中の魔力自体が神性を帯びているのだ。神代とは恐ろしいなぁ。
「ま、それは置いといて。こっちに向かってる魔獣どもを片付けるか」
「うん、解体するよ!」
『え?...あ、本当だ!今までに無いパターンだからか確認が遅れた!いやまあ凌太君がいる時はいつもそうだけど、それはいいや。兎に角、紀元前2600年、古代シュメルにおける初戦闘だ!気を引き締めて...』
「大丈夫だ問題無い。既に倒した」
「ふぅ...バラバラになっちゃった」
『ヤッフゥ!いつも以上にやる気出してるね神殺しの魔王君!』
「さすが大将の友人だ。いつ見てもゴールデンだぜ!」
まるで沖縄のシーサーを思わせるよく分からない獣を蹂躙し、再度周辺に視線を巡らす。今の魔獣の群れはあれで全部だったのか、他に襲ってくる奴はいない。まあ隠れている奴らはいるが、襲ってこないならばシカトしてても良いだろう。
とりあえず一息吐こうかと思った矢先。強力な
「どーいーてー!!!」
何となく三蔵と会合した時のデジャヴを感じたが、まあそれはそれ。声の主は何か飛行物体に乗ったまま、藤丸一直線に降ってくる。
「あの、先輩。どこからか声がしませんか?」
「間に合わない、これは躱せない」
「諦めたぞコイツ」
目に見えない強力な力の様な何かによって身動きを取らない藤丸に、例の神性を持つ“何か”が思いっきり突っ込む。死ぬ程の衝撃では無かったが、当たりどころが悪ければもしかするし、何より普通に痛そうだ。
「マ、マスター!?ご無事ですか!?今、全体的にベージュ色の物体が45°の角度で空から降って...来たの...です...が...?」
「フォウ...ハニー、フォーウ!」
「フォウよ、お前やはり知性があるな?」
「フォウ?」
明らかに「ハニー」と口にした我らが愛玩動物らしいフォウを言及しつつ、藤丸の安否を確認する為、物体の落下に伴って巻き上がった砂埃が晴れるのを待つ。
「あいたたた...」
「いたた...酷い目に遭ったわ...。まさか地上から狙撃されるなんて...。でも思ったよりダメージが少ないのは幸運ね。これも私の普段の
「やあ。さて......裁判の、時間だ!」
「ふぇ!?な、何よアンター!?」
次から次へとイベントが...。神と袂を分かつ前の時代は退屈しないなぁ。
* * * *
「まあまずはさっきの事故の示談をしよう」
「示談...?示談ってつまり裁判!?い、いいえノーよ、その手には乗らないわ!どんな接触事故にせよ、乗り物に乗っていた方が不利なんでしょ!?私知ってるんだから!」
「落ち着け」
よく分からない方向へと話が進もうとする中、なんとか目の前の神様らしき人物から情報を聞きだそうと話題の修正にかかる。
「さっきの事故は両者不注意って事でかたをつけよう。俺もその気になれば止められたのに止めなかったし」
「マスターが真面目な事言ってる...。今日は槍が降るのか...?」
「本当に槍を降らせるぞ、お前だけに」
「マスターは最初から真面目な人です」
「...モードレッドは後でオハナシがあります。まあそれはそうと、アンタ誰?神性の感じからしてまず間違いなく神仏の類だろうけど」
「...アンタ達、私を知らないって本気で言ってる?」
「あら、自分が万人に知られていると勘違いでもしているのかしら?だとしたらメソポタミアの神様っていうのは相当なナルシストの集まりなのでしょうね」
「何ですって!?...って、アナタもどこぞの神っぽいわね...」
「話をややこしくしないでくれ頼むから。俺達は異邦人なんだよ。この土地の人間じゃない」
「マスターは人間かどうかも怪しいがな」
「道満シャラップ」
ああもう面倒くさい。もういっそこの神をぶん殴るか?(脳筋思想)
「要するに、アンタ達は異邦からの客人ってこと?...にわかには信じ難いけど......ま、そういうこともあるか──いいでしょう、その話を信じます。アナタ達は何も知らないってことね?...だったら不敬、破廉恥、無礼も仕方ないか。遠い異国の野蛮人ですものね」
「言ってくれるじゃないか。野蛮人の本領を見せてやろうか?」
「凌太君シャラップ」
色々な事が面倒になってきて脳筋思想が芽生えた俺の暴言を藤丸が諫める。
「ちなみに私は何も教えないわ。でも、アナタ達は教えなさい。そう、例えば──この辺りに大切な物が落ちてなかったか、とか!」
「はい?」
「フォウ?」
『面倒くさそうだなぁ』
「それな」
いきなり抽象的な事を言い出した女神(仮)を訝しげに見る俺達。主語をしっかりと言って欲しい。
「kishaaaaaa!!」
「きしゃー?...え、北?北って言ったの?そうなの!?」
「なあマスター。こいつの耳、腐ってんのかな?」
「たぶん」
「違います、ミス・アンノウン。これは...」
『ごめん!凌太君なら既に気付いていただろうが、周りを囲まれている!さっきの魔獣と同じ反応だ!』
「まあ、俺も面倒だったからシカトしてたけど、襲ってくるなら話は別か」
「マスター達は下がってな。次は俺がやる」
相当数が隠れていたようで、パッと見で約100体のシーサー擬きが出てくる。数が数だけに、権能も使わないといけないかなー、などと思っていたらモードレッドが一歩前に出た。
「その下がれって、私にも言ってる?全く、誰にものを言ってるのかしら、このお上りさんは!」
「あ?」
「気にすんなモードレッド。神ってのはみんな可笑しいんだ」
「ちょっと、全部聞こえてるんですけど!?」
「まあまあ、ミス・アンノウン。ここはモーさんに任せて。凌太君に暴れられるよりマシだから」
「おい藤丸、それはどういう意味か、じっくり聞かせてもらおうか」
「ねぇ。私、そろそろ飽きてきちゃったんだけど」
「エウリュアレさん、もう少し我慢してください」
「おかあさん、アレ、解体していい?」
「今回は我慢してね」
「えぇー...。はぁい」
「なんなら俺っちとベアー号で奴らを一掃しても」
「ステイ」
なんだろうこれ。毎度毎度、命の危険もあるというのにのに緊張感の欠片も見受けられない。...俺のせいかな?
「とーにーかーく!ここは俺がやるっつってんだ!」
「おう。宝具も自由に使っていいぞ。今回はお咎めなしだ」
「マジで!?サンキュー、マスター!」
礼を言うとモードレッドはクラレントを構え、宝具を放つ為に俺から魔力を吸い取っていく。
何度も言うが、ここは神代だ。空気中に魔力が満ちているし、何よりカンピオーネとしての特性が働いている為、魔力量の絶対値も上がっている。モードレッドの宝具を全力解放したとしても、数十発はいけるんじゃないかな。これで封印も解くことが出来れば、あの爺さんに一矢報いる事が出来るかもしれん。
「それじゃあ蹂躙するぜぇ!これこそは、我が父を滅ぼし邪剣...『
俺という魔力炉を得たモードレッドは、それはそれは生き生きと戦った。戦闘民族か何かかな?
* * * *
「私、弱い者は助けないけど、強い者も助けないわよ?だって、強いんだから助けなんていらないでしょ?」
そういって戦闘中に離脱した女神(仮)。一体彼女は何だったのだろうか?
女神(仮)が居なくなった後も、モードレッドの働きで敵対魔獣を殲滅する事に成功した俺達。そして最後の
「初めまして、僕の名はエルキドゥ。人類と神を繋ぎ止める役割も持つ者。お会いできて光栄です、カルデアのマスター」
そう言って俺達の前に現れた彼...いや彼女か?性別不詳の人物...いや人ですらないのか?とりあえず緑がかった髪のエルキドゥを名乗る奴が現れたのだ。そしてソイツは、俺達が魔獣に囲まれている時から、少し離れた所でずっとこちらを見ていた。それに気付いていたのは俺と道満だけ。怪しい行動に出ている自称エルキドゥを信用したロマンが、コイツに着いていけなどとぬかした。正直言って俺は反対だが、良くも悪くも、最終決定権は藤丸にある。彼女が着いていくと言ったのならば大人しく着いていくだけだ。
そしてそんな事をした結果、酷い目に遭いました。
あのエルキドゥを名乗る者、奴にハメられたのである。ウルクに向かうなどと言っていたが、あれは真っ赤な嘘。上手く誘導させられ、俺達はなんの準備もなく敵陣へ乗り込む所だった。
それを阻止したのが、道中偶然遭遇した花の魔術師と名高いマーリン。ロマン曰く、「
それはそうと、フォウくんに「マーリンシスベシフォーッウ!」と言わしめた花の魔術師は幻術的な何かで偽エルキドゥを撒き、ウルクまでの道のりを案内してくれた。最初こそ、「コイツも偽エルキドゥの様に裏切るのでは?」などと勘繰っていたカルデア組だったが、彼をよく知っているであろうモードレッドの信じても良いんじゃないか発言と、何より今までに何度もカルデアへ魔力補充を行っていたという事実が発覚した為に、一応は彼を信じる事となったのだ。
そして現在。
「新加入、新加入だよー!秋の麦酒の大量加入だ!」
「王のご贔屓、ドゥムジ工房の最新作だ!」
「両替ー、両替はこちらでー!」
マーリンの案内の下、無事ウルクに辿り着いた俺達の目の前に広がる光景は、人類滅亡の危機に瀕した者達の悲観な姿ではなく、なんとまあ、とても賑わっている街並みと、顔を上げる笑顔の人々だった。
「すっごい賑わってるー!?」
「いつぞやのローマを思い出すな」
この街を知っていたマーリンを除く全員が驚嘆の声をあげる中、俺達はこの国を治める英雄王、ギルガメッシュの下へと歩き出す。
この時代の現状は、このウルクに来るまでの1日でマーリンから聞いた。
簡単に纏めると、
① 『三女神同盟』とかいう、文字通り女神達がウルクを襲っている。
② 彼女達の狙いは、ギルガメッシュが隠し持っているであろう聖杯。
③ 現在表立って攻めてきているのは、女神の1柱が生み出している魔獣のみであり、女神達による直接攻撃は受けていない。
④ 魔獣達を食い止めているのがウルクの北側に聳え立つ壁『バビロニア魔獣戦線』。
⑤ 都市のほぼ8割以上が壊滅状態。現在はウルクに難民として避難生活を送っている。
とまあ、こんなところか。
女神同盟とか何それ面倒くさそう。というか、さっきの黒髪ツインテールのアイツ、もしかしてその同盟に組みしてる女神じゃないだろうな?
もしアイツが敵だった場合でも、今のメンツならば互角以上にやりあえる自信はある。そこは問題ないのだ。そう、そこは。
「何度も言わせるな、戦線の報告は新しいもの程良い!更新を怠るな!自分達が忙しなく働いた分だけ、敵の好機が減ると知れ!楽に戦いたければ足を止めるな!」
「はっ!秘書官による粘土板作りを1時間ごとに、運搬車3台追加します!」
「良い、では次だ。本日の資源運搬の一覧はこれだけか?...エレシュ市からの物資運搬に遅延が見られるな...。街道に魔獣が出たか。東方の兵舎から20人を派遣し、魔獣共の駆逐に当たらせよ!指揮官はテムンに任せる。ヤツの地元だ、土地勘もあろう...む?なんだこの阿呆な仕切りは!パシュムの死体はエアンナに送らぬか!学者共が暇を持て余しておるわ!今こそあの小賢しい頭を働かせてやる時だ!」
「はっ!ティアマト神研究班にすぐに!こちらはギヌス市からの返信です」
「...ぬう!おのれギルスの巫女長め、ほざきおって!食糧がまだ残っているのは分かっておるわ!出し惜しみなどしても無駄だ、底を突くまで戦線に送れと伝えろ!世界が滅びては元も子もない、地上の食糧は冥界には持ち込めぬとな!──ところで、タバドの娘が産気づいたと聞いた。巫女務めを1人と、栄養のつく果実を送ってやれ。タバドには3日間の休暇を与えるが良い。孫の顔はいい英気に繋がるだろう」
...暴君が賢王してる...。
マーリンの顔パスで何事も無く王宮へ通された俺達が見たものは、カルデアに居る世界最古のジャイアニストでは無く、立派に賢王を務めているギルガメッシュだった。何あれ一周まわって怖い。
英雄王ギルガメッシュ。彼の者は紛う事無き“王”である。世界最古のジャイアンリサイタルを開くのがネロならば、世界最古のジャイアニズムの思念を持つのがギルガメッシュだ。「我も物は我の物、世界全ての財も我の物!」と豪語する彼は、今現在カルデアにてオジマンと水面下の奇妙な友情を育んでいるはずだ。ニトクリスがいつも胃を痛そうに抑えている事から、相当危なっかしいのだろう。何度ニトクリスの胃潰瘍を治療した事か...。
彼は「愉悦部」なるものをカルデア内に設立し、オジマンもその一員として入部している。どちらも「俺が1番、アイツが2番」と思っている為に一応は上手くいっているが、いつあの雪山ごとカルデアが消え去ってもおかしくはない。オジマンだけで無く、ギルガメッシュとも実際に戦った俺が保証しよう。アイツらが本気で殺り合ったら世界の半分以上は確実に滅ぶ。
ちなみに、俺もその「愉悦部」とやらの一員として数えられているらしい。何故って?そりゃお前、成り行きでギルガメッシュと戦って、『天地乖離す開闢の星』無しの状態とはいえ彼と同等以上にやりあったからね。以前に魔神柱化したオジマンを倒したという事実も重なり、俺は彼らに「
おっと、話が逸れた。
兎に角、ギルガメッシュ≒更に強い力と傲慢さを持ったジャイ〇ン、という方式が成り立つ筈である最古の王は、その暴君さを潜めて賢王として君臨していた。あんなのギルじゃねぇ、と呟く藤丸の気持ちも分かる。
「ギルガメッシュ王!魔術師マーリン、お客人をお連れした!」
「えっ...ちょっ、手...!」
「せ、先輩!待ってください、マーリンさん!」
まさかの賢王っぷりに度肝を抜かれていた藤丸を、マーリンが手を引いてギルガメッシュの前へと連れていく。どうでも良いが、迷わず藤丸の手を取ったあたり、やはり奴も円卓の一員なのだなと納得した。本当、ベディ以外碌な奴が居ねぇな、円卓の騎士。モードレッドも何だかんだでファザコンだからね、仕方ないね。
「む?」
「帰還したのですね、魔術師マーリン。ご苦労でした、王もお喜びです」
「.........(いや別に喜んでいないが、という目)」
「それで、成果の程は?」
「ダメだね、今回も空振りに終わったよ。西の杉の森には無いね、アレは。...まったく、王様が何処に置いてきたのかさえ覚えていれば、こんな事にはなっていないだろうに」
「口を謹みなさい、マーリン。粘土板を持ち帰った時、王は偶然お疲れだったのです。...極度の疲労で記憶が飛ぶなど聞いたことはありませんが、王がそう仰るのならば本当なのです。貴方は粛々と、王の命令に従っていればいい......マーリン、そちらは?見るからにウルクの民ではありませんが...」
「良い、おおよその事は理解した。シドゥリ、貴様は下がっていろ」
「ギルガメッシュ王...?“
「そのまさかよ。この玉座を暫し汚すぞ!なぁに、最悪異邦人が数人天に還るだけだ!我は忙しい、言葉を交わして貴様らを知る時間も惜しい程にな!よって、戦いを以て貴様らの真偽を計る!構えるが良い、天文台の魔術師共!そしてマーリン、貴様は手を出すな!引っ込んでいろ!」
「それは助かる。だって私は戦闘が苦手だからね!そしてアナ、すまないが、彼女らの手助けをしてあげなさい。何せあの王様、自分は器用だと言っているが、手加減なんて出来ないからね!」
「...マーリンは後で殺します。それに、別に手助けは要らないのでは?というより、あまり邪魔をしたくはないです」
「ん?それはどういう...ああ、なるほど」
マーリンが何を納得したのかは知らないが、まあ今はどうでもいい。とりあえず、今はギルガメッシュに集中しなければ。
見れば、彼はまだ天命を全うする前のギルガメッシュ王。つまりは生者だ。それに、よく分からない魔導書の様な物を取り出した事から、
魔獣達の母「...なんだ?先ほどから悪寒が止まらん...」