未来から帰って来た死神   作:ファンタは友達

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第五話(第十話)

南流魂街79地区【斬鬼】を出発した六道死生(りくどうしせい)以下6人はすでに瀞霊廷の南にある朱洼門の目の前までやってきていた

 

「よし、再度確認だ。目標は全隊長の殺害、副隊長以下は放っておいてもいいが邪魔するようなら始末しろ。以上だ」

 

六道が影内たちに再度瀞霊廷襲撃の確認を取った直後

 

「おめぇら、ここで何しているんだ?」

 

当時の朱洼門門番微錠丸(びじょうまる)が六道たちに気づいて近づいてきた

 

「朱洼門の門番か……特に何もしてないさ。ただ、この門を突破させてもらおうとしているだけだ」

 

その時微錠丸は六道たちが隊長羽織を身に着けていることに気づいた

 

「おめぇら何者だ!?悪いが、この先を通すわけにはいかぬ!!」

 

そう声を荒げ六道を攻撃しようとする微錠丸だったが次の瞬間

 

「…うるさい」

 

六道は微錠丸を真っ二つに斬っていた

 

「なっ!?」

 

微錠丸の右半身と左半身がそれぞれ別々の場所へ横たわる

 

「”下僕(しもべ)()せ”『黄泉(よみ)』」

 

始解した六道は斬魄刀を地面に突き刺した。するとその場所から先ほど斬り倒した微錠丸が現れた

 

「ぐはっ……オレァ一体…!?」

 

「朱洼門門番、門を開けてもらおうか」

 

「…!?体が勝手に…動くだと…!?」

 

そして門が開かれ、六道たち全員が難なく瀞霊廷へ侵入した

 

「さらばだ。朱洼門門番」

 

六道が指を鳴らすと微錠丸は消えてしまった

 

「さて、では散開して各々隊長を始末して回れ!瀞霊廷を蹂躙だ!!」

 

その瞬間護廷十三隊全隊長が六道たちの霊圧に気付いた

 

「隊長!なんなんですかこのとても大きな霊圧は!?」

 

椿咲が六道たちの霊圧を感じ取り焦るようにそう言った

 

「ついに来たか……。椿咲、出るぞ!!」

 

雷山が動いたと同時に他の隊の隊長たちも迎え撃つために続々と動き出した

 

雷山が五番隊舎を出たその時

 

「雷山ァ!!!」

 

雷山たちの頭上から蜂乃背がもうスピードで降りてきた

 

「な、なんなんですか!?」

 

突然の事態に動揺する椿咲

 

「やっと見つけたよ。雷山、いよいよ俺とお前の決着をつけるときが来たな」

 

「ちょっと待ってくださいよ。隊長、この人は誰ですか!?」

 

「こいつは護廷十三隊初代十番隊隊長の蜂乃背秋十(ふうのせあきと)だ」

 

「この人が初代十番隊隊長……」

 

「椿咲、気を抜くなよ。こいつは春麗よりも強いからな…」

 

「もちろんですよ!”月夜(つきよ)(まぎ)れよ”『月華(げっか)』!!」

 

椿咲が始解をするとあたりが一気に夜になった。それと同時に蜂乃背が椿咲に問いかけてきた

 

「おい、雷山の横にいるお前」

 

「はいはい、なんでしょう?」

 

「お前名前はなんて言う?」

 

「私は未来の五番隊隊長であり現五番隊副隊長・椿咲南美(つばきさきみなみ)!!」

 

「ほぉなるほど、五番隊副隊長か。そうそう今の内に言っとくが、六道が言うには俺たちの目的はあくまで現護廷十三隊の全隊長を殺害することだ。副隊長以下は殺害の予定には入ってないが、邪魔するようならお前も殺害の対象に入れることになる」

 

「へへっ!そんなの望むところですよ!」

 

「おおっなかなか威勢がいいな。だが後悔するなよ?”(みず)()まれば太古(たいこ)(かえ)る”『水内(みずうち)』」

 

蜂乃背の周りに水滴が現れ始めた

 

「行くぜ!!」

 

 

 

 *  *  *

 

 

 

影内の姿は四番隊・総合救護詰所にあった

 

「やはり、俺が負傷させた二人はここにいたか」

 

ベッドに横たわっている四楓院朝八と八道矢宵を見下ろす影内

 

「前は狐蝶寺と銀華零に邪魔されたが、今度こそお前らの最期だな」

 

斬魄刀を引き抜き振り上げる影内

 

「じゃあな、二番隊隊長と十二番隊隊長」

 

斬魄刀を振り下ろそうとしたその時

 

「ダメですよ、影内さん」

 

振り下ろそうとした手を止め振り返る影内。そこには四番隊隊長の卯ノ花烈が立っていた

 

「やれやれ、余計なことを言うもんじゃないな。いつもこうして邪魔が入る」

 

「そのお二人はまだ治療中なので、大人しく退室を願いたいのですが」

 

卯ノ花は笑みを浮かべていたが、その笑みからは威圧感が出ていた

 

「……仕方がねぇな。お前が相手となるとさすがに俺だけじゃ勝ち目がないしな」

 

そう言い再び前を向き卯ノ花に背中を向ける影内

 

次の瞬間影内は猛スピードで斬魄刀を抜き四楓院、八道の両名に斬りかかった

 

「縛道の六十一”六杖光牢(りくじょうこうろう)”」

 

その瞬間影内の胴の周りを光が取り囲んだ

 

「……さすがだな。だてに剣八をやっていただけではないな」

 

「……」

 

「で、どうするよ?」

 

鬼道で行動を制限されながらも影内は手を少しずつ動かして八道の喉元へ斬魄刀を突き立てようとしていた

 

「この鬼道じゃ俺を完全止めることは…」

 

「縛道の八十二”鏡界転(きょうかいてん)”」

 

その瞬間卯ノ花と四楓院、八道の姿は元より部屋にあったすべてのものがその場から消えた

 

「…逃げられたか。まあいい、いずれは卯ノ花もあの二人の隊長も殺すことには変わらないからな」

 

 

 

 

 *  *  *

 

 

 

 

そこから東へ少し離れたところでは九番隊隊長の如月陽水(きさらぎようすい)と九番隊副隊長の音羽音色(おとわねいろ)が六道の行く手を遮っていた

 

「おぬし、名は何という?」

 

「……」

 

「何も言いませんね」

 

六道を警戒しながら如月に話しかける音羽

 

「もう睨み合って5分くらい経とう。そろそろ名前くらい名乗ったらどうかな?」

 

「……」

 

如月に見向きもせずに歩き出す六道

 

「うむ、仕方がないのう。ワシの流儀では名前を聞いてから戦うものなのじゃが…”()みわたれ”『青天(せいてん)』」

 

始解したと同時に如月の手から斬魄刀が消えていた

 

「斬魄刀が消えただと……?」

 

如月の始解を見た六道が不思議そうにつぶやいた

 

「…よし、ちょうどいいだろう。お前を俺のコレクションの一つに加えてやろう。そうそう、俺の名前を知りたがっていたな」

 

六道は鞘から斬魄刀を引き抜き切先を如月に向けた

 

「初代護廷十三隊十二番隊隊長・六道死生(りくどうしせい)だ!!」

 

「六道死生じゃと…?」

 

如月は冷や汗をかき始めた

 

(こやつが雷山隊長の言っていた死者を蘇えらせる斬魄刀を持つという……)

 

「ついでにお前の名前を聞いておこうか。名前は何という?」

 

「九番隊隊長・如月陽水(きさらぎようすい)じゃ」

 

「九番隊隊長の如月陽水か…なるほどな」

 

「さて、身体が鈍っているだろうから思う存分やらなくてはな”下僕(しもべ)と成せ”『黄泉(よみ)』」

 

六道は始解をしたが死者を蘇らせようとしなかったので如月は不審に思った

 

「よしこれで準備万端だな」

 

「……死者を蘇らせないのか?」

 

「ほぉ、俺の斬魄刀の能力を知っているのか。まあ、雷山辺りが言ったんだろうがお前はひとつ思い違いをしている」

 

「なんじゃと…?」

 

「俺はなにも死者を蘇らせるためだけに始解をするわけじゃあない。始解をしないと使えない技というものがあるんだよ」

 

「なるほど、それを使うために始解を……」

 

「そういうことだ。六道行使(ろくどうこうし)"修羅道(しゅらどう)"」

 

如月が六道の霊圧が跳ね上がったのを感じたときにはすでに六道は如月の目の前まで迫っていた

 

「!?」

 

如月はギリギリ六道の斬撃を受け止めた

 

「おー、よく受け止めたな。さすがは隊長の事だけはあるな」

 

「はあはあ…」

 

如月は肩で息をしながら驚きを隠せないでいた

 

(こやつ先ほどまでと動きが明らかに違うぞ…!どうなっている…)

 

「解せないって顔してんな。まあ、無理もない。俺がさっき使った修羅道ってのは俺の霊圧と身体能力を一時的に上げる技だ。さっきまでの俺と動きがまるで別人だろ?」

 

「くっ…」

 

「さあ、さっさと俺のコレクションの一つになりな。九番隊隊長の如月陽水さんよぉ」

 

「残念じゃが、それは無理な話だ!!」

 

そう言うと如月は上空へ飛びあがった

 

「音羽副隊長!目を塞げ!!」

 

「何をするつもりだ…!?」

 

「”大閃光(たいせんこう)”!!」

 

その瞬間閃光弾が目の前で炸裂したような光が辺りを包んだ

 

「ぐわああぁぁ!!」

 

目を抑えながら悶える六道。その六道の前に降り立つ如月

 

「さあ、今度はこちらの番だ。六道死生!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ー追記ー
南流魂街78地区を79地区に修正しました

縛道の八十二”鏡界転(きょうかいてん)”
効果:自身が指定したものを相手の視界から消すことができる。またしばらくの間その相手は自分が指定したものに触れることもできなくなる

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