未来から帰って来た死神   作:ファンタは友達

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第四話(第九話)

瀞霊廷・一番隊隊舎内

 

そこでは帰還した銀華零、狐蝶寺の報告が行われていた。しかし四楓院朝八と八道矢宵の姿はなかった

 

「では、本当に影内本人じゃったと?」

 

「はい、間違いなく影内さんでした」

 

「うむ…誠に信じがたい話じゃが…」

 

「影内を知っている白が言うんだ、間違いないだろ。それに影内自身も白と春麗を知っていたんならなおさら本人の可能性が高い」

 

「しかし、まさか初代十三隊隊長が生きているなんてな…」

 

十一番隊隊長・大澄夜剣八(おおすみやけんぱち)がそう呟いた

 

「いや、影内は死んでいる。それは俺たちが実際に見ているから間違いない」

 

「じゃあなぜ…」

 

「それは山本、卯ノ花、白あたりはもう見当がついてるんじゃないのか?」

 

卯ノ花と白は無言で頷いた

 

「白ちゃんたちわかってるの!?私にも教えてよ!」

 

「ふっ、そういえば死者を蘇らせる斬魄刀を持ち生死不明なやつがいたっけな」

 

「えっ、それってまさか…」

 

狐蝶寺の顔色が変わった

 

「ああ、元十二番隊隊長六道死生(りくどうしせい)のことだ」

 

「…!?バカな、奴が生きているなど…」

 

元柳斎が驚きの声を上げた

 

「確かにあいつが生きているとは思わないが、死んだはずの影内が生きているとなると、あいつの斬魄刀の能力しか考えられない。少なくとも敵は六道の斬魄刀を持ってる」

 

「しかし初代十三隊の隊長たちを生き返らせて何をするつもりじゃ…」

 

「さあ、分からんが隊士や隊長を襲撃したということは十三隊を潰そうとしているのは確かだな」

 

「うむ…」

 

「まあ、警戒することに越したことはないな」

 

「…全隊長に命ず、これより戦の準備にかかれ。奴らがいつ攻めてきても全身全霊を込め相手が誰じゃろうと油断せず髄から粉々に打ち砕け!!」

 

全隊長は一礼し一番隊舎内議場を後にしていった

 

「やれやれ、今度はあの破面より厄介な奴らが相手になったな」

 

一番隊舎を後にした雷山は狐蝶寺とともにそれぞれの隊舎へと戻っていた

 

「ホントだよね、六道君は何を考えてるんだろうね」

 

「ついこの間破面の事件と椿咲の誘拐があったてのに、ここ最近物騒じゃねぇか」

 

「400年前と比べたら平和でしょ」

 

「あの時と比べても異常だろ」

 

(未来の時代の藍染が起こした事の方がまだ可愛く思えるくらいだ。……ん?待てよ、確かあの時見た隊の記録にはこんな出来事書いてなかったような…)

 

「雷山くーん?ちょっと聞いてるー?」

 

気づくと狐蝶寺が雷山の顔を覗き込んでいた

 

「悪い、聞いてなかった」

 

「……なんか雷山君最近考え事が多くなったね。どうかしたの?」

 

「お前と違って考えることが多いんだよ」

 

「ひどい!!」

 

狐蝶寺はその後雷山が見えなくなるまで散々喚き散らしたのだった

 

「戻ったぞ。…あ?」

 

隊長執務室に入るがそこには誰もいなかった

 

(…下らんことしやがって)

 

雷山は何事もなかったかのように自分の席につきこれからどうするかを考え出した。

 

すると突然雷山の背後に椿咲が表れた

 

「隙あり!!油断しましたね、隊長」

 

椿咲は席に座る雷山に拳骨を仕掛けたが

 

「あり?」

 

気がつくと目の前から雷山が消えていた

 

「……まーた失敗かぁ」

 

「お前はワンパターンなんだよ。毎度毎度同じことをしやがって、そんなに俺を出し抜きたけりゃもっと自分の力を磨け」

 

「隊長、そろそろ陽炎写(かげろううつし)を解いて出てきてくださいよー」

 

「やれやれ…」

 

すると隊長執務室の入り口付近に雷山の姿が現れた。それを見てニヤリと笑う椿咲

 

「おりゃー!」

 

椿咲は再度雷山に向けて拳骨を仕掛けたしかし雷山はそれを難なく受け止めていた

 

「だからワンパターンだって言ってるだろ。今はお前とこんなことしてる暇はない、話すことがあるからさっさとそこに座れ」

 

言われたとおりに椅子に座る椿咲

 

「それで、話って何なんですか?」

 

「さっき白と春麗が戻ってきてな。相手が本物の影内だということが確認された」

 

「…確か初代十三隊の隊長は雷山隊長たちを除いたら死んでいるって言ってませんでしたっけ?まさか、生き返ったって言うことなんですか!?」

 

「ああ、そのまさかだ。俺たちの仲間に死者を蘇らせる斬魄刀を持ったやつがいてな、少なくとも相手はその斬魄刀を持っているって結論に至った」

 

「そんな斬魄刀があるなんて…」

 

「時代を飛ばす能力を持つ斬魄刀もあったんだ。死者を蘇らせる斬魄刀があっても不思議じゃないだろう」

 

「そうですけど…」

 

「まっ、そういうわけだ。近々あいつらと全面対決になるかもしれんな。それを頭に入れといてくれ」

 

「了解しましたー!」

 

椿咲はいつも通り返事をした

 

「俺が唯一お前をすごいと思えるのは、その物怖じしないところだな」

 

「いざとなったら隊長が助けてくれますし」

 

「結局俺任せかよ。そんなこと言ってるとホントに助けてやんねーぞ?」

 

「見捨てないでくださいー!!」

 

 

 

* * *

 

 

 

 

「よし、そろそろ行くぞ!」

 

蜂乃背がそう声を上げた

 

「うるさいぞ蜂乃背。それを決めるのは六道のやつだろ」

 

鬱陶しそうに影内は言った 

 

「ホントに自分勝手だねぇ。嫌になっちゃうよ」

 

猫間は自身の斬魄刀を磨きながらそう言った

 

「なんだよお前ら、俺は自分勝手じゃないしうるさくもないぞ。さっさと行って奴らを潰そうぜ」

 

「だから六道が来るまで待ってろって言ってるだろ」

 

影内と蜂乃背の言い争いが始まろうとしたその時だった

 

「うるさいな、くだらん言い争いをするな。まったく、数百年経ってもお前らは変わらんな」

 

「!?」

 

影内と蜂乃背が声のする方を見ると顔に仮面をつけた男が立っていた

 

「ようやく来たか六道。待ちくたびれたぞ」

 

「ああ、悪かったな。……全員揃ってるか?」

 

その場にいた影内、蜂乃背を含めた6人が頷く

 

「よし、では予定通り瀞霊廷へ侵攻する。目標は護廷十三隊全隊長の殺害だ。副隊長以下は生かしておいて構わないが、邪魔するようなら始末しろ」

 

「りょーかいだ」

 

「では瀞霊廷へ向け出発だ!!」

 

 

 

 

 


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