新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN 作:植村朗
ミサト「突如、NERV本部に侵入した使徒の群れ!
『こんな事もあろうかと!』
リツコはアンチA.T.フィールドの
善戦するも多勢に無勢、次第に追いつめられるミサト達…!
ついに炸裂する、ゲンドウと冬月のNERV神拳!!
迫りくる使徒共を千切っては投げ、千切っては投げ…!!
次回、新世紀エヴァンゲリオン!
『飛んで火にいる夏の使徒!汝ら死すべし、慈悲はない!』
この次も、サービスサービスゥ!
って…これマジ?」
レイ「 * *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
Y Y *」
加持「(台本を)すり替えておいたのさ!」
プリブノーボックスでの実験が始まって間もなく、その直上にある第87タンパク壁に『染みのような何か』が確認された。
原因はおそらく、搬入されたパーツに気泡が混じっていたことによる侵食。
報告を受けた情報オペレーターの青葉シゲルは、工事の
なにしろ
工期がギリギリまで圧縮されているこの状況では、イレギュラーが発生するのも無理はない。
発令所から内線を受けた伊吹マヤ二尉は、技術責任者・赤木リツコ博士にその旨を伝えた。
オートパイロット試験は重要なテストゆえ、多少の懸案事項を理由においそれとは中止するわけにはいかない。
だが同時に、この小さな
「タンパク壁の修復」と「実験の完遂」…両方やらないといけないのがNERVのつらい所だが、
「覚悟はいいか?」と問われれば「俺は出来てる」と答えるのがこの組織。
現状、実験に支障が起きていない事を理由に、リツコは続行を指示。
彼女が「碇司令もうるさいし…」とボヤくのを聞いて聞かぬふりをする情けは、職員達にも存在した。
…
……
………
事件は、模擬体経由でエヴァ零号機に微弱な出力のA.T.フィールドを発生させた時に起こった。
点滅する『
『どうしたの!?』
『シグマ・ユニットAフロアに汚染警報発令!第87タンパク壁が発熱しています!』
『第6パイプに異常発生!』
「なんだ…?何が起こってるんだ!?」
リツコの問いかけに、マヤをはじめとしたオペレーター達の緊迫した声が返る。
それを受けて、シンジが不安の声を上げた。
「なぁに、赤木博士と技術部なら大丈夫でしょ。
アレだよアレ。NERVの科学力は世界一ィィってさ」
「バカナミ、それ
サウンドオンリー表示の零号機パネルに、届かぬジト目を向けるアスカ。
根拠のない楽観は足を掬われる原因となる…
アスカは胸によぎる嫌な予感に、表情を陰らせた。
オペレーティングルームから聞こえる報告は未だ好転しない。
リツコは流石に実験を中止し、亀裂の発生したパイプ周りを隔壁で物理閉鎖させた。
しかし侵食は止まらずに壁伝いに爆発的に広がり、確実に特殊実験棟に近づいている。
『ポリソームを出して!』
リツコの号令により、無菌水槽の壁が開き、小型の無人潜水艇が数機、一対の後部スクリューを回して進み出た。
侵入者迎撃用の水中ドローン『ポリソーム』は、ホバリングするヘリコプターのような動きでエヴァ模擬体の周囲に展開する。
ポリソーム各機の『目』である水中カメラは
侵食の進む壁に狙いを定め、機体下部の銃身…レーザー射出装置を構えた。
静寂…10秒…15秒…20…
「
『『レイッ!?』』
レイの素っ頓狂な声が沈黙を破り、ミサトとリツコが同時に目を見開く。
勢いよく振り上げられる0番の模擬体の右腕。
剛腕に巻き込まれた一機のポリソームが、無残にひしゃげた。
模擬体はそのまま、自身が固定されている壁に腕を叩きつける。
実験棟全体を襲う、轟音と振動…。
オペレーター達は反射的に机にしがみつき、立っていたミサトは咄嗟に重心を落として足を踏ん張り、転倒を回避した。
「ひー!明らかに
それともこれは
くっ…また暴れだしやがったか!
邪気眼を持たぬものに、この
静まれ、あたしの右腕ぇー!」
「綾波さんっ、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!?」
「あのバカッ!早速フラグ回収してんじゃないのよ!」
…仲間二人は気が気ではなかったが、非常事態にも関わらず額にある(という設定の)
花も恥じらう中学二年生。中二病に罹患するのは仕方ないのだ。多分。
そんな緊張感のないレイをよそに、暴走状態の0番模擬体は上半身しかない身体をねじって悶え続ける。
まるで攻撃的な意思を持っているかのように、首無し巨人がオペレーティングルームに向かって手を伸ばした。
『…っ!』
リツコはコンソールのアクリル板を叩き割り、非常用のレバーを引いた。
模擬体の腕が根元から千切れて、強化ガラスに激突、蜘蛛の巣状にひび割れる。
直撃は防いだが、いかに超強度を持つ強化ガラスといえども長くは持つまい。
『パイロットは三人とも健在!
しかし、0番模擬体は未だ制御できません!このままでは危険です!』
『全プラグ、緊急射出!データとモニターは全て発令所に引き継いで!』
『
緊迫したマヤの報告に、リツコとミサトは顔を見合わせて頷き、その場にいる皆に指示を出した。
オペレーター達は書類を回収する暇もなく、出入り口へ。
ミサトとリツコが飛び出た後、扉を緊急閉鎖…
幸い、誰も溺れ死なずに済んだが、この後NERVは初めて
………
……
…
「外は…本部はどうなってるんだろう?」
「もぉーっ、裸じゃどこにも出られないじゃないのぉー!」
緊急脱出させられた子供達のエントリープラグは、
芝で緑化された地区に転がっており、シンジとアスカは不安と不満を漏らす。
レイは一人、インテリアシートに身を預け、眠っていた。
いずれはプラグから発信される電波を頼りに保安部のエージェント達が回収に来るだろうが、
情報が手に入らなければ、それもいつになるかは解らない。
「うぅ…」
うなされているのか、時折、レイの唇からは呻き声が漏れる。エントリープラグの中はある種の隔離空間。
彼女の右手の甲が、僅かに
レイは、奇妙な夢を見ていた。
崩れた建物が広がる、茫漠とした廃墟。
どこまでも広がる、血のような赤い海。
水平線の向こうには、真っ白い巨大な人の頭が横たわっている…。
それは、縦に半分になり、目を見開いて張り付いた不気味な笑いを浮かべた
思わせぶりな〆にしましたが、イロウルさんはINして即画面外にOUTしてます。
殲滅方法はTV版と同じでリナレイさんが関わる余地がないためバッサリカット。
経過などには微妙な違いがあるかもですが、それは後々出す予定。
次回、完全放置だったおじいちゃん達が本作初登場。